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キョン「何かがおかしい」 

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 21:31:15.25 ID:eFtnvFp20 [1/28]
あらすじ
キョンと長門はいつも仲良し。
だが、二人の仲に嫉妬したハルヒはこれまでにない閉鎖空間を引き起こさせた。
結果、古泉は怪我を負い朝比奈さんは空気になってしまう。
この事態を重くみた長門は苦渋の決断を下す。
キョンの記憶を改変して彼の前から姿を消したのだった。     

キョン「今日は席替えか」 
の続きです
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 21:39:54.12 ID:eFtnvFp20 [3/28]
目が覚める。

どうやら俺は眠っていたようだが妙に現実的な夢を見ていた気がした。

あの夢の中に出てきた女の子は一体誰だったのだろうか。

何かとても大切なことを忘れている。

そんな気がしてやまないが記憶が混雑しているせいもあって、あれは現実に起こり得たことだったのか。

それとも単なる夢物語であったのか。

まるで区別がつかない。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 21:49:52.30 ID:eFtnvFp20
ただ、仮に前者であったとしたら俺はその女の子になんて顔をさせてしまったのだろうか。

いずれにしろ記憶が鮮明になるからその時に改めて考えるとする。

ところでここは一体どこなんだ?

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:00:15.82 ID:eFtnvFp20
何となく辺りを見渡すと見覚えのある面々が俺の顔を見て呆然としていた。

「おう、ハルヒ」

「・・・・」

俺と真っ先に目があったハルヒに声をかけてみたが相変わらず口を開いたまま呆然としている。

何を驚いているんだが。 

「朝比奈さんまで。どうかしましたか?」

次に麗しの朝比奈さんにお声をかけると突然大粒の涙を流して泣かれてしまった。

あの、俺何かしましたか?

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:07:52.64 ID:eFtnvFp20
朝比奈さんに泣かれて狼狽えていると何だか癪に障る声が聞こえた。

「あなたは3日の間昏睡状態でいたのですよ」

・・・古泉か。

出来れば無視したい所ではあるがハルヒと朝比奈さんから事情を聞き出せない以上はこいつから話を聞くしかないんだが・・・。

ちらりと古泉の方に視線を向けると、こいつもまた目尻に涙を貯めて今にも泣きだしそうな表情をしているもんだからいつもの皮肉は止めておくことにした。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:15:51.13 ID:eFtnvFp20
その後、古泉から聞いた話はこうだ。 

下校途中に1台の車が俺たちに向かって突っ込んで来た際、運悪く俺はその車に跳ね飛ばされたらしい。

その時に頭を強く打ってしまいそのまま3日間昏睡状態に陥ったわけだと。

おいっ、どんだけ俺はついてないんだ。

まさかわが身にも交通事故が降り懸かろうとは・・・。

記憶が少し曖昧な以外は特に目立った外傷もないのは不幸中の幸いだし、あいつらが事故に巻き込まれなかっただけよしとしようか。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:21:32.05 ID:eFtnvFp20
ホッと胸を撫で下ろして一安心するのも束の間、ベットに横たわっている体を乱暴に引き起こされた。

「おっ、おい!」

正気を取り戻したのか、ハルヒが乱暴に俺の胸ぐらを掴んできたのだ。

「ハルヒ!俺は怪我人なんだぞ!?」

必死に抗議の声を上げるが、そんなことお構いなしに力強く締め上げる。

マジで苦しいんだが・・・。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:26:52.74 ID:eFtnvFp20
「涼宮さん、暴力はいけませんよぅ」

慌てて朝比奈さんが俺とハルヒの間に割って入って引き離そうと試みるがびくともしない。

ははっ、小動物のような朝比奈さんが野獣如くの力を持つハルヒには到底止められませんよ。

半場諦めて全て成り行きに身を委ねていると、目の前にいるハルヒがか細い声で何かを呟いた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:30:56.90 ID:eFtnvFp20
あまり良く聞き取ることは叶わなかったが

「心配したんだから、バカキョン」

きっとハルヒはこう言ったんだと思う。

でないと俺の胸元に顔を埋めて泣きじゃくる姿に説明がつかないからな。

俺はそっと頭に手を乗せ何度も優しく撫で続けた。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:36:50.27 ID:eFtnvFp20
それから暫くすると、いつもの調子を取り戻したのか

「あんた退院したら私たちに何か奢りなさいよね!心配かけた罰よ!」

なんて威勢のいい声で命じられるもんだから思わず頷いてしまった。

後ほど、普通は逆なんじゃないかと疑問を抱いたがベットの傍らにあるテーブルになんともまあ豪勢な果物の詰め合わせが置いてあるもんだから結局最後まで文句は言えなかった。

畜生

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:40:51.69 ID:eFtnvFp20
その後、俺たちは談笑をしたり簡単なゲームをして有意義な時間を過ごした。

まるでいつもの部室にいるような錯覚を起こしてしまうかと思ったぐらいだ。

しかし何かが欠けている。

その違和感だけは相変わらず払拭することが出来ないでいた。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:45:02.04 ID:eFtnvFp20
その日の夜。

静まり返った病室で目を覚ました。

尿意を催したからだ。

「こんな時間にトイレに行きたくなるなんてついてないな」

夜の病院は不気味で本当に幽霊が実在するんではないのかと思えてくる。

・・・とっととトイレを済まそう。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:52:08.81 ID:eFtnvFp20
トイレを済ませたついでに自動販売機を利用しようとロビーへと向かう。

すると、こんな時間に人がいるわけないのに待ち椅子には制服を着た女の子が座っていた。

暗くてよく見えないが、北高の制服だろうか。

興味心からその女の子に近づく。

カツーン。

カツーン。

俺の足音が静寂に包まれたロビーに響きわたる。

小柄で紫色の髪をして手には本を一冊持っていた。

すぐ近くまで歩み寄ると、ようやく俺の姿に気がついたのか。

女の子と初めて目があった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:58:27.90 ID:eFtnvFp20
ーーー待て。

俺はこの女の子と一度・・・いや、何度も会っているはずだ!

何一つ根拠などないが心が強くそう訴えている。

しかし、いつ。

どこでだ。

一体何をしていたのか全く思い出せない。

「元気そうで安心した」

もどかしさに苛立つ俺を尻目に女の子は一言だけそう発した。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:02:10.96 ID:eFtnvFp20
この女の子は俺のことを知っている・・・?

だが俺は知らない。

なぜ。

女の子が椅子から立ち上がりどこかに立ち去ろうとする。

慌てて引き留めようとするが、その時、頭が割れんばかりの激しい頭痛に襲われそこで俺は意識を手放した。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:04:41.55 ID:eFtnvFp20
所々手直しを加えましたが以上です。
以下から続きに入りますね。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:10:26.91 ID:eFtnvFp20
目が覚める。

どうやら俺は眠っていたようだが妙に現実的な夢を見ていた気がした。

昨夜ロビーで出会った女の子は一体誰だったのだろうか。

夜中目覚めてトイレに行った所までは記憶にある。

問題はその後だ。

その後、俺は一体何をしていたんだ?

すぐには病室には戻ったのだろうか。

それとも夢のようにロビーへと出向いたのだろうか。

記憶が曖昧でまるで検討がつかない。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:16:47.98 ID:eFtnvFp20
だが、昨夜見た夢が実際に起こり得たことだとすると俺はロビーで意識を失って倒れていることになっているはず。

近くにいた看護婦に昨夜の俺の状態を尋ねてみる。

「昨夜ですか?キョンさんはベットで熟睡されておりましたよ」

天使のような笑顔を浮かべてそう告げると仕事中なのかどこかに行ってしまった。

あれは夢だったのか・・・?

どこか腑に落ちないが、看護婦の証言がある以上は納得をしなざるを得なかった。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:21:33.08 ID:eFtnvFp20
それにしても綺麗な看護婦だったな。

朝比奈さんには申し訳ありませんが、あの方はあなた以上にお美しい。

正直言って、たまりません。

性欲を持て余す。

って、なんで看護婦さんにまであだ名で呼ばれているんだ?

カルテには本名が記載されているだろ。

「なんて言うか、不幸だ・・・」

キョンさん♪

いや、悪くはないな。

悪くは。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:28:00.42 ID:eFtnvFp20
支援感謝です!

翌日俺はティッシュボックスを買いに購買へ立ち寄る。

ベット脇に置かれていたティッシュを使い切ってしまったためだ。

会計を済ませて購買から出ると偶然にもあの看護婦と鉢会わせた。

「こ、こんにちは」

緊張のあまり声が裏替えってしまう。

情けない。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:33:06.64 ID:eFtnvFp20
「お身体の調子はいいんですか?」

相変わらず天使のような笑顔を浮かべて俺との会話に付き合ってくれる。

「はい。看護婦さんのおかげですよ」

「ふふっ、早く退院出来るといいですね?」

退院?

そうか、当たり前のことだがいずれは退院しないといけないのか。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:40:24.87 ID:eFtnvFp20
「いえいえ、看護婦さんのお顔を拝めなくなるくらいならいっそこのまま入院していてもいいかもしれません」

って、俺はなんて言うことを口走っているんだ!

「あらあら。ご冗談が上手いのね」

クスリと笑われてしまった。

恥ずかしい・・・。

「それじゃあ私はお仕事に戻らないと。またね」

「はっ、はい!お仕事頑張って下さい!」

最後にもう一度俺の顔を見て微笑むと看護婦さんは仕事に戻ってしまった。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:44:39.00 ID:eFtnvFp20
・・・こうしてはおられん。

俺はティッシュボックスを堅く握り締めると駆け足で病室へと戻った。

「ふう・・・」

今の俺はきっとこうでもしないとあの女の子のことが四六時中頭から離れないんだと思う。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/26(金) 23:52:39.43 ID:eFtnvFp20 [27/28]
その日の夜。

俺は病室を抜け出した。

またあの女の子に逢えるんではないか。

そんな淡い想いを抱いて薄暗い廊下をひたすら歩き回る。

ロビーから食堂、他の科が所属する棟まで病院全体を探し続けた。

だが、最後まで女の子と会うことは叶わなかった。

ID:aQpK6qYd0


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:02:44.70 ID:aQpK6qYd0 [1/22]
落胆の表情を浮かべながら重い足取りで自らの病室を目指す。

そして最後の廊下の曲角を曲かけた所で反射的に足を止めた。

誰かが病室の前にいる。

得体の知れない恐怖に慌てて廊下の曲角に姿を隠す。

こんな時間に何をしているんだ?

気づかれないよう息を殺して慎重に様子を確認する。

小柄な女性。

北高の制服の上に紺色のカーディガンを羽織っている。

その姿は間違いない。

あの女の子だ。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:10:05.13 ID:aQpK6qYd0 [2/22]
手には一輪の花が握られており、誰かのお見舞いに来たことが伺える。

しかしドアを眺めたまま一行に病室に入ろうとはしない。

痺れを切らし、その女の子に声をかけようと足を踏み出すと。

突然姿を消した。

「うかつ。あなたの監視に気づかず対処に遅れた」

背後から声が聞こえる。

「へ?」

振り返る間もなく一瞬にして俺は意識を失った。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:15:13.15 ID:aQpK6qYd0 [3/22]
目が覚める。

どうやら俺は眠っていたようだが妙に現実的な夢を見ていた気がした。

昨夜一輪の花を手に誰かのお見舞いに来てくれていたあの女の子。

果たしてあれは夢物語だったのだろうか。

俺の答えはノーだ。

考えみてみろ。

そうそう都合よく夢なんて見るもんか?

ましてや毎回似たような夢を見るんだ。

ありえないだろ。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:18:11.21 ID:aQpK6qYd0 [4/22]
だが夢物語でないとするとなぜ俺はいつも意識を失いベットで目が覚めるのか。

その説明が一切つかない。

その点は順を追って解明したいと思う。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:25:55.23 ID:aQpK6qYd0 [5/22]
昼下がり。

病室が妙に騒がしい。

寝転がっていた身体を起こして病室の状態を確認すると、あれはシスターだろうか。

修道服に身を包んだ女性がツンツン頭の男性に向かって腹が減ったと喚いたりかみついていたりしていた。

聞いた話によるとあの男性は上条さん、女性はインなんとかさんと言うらしい。

彼もまた不慮の事故に会い記憶を失ったそうだ。

当然あの女性のことも覚えていない。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:30:43.18 ID:aQpK6qYd0 [6/22]
だが、心だ。

心があの女性を悲しませてはいけない。

大切な女性だったんだと強く訴えているらしい。

だから記憶がなくてもあそこまで自然に振る舞える。

上条さんか・・・。

あんた、かっこいいよ。

是非ともお近づきになりたかったが、後日他の病院に移ってしまった。

残念だ。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:35:42.93 ID:aQpK6qYd0 [7/22]
その日の夜。

なぜか俺は病室では無く、薄暗い廊下のど真ん中にいた。

確か寝ていたはずなんだが・・・。

首を傾げて思慮にふけていると視界の隅に何かを捉えた。

花?

それも昨日女の子が手にしていた種類の花だ。

それを拾い上げてふと、顔をあげるとーーー。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:48:29.74 ID:aQpK6qYd0 [8/22]
目が覚める。

時刻はまだ深夜2時を過ぎたばかりだった。

あれは間違いなく夢だ。

自信を持って言える。

だが、あの夢の続きが気が係りでなかなか寝付けない。

同じ病室の患者を起こさないように俺はひっそりと病室を抜け出した。

薄暗い廊下を歩き夢に出てきた場所へと向かうと何かが床に落ちていた。

それを拾い上げる。

やはりそうだ。

あの女の子が手にしていた花だ。

周囲を見渡すと奥の廊下の曲角に誰かが姿を消した。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:56:44.75 ID:aQpK6qYd0 [9/22]
あの女の子だろうか?

不思議に思い後を追う。

その場所にたどり着くと再び奥の曲角に姿を消す誰かの後ろ姿を捉えた。

まるで俺をどこかに導いている、そんな気がした。

その後繰り返し追いかけっこをしていると、いつのまにか屋上へ続く扉の目の前にたどり着いた。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:55:20.95 ID:FqL3mJsj0 [2/13]
個室でもないのに行為におよんでいたのか……?

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 01:00:47.31 ID:aQpK6qYd0 [10/22]
>>55
カーテンのみがしかれた状態で、いつ誰が来るのか分からないスリルを楽しんでいたと捉えて下さい。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 01:07:51.39 ID:aQpK6qYd0 [11/22]
女の子がいるのだろうか。

それとも屋上に何か大切な思い出でもあったのだろうか。

呼吸を整えてドアノブに手をかける。

「まあいい。行けば何かわかるんだろ」

屋上へと出る。

外の世界は雪が降っているらしく、刺すような冷たい風に身体を振るわせながら懸命に女の子の姿を探す。

そんなに広くはない屋上を隅々まで探し回るが最後まで女の子の姿を確認することが出来なかった。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 01:11:28.37 ID:aQpK6qYd0 [12/22]
屋上にいると思ったが違ったか・・・

フェンスに背中を預けて空を見上げる。

相変わらず雪だけがしんしんと降り続いていた。

ユキかーーー。

いつだったかな。

それはいつぞやの風景を思い出させた。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 01:16:54.90 ID:aQpK6qYd0 [13/22]
確かあの日の夜も雪の降る屋上で夜景を眺めていた。

振り返るとそこにはーーがいてーーーーと告げられて。

俺はーーーーと言ってーーしたんだよな。

それにーーも頷いてくれた。

「大切な思い出だったんだがな・・・」

肝心な記憶だけがばっさりと抜け落ちていた。

俺は暫く屋上で雪を眺めていた。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 01:26:46.70 ID:aQpK6qYd0 [14/22]
それからはあの妙な夢を見ることも、女の子の姿を確認することもないまま退院の日を迎えた。

相変わらず、分からないことばかりだが確かに言えることが一つだけある。

あの女の子は間違いなく俺の大切な人だった。

それだけは自信を持って言えた。

心が。

心がそう強く訴えているのだから。 

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/27(土) 01:32:54.43 ID:aQpK6qYd0 [15/22]
退院に当たって荷物の整理をしていると一枚の栞がひらひらとベットの上から舞落ちた。

はて、本なんて持ち込んでいなかったはずなんだが。

それを拾い上げると

一言だけ栞に

退院おめでとう

そう書かれていた。

あの女の子なりに俺の退院を祝ってくれているのだろうか。

俺は大事にそれをポケットにしまった。

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 23:51:52.81 ID:aQpK6qYd0 [20/22]
学校編

「行ってきます」

妹とお袋に見送られて玄関を出る。

妹が不安気な表情を浮かべて俺を見つめていたから、出来る限り早く帰って安心させてやることにしよう。

大分心配かけたしな。

さて、今日から学校に復学することになったわけだが。

なんとなく気になって家の辺りを見渡す。

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 23:55:55.91 ID:aQpK6qYd0 [21/22]

・・・誰もいないか

いや、誰とも約束をしてないんだから当然だろ。

何馬鹿なことを考えているんだが。

いつまでも寝ぼけてはいられないぞ。

マフラーを巻き直してわが家を後にする。

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 23:58:57.29 ID:aQpK6qYd0 [22/22]
そういえば。

あの女の子も北高の制服を着ていたっけかな。

ははっ、案外俺の同級生だったりしてな。

まあ何にせよ。

学校に行けば何かまた思い出すだろうな。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:09:05.28 ID:C1DQYrZl0 [2/32]
久しぶりに教室に入る。

するとあれほど賑やかだった教室が一瞬にして静まり返った。

それもそうだろうな。

一ヶ月以上も休学していたんだから注目を浴びるのも仕方ない。

誰にも視線を合わせず自分の席を探す。

どうやら事故に遭ってから席替えは行っていないようだ。

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:14:50.93 ID:C1DQYrZl0 [3/32]
忌まわしき教卓前の席に座ると隣の席の奴が俺の肩を叩く。

ん?

視線を向けるとそいつは黒板を指さしていた。

何事だと思い黒板に目をやると。

退院おめでとう!

っとカラフルな文字で黒板が装飾されていた。

呆気にとられていると今度はクラッカーの音が一斉に鳴り響いた。



116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:21:09.90 ID:C1DQYrZl0 [4/32]
サプラーイズ。

一体誰なんだ、こんな素敵な企画を考えてくれたのは。

感激の余り暫し言葉を失っていると

少しは何か反応を示すなりしてくれたらどうなのよ!

すぐ傍からハルヒの罵声が聞こえる。

どうやらこいつがこの企画の発案者らしい。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:28:55.42 ID:C1DQYrZl0 [5/32]
「そうは言ってもだな・・・」

何だか気恥ずかしくて言葉を濁す

「焦れったいわね!いいからこっちに来なさい!」

乱暴に席を立たされると、そのまま教卓に引きずり出されてしまった。

「さあ、キョン!今の心境をみんなに話してあげなさい!」

「うっ・・・」

みんなの視線を一身に浴びる。

「えっ・・・と」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:32:05.07 ID:C1DQYrZl0 [6/32]
その後、俺は何を話したのか一切覚えていない。

ただ、みんなに盛大に笑われて恥をかいた。

その記憶だけはしっかりと脳裏に焼き付いていた。

畜生。

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:43:07.64 ID:C1DQYrZl0 [7/32]
放課後、担任の岡部から小包みを渡された。

どうやら以前発注した本が届いたらしい。

小包の中身を確認すると確かに一冊の本と領収書が納められていた。

はて、こんな本を購入した記憶はないが。

だが宛先には俺の住所と名前が書かれているもんだから俺の本なんだろう。

まいったな、読書なんてしないんだが・・・。

仕方ないな。

処分するのも勿体ないから部室に寄付でもしておくことにする。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 00:52:26.19 ID:C1DQYrZl0 [8/32]
翌日の放課後。

何気なく部室の本棚を眺めていると昨日寄付したはずの本がない。

誰か借りてったのだろうか。

念のため、ハルヒらに確認をとるが誰も本を借りてないらしい。

妙だな。

椅子から立ち上がり本棚の隅々まで探すが見あたらない。

しかし、その代わりに本棚からは病室で見かけた両面無地の栞が見つかった。

その栞にもただ一言だけ

本ありがとう

そうお礼を述べられた文章が書かれていた。 

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:03:22.27 ID:C1DQYrZl0 [9/32]
あの女の子か。

そういえば、あの女の子は読書が好きだったんだっけな。

もしかしたらその女の子のために日頃の感謝の気持ちを込めて本を買って上げたんだろう。

「ははっ」

なぜか自然と笑みがこぼれる。


124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:07:46.37 ID:C1DQYrZl0 [10/32]
そうだな、栞の裏に俺の言葉を書いたらどうなる。

少なくとも読んではくれるだろう。

そうと決まれば

鞄からペンを取り出して栞の裏面に言葉を書く。

遅くなって悪かった、と。

そう書き上げて再び本棚の位置に栞を戻す。

気づいてくれるだろうか。

明日が楽しみで仕方ない。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:18:07.22 ID:C1DQYrZl0 [11/32]
翌日。

栞の返事が気になって朝早くから学校に来てしまった。

職員室から部室の鍵を拝借して部室の鍵を開ける。

そして本棚を確認すると。

「おっ」

栞が昨日と違う位置に置かれていた。

もしかして。

期待を胸に栞を手にとって内容を確認すると手書きで

いい。

とだけ書かれていた。



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:23:21.24 ID:C1DQYrZl0 [12/32]
極端に内容が短い気もするが、あの女の子と会話する手段が見つかった。

それだけでも大きな収穫だった。

こうして俺とあの女の子は栞を介して文通?を始めた。 

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:31:33.84 ID:C1DQYrZl0 [13/32]
それから文通を続けていく内にあの女の子の詳細が判明してきた。

名前は長門有希。

北高に通っていて俺とは同級生らしい。

その割には一度も顔を見たことはないがな。

しかし本人がそう言うならそうなんだろ。

ついでに病院でのことを聞いてみたが、それについては一つも答えてはくれなかった。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:45:15.04 ID:C1DQYrZl0 [14/32]
そんなある日。

今日もまた栞の返答をしに朝早くに部室へと向かう。

だが栞がない。

本棚の隅々まで探すが一向に見あたらない。

「書き忘れたのか?」

首を傾げて思慮にふけていると誰もいないはずの部室から声が聞こえた。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 01:51:29.56 ID:C1DQYrZl0 [15/32]
「こんな朝早くから部室に何のようです?」

古泉が部室の入り口を塞ぐ形で立っていた。

「別になんだっていいだろ」

不機嫌さを隠そうともしないでぶっきらぼうに答える。

「ふむ、毎朝早くから部室に来ているのにですか?」

何かとても意味深長な言葉を投げかけられた。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:01:09.56 ID:C1DQYrZl0 [16/32]
「あなたが毎朝早く登校する理由はこれですよね?」

そう言って、ひらひらと栞をなびかせる。

「古泉、おまえ・・・!」

栞を取り返そうと古泉に突っかかるが、上手く交わされたあげく足を引っかけられて床に倒れ込んでしまった。

「最近あなたの様子が妙にご機嫌そうでしたから監視させていただきました」

「ですがまさか彼女と連絡を取り合っていたとは・・・。これはさすがに想定外でした」


135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:14:56.96 ID:C1DQYrZl0 [17/32]
「ところで、あなたはどこまで記憶を取り戻しましたか?」

俺に問いを投げかけながら、鋭い視線を向ける。

「・・・交換条件だ」

「なんでしょう?」

「その栞を俺に寄越せ。そしたら答えてやる」

「ふむ」

口元に手を当て俺の要求に考えを巡らす。

今回ばかりはその栞の返答を何としてでも知りたかった。

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:25:53.50 ID:C1DQYrZl0 [18/32]
なぜなら、昨日俺は栞に直接長門に会えないかと尋ねていたからだ。

その答えだけは何としてでも把握しておきたかった。

すると俺の願いが通じたのか。

「わかりました。その要求は飲みましょう」

そう言って手にした栞を本棚の位置に戻した。

俺は慌てて本棚に駆け寄って栞をポケットにしまい込む。

「それであなたの答えを聞かせてもらいましょうか?」

一息つく間もなく古泉が答えを催促する。

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:32:07.52 ID:C1DQYrZl0 [19/32]
「・・・名前だ」

「後は?」

「読書好きなことぐらいしかしらん」

「・・・本当にですね?」

念を押して確認されたが、全て事実だ。

相変わらず俺と長門の関係性は何一つ思い出せてはいないからな。

「わかりました。あなたを信じましょう」

厳しい表情から一変していつものエセスマイルに戻る。

どうやら話はここまでのようだ。

緊張の糸が解けてホッとする。

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:43:27.17 ID:C1DQYrZl0 [20/32]
「ただし、これ以上は栞を介したやり取りを禁じます。いいですね?」

「・・・わかった」

渋々とだが俺は古泉の意見に頷いた。

残念だが見つかってしまっては諦めざるを得ない。

俺の答えに満足したのだろう。

「それでは失礼致します」

古泉は律儀にもお辞儀をして部室を後にした。

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:48:19.71 ID:C1DQYrZl0 [21/32]
部室には俺一人が取り残された。

朝礼が始まるにはまだ時間があるな。

ポケットに手を突っ込む。

果たして栞にはなんと書かれているのだろうか。

仮に拒絶の言葉が書かれていたらこれ以上女の子と通じるものはない。

緊張が走る。

そっとポケットから栞を取り出してーーーー。 

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 02:54:15.25 ID:C1DQYrZl0 [22/32]
最初で最後の安価
>>143

その栞にはーーー
1.「・・・ごめんなさい」
2.「・・・承知した」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:56:06.87 ID:l0tDKPNG0
2

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 03:13:52.65 ID:C1DQYrZl0 [25/32]
週末の土曜日。

俺は朝早くから図書館に来ていた。

当然まだ開店時間ではないから外で待機している。

あの時、俺は栞に

週末の土曜日図書館で会えないか?

と長門に尋ねて、次の日了承の意を貰ったのだ。

古泉に文通での会話を禁止にはされたが、栞の内容までは理解していなかったようだ。

でなければ週末の土曜日までに色んな根回しをされていただろうからな。 

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 03:16:27.28 ID:C1DQYrZl0 [26/32]
もう3時か・・・zZZ

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 03:28:32.90 ID:C1DQYrZl0 [27/32]
しかし待ち合わせ時間を指定していなかったのは痛かったな。

あれからは連絡を取る手段がなかったし。

まあ待ち合わせ場所を決めていないよりは大分ましだが。

さて、長門は何時に来てくれるのだろうか。

病院のロビーで会って以来の再会なんだ。

非常に待ち遠しい。

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 03:40:07.51 ID:C1DQYrZl0 [28/32]
そもそもなぜ再会場所に図書館を選んだんだ俺は?

もっと他にも良い場所があったはずだ。

洒落た喫茶店とかな。

以前の俺だったらそのことに首を傾げていただろう。

だがこの図書館もまた俺と長門にとっては思い出深い場所だったんだ。

読書好きの長門のために俺は図書カードを作ってやった。

その時の様子を今でなら鮮明に思い出すことができる。

「まだ、来ないか・・・」

時間は昼を回る前だった。

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/28(日) 03:50:55.94 ID:C1DQYrZl0 [30/32]
時計が12時を指し示す。

そろそろ腹が減ってきた。

一応図書館のすぐ傍にコンビニがあるが、そこに行ってしまえばすれ違いになってしまうかもしれない。

すると俺がいないもんだと判断して帰ってしまう可能性だって否めない。

その事態だけは何としてでも避けたかった。

空腹を紛らわせるために本を一冊借りに行く。

どれも小難しそうな本ばかりだが本を読む以外やることがない。

適当に本を選んで読み始めるがすぐに深い眠りへとついてしまった。

続きます

Tag : 涼宮ハルヒの憂鬱

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