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女「あなたとさようなら」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 10:55:19.53 ID:BYzonKzN0 [1/48]
2月13日

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/28(月) 11:16:38.34 ID:BYzonKzN0 [3/48]
晴「ふうむ」

男「ふむ」

晴「うーん」

男「ふうん」

晴「ん」

男「いいか」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:17:41.07 ID:BYzonKzN0 [4/48]
男「ほい」

晴「はい」

晴「やりい。千円ゲット~」

男「むう」

晴「はい。ちょうだい」

男「学生から金巻き上げるなよ」

晴「そっちだって、フリーターから金巻き上げる癖に」

男「俺未成年だもの」

晴「三つしか違わないのに」

女「よく飽きないね」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:19:38.70 ID:BYzonKzN0
男「お前のゲームと似たようなもんだよ」

女「これ?こんなのとっくに飽きてるよ」

男「じゃあ、どうしてしてるの」

女「惰性だよ」

晴「わかってるのにやめないんだね」

女「それをいわれると痛いけど」

晴「わかってるのにやめられないことってよくあるよね」

男「例えば?」

晴「熱いコーヒーを音を立てて飲んじゃう。ふーふーせずに」

女「すごくどうでもいいことだね」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:20:41.77 ID:BYzonKzN0
晴「ゲームしてるときの女ちゃんって、なんだか近寄りがたいよね」

女「そう?」

男「あんまり熱が入ると口開いてるし」

女「うそだあ」

晴「せっかく今までいってなかったのに」

女「本当に?」

男「開いてるというか変な形になる」

晴「それだけ一所懸命ってことだね」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:21:43.93 ID:BYzonKzN0
女「もうやめた」

男「やめちゃったよ」

晴「男くんが変なこというから」

男「だって本当だもの」

晴「たとえ本当だとしてもそういうことはいわないの」

女「いいんだ。どうせ面白くもないし」

晴「怒ってるよ」

男「俺はお前の、その人間臭いところが好きなんだ」

女「褒め言葉になってないよ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:22:44.28 ID:BYzonKzN0
晴「女ちゃんって学校でも人気あるでしょう」

女「どうして」

晴「だってかわいいんだもの」

女「かわいくないよ」

男「世の中にはかわいくないのにかわいいと勘違いしてるやつもいるんだよ」

晴「誰のことよ」

男「あんたのことだよ」

女「ハルさんはかわいいよ」

晴「高校の美人コンテストで学年3位に入ったよ」

男「うそつけ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:30:59.01 ID:BYzonKzN0
晴「言い寄ってくる男の子もいるでしょお」

女「うーん。いない」

晴「ちょっと迷ったね」

女「いないといえばいないし、いるといえばいる」

晴「いるんだ」

女「嘘うそ。いないよ。男子とあんまり、喋らないからね」

晴「だってさ。よかったね」

男「別に」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:54:34.22 ID:BYzonKzN0
女「でも高校に入って、一度告白された」

晴「いつ?」

女「ゴールデンウィーク明けに」

男「聞いてないぞ」

女「いってないもの」

晴「何てなんて」

女「好きですって」

男「それで?」

女「ごめんなさい。今好きな人がいるんです、って」

晴「定型句だよ。かわいそうに」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 11:55:42.00 ID:BYzonKzN0
晴「でもその好きな人ってのが男くんとなると、何だか感慨深いものがあるね」

男「何だ。感慨深いって」

晴「昔から見てきた二人が恋人同士になるなんて、ロマンチックじゃない」

男「そう?」

女「否定はしないけど、その時男の顔は思い浮かばなかったなあ」

晴「だって」

男「他の男が思い出されなければいいよ」

女「そうだといいね」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:00:49.23 ID:BYzonKzN0
晴「私も中二の時にね、告白されたことがあるよ」

女「何て」

晴「好きだあ。結婚してくれえって」

男「おい。それ、うちの兄貴」

晴「あれ、知ってたの」

男「あんたがいいふらしてたんだろうが」

晴「まあね~。けっこう役に立ったよ」

男「兄貴もかわいそうに」

女「お互い苦労するんだね」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:06:00.22 ID:BYzonKzN0
女「ちょっとトイレ」

男「ああ、うん」

晴「女ちゃんってさあ、かわいいよね」

男「かわいいよ」

晴「あなた、私のこと好きっていったでしょう」

男「いったっけ」

晴「私は君の初恋の相手だもんね」

男「初恋の相手"だった"の」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:07:02.45 ID:BYzonKzN0
晴「"わたしは好きっていってもらうのに一年かかった"っていってたよ」

晴「かわいいね」

男「はあ」

晴「今日さ、何の日か知ってる?」

男「日曜日だろ?」

晴「バレンタインイヴだよね」

男「あ、兄貴の誕生日だ」

晴「忘れてたの」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:08:30.57 ID:BYzonKzN0
晴「後一日遅れならよかったのに」

男「あの人は一日前でよかったっていってたよ」

晴「そう」

男「最近兄貴のこと、よく話すよな」

晴「べっつに~。嫌ならしないよ」

男「女にも全部ばれたし」

晴「思い出話なんて、私も歳かな」

男「仕方のないことだよ。うん」

晴「急にわかったような口を聞くね」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:10:27.26 ID:BYzonKzN0
男「今でも兄貴のこと、好き?」

晴「なんで?」

男「別に。何となく」

晴「うーん。わからないよ」

男「そう」

晴「あいつがどんな人だったかさえ忘れそう」

男「変人だったよ」

晴「それしか覚えてない」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:17:05.22 ID:BYzonKzN0
晴「まあさ、よく思い出されるのは確かだよ」

男「そうか」

晴「これはつまり、好きってことなのかな」

男「これ」

晴「ん?」

男「兄貴の住所」

男「昨日連絡があった。兄貴から」

晴「うそ」

男「まだ車、売ってないよな」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:30:54.20 ID:BYzonKzN0
男「探してるんだろ?兄貴のこと」

晴「静岡」

男「うん。伊豆だって」

晴「なんかいってた?私のこと」

男「それを確かめるんだろ」

晴「・・・うん」

晴「ちょっと行ってくる」

男「そうそう」

晴「何」

男「女も連れて行ってやれよ。退屈してるんだ。あいつ」

晴「わかった」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:31:45.63 ID:BYzonKzN0
男「お土産、待ってるよ」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:32:39.23 ID:BYzonKzN0
 「女ちゃん。女ちゃん」

 「何、ハルさん。トイレなら少し待って」

 「今から静岡に行くよ」

 「静岡あ?」

 「そう。静岡」

 「だから早く、うんちでもおしっこでも早くして」

 「大声でいわないで。恥ずかしいから」

 「私か男くんか女ちゃんのお父さんかお母さんしか聞いてないよ」

 「それが恥ずかしいんでしょう」

 「外で待ってるからね」

男「俺も帰ろう」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:33:49.89 ID:BYzonKzN0
女「何で行くの」

晴「車。お金ないんだ」

女「今7時だよ」

晴「まあ、確実に今日中には帰れないね。明日学校だけど、休んで大丈夫?」

女「まあ、それはいいんだけど」

女「お母さんにもいってないし」

晴「ふうん」

女「どうしたの」

晴「今許可取った。行こう」

女「すごいね」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 12:56:21.02 ID:BYzonKzN0
晴「静岡か。行きにくいな」

女「どうするの」

晴「とりあえずコンビニでマップルを買う」

女「別にマップルじゃなくてもいいんじゃない」

晴「ここからだと・・・、名古屋経由か。とりあえず北陸自動車道に乗って」

晴「問題は高速を降りた後だな」

女「安全運転でね」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 13:08:14.55 ID:BYzonKzN0
晴「夜ご飯、まだだったね。どうする?」

女「わたしお金もってないよ」

晴「私の都合でついてきてもらってるんだから、お金の心配はしなくていいんだよ」

女「いくらもってるの」

晴「有り金全部で十万とちょっとくらい。だから、大丈夫」

女「うーん。コンビニでいい」

晴「そう?」

女「そんなにお腹、空いてないんだ。簡単なものでいいよ」

晴「そっか。わかった」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 13:21:25.96 ID:BYzonKzN0
晴「本当にそれでいいの」

女「うん。好きなんだ。コンビニ弁当」

晴「女ちゃんがいいなら、いいんだけどね」

女「ハルさんも、車の中でカップ麺食べたら匂いがつくよ」

晴「いいんだ。もうすぐ私のじゃなくなるし」

女「そういう理由なんだ」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 13:28:39.71 ID:BYzonKzN0
女「どう?」

晴「北陸自動車道に乗ってひたすら南下するルートだね」

晴「豊田で東名高速道路に入る」

女「豊田って愛知?」

晴「そう」

晴「最近高速道路使ってないから休日割引がよくわからないけど」

晴「早くて5時間で着くよ」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 13:29:49.47 ID:BYzonKzN0
女「それで、静岡には何があるの」

晴「君はそれを知らずについてきてくれてたんだね」

女「いってくれるのを待ってたんだけど」

晴「ああ、ごめんごめん」

晴「男くんのお兄さんがね、いるかもしれないんだ」

女「そっか」

晴「あれ。あんまり驚かないんだね」

女「なんか、そんな感じしてた。ハルさんの切迫感から」

晴「切迫してたか」

女「うん。なんとなくね」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:19:06.30 ID:BYzonKzN0
女「ハルさんには悪いけど、なんだかわくわくする」

晴「そう」

女「連れてきてくれてありがとう」

晴「男くんがいったんだ。連れて行ってあげてって」

女「どうして」

晴「さあ。自分が行きたくなかったんじゃない」

女「出不精だね」

晴「もしいたとして、お兄さんに会いたくないんだ。きっと」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:25:48.27 ID:BYzonKzN0
女「思い出、聞かせてよ。お兄さんとの」

晴「ええ。殆ど忘れちゃったよ」

女「いいから」

晴「そうだね」

晴「あいつと私は小学校から同じだったんだ。でも喋ったのは三年生の時かな」

女「ふうん」

晴「もちろんその時の会話なんて覚えてないけど、面白い子だなとは思ってた」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:27:17.60 ID:BYzonKzN0
晴「会話の内容は本当にどうでもいいことばかりだった。だけど惹きつけられる何かはあった」

晴「いや」

晴「やっぱり、いいや」

女「どうして」

晴「後で、話すよ」

女「思い出すの、つらい?」

晴「別に。ただ、まだ終わってないからね」

女「何が終わるの」

晴「それは、行けばわかるよ。きっと」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:53:54.68 ID:BYzonKzN0
女「昔ETCに憧れた」

晴「そう?」

女「うん。わたしたちの車は並んでるのに、横目に走り抜けていくんだもの」

晴「そっかあ。そういえばそうだね」

晴「買ってすぐにつけたから、そんなこと思ってなかったよ」

女「でも窓口で払った方が、これから高速に入るって気がするよね」

晴「それでお釣りを取りこぼしたりするんだよね」

女「ハルさんはね」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:54:57.78 ID:BYzonKzN0
晴「入るよ。高速」

女「うん。気をつけてね」

晴「そういえば久しぶり、高速道路」

女「怖いこといわないでよ」

晴「あはは。ごめんごめん」

女「でもハルさんの運転する車で死ぬのなら、いいよ」

晴「そんなの、わたしがよくないよ」

女「冗談だってば」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:57:03.86 ID:BYzonKzN0
晴「見てみて。女ちゃん」

女「何」

晴「街灯」

女「ああ、うん」

晴「私これが好きなんだ。たくさんの光があっという間に過ぎていくけど、またくるんだ」

女「見てると眠くなるよ」

晴「そうだね」

女「電柱の電灯の方が静かでいいよ」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 14:58:10.16 ID:BYzonKzN0
女「でもこれも好き。速くてかっこいいからね」

晴「速いけど、永遠に続いてる気がするよね。ずっと、先まで」

女「ロマンチックなんだ」

晴「暇してるからね」

女「少し、眠いよ」

晴「うん。パーキングエリアに着いたら起こすから、寝ててもいいよ」

女「うん。ありがとう」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 15:19:52.27 ID:BYzonKzN0
 「ねえねえ、晴。またついてきてるよ」

晴「んー?いいよ、勝手にさせてあげれば」

 「だって最近ずっとだし」

晴「いいのいいの。家について、お菓子あげればそれで帰るんだから」

 「本当に?」

晴「うん。悪いやつじゃないよ」

 「もしかして晴、あの子のことが好きだったりして」

晴「な、何いってんのよ~。そんなわけないじゃん」

 「ほんとに~?」

晴「ほんとほんと。だーれがあいつなんて」

 「その割に嫌な顔しないよね」

晴「そ、それは・・・、ほら。放っておくとかわいそうだから、うん」

 「ふふ。そうなんだ」

晴「そう、そうだよ」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 15:21:19.47 ID:BYzonKzN0
晴「女ちゃん」

女「ああ、今何時」

晴「9時前だね。まだ全然」

女「そう」

晴「トイレとか大丈夫?」

女「ううん。行ってくる」

晴「私も行くよ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 15:23:10.53 ID:BYzonKzN0
晴「2,3時間に一度車を降りないと足に血がたまるらしいよ」

女「テレビの受け売りみたいだね」

晴「そうだけど。こうして外に出るのもいいよ」

女「それ、ハルさんがいうセリフ?」

晴「ふふ。違ったね」

女「ここはまだ雪が積もってるんだ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 15:24:30.70 ID:BYzonKzN0
女「こういう自動販売機って、つい何か買いたくなるよね」

晴「チキンとかポテトとか?」

女「うん。毎回お母さんにねだってた」

女「だけどいつも、ダメだっていうんだ」

晴「そう」

女「お金がもったいないし、車でなるべく、ものを食べないようにって」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 15:26:13.96 ID:BYzonKzN0
晴「私のお金はもったいなくないし」

晴「車もどれだけ汚してもいいからね」

女「あ」

晴「何がいい?」

女「うーんとね」

女「これ。フライドポテト」

晴「じゃあ私はたこ焼きにしよう」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 15:36:28.28 ID:BYzonKzN0
晴「こういうのも旅の醍醐味だね」

女「随分小さな醍醐味だね」

女「というか、旅なんだ」

晴「そうだよー。若い女の二人旅」

女「いいね」

晴「ほんと、一人じゃなくてよかったよ。一個ちょうだい」

女「わたしもちょうだい」

晴「じゃあ、もう一本」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 16:06:59.73 ID:BYzonKzN0
晴「ふう」

晴「もしもし」

男「今どこ」

晴「もう、豊田だよ。後少し」

男「そうか」

晴「うん」

男「あの、車の運転には気をつけて」

晴「わかってるってば、そんなこと」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 16:09:47.58 ID:BYzonKzN0
男「楽しい?」

晴「うん。楽しいよ」

男「そっか」

晴「男くんも、来ればよかったのに」

男「いいよ、俺は」

晴「ありがとね。女ちゃん、貸してくれて」

男「ああ。あいつだって行きたいっていうと思うし」

晴「そうかな」

男「そうだよ」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:07:36.90 ID:BYzonKzN0
男「女は?」

晴「寝てるよ。ぐっすり」

男「そう」

晴「今日は女ちゃんがいなくて寂しいね」

男「全然」

晴「女ちゃんが起きててそれがいえるかな?」

男「さあ」

晴「とにかく」

晴「後で女ちゃんの寝顔を撮って送るから、それでマスをかいて寝るんだよ」

男「するわけないだろ」

晴「さあ、どうだか」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:19:35.50 ID:BYzonKzN0
晴「どうして男くんは女ちゃんを私についてこさせたのかな?」

男「迷惑だった?」

晴「ううん。感謝してる」

男「それならいいだろ」

晴「いいんだけど」

男「俺が行きたくなかったんだよ」

晴「そうだろうね」

男「兄貴と会って、それからどうするの」

晴「・・・」

晴「そんなこと、男くんの知ったことじゃないよ」

男「そうか」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:29:30.17 ID:BYzonKzN0
女「ハルさんハルさん」

晴「ん、うーん」

晴「あっ、今何時」

女「4時だよ。はい、コーヒー」

晴「あ、うん。ありがとう」

女「これからどうするの」

晴「ん、もう行く」

女「そっか」

晴「はい」

女「わたし、もう飲んだから」

晴「そう」ずず

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:42:01.31 ID:BYzonKzN0
晴「静岡に着いたらお風呂に行こう」

女「お風呂」

晴「入ってないでしょう」

女「向こうに着いたとしても7時とかだよ」

晴「よくわかるね」

女「大体ね」

晴「伊豆なら温泉のひとつやふたつ、あるんじゃないかな」

女「そうかな」

晴「そうだよ」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:51:53.54 ID:BYzonKzN0 [48/48]
晴「ほらほら、朝日だよ」

女「ほんとだ」

晴「太平洋側では海で朝日がみられるけど、日本海側では夕日なんだよね」

女「うん」

晴「ふつうのことだけど、そう思えばそうだよね」

女「ああ、うん」

晴「どうしたの?」

女「そういえばそうだ。今わかった」

晴「あ、ああ。そうなんだ」

女「たまたま知らなかっただけだから。うん、そうだよ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 20:22:46.19 ID:wMP62hWj0 [2/7]
女「この曲」

晴「ああ、スピッツだよ」

女「それは知ってるけど」

晴「スパイダーっていうんだ。さびのところがいいでしょ」

女「うん」

晴「男くんのお兄さんが、この曲好きだったんだ」

晴「女ちゃんの歳だと知らないか」

女「聞いたことはあるよ」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 20:27:49.75 ID:wMP62hWj0 [3/7]
晴「あいつは私を置いて、逃げちゃったけどね」

晴「それでも私はこの曲を聞いてる」

晴「なんだか、むかつくよ」

女「うん」

晴「朝ごはん、どうしようか」

女「といってもコンビニしか開いてないんじゃない」

晴「ふふ。そうだね」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 20:46:45.31 ID:wMP62hWj0 [4/7]
晴「よくこんな時間に温泉が開いてたね」

女「なんだか、銭湯みたいだけどね」

晴「それはいわないいわない」

女「なんだっていいんだけどね」

晴「なんか久しぶりだなー。温泉」

女「うん。わたしも」

晴「海に行ったついでとかしか、機会ないもんね」

女「そんな機会だったかな」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 21:04:49.08 ID:wMP62hWj0 [5/7]
元から少なかったけどね



女「どうしてそんな、手をわきわきさせてるの」

晴「女ちゃんのものを掴んでやろうと思いまして」

女「わたしそういう乗り、けっこうです」

晴「またまた」

女「まったく」

晴「でもこれが、男くんのものになるんだね」

女「変なこといわないで」

晴「もうなってたりして」

女「なってません」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 21:23:50.60 ID:wMP62hWj0 [6/7]
女「ふう」

晴「気持ちいい?」

女「うん。広いからね」

晴「そっか。よかった」

女「この、お湯の違いはよくわからないけど」

晴「いいんだよ、そんなの。どうだって」

女「そうだね」

晴「昔、よく備え付けのコップでお湯を飲んだりしたよね」

女「美味しくなかったよ」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 21:38:56.82 ID:wMP62hWj0 [7/7]
晴「女ちゃんは、高校卒業したらどうするの」

女「わたしまだ一年だよ?」

晴「いいじゃん。別に」

女「進学かなあ。あんな学校だし」

晴「進学か。そうだよね」

女「ハルさんは、男のお兄さんと同じ高校なんだよね」

晴「うん。そうだよ」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 22:09:20.32 ID:BYzonKzN0
女「どうして進学しなかったの」

晴「どうしてって。うーん」

晴「受験勉強が面倒だったからだね」

女「ハルさんらしい」

晴「えへへ」

女「でもそうやって絵を描いてるんだから、いいよね」

晴「最近あんまり仕事ないけどね」

女「でも、いいよ」

晴「そうかな」

女「うん。わたしも好きなことを仕事にしたいなあ」

晴「きっと、できるよ」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 22:17:25.20 ID:BYzonKzN0
晴「話ってなあに」

 「よ、よう」

晴「うん」

 「あ、あのさ」

晴「なに」

 「えーっと」

晴「どうしたのさ」

 「お前さ、俺のこと好きだろ?」

晴「はあ。何いってるの」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 22:33:42.93 ID:BYzonKzN0
 「俺ってさ、いい男だからさ、よく告白とかされるんだよね」

晴「ふうん。そうなんだ」

 「だ、だから、その。早くしないと取られちまうよ」

晴「私があなたに告白するの」

 「お、お前なら、別にいいかな~って。別に俺が好きなわけじゃないんだぞ」

 「け、結婚」

晴「ん?」

 「結婚、してやるよ。お前と」

 「お前と、結婚したい」

晴「ふふ。そっか」

ありがとう


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 22:35:54.64 ID:BYzonKzN0
晴「多分、この辺なんだけど」

女「見せて」

女「ふーむ」

晴「そんな番地だけ見てもわからないと思うよ」

女「それなら渡さないでよ」

晴「ごめんごめん」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 22:39:00.65 ID:BYzonKzN0
晴「ずっと砂浜が続いてるよ」

女「うん。きれいだね」

晴「すごくきれい」

女「本当にこの住所、合ってるの?」

晴「わからない。あいつ本人がいってるんだったら嘘かもね」

女「まさか」

晴「さあ、わからないよ」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 22:47:52.15 ID:BYzonKzN0
晴「でもきっといるよ。多分ね」

女「どうしてわかるの」

晴「あいつはそんな、私に無駄骨を折らせるようなことはしない」

女「あ」

晴「どうしたの」

女「あそこ、見て。この寒いのに日光浴してる」

晴「ほんとだ。寒い、の・・・」

晴「ちょっと、ちょっと見せて」

女「いった。どうしたのハルさん」

晴「・・・行ってくる」

女「は?」

晴「ちょっと行ってくる」

女「ハルさん。あの人なの」

晴「待ってて。すぐ戻るから」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 23:03:26.47 ID:BYzonKzN0
 「晴」

晴「ん?どうしたの」

 「その、今までありがとう」

晴「どうしたの、急に」

 「今まで俺は、お前に迷惑かけてばっかりだったなあと思って」

晴「そうだよ。迷惑かけられてばっかりだった」

 「ごめん」

晴「ん?」

 「ごめんな」

晴「だから、急にどうしたのよ」

 「ただ、そう思ったから。それだけだから」

そういって、あなたはまだ、私にこうやって迷惑かけるんだ
ほんと、勘弁してよ。本当に、ほんとうに


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 23:12:46.85 ID:BYzonKzN0
晴「はあ。はあ」

晴「はあ」

 「よお」

晴「はあ。ふう」

 「元気だった?」

晴「・・・」

 「ごめん。こんなこと、いえた口じゃないよな」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 23:22:06.78 ID:BYzonKzN0
晴「私は」

 「ん?」

晴「私は、ずっと」

晴「ずっと好きだった。あなたのことを」

 「・・・そう」

晴「でも私は、あなたを待っていることができなくて」

晴「あなたは帰ってきてくれなかった」

 「ごめん」

晴「別に謝ってほしいわけじゃない」

晴「そんなこと、どうでもいい」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:13:20.41 ID:1y08+lZ/0
晴「別れよう」

 「ん」

晴「これでもう、終わりにしよう」

 「ああ」

晴「さようなら」

 「ああ、ちょっと」

晴「何」

 「電話した時、男にいわれたよ」

 「あなたは大切な人を放って一体何してるんだって」

 「まったく、その通りだったよな」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:21:54.19 ID:1y08+lZ/0
女「ハルさん。もういいの」

晴「うん。もういい」

晴「帰ろう」

女「わたしが大人になったら」

女「全部、聞かせてよね」

晴「そんな、話すほどのことでもないよ」

女「それでも」

晴「うん。わかった。約束するよ」

晴「帰ろう」

女「うん」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:28:12.01 ID:1y08+lZ/0
晴「もしもし」

男「ああ、今何してるの」

晴「今名古屋でお昼ごはんのひつまぶし食べてる」

男「いいな」

女「後でひつまぶしの写真、送ってあげるよ」

晴「少し女ちゃんと観光して帰るから、戻るのは夜になるよ」

男「そう。お土産は?」

晴「ああ、まだだった。何がいい」

男「そうだな」

男「手羽先」

晴「ふふ。わかった。買って帰るね」

晴「バイバイ」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:33:52.40 ID:1y08+lZ/0
女「どうして男は、ハルさんにわたしを連れて行かせたの」

男「嫌だった?」

女「ううん。全然」

男「俺さ、兄貴が苦手なんだ」

男「それと、俺は男だから。こはるのこと、半分もわかってやれない」

男「そう思って」

女「そっか」

男「うん」

女「でもそんなの、変わらないよ」

女「何も、変わらない」

男「そうか」

女「今度は三人で、行こうね」

男「ああ」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:38:03.75 ID:1y08+lZ/0
一週間後

女「男!」

男「何だ。どうした」

女「ハルさんが、ハルさんが」

男「何。こはるがどうしたって」

女「いつ、いつ引っ越したの」

男「ああ、いってなかったっけ」

女「いってないよ。いつ」

男「先週末だったかな。多分」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:50:09.52 ID:1y08+lZ/0
女「どうしていってくれなかったの」

男「どうしてって。こはるから訊いてないの」

女「訊いてない。きいてないよ」

男「うーん。どうしてっていわれてもなあ」

晴「男くーん。女ちゃーん」

女「あ、ハルさんだ」

女「ハルさーん」

男「まったく」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 00:56:18.39 ID:1y08+lZ/0
女「ハルさん」

晴「ああ、女ちゃん。ひさしぶり」

女「ひさしぶり、じゃなくて。どうして引っ越したの」

晴「どうしてっていわれてもなあ」

晴「端的にいうと部屋代が高くて払えなくなったからだね」

女「どこに、どこに引っ越したの」

晴「前に住んでいたところの向かいだよ」

女「なんだ」

晴「心配してくれたんだね。ありがとう」

女「もうわたしは、ハルさんに会えなくなると思って」

晴「いったでしょう。ずっと側にいるって。ハルは約束を破るような女じゃないよ」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 01:29:08.58 ID:1y08+lZ/0
それからしばらくして、兄貴は家に帰ってきた

兄貴の行動は、その友達から母へ筒抜けだったらしい

母は兄貴が自分で帰ってくればいいと考えていたみたいだが、こはるのことを考えるとそれは間違いだったと思う

いや、正しかったか

こはると兄貴がやり直すことはなかった

それから二人はどちらが先に結婚するかを賭けて壮烈な戦いを始める(兄貴が彼女といるところにこはるが訪問する、こはるのデートを兄貴がつける、など)のだが、

それはまた、別のお話

ちなみに最終的にプロポーズをしたのは俺ではなく、女だった


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 01:34:10.23 ID:1y08+lZ/0
晴「私さ、大学行くよ」

男「それはまた、どうして」

晴「暇だからね」

男「学部は?」

晴「さあ。それはこれから決めるよ」

男「そうか」

晴「うん」

男「受験勉強できるの」

晴「多分、できるでしょ。私なら」

男「またまた」

どうやらこはるは、動く気になったらしい



男「海に行きたい」終り


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/01(火) 01:39:01.23 ID:1y08+lZ/0
これで、全部終り
今までつきあってくれた人も、そうでない人もありがとう
減らない口だし、つまらないと感じたら、それは俺の力量不足です

ついでに過去タイトル

男「海に行きたい」
女「映画見に、行こうよ」
女「クリスマスだから」
女「年末の立ち入り検査でーす」
女「年始の立ち入り検査でーす」
女「わたしメイビー」
女「だから車を」
男「山に行きたい」

じゃあ、バイバイ

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淡々としてたけど好きだった…この作者にはまた書いて欲しい

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