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10032号「あなたは…」 一方通行「・・・よォ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:00:42.03 ID:btkAbMgq0 [2/18]
ミサカ「あなたは…」

一方「…よォ」


学園都市にいくつもある中の、とりわけ小さい公園で、
二人は偶然出会った。

ミサカ「こんなところで一人何をしているのですか、とミサカは
    ジト目であなたに聞いてみます。」

一方「ア?ンだよ、いちゃ悪ィのかァ」

ミサカ「別にそういうわけではありませんが、とミサカは
    幼児が遊びに来るのを待っているのかこのロリコン変態野郎と
    思っていることはふせつつそう返します」

一方「オィ、ふせれてねェぞわざとか」


一方通行は公園にただひとつあるベンチの左端に腰かけていた。
10032号は特に何を言うでもなく、そのベンチの右端に腰かける。
座ってきた10032号に対し一方通行は意図が分からず焦るも、
彼女が何も言わないため耐えきれなくなり自分から話し出した。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:01:29.20 ID:btkAbMgq0 [3/18]

一方「つか、オレはあのガキを待ってるだけだ、っていうか
   待たされてるだけだ。オマエこそこんなとこで何してンだよ」

ミサカ「別に、あなたに話す必要はありませんとミサカは
    答えるのを拒否します」

一方「あっそ…」




どちらもその会話の続きをしようとはせず、
時間だけが過ぎていく。
そんな中10032号はここ数日のことに思いを巡らせていた。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:02:53.69 ID:btkAbMgq0
数日前。
特にこれといった用事もなかったのだが、彼女は地下街に遊びに来ていた。
最近の彼女は、アクセサリーにハマっていて、雑貨屋の隅にあるような
たいして高くないものが気に入っていた。
ただふらりと見たくなって。
このくらいの年の少女なら普通の行動だった。
そうしてしばらくの間見ていたのだが、幸か不幸かそこでばったりと
上条当麻に出会ったのだった。


上条「あれ?お前、妹の方か?」

ミサカ「そうですが、とミサカは答えます」

上条「こんなとこで何してんだ?買いものか?」

ミサカ「特に用事はありませんが、ただアクセサリーが欲しくて
    見ているだけです、とミサカは状況を説明します」

上条「ふーん…もしかして、買う金がないのか?」

ミサカ「!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:03:37.77 ID:btkAbMgq0
上条「…このくらいのだったら、」ガサゴソ

上条「ほら、上条さんは今日500円を幸運により授かったので
   買ってやるよ。どれが欲しいんだ?」(まぁさっきそこで拾った500円なんだけどな…)

ミサカ「ほんとにいいのですか、とミサカは目を輝かせながらあなたに問いかけます」

上条「おう」



上条「じゃぁまたな、もっと付き合ってやりてーけど、
   そろそろ夕飯の時間だからな。インデックスが待ってるし」

ミサカ「いえ、本当にありがとうございました、と
    ミサカはお礼を述べます」


そうして別れてから、10032号は買ってもらった指輪を、
左手の人差し指にはめてみた。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:04:48.67 ID:btkAbMgq0

(薬指にはめてもらいたかったと思っているのは、
 なぜなのでしょうか)
(そして今も、薬指に自分ではめられないのは、
 なぜなのでしょうか)


10032号は一人ため息をついた。


(こんな不思議な気持ちは、恋愛感情と呼ぶのだと
 ミサカは聞いたことがあります…)

(お姉さまがあの人を見る顔も、ミサカがあの人を見る顔も
 同じ顔をしているのだと、ミサカは考えます)

(ミサカとお姉さまは、ライバル、という関係にあるに違いない、と
 ミサカは思います)

(でも、ミサカとお姉さまの気持ちはきっと、
 全く一緒なわけではないのです…)


一人ぼんやりと立ちつくしたまま、10032号は自問自答を続ける。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:07:57.74 ID:btkAbMgq0
スマン あんま長くないわこの話



(ミサカ達は、あの人に助けられた。特にこのミサカは、
 今にも殺されそうなところを助けられた。それに、ほかのミサカより
 たくさんあの人と話したこともある…)

(だからミサカは、特に他のミサカよりもあの人のことに対して
 “好き”という感情を持っているのでしょう)

(この“好き”という気持ちはもちろん、あの人に助けられたから)

(でも、それだけなのでしょうか)

(上位個体といるあの白いのも、ミサカ達を助けたことには違いありません)

(もしもあのウイルスに全ミサカが感染してしまっていたら、
 きっとミサカは無関係の人々をたくさん殺してしまっていた。)

(もちろん、あの人も。)

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:09:41.24 ID:btkAbMgq0
(確かに白いのは、ミサカ達を殺していた。)

(けれどあれは実験だった。そしてミサカ達も本当はどこかで知っていた。
 白いのが実験を嫌がっているのを。)

(ミサカネットワークから得る上位個体との生活の様子を見れば、
 白いのが本当は優しい人物であることも理解できます)

(それでは、なぜミサカは白いのではなく、あの人に恋愛感情を
 もってしまうのでしょう)

(あの人には、他にもたくさんの女性がいるのに。)


この考え事の行きつく先が、前向きな結論にはならないことを感じ、
彼女は一度考えるのをやめた。
病院に帰ろう、と彼女が顔を上げるとそこには小さな女の子――
打ち止めと呼ばれる上位個体――がいた。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:10:40.90 ID:btkAbMgq0
打ち止め「こんなところで何してるの?ってミサカはミサカは聞いてみたり」

ミサカ「特に何も、とミサカは答えます」

打ち止め「あーっ その指輪、買ってもらったやつだねってミサカはミサカは
     指差してみたり!」

ミサカ「そうですが、とミサカは答えます」

打ち止め「いいないいなってミサカはミサカは羨ましがってみたり!
     ミサカもあの人に指輪買ってもらいたいなってつぶやいてみたり」

ミサカ「…あなたはなぜ、白いのなのですか、とミサカは問いかけます」

打ち止め「え?」

ミサカ「なぜ、どちらも命の恩人であるのに、あの人ではなく白いほうなのですか、
    とミサカは再度問いかけます。確かに直接的な命の恩人、というのは
    違いますが、ミサカにはよくわかりません、とミサカは自分の心中を吐露します」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:11:39.49 ID:btkAbMgq0
打ち止め「それは、あの人があの人であって、他の誰でもないからだよって
     ミサカはミサカは答えてみる。ミサカにだってはっきりとした明確な理由とか
     分かってないんだよ。でも、ミサカはあの人が好きなの、あの人じゃないと
     嫌なの。別に人を好きになるのに、きちんとした理由なんかいらないんだよって
     ミサカはミサカはミサカなりにアドバイスしてみたり!」

ミサカ「そう…ですね、とミサカは少し納得しながら頷きます」

打ち止め「うんうん …っと帰らなきゃいけないんだったってミサカはミサカは
     バイバイって手を振りながら走ってみたり!」


打ち止めは手を振りながら走り去っていく。
きっとあのアパートで白いのが帰りを待っているのだろう。


(人を好きになるのに、明確な理由なんていらない…)

(でも、好きでいていいのでしょうか?とミサカはやはり不安になります)

(あの人にはもっと大事なものがあるのをミサカは知っています)

(ミサカが好意を寄せるのは、迷惑なことではないのでしょうか)

(それにミサカ達は皆同じ姿をしています。)

(彼はきっと見分けられないでしょうし、とミサカは…)

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:13:17.94 ID:btkAbMgq0
答えは当然出ず、もんもんとしたまま日々を過ごしていた彼女は、
そうして今日この公園にたどり着いたのであった。



ミサカ「…あなたは、とミサカはおもむろに問いかけます」

一方「ア?」ビクッ

ミサカ「………」

一方「な、なンだよ」

ミサカ「…いえ、将来上位個体のヒモになっていそうで嫌です、と
    ミサカははっきりとあなたに告げます」

一方「オィ、オマエさっきから失礼すぎねェか」

ミサカ「ですが、あなたはいつも昼過ぎに起きたかと思えばソファに寝転がってばかりで、
    上位個体が無理やり引っ張るまで外に出ない…どう考えてもニート予備軍です、
    とミサカは事実を述べます」

一方「これだからミサカネットワークがオレは嫌なンだよ…」イライラ

一方「それに、ンな先までオレとあのガキが一緒にいるワケねェだろ」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:15:04.55 ID:btkAbMgq0

ミサカ「そうなのですか、とミサカは驚きます」

一方「アタリマエ、だ。アイツはまだガキだ。身寄りもねェ。
   行くとこがねェから、オレのところにいるだけだ。
   アイツが大人になれば、一人でも暮らしていけるようになれば、
   もっといいヤツが現れンだろ」

ミサカ「どうしてそんなにさびしそうな顔をしているのですか、と
   ミサカはあなたの顔を覗き込みながら問いかけます」

一方「ンな顔してねェよ、クソったれ」

ミサカ「ではあなたは、今はしかたなく上位個体の面倒をみているだけ、と
    言いたいのですか、とミサカは更に問いかけます」

一方「別に、仕方なくなンかじゃねェよ。オレはきっと…いや、なンでもねェ」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:17:08.56 ID:btkAbMgq0
ミサカ「そばにいたいのでしょう?とミサカはズバリ言い当てます。
    上位個体と一緒にいるあなたを見ていれば一目瞭然です、とミサカは言います」

一方「ンだよ…悪ィかよ」

ミサカ「」

一方「笑っちまうよな、こンなオレにそンな資格なンざねェことぐれェ、
   オレが一番分かってるつもりではあンだけどよォ」


オレはコイツに何を語っちまってンだ、と一方通行は思う。
けれど不思議と嫌な気分ではなかった。


一方「けどよ、今だけは、なンて思っちまうンだよなァ」

ミサカ「………」

一方「アイツが、行ってしまうまでは、って思っちまってンだよ」

一方「…、笑いたきゃ笑えよ」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:18:23.97 ID:btkAbMgq0
ミサカ「いえ、とミサカは拒否します。ミサカも悩んでいることがありましたが、
    あなたの話しを聞いていたらなんだか少し解決しました、悔しいですけど
    とミサカはミサカのことをついつい話します」

一方「…そォか。よくわかンねェけど、オマエも大変なンだな」

ミサカ「……もうすぐ上位個体が戻ってくるようですね、とミサカは
    立ち上がります」

一方「あ、あァ」

ミサカ「上位個体の中では、あなたが思っているほど、あなたの存在は小さくありません、
    それでは、とミサカは別れの言葉を述べてから、公園を去ります」

一方「え、ちょ」


一方通行の言葉を無視し、公園の出口へと向かいながら、
彼女はまた考え始める。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 23:19:44.27 ID:btkAbMgq0
(もっといいヤツが現れて、上位個体が行ってしまうまでは、ですか)

(白いのもいろいろと考えているんですね、とミサカはまたもや
 失礼なことを考えます)

(…確かにミサカ達は皆同じ姿です。でも少しずつ変化が出てきていると
 あの医者も言っていました。)

(これからきっと何年も経てば、ミサカ達はそれぞれの個別の人間として
 生きていくことができるようになるのかもしれません)

(そのときはもしかしたらもう、あの人は他の人のものかもしれない)

(それでもミサカは、他の人を無理に押しやってまで、あの人を手に入れたいとは
 思っていません)

(ミサカが、ミサカという一人のミサカになったら、ミサカにもいいヤツは
 現れてくれるでしょうか)

(あの人よりももっと、“好き”という感情を持てる人に出会えるでしょうか)

(ならば、その人に出会うまで。)


(――あの人を、好きでいよう)



終わり 短くてごめん 読んでくれたらありがと

コメント

No title

いいなぁ、この話。

なんかグッとくるな

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