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憂「そのときはさ、また会おうよ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 05:54:53.20 ID:G+JuBxxq0 [2/77]
二年生の教室  朝

梓「純ってウザくない?」

憂「えっ、そうかな?」

梓「そうだよ。人の家に行っても我がまま言い放題でさ、自己中でさ、その上出しゃばり屋さん」

梓「特にかわいいわけでもないのにイキがっているしさ」

憂「…………まあ、そうかもしれないけど」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 05:55:51.17 ID:G+JuBxxq0 [3/77]
梓「知ってる? 純、ジャズ研の中でもハブられているんだよ」

憂「え、そうなの?」

梓「うん。うちのクラスでも、純を嫌っている子多いしね。私たちくらいだよ、純と会話するの」

憂「……そう、なんだ」

梓「いつまでもあんな嫌われ者と一緒にいたらさ、私たちまで嫌われ者になるんだよ」

憂「……………………」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 05:56:35.33 ID:G+JuBxxq0
梓「今のうちにさ、純と関わるのやめた方がいいと思うよ」

憂「……………………」

梓「そこで提案があるんだけどさ」

憂「………………なに?」

梓「純のこと、これから無視しない?」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 05:57:53.85 ID:G+JuBxxq0
憂「……え、でも、純ちゃんがかわいそうだよ」

梓「いや、強制しているわけじゃないよ。ただ、憂まで苛められるのを私は見たくないだけなんだ」

憂「…………」

梓「まあ、憂はどうであれ、私は金輪際純と関わるのをやめるつもり」

憂「…………出来るの?」

梓「出来るよ。私はそういうの、得意中の得意なんだ」

憂「………………」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 05:58:37.37 ID:G+JuBxxq0
梓「憂は、どうする?」

憂「………………」

梓「私に付くか、純に付くか」

憂「……………………」

梓「……そうだよね、中学校来の親友だもんね。そう簡単に切り捨てられないよね」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 05:59:29.32 ID:G+JuBxxq0
憂「………………」

梓「でも聴いて、憂」

憂「………………なに?」

梓「純と付き合っていたら、今後、碌なことがない」

憂「……………………」

梓「これだけは確かだよ?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:00:18.79 ID:G+JuBxxq0
純「おっはよー、梓、憂」

梓「……………………」

純「梓?」

梓「……………………」

純「ねぇ、憂。梓どうしちゃったの?」

憂「………………あ、」

憂は気づいた。クラスメイト全員が、自分を見ていることを。――自分を敵か味方か、鑑定するみたいに。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:01:07.70 ID:G+JuBxxq0
憂(梓ちゃんの言っていることは、本当なんだ………………)

憂「…………………………」

憂は沈黙を貫くことにした。

純「憂?」

憂「…………………………」

憂「………………ごめん」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:02:03.55 ID:G+JuBxxq0
純「え、何言ってるの、ね、憂!?」

憂は純から眼をそらした。

純「憂? ねぇ、梓!?」

梓「ねぇ、憂。トイレ行かない?」

純「ちょっと梓!! 何なのよ!」

憂「…………うん、行こうか」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:03:23.37 ID:G+JuBxxq0
ちょっと飯食う

純「憂も! 何無視しているの? 聞こえてるでしょ!?」

梓「ほら、早く行こう」

純「ちょっと、待ちなさいよ!」

純は梓の肩を掴もうと――その手を、梓は振り払った。

純「……え」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:09:44.69 ID:G+JuBxxq0
梓が口パクで何かを言った。

五文字の言葉。

ちかよるな。

純「ちょっと、嘘でしょう…………」

梓と憂は女子トイレに向かった。

純は、その場にへたり込んでしまった。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:10:33.70 ID:G+JuBxxq0
昼休み

梓と憂は二人、机を合わせて昼食をとっていた。

教室の端の方に、女子が固まっている。その中心に、純がいた。

憂(何、やっているんだろう)

憂が見ていると、おもむろに一人の女子生徒が純の弁当箱をひったくり、思いっきり床にたたきつけた。

憂(――――っ)

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:11:40.31 ID:G+JuBxxq0
思わず、憂は立ち上がる。

クラス中の視線が、憂に注がれる。

邪魔をする気? とその視線が物語っていた。

梓「どうしたの? 憂。急に立ち上がって」

憂「…………うぅん、何でもないよ。ちょっと、ね」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:12:24.29 ID:G+JuBxxq0
梓「早く座りなよ。立ってご飯を食べるなんてお行儀悪いよ」

憂「……うん、そうだね」

憂は純の視線に気づく。

憂は口パクをした。

ごめんね。

果たして純に、伝わるだろうか。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:13:15.93 ID:G+JuBxxq0
放課後

純「ねえ、梓」

梓「私軽音部に行ってくるから」

純「昨日までは普通に話していたのにね」

梓「そういえばさ、唯先輩がたまにはステーキが食べたいって言ってたよ? 作ってあげたら?」

純「憂も、そうなんだね。梓と同じなの?」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:14:03.42 ID:G+JuBxxq0
憂「………………」

梓「どうしたの? 憂。さっきから何も言わないけど」

憂「……そんなこと、ないよ」

えへへ、と無理して笑う。

梓「そう。よかった。じゃあね」

憂「………………うん」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:14:56.92 ID:G+JuBxxq0
梓「あ、最後に一つ」

憂「なに?」

梓「人目の無い所で話すとか、変な気起こさないでね」

わかっているよね? と梓は言外に言っていた。

憂「……うん、もちろんだよ」

梓「ばいばい」

梓が教室から出ていく。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:16:02.69 ID:G+JuBxxq0
純「ねぇ、憂」

憂「………………さーて、帰ろうっと」

純「まだ、梓のようにはなっていないんだよね? 憂は」

憂「……………………」

憂は教室を出た。純が後ろに付いてくる。

純「ねえ、私たちは友達じゃなかったのかな?」

憂「………………………………」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:17:04.57 ID:G+JuBxxq0
純「長いものには巻かれる、そう言う人間なのね。憂も」

憂「………………………………」

純「違うんなら、お話したいな」

憂「………………………………」

純「ねぇ、私とお話ししない?」

憂「………………………………」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:17:54.98 ID:G+JuBxxq0
純「…………今から言うのは独り言ね」

小声で純が言う。

憂「………………………………」

純「屋上なら、立ち入り禁止になっているから、簡単に話せるよ」

憂「………………………………」

純「私は16時にそこにいる予定なんだ」

憂「……………………………………」

純「………………待ってるよ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:18:50.95 ID:G+JuBxxq0
純は後ろから去った。

憂「………………」

視線を感じた。自分を監視するような視線。

憂「……あ、ああ。そういえば、お姉ちゃんに用があるんだった」

誰かに聞かせるように、憂は独り言を言う。

憂「音楽室に行こうっと」

憂は音楽室に向かった。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:19:37.89 ID:G+JuBxxq0
音楽室

唯「あ、憂。どうしたの?」

憂「あ、えーと、ちょっと、時間をつぶしにね」

唯「ふぅん」

憂「あ、お姉ちゃん。今日の晩御飯は何がいい?」

唯「うーん、えーとね、ステーキ!」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:20:21.73 ID:G+JuBxxq0
憂「うん。わかったよ」

梓「あ、憂じゃない」

憂「………………梓ちゃん」

梓「どうしたの? 恐い顔して」

憂「……何でもないよ」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:21:08.60 ID:G+JuBxxq0
梓「そう。あ、それと、何度も言うけど変な気起こさないでね」

憂「………………分かっているよ」

唯「? あずにゃん何言っているの?」

梓「あ、いえ。何でもありません」

憂は歯噛みした。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:21:56.62 ID:G+JuBxxq0
16:00

憂「あ、そろそろ帰らなきゃ。じゃあね、お姉ちゃん」

唯「うん。ステーキね!」

憂「はいはい」

音楽室の扉が閉まる。

監視するような視線は、ない。

憂は屋上に向かった。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:22:48.20 ID:G+JuBxxq0
屋上

純「…………………………」

憂「純、ちゃん」

純「………………こうして口を聞くの、久しぶりな感じがするよ」

憂「…………ごめん」

憂は土下座した。

憂「ごめん! 純ちゃんには、悪いことしたなって思ってる! だから……罵ってもいいから、殴ってもいいから、許して! 純ちゃん!」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:23:35.59 ID:G+JuBxxq0
純「…………いいよ、別に」

憂「……許して、くれるの?」

純「いつか笑い話になるでしょ」

憂「…………純ちゃん……」

純「でもね、憂。私は許さないよ」

憂「……………………え?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:24:36.88 ID:G+JuBxxq0
純「ただし、一つ私のお願いを聞いたら、許したげる。友達でいてあげるよ。ううん、親友であり続けるよ」

憂「…………お願いって?」

純「今回の、私に対する嫌がらせの首謀者はね、梓なの」

憂「梓ちゃん、が?」

純「うん」

憂「なんで、わかるの?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:25:38.94 ID:G+JuBxxq0
純「ジャズ研でもさ、一年生も私のこと無視してくるのね」

純「腹立ってさ、一年生の一人をシめたら、簡単に白状したよ。中野って人にやれって言われました、ってね」

憂「嘘だぁ」

純「本当だよ。それにね、梓は中学時代かなりの悪だったの。人脈がいーっぱいあるの。やるとしたら、梓しかいないのよ」

憂「………………でも、何で純ちゃんを苛めているの」

純「ライバル同士だからよ」

憂「ライバル? 何の?」

純「私も梓もね、憂のことが好きなの」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:26:21.93 ID:G+JuBxxq0
憂「え?」

純「私と梓は恋敵なの」

憂「………………」

純「ま、それはそれとして。私のお願い聞いてくれる?」

憂「……………………なに?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:27:04.61 ID:G+JuBxxq0
純「憂のお姉さんに、こう言ってもらえない…………………………」

純は憂の耳元で囁いた。

憂「うん…………わかった」

純は憂から身を離す。

純「梓がすべてを仕切っているのよ」

だから

純「梓がいなくなれば、全部終わるの」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:27:49.46 ID:G+JuBxxq0
平沢家

憂「お姉ちゃん、ご飯出来たよ。ステーキ」

唯「わー、ありがとう。ういすきー」

憂「えへへ。私もお姉ちゃんのこと好きだよ」

憂「……あのさ、お姉ちゃん。知ってる?」

唯「え? なにを?」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:28:48.22 ID:G+JuBxxq0
憂「梓ちゃんね、お姉ちゃんや澪さんの悪口言っているの。二年生にお姉ちゃん達のことを、悪く言っているんだよ」

唯「え、え?」

憂「あの、軽音楽部に一年生が入らなかった理由知ってる?」

唯「ううん。何で?」

憂「梓ちゃんがね、お姉ちゃん達の悪口を一年生にも言いふらしたんだよ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:29:40.37 ID:G+JuBxxq0
これが純の作戦。梓の悪事をでっちあげ、軽音部内で梓を痛めつけるという作戦。

唯「…………嘘」

憂は首を横に振った。

憂「本当だよ」

より嘘を本当らしくするため、実際に起こっていることも言うことにした。

憂「純ちゃんって、知ってる?」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:30:31.54 ID:G+JuBxxq0
唯「憂の、お友達の」

憂「うん。純ちゃんもね、梓ちゃんに陥れられているの」

唯「………………」

憂「ねえ、お姉ちゃん、お願いがあるんだ」

唯「なに?」

憂「梓ちゃんを、シめてくれない?」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:31:34.15 ID:G+JuBxxq0
夜  唯の部屋

唯「りっちゃんたちにも知らせないと……」

唯はメールを打っていた。無論、梓の悪事を暴くためである。

唯「あ、返信来た」

『from 律  本文:証拠は?』

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:32:30.62 ID:G+JuBxxq0
唯「証拠……?」

唯「……………………証拠なんてあるのかな?」

唯「憂が言っていたから、でいいや」

『from 律  本文:そんなの、信じられるわけないだろ? 疲れてるんだ。早く寝といた方がいいぞ』

唯「……憂が嘘なんかつくはずないのに……、あ、そうだ」

唯「あずにゃんに直接訊けばいいや」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:33:20.44 ID:G+JuBxxq0
唯「もしもし? あずにゃん?」

梓「どうしたんですか? 唯先輩」

唯「私たちの悪口言ってるって、本当?」

梓「…………………………はい?」

唯「だーかーら! 私たちを悪いように一年生に言って、部員を減らそうとしているって本当?」

梓「そんなわけないじゃないですか。 疲れているんですか?」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:34:32.68 ID:G+JuBxxq0
唯「あ、じゃあさじゃあさ、純ちゃんって子に嫌なことしたって本当?」

梓「…………誰に聞いたんですか? それ」

唯「んとねー、憂に聞いたよ」

がちゃっ

唯「……あれ? 電話切れちゃった」

唯「……憂が、嘘ついてたってことなのかなあ?」

唯「……わかんないや。寝よっと」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:35:27.42 ID:G+JuBxxq0
翌日  学校

憂は教室に入った。

梓が目に入る。

憂「あ、梓ちゃん、お早う」

梓「…………………………」

憂「……………………梓ちゃん?」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:36:11.80 ID:G+JuBxxq0
と、そのとき、自分の机がなくなっていることに気づく。

憂「あれ?」

あたりを見回す。

ない。

憂は推測する。

ばれたのか?

自分が純と、昨日会い、話したことが。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:36:56.21 ID:G+JuBxxq0
憂「……………………………………」

周りの女子は、動物園のサルを見るような眼で、憂をみてくる。

憂「…………………………………………」

放課後までの辛抱だ。

憂(放課後になったら、お姉ちゃんが梓ちゃんをシめてくれる……)

憂は自分の机を探すことにした。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:37:59.64 ID:G+JuBxxq0
放課後

憂は梓と一緒に音楽室に向かった。

憂(お姉ちゃん達はきっと、梓ちゃんに憤怒しているはず…………)

音楽室に入る。

憂の予想に反して、梓はシめられることはなかった。

憂(………………え? な、なんで?)

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:38:49.50 ID:G+JuBxxq0
憂(おかしい。きのうお姉ちゃんに、梓ちゃんが先輩達の悪口を言っている、って告発したのに……)

憂「お姉ちゃん?」

唯「んー?」

憂「昨日の夜、お姉ちゃんに言ったこと、律さんたちにも話してくれた?」

唯「ん? ああ、でも梓ちゃんはそんなことしてないって言ってるもん」

憂「………………は? お姉ちゃんは、私じゃなくて梓ちゃんを信じるの?」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:40:40.76 ID:G+JuBxxq0
唯「うーん、そういうわけじゃないけど。梓ちゃんは私たちの一員だから、そんなことをする子だなんて思いたくないんだよ」

憂「…………私は一員じゃないから、信用できないってことだね?」

唯「ち、違う! そういう意味じゃないよ」

梓「憂。もう諦めなさい」

梓は唯に後ろから抱きついた。まるで――自分の所有物だとでも言うように。

憂「…………梓……」

梓「あれ? 梓って呼び捨て? ちゃん、は付けてくれないの?」

憂「………………っ!」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:41:32.90 ID:G+JuBxxq0
憂は音楽室を出た。

梓の底意地悪い笑みが、憂を苛立たせた。

校舎の外に出て、純に電話をかける。

prrrr prrrrr ガチャ

憂「純ちゃん?」

純「憂? どうだった?」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:42:23.07 ID:G+JuBxxq0
憂「ごめん。梓の方が一枚上手だった」

純「…………そっか」

憂「どうしよう。私も純ちゃんも」

純「ごめんね、憂。巻き込んじゃって」

憂「ううん。いいよ。私は純ちゃんが一番大事だもん」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:43:07.42 ID:G+JuBxxq0
純「……ありがと。照れるなあ」

憂「ねえ、純ちゃん」

純「なに?」

憂「梓のことだから、まだ嫌がらせは続くと思うんだ」

純「だろうね」

憂「もしかしたら、生死にかかわるまでに発展するかもしれない」

純「ありえるね」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:44:08.27 ID:G+JuBxxq0
憂「それを防ぐためにもさ、今のうちに、梓のこと殺さない?」

純「……………………殺す?」

憂「うん。私ね、今とっても梓を殺したいって思っているの。私のお姉ちゃんも奪って言ったあの女をね、ぶち殺した言って思っているの。だから、ね?」

純「…………でも」

憂「ねえ、純ちゃん。私たちって友達でしょ?」

純「………………うん」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:44:59.57 ID:G+JuBxxq0
憂「ずっと一緒。一蓮托生。死なばもろとも。運命を共にするのが、友達ってモノじゃない?」

純「…………うん」

憂「やられっぱなしでいいの? 卒業しているまで我慢する? 私は無理だな。だって、今すぐにでも殺したいんだもの」

純「……うん」

憂「だからさ、一緒に殺そうよ。そして、一緒に逃げるの。愛の逃避行! なんてロマンティック!」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:45:55.09 ID:G+JuBxxq0
純「うん、いいかもね」

憂「でしょ? じゃあ、梓ちゃんの帰りを襲おうよ。明日、でいいかな」

純「今日は計画をたてるの?」

憂「うん」

純「じゃあさ、私の家に来てよ。一緒に、さ」

憂「わかった。今行くよ」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:47:30.40 ID:G+JuBxxq0
翌日           18:30

梓(……純も憂も、二人とも休みやがって……)

梓(憂も、私に従えば、助けてあげるのに……)

梓(私ではなく純を選ぶなんて……)

梓(それに、こんぐらいでへばるなんて、苛めがいがない)

梓(もっと痛めつけようと思ったのに)

と、そのとき、梓の後頭部に何かがちょくげ……………………き…………………………。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:48:12.32 ID:G+JuBxxq0
******************************************

梓が目を覚ましたとき、そこは公衆便所の中だった。タイル張りの床がひんやりとしている。」

梓(…………痛い。頭がいたい………………)

梓は顔をしかめる。体を動かそうとしたが、縄で縛られていて、自由が聞かなかった。

梓(…………何? レイプ? まさか、そんな)

純「あ、梓起きた?」

梓の視界の外から声がした。

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:48:56.17 ID:G+JuBxxq0
純「あ、起きてる起きてる」

純が顔をのぞきこんでくる。

梓「ちょっと、純! なにするつもり!?」

純「ん? 見て分からない?」

と、そのとき憂も姿を現した。

うつろな目の、憂が。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:49:37.47 ID:G+JuBxxq0
梓「憂! これほどきなさいよ!」

憂「…………お姉ちゃんを、奪った女…………」

梓「ちょっと憂!」

憂の足が、梓の顔面を踏みつけた。何度も何度も踏む、踏む、踏む。

憂「…………お姉ちゃん、お姉ちゃん……返せ……お姉ちゃん」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:51:42.18 ID:G+JuBxxq0
鼻が折れる。

顔が血にまみれる。

歯が折れる。

頭が割れそうだ。

やがて、足の攻撃がやむ。

梓「………………う、憂、何してるか、わかってるぃぁが!」

とどめといわんばかりに、憂が梓の顔を蹴る。頬骨が砕かれる。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:52:50.81 ID:G+JuBxxq0
純「憂ばっかりずるいよ。わたしもやる」

梓(バット……)

純「せーのっ!」

バットを梓の足にたたきつけた。

梓「――っ!」

何発も何発も、打ち続ける。足の感覚がなくなる。

梓は声が出るのをすんでのところでこらえた。

純「声上げてよね、張り合いの無い」

ナイフが、梓のかすむ視界に映った。

その刃が、自分の目にどんどんと近づいてきて……。

膜が破れるような音と共に、視界の半分が消失した。

梓「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:53:34.50 ID:G+JuBxxq0
憂「ウザい」

梓の顔を顎の方から蹴りあげる。梓は思いっきり、舌を噛み切ってしまう。ぶしゃ、と血が舌の断面から出る。

純「安心してね、梓。舌を切っただけじゃ死なないから。せいぜい味覚障害が出るくらいだよ」

梓「ぁぁぁぁっぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

純「うるさいなあ。耳を両方とも切り落としちゃうぞ?」

純はナイフで梓の耳に、耳たぶのほうから切れ目を入れて行く。一センチほどの切れ目が出来た。そこを引っ張り、耳を裂く。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:55:10.68 ID:G+JuBxxq0
純「あれ? うまく千切れないや。憂、手伝って」

憂「うん。どこ引っ張ればいいの?」

純「私の指の近く…………あ、そこそこ。せーので引っ張るよ? せーのっ!」

憂「えいっ」

耳は半ばらへんまでしか千切ればかった。裂け目が斜めに走ってしまったのだ。

梓「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:56:15.82 ID:G+JuBxxq0
純「あー、失敗」

憂「でももう片方が残っているよ。そっちでもやってみない?」

純「そうしよっか」

だがもう片方の耳も、半ばまでしか裂け千切れなかった。

純「あー、もうやだ」

純は言いながら、梓の腹部を踏みつける。

一瞬、梓の絶叫が止まった。

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:57:01.87 ID:G+JuBxxq0
純「あ、ここ蹴れば静かになるんだ。いいこと発見しちゃった」

純は靴の先端で、梓の腹を踏み続ける。

梓は口から吐瀉物を撒いた。

純「うわ、汚い!」

穿いた吐瀉物は梓の顔に、噴水のように降り注ぐ。

梓「…………ぁあ、ああ…………」

純「もう、マジ最悪。靴にゲロついてるし」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:57:49.67 ID:G+JuBxxq0
憂「ねえ、純ちゃん」

純「んー?」

憂「もう限界っぽいよ? 叫びもしなくなったし。つまんない」

純「じゃあ、殺そうか」

憂「そうしたほうがいいね」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 06:59:26.70 ID:G+JuBxxq0
純「お腹を何回刺せば殺せるかな?」

憂「うーん、とにかくやってみなよ」

純「OK」

純「一回」

じゅぶり

憂「まだ生きてる」

純「二回」

憂「まだ生きてる」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:00:12.65 ID:G+JuBxxq0
純「三回」

憂「まだ生きてる。まだまだ持つ」

純「四回」

憂「まだ生きてる」

純「五回」

憂「まだ生きてる」

純「六回」

憂「まだ生きてる、あ、でも目が白目剥いてるよ」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:00:57.85 ID:G+JuBxxq0
純「あと少しかあ。七回」

憂「まだ生きてる。確実にあと数回で死ぬ」

純「八回」

憂「まだ生きてる、あと少し」

純「九回」

憂「死んだ…………かな? 駄目押しであと一回やってみて」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:01:40.56 ID:G+JuBxxq0
純「十回」

憂「うん。死んだ」

純「死んだかあ」

憂「死んだよ」

純「どうする?」

憂「どうしよっか」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:02:23.99 ID:G+JuBxxq0
純「逃げる?」

憂「逃げようか」

純「あ、でも私血まみれだよ」

憂「私も。すぐにばれるかな?」

純「明るくなったらばれるだろうね」

憂「どうしよっか」

純「どうしようね」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:03:09.32 ID:G+JuBxxq0
憂「あのさ、逃げるとしたらさ、どこにする?」

純「…………」

憂「どうやって逃げる?」

純「…………」

憂「………………どうしようか」

純「……………………自首?」

憂「えー、やだなあ」

純「だよねえ」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:04:02.48 ID:G+JuBxxq0
憂「何食わぬ顔でこれから暮らしていくってのはどう?」

純「…………そうしよっか?」

憂「もしもばれたら、逃げようね」

純「うん。そうしよう」

憂「……あ、でもこの格好で家の中は入れないや」

純「よく考えたらそうだね」

憂「どうする?」

純「どうしよっか」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:05:08.94 ID:G+JuBxxq0
憂「…………逃げよう」

純「でもさ。もしも、ケーサツにつかまったら?」

憂「そのときはさ、また会おうよ。出所した後にさ」

純「どこで?」

憂「そうだねー、私たちの高校の前でいいんじゃない?」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:06:18.36 ID:G+JuBxxq0
純「OK、わかった。じゃあ、逃げようか」

憂「まずは、この服をどうにかしないとね」

純「ブラとパンツはセーフなんだよね、私」

憂「私も。あ、そうだ、どっかのオヤジ引っかけてさ、それで………………」

純「……やだなぁ、憂。どうして泣いているの?」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:07:45.48 ID:G+JuBxxq0
憂「あ、あれ? 何でだろう。…………そういう純ちゃんだって、泣いているよ」

純「あ、本当だ」

憂「ねえ……」

純「…………何?」

憂「…………恐いよ」

純「…………何が?」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:08:52.64 ID:G+JuBxxq0
憂「…………いつばれるのか、恐いよ。ばれたときにどうすればいいのかわからないよ」

純「…………あはは、そんなの…………」

憂「恐い、恐いよ。純ちゃん、私恐いよ」

純「あは、憂、泣き虫だなあぁ」

憂「純ちゃんも泣いているよ? 恐いよ、私」

純「あはは、本当だ。どうしてだろう」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:09:58.36 ID:G+JuBxxq0
憂「恐い、やだ、恐いわからない。恐いよ。なんで私は恐い、や、殺しちゃったんだろう、恐いよぉ」

純「あははは、恐いね。私も恐いよ。どうしよっか、あは、ねえ、どうしたらいいのかな」

憂「ああああ、恐い、やだ、いや、やめて、恐い、やめてぇ、恐いぃ、やだぁああ」

純「ねえぇ、あはあのさ、自首、する? 恐いよ、ねぇ、恐いよ、自首、しない?」

憂「する? 恐い、けど、しなきゃあ、駄目かな? やだよぉおお、 恐いよ、する? 自首、する?」

純「ああ、しよっか、あはははあはははっは、恐い、やだ、恐いってば、何泣いてるの私、自首する?」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:10:42.71 ID:G+JuBxxq0
憂「うん、しよう。恐いやだ、恐くて、頭、恐くて、どうかなりそう、はやく、恐い、もう、自首、しよ?」

純は震える腕で、自分のポケットから携帯を取り出す。

憂は小刻みに震えながら、恐い恐いと連呼している。

純はその番号を、押す。

そして、言う。

純「あははは、私たち、あは、ヒト殺しちゃったよ、恐いよ、助けてよ、あははあああ、恐いよぉ」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 07:11:24.03 ID:G+JuBxxq0 [77/77]
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数年の時がたつ。

純は、桜が丘女子高等学校の門の前にいた。

今日は彼女の出所の日だ。だから数時間も前からここで待っているが、彼女は一向に姿を現さない。

純(忘れてしまったのだろうか……)

純は腕時計を見る。午後六時。腹が鳴る。今日はもう、帰ろうか。明日になったら、会えるかもしれない。純は肩を落とした。

そう思った矢先、誰かの足音が聞こえた。

顔を上げ、その誰かを見る。

憂「久しぶり。純ちゃん」

彼女――平沢憂がそこにいた。

純は言葉を紡ぐ。

純「久しぶりだね、憂。今日は酒でも飲みながら、積もる話でもしない?
                                                終わり


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ほのぼのってかけよおお

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