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一方「いィ土下座だった」

356 名前:一方「いィ土下座だった」1/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:08:40.54 ID:KhrZ6so0 [4/12]

その日、学園都市第七学区の一角は戦場と化した。

建物は半壊し、信号機や街路樹はなぎ倒され、戦いの余波で吹き飛ばされたコンクリートや
アスファルトの破片は辺り一面に突き刺さっていた。

まるで災害に飲み込まれたように、町は破壊されていた。
しかし、この破滅的な状況にあって災害とは一つ異なるところがあった。
それは人的被害が皆無であったこと。ただの一人も怪我すら負っていない事実である。

この異常な状況を作り出したのは、たった二人の能力者であった。

方や学園都市第一位『一方通行』
方や学園都市第二位『未元物質』

彼らは今、無人と化したスクランブル交差点の中心でにらみ合っていた。


ここまで、戦闘を優位に進めていたのは未元物質を操る垣根帝督であった。
未元物質は一方通行の無敵の反射膜を無効化し、確実に彼にダメージを与えていた。
もはや一方通行に未元物質を破る手段はない。そのはずであった。



357 名前:一方「いィ土下座だった」2/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:09:15.83 ID:KhrZ6so0 [5/12]

しかし、一方通行は笑った。
未元物質を解き明かし、手中に収めたと、一方通行は自らの勝利を宣言した。

垣根帝督が絶叫した。3対の翼が、垣根の殺意を受けて凶器へと変化する。

殺意を含んだ垣根の視線が、一方通行に突き刺さる。
その視線を受けて、一方通行は揺るがない。

にらみ合いの中、二人が全霊の攻撃を繰り出すべく一歩を踏み出そうとした、その時である。

「そこまでぇ!!」


その一喝に機先を制された二人は攻撃を中断、その場にとどまり声の方向に視線を投げる。

そこには初老の男がいた。白い着物を着、白髪の混じった髪は短く縮れている。
眉間には深い皺が刻まれ、額にある大きなあざが何よりも目立つ男である。

「何だテメェは?」と、垣根は問う。男は答えず、とうとうと語り始めた。



358 名前:一方「いィ土下座だった」3/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:09:52.58 ID:KhrZ6so0 [6/12]

「力を尽くし、しかし現実に裏切られ思い叶わないその気持ち、痛いほど分かりますぅ!」

「闇に落ち、手を血に染め、救いさえも求めない! それは全て輝ける未来のため、男としての夢のためっ!」

「しかしその夢がぁ、その夢がぁ無視されたのなら、その憤りは御もっともなことぉ!!」

「しかぁし、そちら様の行為は如何な物かぁ」

「さっきから訳の分からねぇことをゴチャゴチャと、ぶっ殺されてぇのか!?」垣根が吼える。
しかし男は怯むことなく二人の間に割り込むと、膝を正した。

「そちら様の行為は、何よりも正義に反するものぉ、人としてのぉ筋が通らぬというものぉ!!」

「よってここは、土下座一筋四十と六年っ!! この関東土下座組組長の顔に免じてぇ!!」

「どうかぁ!! 今日のところはぁ!!」

「お引取りくださいませぇぇぇぇっ!!!!」

深く、額を地面にこすり付けるほど深く、彼は土下座した。



359 名前:一方「いィ土下座だった」4/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:10:35.74 ID:KhrZ6so0 [7/12]

「何のつもりだ……っ!」

喉の奥から搾り出すように、垣根は言った。
一方通行は近くに転がっていた松葉杖を拾うと、電極のスイッチを通常モードに切り替えた。

「これまでだ」と、一方通行は言った。
「チンピラでも、引き際くらい見極められるだろう」

「ふざ、けるな……。俺はまだ」

「オマエは手を下すまでもねェ三下だ」

垣根の顔が歪む。しかし凶器と化した翼は、白鳥を思わせる形状へと変化してゆく。

「本命の核になるゥ? そンなもン、アレイスターにとってはガキの癇癪でしかねェ。オマエはただ
 アレイスターの掌の上で踊っているに過ぎない。例え本命の核に居座ったところで、
 奴に食いつぶされるだけだ」

「そんなしみったれた覚悟じゃ足りねェ。悪党になれ。アレイスターのプランをブチ壊すほどの悪党だ」

「でなけりゃ、オマエはこの先誰にも勝てねェよ」



360 名前:一方「いィ土下座だった」5/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:11:22.74 ID:KhrZ6so0 [8/12]

沈黙。垣根は一度大きく翼を羽ばたかせ、たちまちの内に姿を消した。

男はゆっくりと面を上げた。眉間に刻まれたシワは、幾分薄れているように見える。

一方通行は踵を返し男に背を向けた。
遠くから喧騒が聞こえた。間もなく警備員が到着するだろう。

「組長」と、一方通行は言った。

男は一方通行の背中に視線を投げた。一方通行は彼に背を向けたまま、続けた。

「いィ土下座だった」

男は柔らかく微笑むと、深く頭を下げた。






361 名前:一方「いィ土下座だった」6/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:12:14.50 ID:KhrZ6so0 [9/12]




数日後、とあるファミレス

麦野「それで、現状はどうなっているの?」

フレンダ「結局、この間の抗争で、五つある暗部組織のうち『ブロック』・『メンバー』が壊滅。
     『スクール』も構成員の大半を失った上、垣根帝督が姿をくらませて動ける状態じゃないって訳よ」

フレンダ「結局、生き残ったのはウチと『グループ』だけって訳ね」

麦野「そう、じゃ、ドリンクバーお代わりお願いね」

フレンダ「は、はい! 今すぐ!」

浜面「……なぁ、なんで俺じゃなくてフレンダがパシられてるんだ?」

滝壺「フレンダ、最近缶詰も食べてないよ」

絹旗「そういえば、二人は知りませんでしたね。なんでも超罰らしいですよ」

浜面「罰?」

麦野「あいつはこの前の抗争で、私たちの情報を敵に売ったの。その罰よ」

麦野「一ヶ月のパシりに缶詰禁止。良かったわね、浜面。しばらく楽ができるわよ」



362 名前:一方「いィ土下座だった」7/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:12:55.71 ID:KhrZ6so0 [10/12]

絹旗「……こういっちゃなんですが、麦野にしては超軽い罰ですね」

麦野「最初はブチ殺そうと思ったんだけどね。アレで使える子だし、お灸を据えて勘弁してやろうってね」

麦野「……まぁ、あんなの見せられて、[ピーーー]気がなくなったってのが本当かな」

滝壺「あんなのって?」

フレンダ「私の命の恩人よ! はい、麦野」

麦野「ん」

絹旗「どういうことです? まさか誰かが麦野を超説得したんですか?」

フレンダ「そのまさかって訳よ! もうダメって時に着物姿のおじさんが現われて、
     『その娘を助けてくれ!』って土下座してくれたの!」



363 名前:一方「いィ土下座だった」8/8[] 投稿日:2010/12/07(火) 19:15:11.10 ID:KhrZ6so0 [11/12]

フレンダ「結局、麦野が思い直してくれたのはあの人のおかげって訳よ!」

滝壺「よかったね、フレンダ」

浜面「レベル5相手に無茶すんなぁ」

絹旗「その男の人にもそうですけど、麦野にも超感謝ですよ、フレンダ」

麦野「そうよぉ。今回は水に流すけど、次はないからね」

フレンダ「き、肝に命じてる訳よ!」

絹旗「それじゃあ、私にもドリンクのお代わりお願いします」

滝壺「わたしにも」

浜面「あ、じゃあ俺にも」

フレンダ「はいは~い、了解!」

麦野「……さて」

麦野「これからどうしようかしらね」



364 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 19:18:48.19 ID:KhrZ6so0 [12/12]
以上です。

書いてて思ったのですが、このていとくんは「勘違いするなよ一方通行。オマエを倒すのはこの俺だ」とか言っちゃいそうです。

ていとくんって、ホントいいキャラですね。

失礼しました。

Tag : とあるSS総合スレ

コメント

No title

懐かしいネタだな。

No title

確か骨折かなんかしてたのにこのコントやったことあるよな
俺はアヤコが何気に大好きだったなやったの三回だけど

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