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「ただいまぁ」僕「えっと・・・どちらさま?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:06:55.53 ID:ys/sClbg0 [1/31]
ある夏の日、一人の少女が僕の家に現れた

「ただいま」と言って――



僕「えっと・・・どちらさま?」

昔から交友関係があまりなく、ましてやここ数年あまり外出しない俗に言う引きこもりな僕にこんなかわいい子が知り合いにいるはずもない

少女「わからないかなぁ~あたしだよ、ネコっ」

は?ネコ・・・?たしかにその名前の猫を飼ってはいるけど・・・

僕「はぁ・・・、その名前の猫なら飼ってるけど3日前に逃げ出しちゃったんだよね」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:08:28.78 ID:ys/sClbg0 [2/31]
そう3日前、普段暑苦しくてクーラーをつけることが多かったがその日は風が涼しくて窓を開けていた

築何十年と経っているアパートで網戸の閉まりが悪くそこから逃げ出してしまったネコ

毎日パソコンでネット見たり、ゲームしたりの僕はその夜も相変わらずパソコンをいじって

猫が逃げ出したことに気付いたのは明け方だった


お腹がすいて戻ってくるかもしれないとベランダにエサを入れた容器を置いて待ってはいたが戻ってきた様子はなかった

そのネコが?

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:10:28.45 ID:ys/sClbg0
ネコ「うんっ だからあたし、ネコ!ただいまっ」

とてもかわいい笑顔でそう言われた・・・意味がわからない

僕「と、とりあえず近所の人に聞かれたら変な人だと思われるからさ、中入ってよ」

僕(エロゲのやりすぎと暑さで頭がおかしくなったのかもしれない・・・)

ネコ「涼しい~、やっぱり自分の家はいいね!」

僕(いや、僕の家なんだが・・・、まじでもうわけわかんね)

ネコ「ねぇねぇ、おなかすいた~ご飯頂戴?」

僕「ご飯はコンビニで買ってるからなんもないと思うよ。ってかその前にさっきの話の続きを」

ネコ「嘘つき、ここにご飯あるの知ってるもんっ」

僕「残念ながら冷蔵庫にはなにもないよ」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:16:10.76 ID:ys/sClbg0
とりあえずタバコ吸って落ち着こうとパソコンの前に座り火をつける

台所からは「あったあった」なんて言いながらなにかビニールを漁るような音がする

が、そんなことはどうでもいい

僕「これなんてエロゲ・・・」

タバコを半分くらい吸ったところで話しの続きをしようと台所の様子を見てみる

ネコ「久しぶりのご飯、これおいしい~」

僕「え、ちょっと・・・おい」

ネコ「ん?」

彼女が”ご飯”と言いながら食べてる物を見てびびった、びびりすぎてあまり声が出なかった

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:28:44.22 ID:ys/sClbg0
僕「それ、キャットフードなんだが・・・」

ネコ「うんっ いつも僕があたしにくれてるご飯だよ」

僕「ネコ・・・」

ネコ「なに?」

僕「人間になったの?」

キャットフードをおいしそうに食べる人間を見てそう聞かざるを得なかった

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:35:09.65 ID:ys/sClbg0
>>9
そこをつっこむのなら、その前に3日で二足歩行できるのかを疑問に思うべき




ネコ「やっと信じてくれた?!うんうん人間になったのっ」

僕「わけわかんね・・・」

ネコ「あれ、信じてくれたんじゃないの~」

僕「こんなこと、はいはいって信じる人なんかいないよ」

ネコ「じゃあ証拠があればいいんだね?」

僕「ん・・・まぁ」

ネコ「ニャー」

僕「・・・」

ネコ「むぅ~・・・」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:41:16.58 ID:ys/sClbg0
>>11
読み直して自分でもどうかと思ったすまん
寝てないから頭が回ってないと思ってくれ






僕「それだけ?」

ネコ「あっ そうだパソコン!」

僕「僕のパソコン?それがなに」

ネコ「えへへ~」

なにか思いついたらしく僕のパソコンをいじりはじめた

よくわからないけど、証拠を見せてくれるらしいから静かに見守ることにした

僕(って電源落としてるし・・・)

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 06:49:17.91 ID:ys/sClbg0
再起動をかけたらしく再びパソコンが起動する

モニターを見つめる二人

windowsの起動音が鳴る

ユーザー選択とパスワード入力画面が出てきた

ネコ「いちにー・・・・・・っと」

後ろからでは見えないがパスワードを入力してエンターキーを押したみたいだ

僕「あ・・・」

ネコ「ね?」

見慣れたデスクトップが表示されメッセンジャーや常駐ソフトが起動していく

ネコ「いつも見てたんだからわかっちゃうよっ 鍵の置き場所だって知ってるんだよ?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 07:28:04.77 ID:ys/sClbg0
僕の家には親くらいしか来ないし、その親だってパソコンのパスワードは知らない

なのに彼女は知っていた、もしかして本当に・・・

僕「ないな」

ネコ「ん?」

僕(どうしよう、すごくめんどくさい。猫が人間になって戻ってきたとか)

ネコ「どう?信じてくれたかな」

僕(ブサイクだったら放り出してるところだが、可愛いしまぁいいか・・・)

僕「ネコ・・・?」

ネコ「僕っ!」

僕「うわっ」

勢いよく抱きつかれそのままベッドに押し倒される形になった



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 07:42:57.31 ID:ys/sClbg0
僕(これなんてエロゲ・・・)

ネコ「ただいまぁ~、外怖かったよぉ」

こんな可愛い子に甘えた声で抱きつかれるなんて・・・

というかまだ信じたわけじゃないんだけど

僕「・・・おかえり」

顔を上げニコッと笑うとまた抱きついてきた

僕「でもなんで人間に?」

ネコ「う~ん・・・まだ内緒っ」

僕「まだってことはいつか教えてくれるの?」

ネコ「うん、いつかね!」

僕「そっか」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 08:40:47.18 ID:ys/sClbg0
いつか理由を教えてくれるってことでなぜか納得してしまった

その場の雰囲気におもいっきり流されただけな気もするけど・・・

本当の猫のように甘えてくる姿を見て、そんなことどうでもいいかなんて思ってしまった



『あぁそういえば』

『ん?』

『なんですぐ帰ってこなかったの?』

『それはえっと・・・』

『なに』

『ちょっと道に迷っちゃって・・・ほら、あたし外に出たことなかったでしょ?』

『あぁ確かに。そう考えるとよく帰ってこれたね』

『産まれてちょっとして僕のとこにきたでしょ?だからあたしはここに帰ってくるしかないのっ』

『なんか答えてるようで答えてない気がする・・・』

『えへへっ』


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 18:30:18.37 ID:ys/sClbg0
保守ありがとうございます





僕「ご飯買い行ってくる」

ネコ「はーい、いってらっしゃい」


僕(ネコ何食べたいかなぁ・・・ってか、なにが食べられるんだ)

いつも行く近所のコンビニ、あまり有名なコンビニじゃない為か商品は変わらないいつもの物ばかり

自分は見慣れた物だけど、ネコにとっては初めての食べ物になるわけで

僕「うーん・・・適当に買って選べせればいいか」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 18:42:35.26 ID:ys/sClbg0
食料を多めとタバコを買って自転車に乗る

僕(そういえば猫の時は玄関先でニャーニャー鳴いてたなぁ)

駐輪場に自転車を止め部屋へと向かう、鳴き声はしない

僕(さすがにないか)

僕「ただいまぁ~あ?」

僕「なにしてんの・・・」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 18:43:56.63 ID:ys/sClbg0
ネコ「帰り待ってたの」

僕「玄関に座ったら汚いじゃんか」

ネコ「んー、いつもこうしてたけど言われたことないよ?」

僕「あれは猫だったからさ」

ネコ「にゃー?」

僕「にゃーって」

ネコ「ニャー」

僕「今度から部屋で待っててね。狭い部屋なんだから帰ってきたらすぐわかるでしょ」

ネコ「うん、わかった」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 18:53:56.67 ID:ys/sClbg0

僕「いいこいいこ、じゃあご飯にしよっか」

ネコ「わーいっ ご飯ご飯♪」

僕「あぁちなみに、今日からキャットフード禁止だから」

ネコ「えぇー、なんでなんでひどいよ!」

僕「だって人間が食べてたら変じゃん?」

ネコ「たしかにそうだけど~、あたしあれしか食べたことないし・・・」

僕「ネコが食べたことないのいっぱい買ってきたから、食べてみたいの選んでよ」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 18:55:27.25 ID:ys/sClbg0
>>32
話しの途中で設定とか話したくはないがこれはいいよね
お前の妄想通りだ




ネコ「ここの戸棚にご飯・・・」

僕「キャットフードは禁止!はやくおいで」

バタンと扉を閉める音がしてネコがくる

なんだか本当に猫を相手にしてる気がしてついつい接し方がそうなってしまう

やっぱり本当にネコは猫なんじゃと思う反面、そんなことはありえないと思う気持ちもあった

が、やっぱり深くは考えないめんどくさいから

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:03:22.31 ID:ys/sClbg0
僕「ねぇ」

ネコ「なに?」

僕「なんで膝の上にのってんの?」

ネコ「だっていつもこうしてたよ?」

僕「猫がね!」

ネコ「それあたしだもんっ」

僕「このクッション貸してあげるからこっち座ってよ」

ネコ「ここじゃだめ?」

僕「いや、だめじゃないけどさ ほら僕ご飯食べられない」

ネコ「そっか、じゃあこっち座る。ご飯終わったらそっち戻るっ」

僕「え・・・う、うん」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:11:21.83 ID:ys/sClbg0
ネコ「ご飯はどれ?」

僕「あぁ、この中の好きなの選んでよ」

結局ネコは買ってきたものを一口ずつ食べてお腹いっぱいになった

お気に入りはシュークリームらしい

ご飯っぽいものは初めてだったからか、あまり口に合わなかったとか


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:17:24.98 ID:ys/sClbg0
その夜――

僕「ご飯はお昼の残りね」

ネコ「シュークリームある?」

僕「ネコ食べたからもうないよ、それにあれご飯じゃないし」

ネコ「残念・・・、あれが一番おいしかったのになぁ」

僕「だからあれはご飯じゃないと」

ネコ「じゃあサンドイッチにしよ~っと」

僕「僕はからあげ弁当でいいや」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:21:57.24 ID:ys/sClbg0
僕「おいしい?」

ネコ「ハムとマヨネーズはおいしいっ 野菜が邪魔な感じ」

僕「野菜もちゃんと食べろ」

ネコ「僕のお弁当野菜入ってないね」

僕「コンビニのお弁当なんてこんなもんでしょ」

ネコ「野菜食べなきゃだめだよ~、はいっ」

僕「おい・・・まぁいいや、食べたらお風呂ね」

ネコ「・・・」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:33:03.52 ID:ys/sClbg0
僕「どうかした?」

ネコ「水怖い・・・」

僕「猫の時お風呂入ったことあったっけ」

ネコ「ない・・・」

僕「じゃあ大丈夫じゃない?それに外歩いてたんでしょ?入らなきゃ汚いじゃん」

ネコ「うぅ~・・・怖いよぉ」

僕「はい、ごちそうさま」

ネコ「ごちそうさまでした・・・」


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:39:09.77 ID:ys/sClbg0
僕「タオルと着替え用意するねー」

僕はタンスを開けてタオルと着替えを・・・

女の子の着替えなんてあるわけなかった、男の僕一人暮らしなんだから当たり前のことだ

僕(夏なんだしハーパンとTシャツでいいとして・・・)

僕「ねぇ、替えの下着とかある?」

ネコ「ないよ、今着てるのしかもってない」

僕「ですよね・・・」

僕「男物の下着しかないんだけど」

ネコ「それじゃだめなの?」

僕「うーん・・・だめってわけじゃないけど、すごくだめな気がする」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:45:43.15 ID:ys/sClbg0
ネコ「じゃあなくてもいいんじゃない?」

僕「いいのかな」

ネコ「あたしは気にしないよっ」

僕「明日洗濯するから、今日は我慢ってことで」

ネコ「ねぇねぇそれよりさ~・・・」

僕「今度買いにいかなとだよなぁ」

ネコ「お風呂怖いからさ・・・一緒に・・」

僕「服もこれだけじゃあれだしね」

ネコ「ねぇねぇ聞いてる~?」

僕「ってかこの服どうしたの?」

何の気なしに思ったことを聞いてみた

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 19:51:26.94 ID:ys/sClbg0
ネコ「あたしを人間にしてくれた人がくれたの」

僕(人間にしてくれた人・・・?)

僕「それってどんな人なの?」

ネコ「ごめん、言い方悪かったかも。人間じゃないよ」

僕(だろうね。人間にそんなこと出来る奴がいるわけない)

僕「神様的な・・・?」

ネコ「んー、ちょっと違うかなぁ」

僕「え、じゃあ・・・」

ネコ「猫にはね、猫のルールがあるの」

僕「ルール?」

ネコ「そう」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 20:00:56.84 ID:ys/sClbg0
僕「人間でいう法律的な?」

ネコ「んー、ちょっと違うかなぁ」

僕(やばい全然理解できない)

ネコ「もっと本能的なもの」

僕「・・・」

ネコ「引き篭もりの僕には難しいかなぁ~?」

僕「うるさい・・・」

ネコ「それよりお風呂さぁ~、一緒に」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 20:09:48.16 ID:ys/sClbg0
僕「そのルール破ったらどうなるの?」

ネコ「ん・・・わかんない」

僕「え?」

ネコ「言ったでしょ、本能的なものだって。だから破ることなんてそうはないよ」

僕「ふぅん」

ネコ「たまにルール破っちゃう人もいるみたいだけど、ずっとお家の中にいるあたしはどうなるかとかわかんない」

僕(破っちゃう猫も、ね)

ネコ「あとあたしはもう一つ別のルールがあるの」

僕「別の?」

ネコ「うん、人間になった猫のルール」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 20:22:11.22 ID:ys/sClbg0
僕「それはどんな?」

ネコ「ルールと言うかお約束みたいなものかな?あたしを人間にしてくれた人との」

僕「破ったら・・・?」

ネコ「内緒っ 破ることなんてないし!」

僕「・・・」

どこまで理解出来ただろう

猫が人間になって戻ってきたって言う事もまだ理解しきれていないのに

僕(ルール、か・・・)



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 20:27:10.16 ID:ys/sClbg0
やっぱりルールを破ったら罰があるんだろうか

あって当然ではあるんだろう、だったらそれは一体・・・

なんだか嫌な方に考えてしまう

やめよう、考えたって答えが出る筈もない

この家にいる限り大丈夫・・・なはずだから

『僕~、お風呂はいろっ』

『あぁ・・・えっいや、一人で入れよ!』

『だってだってぇ~』

『おいっ 裸でうろつくな!』

『えー、僕だって裸でいる時あったじゃんっ』

『いやあれはね・・・』

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 20:37:03.49 ID:ys/sClbg0
それからこの話題に触れることをやめた

ネコだって破る事はないって言ってるんだから詮索する必要もないだろう

こうしてやっと一日が終わった

なんだか疲れた

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:03:12.61 ID:7NJyEt7x0 [1/85]
人間になって初めての夜――


あたしは夢を見た

あれは僕の家を出る数日前の事

突然誰かに声をかけられた

『やあ、こんにちわ』

誰・・・?どこにいるんだろう

『初めましてだけど、ぼくが誰だかわかるよね?』

本能的に感じた、あたしはこの人を知っている気がする

『どうだい?僕との生活は』

楽しいよっ 遊んでくれるしご飯もくれるもん

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:07:01.93 ID:7NJyEt7x0 [2/85]
『そうかい』

なんでそんなこと聞くの?

『君はそれで満足かい?』

え?どういうこと

『僕とは一緒に居れても話すことはできない』

だってあたし猫だもん

『お腹がすいても、遊んでもらいたくてもそれを伝えることは出来ない』

あたし、猫だもん・・・

少し寂しい気持ちになった

あたしは猫で僕は人間

その人が言うことなんて猫であるあたしがよくわかってる

わかってるのになんでこんな気持ちになるんだろう・・・

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:15:43.25 ID:7NJyEt7x0 [3/85]
『人間にしてあげようか』

えっ?

『だから、ぼくが君を人間にしてあげるよ』

できるの?

『もちろん』

・・・

『どうだい?』

えっと、あたし――


「ネコ~、ニャーニャーしてどうした?」


あ、僕・・・

『今日はこの辺にしておくよ、また答えを聞きにくるから考えておいてね』

そういうとその人はいなくなってしまった

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:27:36.13 ID:7NJyEt7x0 [4/85]
姿や気配があったわけじゃないけど、確かにそこにいた気がする


ネコ「ん・・・」

朝日が眩しい

僕はまだ寝てる

どうせまた朝方までゲームでもやってたんでしょ

僕の寝顔を見ながらまた目を瞑って夢の続きを――・・・

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:33:09.26 ID:7NJyEt7x0 [5/85]
『やあ』

あ、こんにちわ

『答えはでたかい?』

あたし本当に人間になれるの?

『もちろん』

人間になってまた僕と一緒に生活できるの?

『もちろん』

あたし、人間になってもいい・・・かな

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:33:56.83 ID:7NJyEt7x0 [6/85]
『そうかい、じゃあ今日の夜中○○までおいで』

それってどこ?外・・・?

『そうだよ』

あたし外出たことないからわかんないよ

『大丈夫、ちゃんとわかるようにしてあるから』



『それじゃ今日の夜中○○でね』

あ、待って・・・ってもういない

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:38:34.62 ID:7NJyEt7x0 [7/85]
○○ってどこだろ・・・外に出るの怖いなぁ

でも・・・

その日はずっとそわそわしてた

僕にだっこされても、僕の膝の上で眠っていても

あの人の声を思い出す

『ぼくが君を人間にしてあげるよ』

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:42:45.43 ID:7NJyEt7x0 [8/85]
そして夜中――

今日は涼しい

僕は風が気持ちいいと言って窓を開けている

ネコ(網戸ちゃんとしまらないんだよね、この部屋・・・)

僕はパソコンに夢中

誰かとお話しながらゲームをやっているみたい

ネコ(今なら気付かれないかな)

前足で網戸を少し開け外に出る

部屋から少しだけ離れ回りを見渡す

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:46:52.69 ID:7NJyEt7x0 [9/85]
ネコ(すごい・・・、窓から見るのと全然違う)

知らない世界、正直怖い

それでも走りだす

ネコ(あの人、わかるようにしたって言ってたけど・・・)

立ち止まったらなにかに飲み込まれてしまいそうな感じがした

必死に走った

見たことない大きな物が行き交う道を幾つか渡り

草むらを抜け、そこに辿り着いた

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 02:58:48.03 ID:7NJyEt7x0 [10/85]
ネコ(静か・・・)

『やあ』

あ、いた

『ちゃんとわかったでしょ?』

全然わからなかったよっ 怖いから必死に走ったらここに着いただけだもん

『あははっ まぁまぁちゃんとこれたんだからいいじゃないか』

むぅ~・・・

『さて、さっそく始めようか』

う、うん・・・

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:05:48.78 ID:7NJyEt7x0 [11/85]
『怖いのかい?』

少しだけ・・・

『やめるなら今だよ』

ううん、大丈夫

『そうかい』

・・・

『始める前に少しお話ししようか』

お話し?

『君の中にルールがあるよね?』

猫のルールのこと?それならあるよ

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:08:43.58 ID:7NJyEt7x0 [12/85]
猫に生まれた時、猫皆が持つ同じルール

それは本能に植えつけられていて猫自身もそれがどんなルールであるのか理解する者は少ない

実際あたしもよくはわかってない

でもそれは確かに存在する


『まぁそれはいいんだ。それとは別にぼくと約束して欲しい』

約束?

『そう、ぼくと君とのルールだ』

わかった

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:15:54.94 ID:7NJyEt7x0 [13/85]
『まず一つ、人間になったらちゃんと僕のところへ帰ること』

それは大丈夫っ!

『二つ、僕以外に自分が猫であった事を言わないこと』

うん それも大丈夫かな

『そう』

『そして三つ―――・・・』

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:22:59.48 ID:7NJyEt7x0 [14/85]
『これだけ守ってくれればいい』

ね、ねぇ もしその約束破ったら?

『破る事前提に考えてはいけない、ルールはそういうものじゃないから』

そう・・・だね



雲一つない夜空に大きな月とそれを際立たせるような無数の星が光輝いていた

ネコ(きれい・・・それにとても広い)

ネコと月の間になにかが揺らめいているように見えた

ネコ(あ・・・―――

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:31:52.17 ID:7NJyEt7x0 [15/85]
ネコ「あれ・・・」

『やあ、目が覚めたかい』

ネコ「うん あたしいつの間に」

『ぼくと君が約束を交わした時、君が人間になる準備が整ったんだ』

ネコ「あ、あたし人間になってるっ」

『気に入ってくれたかい』

ネコ「うんっ」

『そうかい』

ネコ「ねぇ、あなたって・・・」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:39:10.56 ID:7NJyEt7x0 [16/85]
『君はぼくを知ってる』

ネコ「う、うん・・・」

妙に説得力あるその人の言葉にそれ以上何も言えなかった

ネコ(昨日見たあれってやっぱり・・・)

『その服はぼくからのプレゼント。裸で帰るわけにもいかないからね あははっ』

ネコ「ありがとう」

『じゃあぼくはこれで』

ネコ「あの、本当にありがとうっ」

『ルールを忘れないで・・・ぼくと君の約束を』

そう言ってその人はいなくなってしまった

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:45:22.07 ID:7NJyEt7x0 [17/85]
ネコ(僕のとこに帰らなくっちゃ)

ネコ「ここ・・・どこだろう・・・」

覚えてる限りの来た道を戻ることにした

ネコ「もう!帰る道もわかるようにしておいてよねっ」

草むらを抜け

車が行き交う通りを渡り

ネコ「あれ・・・?」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:50:49.50 ID:7NJyEt7x0 [18/85]
ネコ(う~ん ここは人間の体じゃ通れないかぁ)

どれだけ歩いただろう人間の体に慣れてないあたしには感覚がわからなかったけど

ネコ(疲れた・・・)

ネコ(外なんか出たことないから道わかんないよぉ)

ネコ「あ、僕っ!」

いつも一緒にいたあの姿、間違いない僕だ

慣れない体で走りだした

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 03:53:06.91 ID:7NJyEt7x0 [19/85]
ネコ(近くまで来てたんだ さすがあたしっ)

ネコ(っていうか僕早すぎ!自転車とかずるいよ・・・)

ネコ「はぁはぁ」

ネコ(あそこだ・・・あたしのお家)

僕がドアを開け部屋に入っていくのが見えた

息を整えゆっくりと歩きだす

ネコ(いつものことだからどうせ鍵なんて・・・やっぱり)


ネコ「ただいまぁ~」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:09:26.00 ID:7NJyEt7x0 [20/85]
今PC立ち上げて気付いたんですけど
>>13のwindowsの起動音が鳴る

ユーザー選択とパスワード入力画面が出てきた

これ順番逆でしたすいません

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:18:48.73 ID:7NJyEt7x0 [21/85]



僕「ん・・・ふぁ~」

ネコ「おはよう、僕っ」

僕「おはよう、ネコ」

僕(あれ・・・?)

僕「うわぁ ネコが人間になってる!」

ネコ「なに言ってんの?昨日お話したでしょ」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:27:33.30 ID:7NJyEt7x0 [22/85]
僕(まだ昼間だしもうちょっと寝よう・・・)

僕はまた布団に潜る

僕(ネトゲの人らは何時にINするかなぁ)

カリカリ

僕(今日こそカンストさせ・・・る・・・)

カリカリカリ

僕(・・・・・・)

カリカリカリカリ

僕「うるさくて眠れねぇ」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:30:38.68 ID:7NJyEt7x0 [23/85]
>>94
こんな時間にありがとう



ネコ「おいしい~」

僕(ネコ、なに食べてんだ)

ベッドから起きそっと台所を覗いてみる

僕「おい」

ネコ「んにゃっ」

僕「キャットフードは禁止だと何度言えば」

ネコ「だ、だってこれしか食べるものなかったんだもん」

僕「いや、冷蔵庫になんかあるでしょ・・・」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:37:10.45 ID:7NJyEt7x0 [24/85]
僕「・・・なんもねぇ」

ネコ「ほらねっ だからあたしこれ食べてたんだよ」

コンビニ近いんだから自分で買いに行けばと言おうと思ったがやめた

やっぱり一人でいかせるのはまだ不安がある

僕「コンビニ一緒にいく?」

ネコ「行ってみたいっ」

僕(目キラキラしてる・・・可愛い・・)

僕「じゃあ行こう」

財布だけ持って玄関へ向かう

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:45:09.81 ID:7NJyEt7x0 [25/85]
ネコ「自転車?」

僕「いや二人だから歩きで。近いしね」

外はまだ眩しい

僕「あちぃ~」

ネコ「まだ夏だもんね~、ねぇこの靴履いていい?」

僕「うん、いいよ」

えへへなんていいながら古いスニーカーを履くネコ

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:49:26.09 ID:7NJyEt7x0 [26/85]
僕「ネコにはおっきくない?」

ネコ「ちょっとねっ でも大丈夫、近いんでしょ?」

僕「そうだね」

ネコ「鍵、いつもかけてないしいいよね」

僕「うん じゃあ行こ」

『ねぇねぇ、手繋ご?』

『え、いや恥ずかしいんだけど』

『いいじゃんいいじゃ~んっ』

『おい、それじゃあ腕組むになってるから!』

『あんまり変わらないし気にしな~い』

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 05:54:09.55 ID:7NJyEt7x0 [27/85]
夏も終わり少しずつ過ごしやすい季節になってきた

ネコが人間になって戻ってきてから1ヶ月程過ぎたある日

僕は未だ引き篭もりな生活を送っていた

僕「お、お金がない・・・」

ネコ「どしたの?」

僕「いやぁ、一人と一匹から二人になったからさ食費とか増えて・・・ね」

ネコ「そっかぁ・・・僕、ごめんね」

僕「ネコは悪くないよ」

ネコ「でもぉ~」

僕「よしっ 自炊をしよう!」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:00:22.41 ID:7NJyEt7x0 [28/85]
ネコ「おぉ・・・」

僕「一人分ならまだしも二人分コンビニだとやっぱり高くつくからなぁ」

ネコ「僕が料理してる姿みたことないよ・・」

僕「うっ」

僕(一人暮らしを始めて何回かやったことはあるけど、お弁当買ってもあまり変わらないんじゃという結論からやめたんだよな)

僕「ま、まぁなんとかなるでしょ・・・」

ネコ「大丈夫かなぁ」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:07:17.90 ID:7NJyEt7x0 [29/85]
僕「今日はネコの食べたいもの作ってあげるよ!なにがいい?」

ネコ「いいのっ?」

僕「ふっふっふ、僕だってやれば出来る子なのだy」

ネコ「じゃあね、シュークリームがいい!」

僕「ぶっ それは無理」

ネコ「なんでも作ってくれるって言ったのに・・・」

僕「なんでもとは言ってないと思う」

ネコ「言ったもんっ」

僕「いや、そんな可愛い顔で見つめてもだめだからね」

僕(作れるなら作ってあげるっつーの・・・)

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:15:13.42 ID:7NJyEt7x0 [30/85]
ネコ「じゃあ買い物行って考えよ?」

僕「そうだね そうしよう」

ネコ「シュークリーム買ってね」

僕「はいはい」


コンビニより少し遠いスーパーへやってきた

ネコ「なににするー?」

僕「そうだなぁ・・・あ、お肉安い」

ネコ「ねぇねぇ見てみて」

僕「なに」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:29:16.98 ID:7NJyEt7x0 [31/85]
ネコ「シュークリーム!」

僕「でかっ」

ネコ「でしょ~、これ食べたいっ」

僕「まぁいいけど・・・」

ネコ「やったぁ~」

僕「ちょっこれ500円もするんだけど」

ネコ「あたしわかんな~い」

僕「嘘つけ!」

ネコ「えへへっ」

僕(今日はカレーにしよう、お肉安いし明日も食べられそうだしな)

僕(会計して帰ろう、500円のシュークリームって・・・)

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:35:01.03 ID:7NJyEt7x0 [32/85]
>>105乙
途中まででも読んでくれてありがとう




僕「ネコ~、帰るよ」

ネコ「ちょっと僕、これ見てよっ」

僕「なに、どうせまたシュークリーm」

ネコ「ほらっ シュークリーム!」

僕「はいはい・・・それいくら?」

ネコ「んっと、315円だって」

僕「そっちにするべきだった!もう500円の買っちゃったよ」

ネコ「ほんとっ?わーい 早く帰ろぉ」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:43:43.40 ID:7NJyEt7x0 [33/85]
僕(シュークリームたけぇよ・・・タバコ1箱買ってもお釣りくるじゃん

  なんの為に自炊するかわかってんのかネコ・・・)

ネコ「今日のご飯なに?」

僕「カレーだよ」

ネコ「あの辛いやつ?あたし辛いの嫌い」

僕「前食べたのはレトルトの辛口だったからね。僕も辛いのだめだから今日のは大丈夫だと思うよ」

ネコ「ならよかったぁ」

僕「明日もカレーだけどね」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:49:30.06 ID:7NJyEt7x0 [34/85]
ネコ「シュークリームぅ」

僕(聞いてねぇそんなに好きなのか・・・まぁネコが喜んでくれるなら)

僕(でも毎回買ってあげる余裕ないしなぁ・・・タバコ、やめるか)

『ただいまぁ』

僕「ネコ、シュークリーム食べる前に手洗ってね」

ネコ「わかってるよぉ~」

僕「僕はご飯の支度するからテレビでも見てなよ」

ネコ「あたしも手伝うっ」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:53:24.96 ID:7NJyEt7x0 [35/85]
僕「んー、でも台所狭いし カレーって簡単だからなぁ」

ネコ「いいじゃんいいじゃんっ 一緒に作ろ?」

僕「まぁいいけど」


『なにしたらいいの?』

『さぁ・・・箱の裏に書いてある通りやったら出来るんでしょ』

『じゃあ、あたしこれやるね』

『それなら僕はこっちを』

『ねぇこれってこう?』

『それでいいんじゃないの?わかんないけど』

『あははっ ねぇねぇ』

『ん』

『楽しいねっ』

『うん、そうだね』

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 06:57:02.14 ID:7NJyEt7x0 [36/85]
本当に彼女と過ごす日々は楽しかった

いつしかネコが話してくれたルールのことなどすっかり忘れ、まるで恋人と同棲しているかのような感覚で生活していたかもしれない

ネコが隣にいるのが当たり前で、ネコが僕に寄り添うのが当たり前の事だと思っていた



僕はまだ気付いてなかった

僕がネコのルールに踏み入ろうとしていた事に

気付かなくて当然だ、僕は何も知らなかったんだから

それでも知らなかったでは済まされない

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:03:40.79 ID:7NJyEt7x0 [37/85]
>>108>>111
ネタ被りでしたか・・・すいません。それらを書いた人とは別人です

中途半端にするのもあれなので完結させたいと思います。

つまらなかったり、不快に思われたらそっとスレを閉じて下さい

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:08:58.81 ID:7NJyEt7x0 [38/85]
過ごしやすい季節も終わり、寒さを肌で感じるある日


僕「おはよう・・・」

ネコ「もう夕方だよっ」

生活リズムは相変わらず滅茶苦茶

眠くなったら寝て起きた時が朝、例えそれが夕方だったとしてもだ

僕「ご飯食べた?」

ネコ「うんっ トーストにハムとたまごのっけてね~」

僕「そっか」

僕(ネコも大分慣れてきたみたいだな)

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:14:02.40 ID:7NJyEt7x0 [39/85]
僕「ちゃんと出来てえらいね、よしよし」

僕はたまに彼女の頭を撫でる

猫を撫でるような感覚で、そっと

彼女は「えへへ~」なんて喜ぶもんだから僕もつい・・・ね

ネコ「えへへっ ねぇ僕にも作ってあげる!」

僕「お、じゃあお願いするよ」

そう言って僕はパソコンに向かう

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:14:51.49 ID:7NJyEt7x0 [40/85]
僕(チャットきてる)

「おはよー」

『おは』

「なんか用だった?」

『いやー ダンジョンでもどうかなと思ってさ』

「すまん」

『寝てるとは思ってたからいいよ』

『ってか 最近IN時間減ったね』

「そうかなぁ・・・」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:20:38.80 ID:7NJyEt7x0 [41/85]
僕(そういや最近ネコと過ごす時間のほうが多いかなぁ)

僕(ネコが寝てる時くらいしかネトゲもしないしな)

ネコ「僕~、できたよっ」

僕「ありがとう」

「ちとめし」

『てら』

ネコ「またゲームの人?」

僕「ん、あぁそうだよ」

ネコ「僕ってゲームじゃすごい強い人なんでしょ?」

僕「んー、まぁそうだね」

ネコ「あたしが猫の時さ、ずーっとパソコンいじってたもんね」

僕「そうだっけ?」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:23:31.83 ID:7NJyEt7x0 [42/85]
ネコ「そうだよ!全然かまってくれなかったもんっ」

僕「いや、そんなことないでしょ」

僕(そうだったっけ・・・ってか気にしてるのかな)

ネコ「最近はいっぱい遊んでくれるねっ」

僕「楽しいからね」

ネコ「ゲームより?」

僕「うん、そうだね」

ネコ「でもあたしが寝るとゲームやってるぅ」

僕「それくらいはいいじゃん・・・」

ネコ「むぅ~」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:28:01.00 ID:7NJyEt7x0 [43/85]
不満そう・・・だけどどこか嬉しそう

ネコ「ねぇねぇ」

僕「ん?」

ネコ「今日は夜、一緒に寝ない?」

僕「んー、でもゲームの誘いきそうだしなぁ」

ネコ「今日だけっ ね?お願い~」

僕「そういうことならいいよ」

僕(まぁ、1日くらいいっか)

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 07:31:41.11 ID:7NJyEt7x0 [44/85]
夕飯は一緒に作ることが多かった

最初は二人ともぎこちない手つきだったけど今では大分慣れたと思う

台所に立つネコはいつもご機嫌そうで、その横顔を見て僕もついつい笑顔になる

『ねぇ見てみてっ 上手にできた!』

『僕、ご飯炊けたよ~』

『いただきます』

『ごちそうさま』

こんな普通の生活が日常になっていた

悪くない・・・うん、悪くない

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 14:54:35.11 ID:7NJyEt7x0 [45/85]
支援、保守ありがとうございます

>>131
ありがとうございます
SS書くのは初めてです。なので、あまり期待しないで読んでもらったほうがきっと・・・

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 14:56:07.37 ID:7NJyEt7x0 [46/85]
>>124からの続き





ネコ「シュークリーム食べていい?」

僕「お風呂でてからにしたら?」

ネコ「んー・・・」

真剣な眼差しでじっとシュークリームを見つめるネコ

僕(なにやってんだか)

ネコ「決めたっ お風呂でてからにする!」

僕「今日は寒いから、ちゃんと温まるんだよ」

ネコ「はぁ~い」

夕飯の後片付けをしながらネコの鼻歌を聴いている

僕(あ、この曲・・・僕アニメしか見ないからな)

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:01:17.45 ID:7NJyEt7x0 [47/85]
ネコ「僕~、タオルとって」

僕「はい、これ」

ネコ「ありがとっ」

僕「着替えはここにあるのでいいの?」

ネコ「うん!」

僕「ここ置いておくね」

ネコ「ありがと~」

僕(そういえばこの部屋も物増えたなぁ)

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:03:54.18 ID:7NJyEt7x0 [48/85]
あれからネコの物が増えた、生活してるんだから当たり前なんだけど

洋服に小さな化粧台、あれは何千円もかけてUFOキャッチャーでとったぬいぐるみ

ネコが人間になってまだ数ヶ月しか経ってないのに、もうずっと一緒にいるみたいに感じてしまう

僕(猫の時からだもんな・・・)

ネコ「お風呂どうぞ~」

僕「その前に髪乾かすからこっちおいで」

ネコ「毎日ありがとっ」

僕「うん、もう慣れたよ」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:12:17.69 ID:7NJyEt7x0 [49/85]
ネコ「シュークリーム食べる!」

僕「乾かしてからでいいじゃん」

ネコ「終わったら僕お風呂いっちゃうでしょ?」

僕「そうだけど」

ネコ「僕がいる時に食べるっ」

僕「まぁいいけど・・・なんか飲む?」

ネコ「んー、紅茶にしようかココアにしようか・・・う~ん」

僕「ホットミルクにしよう」

ネコ「しようっ」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:16:51.96 ID:7NJyEt7x0 [50/85]
僕「ふぅ」

ネコ「そんな格好でいると体冷やすよ?」

僕「うん、今着る」

ネコ「ねぇねぇ髪の毛乾かしてあげよっか?」

僕「ん、自分で出来るよ」

ネコ「今日はやってあげるっ」

僕「まぁ、そういうなら」

ネコ「終わったら今日はもう寝ようね」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:27:11.88 ID:7NJyEt7x0 [51/85]
僕「まだ早くない?」

時計はまだ10時を過ぎたあたり

ネコ「いいじゃんいいじゃんっ たまにはお布団でお話ししよ?」

僕「そうだね、たまにはパソコンの電源も落とさなきゃ」

ネコ「そうそう!」

僕「じゃあ電気消すよ」

ネコ「うん」

僕「布団つめた!」

ネコ「寒いねぇ~」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:36:57.90 ID:7NJyEt7x0 [52/85]
僕「暖房ちょっとつける?」

ネコ「ううん、僕にくっつくから大丈夫」

僕「こうやって寝ることもなかなかないしね」

ネコ「うんっ」

僕「おいで、ネコ」

ネコ「ねぇ、あたしって猫の時どんなだったっけ」

僕「猫の時?・・・そうだなぁ」

僕(パソコンやってると膝の上乗ってくるし、寝てると布団入ってくるし

  出掛けると玄関で待ってるし、どこでもついてくる猫だったっけな)

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:43:20.16 ID:7NJyEt7x0 [53/85]
僕「今とあんまり変わらないよ」

ネコ「そうかなぁ~、えへへ」

ネコ「じゃあどんな風に遊んでた?」

僕「僕と?」

ネコ「うん」

僕「うーん・・・なんか噛まれてる記憶しかない」

ネコ「えー、嘘だぁ」

僕「いやいや、別に本気で噛んでたわけじゃないんだけど

  手足はもちろんだっこしてると鼻まで噛んできたからね」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:49:30.77 ID:7NJyEt7x0 [54/85]
ネコ「こんな感じ?」

僕「うわっ 人間になってまでやんないでよ」

ネコ「あははっ ごめんね」

僕「別にいいけどさ」

ネコ「じゃあこういうのは?」

僕「ん?」

ネコ「ちゅっ」

僕(え・・・)

ネコ「えへへ、キスしちゃった」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:56:11.28 ID:7NJyEt7x0 [55/85]
そう言うとまた僕の腕の中に顔を埋める

僕はなにも言わずそっとネコの髪を撫でるだけ

はっきり言ってどうしていいかわからなかった、ただただドキドキしていた

僕「・・・」

ネコ「ねぇ」

僕「ん?」

ネコ「今ドキドキしてる?」

僕「し、してないよ」

ネコ「心臓の音、すごい早いよっ」

僕「うっ・・・」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 15:59:51.08 ID:7NJyEt7x0 [56/85]
ネコ「童貞君には刺激が強すぎたかなぁ~?」

悪戯に笑いながら言う

僕「ネコは知らないと思うけど、僕は童貞じゃないぞ」

ネコ「ふぅん?」

僕「あれは僕が高校の時だったかな・・・」

ネコ「じゃあこんなの平気だよね」

僕「えっ」

ネコは体を入れ替え、僕に被さるような体勢になった

僕「あの・・・」

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:06:05.05 ID:7NJyEt7x0 [57/85]
ネコ「なにかな?童貞君」

僕「いや、だから童貞じゃないと何度言えb・・・」

言ってる途中で唇を塞がれた

ネコ「ん・・・」

長いキス

ネコ「ふふっ」

僕「ネコ・・・?」

ネコ「なぁに?」

僕「いや、なんでも・・・」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:09:38.83 ID:7NJyEt7x0 [58/85]
ネコ「我慢できなくなっちゃったのかなぁ~?」

僕「そんなじゃ・・・」

ネコ「じゃあこれはなに?」

そう言うとネコの手が下へと進みだす

僕「ちょちょちょっと待って!」

ネコ「残念、もう遅いよ」

僕「う・・・」

ネコ「ねぇ、僕」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:14:58.81 ID:7NJyEt7x0 [59/85]
僕「ん?」

ネコ「おねがい」

その言葉だけで僕には十分すぎた

そう理性崩壊のお知らせである



―――

――



166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:16:20.80 ID:7NJyEt7x0 [60/85]
僕(あれ・・・ここは)

闇、なにもない暗闇だけが広がる空間

僕(夢か?)

僕「ネコ?」

返事はない

あるのは静寂

音もなく、色もない世界

僕(夢だとしたらいつの間に眠ったんだ)

僕(ん)

遠くに小さな光を見つけた

僕(さっきはなかったような)

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:18:53.89 ID:7NJyEt7x0 [61/85]
歩きだす

一歩、また一歩

光は未だ小さいまま

また一歩

歩き出す

それでも光は変わらない

僕(なんなんだよ・・・)

僕は歩くのをやめた

遠くにぼんやりと光るそれをただ見つめるだけ

ゆらゆらと光るそれを・・・

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:21:25.11 ID:7NJyEt7x0 [62/85]
僕(え?)

近づこうとしても近づけなかった光が少しずつ、でも確かに近づいてきている

僕はただその軌道を見ていることしかできなかった

たまに強く光ったり、不規則な動きをしてみたり

まるで意志を持っているかのように思えた

僕(・・・)

そして僕の前で動きを止める

僕(なんなんだこれ)

『やあ』

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:25:32.69 ID:7NJyEt7x0 [63/85]
頭の中に声が響いた

僕「え・・・」

『初めましてだね』

僕「この光・・・か?」

『そうだよ、これがぼくだ』

僕「誰?」

『君にぼくは理解できない』

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:27:21.86 ID:7NJyEt7x0 [64/85]
僕「は?」

『彼女はぼくを知っている』

僕「彼女・・・誰のことだよ」

『君はわかっているはずだよ』

僕「ネコか?」

『そう、彼女はぼくを知ってる。理解している』

僕「どういうことだよ」

『言ったはずだよ、君には理解できない』

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 16:32:50.38 ID:7NJyEt7x0 [65/85]
僕「・・・」

『ネコを人間にしたのはぼくだ』

僕(ネコの名前が出てきた時点でそうだとは思っていたが・・・)

僕「で、僕になんか用か?」

『連れないねぇ、少しお話しをしようと思ってね ここに来てもらったんだ』

僕(なんかむかつく・・・)

僕「話しって?」

『ネコのことだよ』

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:07:48.70 ID:7NJyEt7x0 [66/85]
僕「ネコ?」

『そう、もっと言えばぼくとネコが交わした約束・・・ルールのことだ』

僕(ルール・・・)

『君も彼女から聞いたはずだと思うけど?』

僕「あぁ・・・」

僕(そう言えばすっかり忘れてた。落ち着いたらちゃんと聞こうと思ってたのに)

『でも内容までは聞いてないのか』

僕「・・・」

『知りたいかい?』

僕(こいつうぜぇ)

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:16:48.47 ID:7NJyEt7x0 [67/85]
『ぼくには猫を人間にする力があるんだ。でも少しだけ制限があってね

 人間に出来るのは一匹の猫だけ。それも猫限定でね

 それにぼくみたいな存在は他にもいるんだよ』

僕は黙ってそいつの話しを聞いている

『人間にする猫にはルールを設けることになっている』

僕(ルール、ねぇ)

『ルールはぼくのような存在が自由に決められる、そこに制限はない』

僕「それで?」

『ぼくが設けたルールは三つ』

僕「・・・」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:20:47.13 ID:7NJyEt7x0 [68/85]
『一つ、人間になったらちゃんと僕のところへ帰ること』

『二つ、僕以外に自分が猫であった事を言わないこと』

僕(子供の約束じゃねぇか)

『そして三つ、―と―――を――はならない』

僕(!?)

僕「それって」

『正解 君が考えている通りだよ』

僕「ルールを破った者は」

『ぼくが命をもらう』

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:28:55.23 ID:7NJyEt7x0 [69/85]
僕「な・・・」

『ぼくが命をもらう、そしてぼくが地球に産まれるんだ』

僕「ネコは」

『彼女はそれを理解している』

僕(ネコが、わかってた?)

『そうだよ』

僕「・・・っ!」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:33:19.65 ID:7NJyEt7x0 [70/85]
『君に選択権なんてないし、どうすることも出来ない』

僕「なら、なぜこんな話しをする」

『ぼくも猫みたいなもんでね、強いて言うなら気まぐれかな』

僕「おまえ・・・」

『それじゃあぼくはこの辺で』

僕「お、おいっ」


そこで目が覚めた

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:38:31.57 ID:7NJyEt7x0 [71/85]
僕(夢か?・・・ネコは!?)

ネコ「んん・・・」

僕(いた・・・よかった)

僕(でもあれは本当に夢だったんだろうか

  妙にリアルだったし、内容もはっきり覚えてる。あれは一体・・・)

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:42:58.37 ID:7NJyEt7x0 [72/85]

それから僕は毎晩ネコと一緒に寝るようになった

夜の暗闇があの光景、会話を思い出させる

ネコがどこにも行かないように

必死に繋ぎとめるかのように

そっと抱きしめて

「おやすみ」

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 17:50:14.28 ID:7NJyEt7x0 [73/85]
寒さも増し外は雪が降りだしていた

あの夢のようなものを見てから一週間程経った

ネコは僕の隣にいる

ネコ「僕~」

僕「なに?」

ネコ「最近いつも一緒に寝てくれるね」

僕「そうかな」

ネコ「そうだよ」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 18:10:04.77 ID:7NJyEt7x0 [74/85]
僕「ゲームも飽きちゃってさ・・・」

ネコ「そうなんだ」

ネコ「ねねっ 今日は位置逆にしない?」

僕「こっち側で寝たいの?」

ネコ「ちーがーうー」

僕「どゆこと・・・」

ネコ「だからぁ~ 僕はここね」

僕「うん」

ネコ「はいっ おいで~僕ちゃん」

僕「あぁ そういうことね」

ネコ「えへへっ いいこいいこ」


188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 18:18:25.46 ID:7NJyEt7x0 [75/85]
ネコが僕を抱きしめてくれる

暖かくてすごく落ち着く腕の中で僕はすぐ眠りについた


「ごめんね」




192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 18:58:36.42 ID:7NJyEt7x0 [76/85]
声が聞こえる

二つ

近くで光が揺らめいている

僕(あれは・・・)

僕は歩き出す

僕(やっぱりだめか)

以前と同じように近づく事はできなかった

それでも声は聞こえる

僕(あいつと・・・誰だ)

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:05:17.77 ID:7NJyEt7x0 [77/85]
必死に会話を聞こうとするがすべては聞き取れなかった

『それじゃあ時間だからこの辺で』

「ちょっと待て!」

僕(あれは・・・僕?)

声の正体はこの闇の中で会ったあいつと僕だった

僕(どういうことだ)

「おい、早くここから出してくれ」

「おい聞いてんのk」

とても短い夢から目が覚めた

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:36:14.76 ID:7NJyEt7x0 [78/85]
僕(あの事を気にしすぎて変な夢見ちゃったな

  僕が二人いたし、会話の内容も違ってたような・・・?)

時計を見ると明け方近くだった

冷たい空気が布団の隙間から入ってくる

僕「さみぃ」

そこで気付いた

隣で寝ているはずのネコがいないことに

僕「ネコ?」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:42:24.90 ID:7NJyEt7x0 [79/85]
電気を付け部屋を見渡す

いない

台所にもトイレにも浴室にもネコの姿はなかった

靴はある、この間買ったコートも・・・

僕は窓を開けベランダを覗いてみた

凍えるような空気が肺を犯す

外はまだ雪が降っていた

真っ白な世界

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:48:54.27 ID:7NJyEt7x0 [80/85]
僕(なんかあの夢とは正反対だな)

そう思いながら辺りを見渡し、それを見つけた

僕(猫の足跡?)

未だ降り続ける雪に消えかけながらも足跡だけが伸びている

僕は玄関に向かい靴を取り、ベランダから飛び出し足跡を追い走り出した

それがネコのものかなんて考える余裕もなかった

幸いまだ人や車の通りも少なく足跡はちゃんと見て取れる

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:50:46.32 ID:7NJyEt7x0 [81/85]
僕「はぁはぁ」

苦しい

どれだけ走っただろう

どこかの森に入っていた、公園の一部だろうか

木々を抜け、少し開けた場所で足跡はぱったりと消えていた

僕「はぁはぁ・・・ネコ?」

返事はない

聞こえるのは遠くでたまに通る車のエンジン音と、風の音

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:55:00.95 ID:7NJyEt7x0 [82/85]
僕は地面に座り込んだ

足が震える

軽い酸欠状態の為かなにも考えることが出来ず降り続ける雪を見ていた

僕「はぁはぁ」

寒さは感じない

それどころかなぜか暖かい

『ごめんね』

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 19:57:25.19 ID:7NJyEt7x0 [83/85]
僕(え・・・)

ぼんやりした光がそこにあった

あの闇の中で会ったそれと同じ、あの光

だけどあいつじゃない、そう直感した

僕「ネ・・コ・・・?」

疲労が一気に体を蝕んでいく

声がうまくだせない

脳に酸素がいかず意識がぼんやりする

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 20:01:40.87 ID:7NJyEt7x0 [84/85]
『ありがとう、ここまで来てくれて』

僕(言わなきゃ、声にしなくちゃ・・・)

『ちゃんと聞こえてるよ。僕の声』

頭が痛い、息がうまくできない

僕(ネコ・・・)

『目を瞑って。あたしを感じて』

温かいそれが近づいてくるのを感じた

なぜだか落ち着いた気持ちになる


『僕・・・』

優しい声

意識が薄れていく――・・・

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/05(金) 20:04:31.28 ID:7NJyEt7x0 [85/85]
ネコ(そろそろいかなきゃ・・・)

まだ日付が変わって間もない時間

「ごめんね」

ゆっくりと腕を抜き、布団から出る

もう一度寝ている僕の顔を見て優しく微笑み、静かに窓から外にでた

真っ暗な闇の中に小さな白いものがふわふわとしている


207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:13:18.84 ID:7NJyEt7x0
靴も履かず、上着も着ないで

暗闇の中でもしっかりとした足取りで歩いていき

そこに辿り着いた

『やあ』

ネコ「・・・」

『迎えに行こうと思っていたところだったよ』

ネコ「・・・」

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:15:05.77 ID:7NJyEt7x0
『怒っているのかい?』

ネコ「そんなんじゃない」

『ふむ』

ネコ「僕に何か言ったの?」

『あぁ、彼とは少しお話ししたよ。君の事をね』

ネコ「どうして」

『君からは言えないと思ってね』

ネコ「そう・・・」

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:17:42.94 ID:7NJyEt7x0
『ぼくを恨んでいるのかい?憎んでいる?』

ネコ「そんなことない。あなたには感謝してる」

『ほう』

ネコ「あたしは猫のままじゃ出来なかったこと、

   感じれなかったことをたくさん経験できた。

   僕とお話ししたり、お料理したり、一緒にアニメ見たり」

『でも君という存在は消える』

ネコ「・・・」

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:19:23.75 ID:7NJyEt7x0
『仮に君がぼくとの約束を守っていたとしても、それは変わらない』

ネコ「そう・・・だね」

『そろそろ時間だ』

ネコ「うん」

『これから君はぼくのような存在となる』

ネコ「・・・」

『それからは君の好きなようにすればいい

 ぼくのように一匹の猫を見守ってもいいし

 ―――・・・』

212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:21:43.97 ID:7NJyEt7x0
その人の言葉はあまり耳に入ってこなかった

頭に浮かんでくるのは僕のこと


まだ寝てるのかな

起きたらあたしのこと探すんだろうな

あたしが戻らなかったら泣いちゃうのかな

また一緒にご飯食べたいな

それから一緒にお風呂も・・・


『それじゃあ、さよならだね』


213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:26:40.87 ID:7NJyEt7x0
―――

――



意識が戻ると頭の痛みや呼吸の乱れは消えていた

光はまだそこにある

僕「ネコ」

『うん』

僕は下を向いて溢れ出そうになる涙を堪えた

『かわいい顔』

僕「・・・っ」


215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:29:52.91 ID:7NJyEt7x0


何も言えない

知ってしまったから

闇の中のあいつは言った、僕には理解できないと

でも僕は理解した、ネコが僕に見せてくれた

ネコの意識と同調する中で彼女の気持ちを、想いを・・・

あいつの言葉の意味を――


216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 20:31:41.50 ID:7NJyEt7x0
『もう行かなきゃ』

頭の中の声がかすかに小さくなる

僕(待って・・・まだ言いたいことがたくさん・・)

『ねぇ、あたしのこと好き?』

顔を上げる

そこに光はなく、変わりに朝日が顔を出していた

僕「うん、好き・・・だよ・・」

えへへ~なんて返ってくるのを期待したけど、返事はなかった


220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 21:00:43.73 ID:7NJyEt7x0
年が明け、雪も溶けて暖かい陽が差すようになっていた


僕は部屋で一人ゲームをしている

ピコッ

『おつー』

「おつ」

『ダンジョン長かったなぁもう朝だよ』

「だな でもレアアイテム拾えてよかったじゃん」

『実装されたばっかでこの鯖で持ってる奴まだいないんじゃね?』

「かもしれん」



221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 21:06:45.21 ID:7NJyEt7x0
「ちょっとエサあげてくる」

『てら』

「たら」

『おか』

『ってか 飼ってた猫戻ってきたのか?』

「いや、まだ」

『たしか去年の冬だっけ 逃げ出したとか』

「そそ」


222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 21:08:07.54 ID:7NJyEt7x0
『寒かったしさすがに無理じゃ・・・』

「かもね でもいいんだよ。ひょっこり戻ってくるかもしれないし」

「お腹すかしてたらかわいそうじゃん?」

『まぁお前がそう言うなら・・・』

『この後どうする?まだ寝ないならPKでもいかね?』

「そうだな、とりあえずPTくれ」


224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 21:09:23.78 ID:7NJyEt7x0
ネコがいなくなったあの日、僕はどうやって部屋まで帰ったのか覚えていない

気が付くと自分のベットの上だった

何も変わらない部屋

以前と違うのはネコがいないということ

ネコは戻って来ない、わかってる

それでも僕はいつか逃げ出した時と同じように

ベランダにキャットフードと水を入れた容器を置いておく

大好きだったシュークリームも一緒に――


227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 21:22:20.12 ID:7NJyEt7x0
これで終わりです

頭の中に続きはあるんですが、どうも今は文にできなくて
もし続きを書くことがあれば別スレでやります

SS書くのは初めてだったので、会話や情景の表し方が似たり寄ったりなのは自覚しています

最後まで読んでくれた方、途中まででも読んでくれた方ありがとうございました

支援、保守もありがとうございました

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