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エルフ娘「クチュン! ……寒いよぉ……」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 00:32:53.87 ID:12fiG/7+0 [1/11]
旅人「そこにいるのは誰だ」

エルフ娘「ひうっ」ビクッ

旅人「女の子……? おい、お前一人なのか?」

エルフ娘「あ……う……」

旅人「言葉が通じないのか? まさかモンスターじゃないだろうな」

エルフ娘「」フルフル

旅人「俺の言ってること分かるんなら返事くらいしたらどうだ」

エルフ娘「あ……うう……」

旅人「女の子がこんな夜更けに一人で何をしているんだ。迷子か?」

エルフ娘「……」

旅人「なあ」

エルフ娘「クチュン!」

旅人「お」

エルフ娘「」クシュ……ズズズ

旅人「……あーとりあえずこい。話はそれからだ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 00:56:12.37 ID:12fiG/7+0 [2/11]
旅人「俺の仮の家だ。暖房なんて無いが外よりはマシだろ」

エルフ娘「……」

旅人「どうした? 入らないのか」

エルフ娘「……」

旅人「別にいいけどな。せいぜい腹を空かせたモンスターに襲われないよう気をつけな」

エルフ娘「!」

旅人「俺は疲れた。先に寝かせてもらうわ」

エルフ娘「」ギュッ

旅人「お」

エルフ娘「」フルフル

旅人「結局入るのか?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「そうか。まー無理にでも連れてこさせるつもりだったけどな」

エルフ娘「……!」

旅人「そういう意味じゃないって。女の子一人、外にほったらかすのも夢見が悪いだろ。ほら入んな」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 02:01:09.26 ID:12fiG/7+0
旅人「まぁ待ってろ。あったかい飲み物作るから」

エルフ娘「……」

旅人「部屋の中ぐらい帽子取れば?」

エルフ娘「……」

旅人「まぁ取りたくないならいいけど」

エルフ娘「……」

旅人「で名前は?」

エルフ娘「……」

旅人「おうちは? おとうさんおかあさんは? 迷子なのか?」

エルフ娘「…………」

旅人「黙ってちゃ分かんないだろう」

エルフ娘「……」

旅人「スキあり!」バッ

エルフ娘「!?」

旅人「お。おっ? お前その耳。……エルフ?」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 02:23:55.44 ID:12fiG/7+0
旅人「エルフの女の子ねぇ」

エルフ娘「……」

旅人「……まぁいいや。ほら、飲み物できたぞ。熱いから気をつけな」 コトン

エルフ娘「……」

旅人「飲まないのか。すぐ冷めるぞ」

エルフ娘「…………」

旅人(警戒してるなー。エルフは人間嫌いって聞いたことがあるけど)

エルフ娘「……」

旅人(人買いが連れ歩いてた値段は半年分の生活が賄えるほどだったが)

エルフ娘「……」

旅人(上玉の少女のエルフとなったらどんだけの値がつくんだろうな)

エルフ娘「……」コト…

旅人「お」

エルフ娘「! あ、あつ」

旅人(…………まぁあんなゴミ共に頼るほど俺も落ちぶれてないけどな)


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 02:43:52.06 ID:12fiG/7+0
旅人「……ん。少し苦かったな。飲めるか?」

エルフ娘「」コクン

旅人「そうか。……エルフは薬を作るのが得意なんだってな。お前も何か作るのか」

エルフ娘「」コクン

旅人「へえ、その年でね。何を使うんだ」

エルフ娘「…………」

旅人「なぁ、そろそろ口きいてくれてもいいんじゃないか。飲み代としてさ」

エルフ娘「………………」

旅人「まぁいいけど」

エルフ娘「に、人間と、話しちゃいけないって、おかあさんにいわれた」

旅人「お。見たまんまの可愛らしい声だな」

エルフ娘「」フルフル

旅人「まぁたぶんそりゃ正しいよ。人間は口八丁で誰かを騙すのが得意だからな」

エルフ娘「……」

旅人「その用心深さ。忘れちゃだめだぞ」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 03:08:35.76 ID:12fiG/7+0
旅人「この辺の地図だ。汚いうえに大雑把過ぎるけどな」バサッ

エルフ娘「……」

旅人「今いるのがこの辺……いやこの辺かな? 霞んでてよく分からないが」

エルフ娘「……」

旅人「この地図で、お前の家はどの辺にあるか分かるか?」

エルフ娘「……」

旅人「ああ、まぁ教えるはずないよな。どんな優秀な犬を使ってもエルフの里だけは突き止められないというし」

エルフ娘「……」

旅人「でも困ったな。これじゃ親元に送りに行けない――」

エルフ娘「」パタン

旅人「お」

エルフ娘「Zzz……」

旅人「おおー。よっぽど疲れてたのか」

エルフ娘「Zzz」

旅人「……ベッドに運んでやるか」


25 名前:ねむい[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 03:38:45.26 ID:12fiG/7+0
旅人「よいしょ。お。軽い軽い」

エルフ娘「Zzz」

旅人(ふーん。エルフの女の子って身体柔らかくていいなー。いい匂いするし)

エルフ娘「Zzz」

旅人(とくにこのケモノ耳が嗜虐性を煽る)フーッ

エルフ娘「んっ……」ピクン

旅人「お。動いた。どうなってんだろなこれ」ツンツン

エルフ娘「んっ……んん……」ピクンピクン

旅人(なんだこれ。可愛いな)

エルフ娘「……Zzz」

旅人「……いややっぱ寝かしとこう。よいーしょっと。固くて毛布薄いけど我慢しろよ。じゃあな」

エルフ娘「」ギュッ

旅人「お」

エルフ娘「Zzz……」

旅人「お。お。なんだこの手」


28 名前:おやすみ[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 04:41:53.65 ID:12fiG/7+0

旅人「手ぇはなせよ」

エルフ娘「Zzz」

旅人「二人きりの家でベッドの上から男誘うなんていい度胸してるな」

エルフ娘「Zzz」

旅人(……こいつの手、冷たいな。見た目よりかなり冷え込んでいるのか?)

エルフ娘「Zzz」

旅人「いーからとりあえず放せ」

エルフ娘「んーん!!」

旅人「お」

エルフ娘「…………スースー」

旅人「……。まだ親離れしてないのか」

エルフ娘「」ギュウウ

旅人(……仕方ないな。添い寝してやればいいんだろ)バサ

エルフ娘「Zzz♪」ひしっ

旅人「お? おおー……」

書き手が変わります

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/02(火) 20:18:59.06 ID:9fY/nH4hO [1/3]
――翌朝

旅人「……ん、ファァァ……あ?」

エルフ娘「スー……スー……」

旅人「そう言えば添い寝してたんだったな」

旅人「おぅい、離してくれ」ポンポン

エルフ娘「スー……スー……」

旅人「朝飯が食えんぞー。離せ」ユサユサ

エルフ娘「スー……んん……」

旅人「だめだこりゃ。…………」

旅人「…………お前を食べちゃうぞ?」ボソ

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 02:38:09.13 ID:c92LojEjO [2/32]
旅人「……んなことしたら人格疑われるよな、人間にしろエルフにしろ」

旅人「にしてもよく寝てらぁ……押しても離さないし」グイグイ

エルフ娘「スー……」

旅人「この子には悪いが起きてもらうか。このままじゃ何も出来ん」

旅人「……せい!」グイ!

エルフ娘「んん…………!」

旅人「お」

旅人「おはよう」

エルフ娘「!?」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 09:28:16.04 ID:c92LojEjO [3/32]
エルフ娘「!?……!!?」アタフタ

旅人「くくっ、そこまで驚くことか?」クスクス

エルフ娘「……」

旅人「落ち着いてきたな。昨日のことは思い出したか?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「じゃあそろそろ離してくれ。飯が食えん」

エルフ娘「!」パッ

旅人「よし、良い子だ」

91 名前:まさか車運転させられるとは思わなかった[] 投稿日:2010/11/03(水) 12:45:10.20 ID:c92LojEjO [5/32]
旅人「朝食は木の実のスープとパンだ」

エルフ娘「」ジー

旅人「何だその目は。こんな物は口に合わないってか? それとも、まさか毒が入ってるとか思ってるのか?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「失礼な、毒なんぞ入れるわけがない。そもそもお前みたいな子供を殺して何になる……あぁ温かい」ズズズ

エルフ娘「」ジー

旅人「早く食わないと冷めるぞ? それとも腹減ってないのか?」モグモグ

エルフ娘「……」

旅人「そうか、なら仕方ないな……俺が全部食うか。残念だなぁ」

エルフ娘「!」

エルフ娘「」パクパク

92 名前:書き溜めあんまないけど勘弁して[] 投稿日:2010/11/03(水) 12:50:25.08 ID:c92LojEjO [6/32]
旅人「そうそう、まだ名前教えてなかったな。俺は旅人って言うんだ。お前は?」

エルフ娘「……」

旅人「はは、そうだろうと思ったよ。まぁいいさ」

旅人「それでだ。お前の里はこの辺にあるのか?」

エルフ娘「……」

旅人「それを教えてもらわないと、お前を里まで送ることも出来ないんだが」

エルフ娘「…………」

旅人「なぁ、いい加減に――」

エルフ娘「…………ない」

旅人「お?」

エルフ娘「わからない、の」

旅人「わからないってどういうことだ? なら、どうやってここまで来た?」

エルフ娘「……」

エルフ娘「ば、馬車で連れてこられて、それでま、魔物に馬車がお、お、おそわれて」

旅人「ゆっくりでいいゆっくりで」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 12:56:14.47 ID:c92LojEjO [7/32]
旅人「で、簡単にまとめると」

エルフ娘「……」

旅人「お前の里が賊に襲われて、そのまま捕らえられて奴隷商に売られたと」

旅人「その商人の馬車に入れられて、移動中に魔物に襲われて壊れた馬車から何とか逃げたが仲間ともはぐれ、一人彷徨っていた所に俺に会ったと」

エルフ娘「」コクコク

旅人「……何とまぁ……苦労してるようで」スッ

エルフ娘「ッ!」ビクッ

旅人「大変だったろ?」ナデナデ

エルフ娘「…………」

98 名前:書き溜の底が見えた[] 投稿日:2010/11/03(水) 13:03:28.25 ID:c92LojEjO [8/32]
旅人「んー……なぁ、馬車のある場所は覚えてるか?」

エルフ娘「?」

旅人「可能性の話だが、残ってる物からどこから来たか分かるかもしれないし、それに」

エルフ娘「……」

旅人「仲間のエルフが近くにいるかもしれない」

エルフ娘「!」

旅人「だから、思い出せないか?」

エルフ娘「」フルフル

旅人「……まぁ、無理もないか」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 13:09:29.69 ID:c92LojEjO [9/32]
――森の入り口

旅人「昨日拾った所まで来たわけだが」

旅人「さて、探すにしてもね……手掛かりも何も無いと、まして人里離れた森の手前」

エルフ娘「」キョロキョロ

旅人「お」

旅人「あまり離れるなよ? また一人になっても知らんぞ?」

エルフ娘「!」トコトコ

旅人「……俺一人ならいいんだが、子供といると目が離せなくて落ち着かないな」

エルフ娘「」ギュ

旅人「そうだな、手でも握ってようか。そっちの方が安心できる」ギュ

エルフ娘「!」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 13:16:25.95 ID:c92LojEjO [10/32]
旅人「だいぶ歩いてみたが何も見つからないな」

エルフ娘「」ゼェゼェ

旅人「見渡す限り木、木、木……馬車どころか魔物すら見かけない」

エルフ娘「」ハァハァ

旅人「お」

旅人「……少し休もうか」

エルフ娘「」コクコク

旅人「あそこに倒木があるな。そこで休もう」

旅人「悪いな、自分のペースで歩いてた。ほれ、水だ」

エルフ娘「」ゴクゴク

旅人「にしても、この辺じゃないのか?」

旅人「だけど、この子の体力のことも考えるとそう遠くないと思うんだが……」

102 名前:今回らすと[] 投稿日:2010/11/03(水) 13:24:55.03 ID:c92LojEjO [11/32]
旅人「さて、それなりに休んだしそろそろ行くか?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「よし、続きといこうか」スクッ

旅人「あー、そうそう、聞きたいんだがお前は逃げ出してから何回野宿した?」

エルフ娘「」ブイ

旅人「二回、か?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「なるほどな。ずっと歩き続けて来たんだろ?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「そりゃこの辺で見つからないわけだな。もっと奥まで行かないとか……」

エルフ娘「……」

旅人「何とか、頑張ってくれよ」ギュ

エルフ娘「……ん」ギュ

120 名前:>>118 むしろ引き継いでくれると嬉しかったり[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:17:07.34 ID:c92LojEjO [14/32]
旅人「む……日が傾き始めたか」

エルフ娘「……」

旅人「だいぶ奥まではきたと思うんだがな」

エルフ娘「」キョロキョロ

旅人「どうする? 野宿してでも探し続けてみるか? それとも一旦引き返すか?」

エルフ娘「……いく」

旅人「そうかい。ならもう一頑張りするか」ナデナデ

エルフ娘「ん」ギュ

旅人「そろそろ魔物も活発になり始める。気を引き締めないとな」

121 名前:今回も大した量ないけど勘弁願うます[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:22:19.25 ID:c92LojEjO [15/32]
旅人「結局何も見つからないまま夜になってしまった」

エルフ娘「」ビクビク

旅人「ふぅ……この辺でいいか」

エルフ娘「……ックチュン!」ブルブル

旅人「お」

旅人「待ってろ。今火をおこす」シュボッ

エルフ娘「……さむい」ブルブル

旅人「はいはいこっち来い。ここならそっちより暖かい」

エルフ娘「ふぁあ」ポカポカ

旅人「さてと、晩飯晩飯」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:26:04.27 ID:c92LojEjO [16/32]
エルフ娘「ん……」グシグシ

旅人「お」

旅人「眠いのか。待ってろ、今寝床用意するから」ガサゴソ

エルフ娘「んー……」ギュウ

旅人「おお?」

エルフ娘「……ねむい」ウトウト

旅人「あー、そうか……そうだった」ナデナデ

旅人「ここでも添い寝か」

エルフ娘「んうぅ……さむい」ギュウウ

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:27:50.73 ID:c92LojEjO [17/32]
――深夜

エルフ娘「スー……」

旅人「さすがに横になるのは無防備すぎるから、姫様だっこの状態だが」

エルフ娘「……スー」

旅人「よく眠れるな。はは、可愛らしい顔だ」ナデナデ

エルフ娘「ん……スー……」

旅人「幼いエルフの少女か……売ったらどれ程の値段がつくのだろうか」

旅人「…………」

旅人「て、何考えてるんだか。バカバカしい」

エルフ娘「ん……お……かあ、さ……」

旅人「お?」

エルフ娘「…………スー」

旅人「…………本当に、バカバカしい」ナデナデ

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:30:58.20 ID:c92LojEjO [18/32]
……ガサガサ…

旅人「!」ハッ

旅人「近寄らないように火は焚いておいたが……無駄だったか?」

旅人「装備は最低限。まして子供を抱えているってのに」

旅人「いや、奴さんにとっては好都合か」

エルフ娘「スー……んん……」

旅人「戦闘は避けた方がいいか? てことは」

ガサガサ……ガサガサ……

旅人「逃げるしか選択肢は無いだろ」

旅人「おい、起きろ」ポンポン

エルフ娘「ん……んぅ?」

旅人「これから走るからな。落ちないようにしっかり掴まってろよ」ナデナデ

エルフ娘「……ん」ギュ

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:38:27.92 ID:c92LojEjO [20/32]
――森のどこか

旅人「はぁ……はぁ……!」

エルフ娘「狼、狼!」ギュ

旅人「ええい、しつこい!」

エルフ娘「まだ、いる」ギュウ

旅人「振り切れやしない! この森はお前等の庭ってか!?」

旅人「どわっ!」ガッ

エルフ娘「きゃう!」ドサッ

旅人「大丈夫か!? 何かに躓いた? 暗くて分からん」

魔狼「グルルルル」

エルフ娘「ひっ」ビクッ

旅人「ずいぶんと腹を空かせてる様じゃないか。断食でもしてたか?」ゼェゼェ

魔狼「フー…!グルルルル」

132 名前:書き溜の終わりが見える[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:43:11.35 ID:c92LojEjO [21/32]
エルフ娘「怖いよぅ」ブルブル

旅人「後ろに隠れてろ!」

旅人「だが、これは好都合か。お前も離れたし、それに奴も様子を伺っている」

旅人「戦闘準備の時間をくれるとは、ありがたい」

魔狼「ウワゥ!」

エルフ娘「……あぅ……」ビクビク

旅人「久々に抜くことになるな」スッ

魔狼「グルルルル……」ジリジリ

旅人「腕が鈍ってるとか言うのは無しだぜ」シャキン

魔狼「グァァァアアア!!」ダッ

旅人「おおぉぉぉ!!」ズバァ

エルフ娘「~~っ!!!」ビクビク

ドサッ……ビチャビチャビチャ……

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:45:44.25 ID:c92LojEjO [22/32]
エルフ娘「」ポカーン

旅人「……っし、真っ二つ」キン

エルフ娘「」パクパク

旅人「お?」

旅人「どうした? 間抜けみたいな顔して。腰でも抜けたか?」

エルフ娘「……」

エルフ娘「まっかっか」

旅人「あぁ、これか。そら正面から叩き切ったんだ、血濡れになっても仕方ない」

エルフ娘「……むぅ」

旅人「あからさまに嫌そうな顔するなよ。でも、確かに血の臭いが酷いなこれは」

旅人「これだと臭いで他の魔物も……って、いつの間にか空が白んでやがる」

エルフ娘「……お、おはよ?」

旅人「お」

旅人「おはよう」ナデナデ

エルフ娘「んー」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:48:50.39 ID:c92LojEjO [23/32]
旅人「お」

エルフ娘「?」キョトン

旅人「これを見てみろ」

エルフ娘「!」

旅人「これじゃないのか? お前の乗ってた馬車って」

エルフ娘「」コクコク

旅人「さっき足に引っかけたのはこれだったのか」

旅人「まさか見つかるとなんてな。魔物さまさまだな」

エルフ娘「むぅ」

旅人「はは、やっぱり恐いのは嫌いか」ケラケラ

エルフ娘「」コクコク

旅人「覚えておくよ。馬車の荷台の方を見てくれないか? 俺は周りと前を見てくる」ナデナデ

エルフ娘「ん」タタタ

旅人「……にしても、何で商人はわざわざこんな獣道を通ったんだ?」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:50:53.57 ID:c92LojEjO [24/32]
旅人「あーあー、見事に壊されてら」ガサゴソ

エルフ娘「」ガサゴソ

旅人「木の破片とか手に刺さったりするから気をつけろよ」ガサゴソ

エルフ娘「」コクコク

旅人「……奴隷商も馬鹿じゃない。魔物に襲われる可能性があることくらい分かってたろうに」ガサゴソ

旅人「いくら大衆には良い目をされないからって、そうまでしてこんな森の中を通る必要があったのか?」ガサゴソ

エルフ娘「痛っ」ビクッ

旅人「お」

旅人「言わんこっちゃない」

エルフ娘「んぅー!」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:53:27.44 ID:c92LojEjO [25/32]
旅人「ほれ、見せてみろ」

エルフ娘「ん」スッ

旅人「あー、刺さってるな、ぐっさりと」

旅人「少し痛いかもだが我慢しろよ?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「こうやって、押し出して」ギュ

エルフ娘「……!」バシバシ

旅人「叩くなっての。よし、取れたぞ」ナデナデ

エルフ娘「……ん」

138 名前:>>137 大抵みんな妄s…想像力にお任せ[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:55:38.31 ID:c92LojEjO [26/32]
旅人「お?」

エルフ娘「?」

旅人「この檻……」

エルフ娘「……」

エルフ娘「そ、それに、入れられたの」

旅人「ほぅ、しかし見事に壊れてるな。鉄ってこんな簡単に曲がるものか?」

エルフ娘「魔法のつ、強い人が無理やり……」

旅人「へぇ、エルフの仲間が?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「なるほど、教えてくれてありがとな」ナデナデ

エルフ娘「ん」

旅人「壊れた檻は全部で4つ。残りは予備か」

旅人「……予備? にしては数が多いぞ?」

141 名前:リロード!……弾が無いだと!?[] 投稿日:2010/11/03(水) 17:58:08.03 ID:c92LojEjO [27/32]
旅人「馬車自体結構な大きさだ。戦争にも使われるだろう物資運搬用……」

旅人「そしてこの檻の数……」

エルフ娘「?」ギュ

旅人「何だかきな臭くなってきたぞ」ナデナデ

エルフ娘「んー?」

旅人「エルフって、近くの仲間の気配とかを感じ取れるなんてステキスキルはあったりするのか?」

エルフ娘「」フルフル

旅人「そうだよな……ならどうするかな。馬車の目的地でも分かればいいんだが」

?「動くな! そこの人間!」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/03(水) 23:56:21.65 ID:c92LojEjO [31/32]
?「やっと見つけたぞ! 人攫いの同族め! やはり嗅ぎつけてくると思っていた!」

旅人「あの耳……エルフか。見た目からして女だな。捕らえられていた一人か? 何とタイミングのいいことだろうな」

エルフ娘「!」

エルフ女「そんな幼い子にまで手を出すとは! やはり人間とは許し難い奴らだ! 私がここで断罪してやる!」

旅人「おい、待て、誤解だ。俺はこの子に何もしてないぜ?」

エルフ女「貴様等の言うことなど誰が信じるか! ふん、言い訳をしたところで貴様が消し炭になる運命に変わりはない!」スッ

旅人「くっ、魔法か?」

エルフ娘「ま、待って」

エルフ女「安心しろ。すぐに助けてやるからな」

エルフ娘「やっ……!」バッ

エルフ女「なっ!」

旅人「お」

エルフ娘「傷、つけちゃ、やぁ……」フルフル

166 名前:>>165 過度な期待は禁物[] 投稿日:2010/11/03(水) 23:58:28.14 ID:c92LojEjO [32/32]
エルフ女「そいつを庇う必要なんかないぞ? そいつの仲間は私達の同胞を捕まえては酷く扱うんだぞ」

エルフ女「そいつだって、きっと良からぬ事を考えてるに違いない」

エルフ娘「」フルフル

エルフ女「何故だ? 何故庇う」

エルフ娘「や、優しい、から」

エルフ女「は?」キョトン

エルフ娘「食べ物くれたり、あったかくしてくれたり、あと、えっと、えっと……」

旅人「ははは。もういい、ありがとう」ナデナデ

エルフ娘「んー」

旅人「と言うわけだ。そろそろ、その剥き出しの敵意を引っ込めてくれると嬉しいんだがね」

エルフ女「……どういうことなんだ、これは」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:00:08.35 ID:xoJpSBJhO [1/12]
エルフ女「そうか、それでその子はそこまで懐いて……」

旅人「初めの頃は全然口きいてくれなかったけどな」クスクス

エルフ女「……もう一度聞くが、本当に彼女に何もしてないんだな?」

旅人「するわけがないと言ったろう。な?」

エルフ娘「ん」コクコク

エルフ女「なら良いんだが……何か納得がいかない」ボソ

エルフ娘「?」

旅人「ところで、この辺にエルフの里はあるのか?」

エルフ女「さて、どうだろうな?」

旅人「はっ、あったとして教える気は無い、か。ならそれでもいいんだが……」

旅人「なぁ、この子をお前に預けてもいいか?」

エルフ娘「?」ポカーン

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:01:57.82 ID:xoJpSBJhO [2/12]
エルフ女「ほぅ。いいのか? エルフをその手の者に引き渡せば大金が手に入ると聞いているが」ニヤニヤ

旅人「確かにこの子を売り渡せば、少なくとも一年は遊んで暮らせるだけの金は手に入るだろうな」

エルフ娘「……」

旅人「だが、生憎俺はそういうのが大の嫌いときていてね」

旅人「だからそんな奴らにはこの子はやらん」ナデナデ

エルフ娘「んー」

旅人「しかし、この子を守りきれる自信が俺にはないとも断言してやる」

エルフ娘「……」ギュ

旅人「下手に街を歩けば、金や欲に目が眩んでいるバカどもに襲われかねんしな」

エルフ女「だから私に預けて、安全な仲間の所へ連れて行ってほしいと?」

旅人「そういうことだ。任せてもいいよな?」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:03:32.25 ID:xoJpSBJhO [3/12]
エルフ女「勿論だとも。そもそも最初からそうするつもりだったし」

エルフ女「まぁ、ここまであっさり保護できたのはある意味予想外だったが」

旅人「俺だってこの子を仲間の所に送り返すのが目的だったんだ。あんたらと争う気はさらさらない」

旅人「こっちはむしろ予定調和と言ったところか」

エルフ女「まぁいい。さ、早くその子を」クイクイ

旅人「てことだ。あの姉ちゃんと一緒に行けば、仲間の所に帰れるぜ?」ポンポン

エルフ娘「……むぅ」ギュウ

旅人「お?」

エルフ女「……まさか君はそいつと一緒にいたいと?」

エルフ娘「」コクコク

旅人「はは、これはこれは…………困ったな、おい」

エルフ女「……予想外だよ、全く」ハァ

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:06:17.72 ID:xoJpSBJhO [4/12]
旅人「しかし、一緒にいたいと言われてもな。里には入らせてくれないんだろ?」

エルフ女「当たり前だ。仮に入ったとしても、死ぬまでは出られん。口外するかもしれんからな」

旅人「なぁ、姉ちゃんの所に行ってくれないと、いろいろ困るんだが」ポンポン

エルフ娘「んー」フルフル

エルフ女「仕方ない。無理矢理にでも連れて行く!」グイ

旅人「お」

エルフ娘「やぁー!」ギュウウウ

エルフ女「この、駄々っ子め!」グググ

旅人「痛い痛い。痛いですやめてください」

エルフ女「!!」ハッ

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:08:03.80 ID:xoJpSBJhO [5/12]
エルフ娘「んぅ」グスン

旅人「突然手離してどうした?」ナデナデ

エルフ女「森を荒らす者がいる……数が多いな」

旅人「へぇ、お前は分かるか?」

エルフ娘「」フルフル

エルフ女「……ちっ、屑どもの集まりが来たか。どうしてこうも間の悪い……」

旅人「屑ども?」

エルフ女「人間の屑だよ。エルフはともかく同じ人間にも略奪を行う屑どもだ」

旅人「あー、あれか」

エルフ娘「……」

エルフ女「……ちっ。二人ともこっちに来い。こうなっては仕方ない」

旅人「どこに行くんだ?」

エルフ女「私達の里へ。人間を連れて行くのは不本意だが、彼女の身の安全を優先する」

旅人「はは、そいつはどうも」

173 名前:書き込みエラーでてちょっとビビった[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:12:38.73 ID:xoJpSBJhO [6/12]
旅人「だいぶ進んだが、まだ距離はあるのか?」

エルフ女「いや、ここだ。ここでいい。彼女を先に里に入れる」

エルフ娘「ん」ギュウ

エルフ女「いい加減にしろ! お前の我が儘でそこの人間にまで被害が出るかもしれないんだ!」

エルフ娘「ひっ」ビクッ

旅人「大丈夫だ。また会えるから。今は仲間の所に行ってくれ、な?」

エルフ娘「……」

エルフ娘「あ、会える、の……? ……ホント?」グスグス

旅人「本当だ。だから早くアイツの所に」ナデナデ

エルフ娘「……ん」♪

エルフ女「さ、行こう」ギュ

エルフ娘「」ギュ

――パァァァァ……

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:14:13.75 ID:xoJpSBJhO [7/12]
旅人「眩しいな。これは……結界か? さすがはエルフだ。こんな高度な結界、素人にはさっぱり分からん」

エルフ女「」チラッ

旅人「?」

エルフ女「私の独断で、お前を不問とする。ここから去れ」

エルフ娘「……!?」

旅人「……!」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:16:20.23 ID:xoJpSBJhO [8/12]
目の前すら霞んで見えるほどの強い光も、今はすっかり森独特の暗闇に消えている。

最後のあの女の言葉。つまり俺を信じたということか?
俺ならこのことを誰にも言わないと……。

まぁ、そのつもりではいたし口外する気も全く無いのだが、心残りが一つある。

あの子、凄く悲しそうな顔をしたんだ。まるで死に際の親を見るかのように。
最後ぐらいあの花のような笑顔を見たかったよ。
たった数日だけど、もう俺にとっては大切な家族みたいな存在だったから。

177 名前:ラスト[] 投稿日:2010/11/04(木) 00:17:16.23 ID:xoJpSBJhO [9/12]
さてと、こんな所でしみじみしてるわけにも行かないな。屑が彷徨いてるわけだし。
どうやって見つからないように引き返すべきかな。

隣でビクビクと怯える子供はもういない。凄く身軽になって、凄く寂しくなった。
けど、彼女がまともに生きられるならそれでいいじゃないか

それに生きてたら、また見つけるかもしれないだろ?
風邪気味でこんな事言ってる人を


「クチュン! ……寒いよぉ……」


終わり

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