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唯「サイレンが鳴ってる・・・」2

641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:30:15.95 ID:BPpZnIIJO [20/90]
ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ─────

646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:39:15.72 ID:BPpZnIIJO [21/90]
桜ヶ丘高校 地下室
AM00:00:01

???

終了条件1 宇理炎の入手
──────────
相変わらずうるさい音。
八尾の血筋をようやく見つけて生け贄にあげたもののさすがに遠すぎたかしら。
おかげでこの街はめちゃくちゃ……けどまあ仕方ないわね。
目的を達成する為には手段を選ばない…。

そう決めた…あの日から。

「急ぎましょう……時間がないわ」

宇理炎を使って……堕辰子を殺す。

それが私のただ一つの目標……。

650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:47:22.18 ID:BPpZnIIJO [22/90]
───

「あるとすれば……ここ以外あり得ないわよね」

封印の四つに面した丁度真ん中に当たるこの祭壇……。

「あちら側と繋がってるとすれば……」

カチャリ

「!」

斎藤「そう、そう言うことだよなぁやっぱり」

「あなたは…?」

斎藤「おっと手は上げたまま、お話しようぜお嬢さん」

「あら、嬉しいわね。そんな若く見えるかしら」

相手は猟銃持ちだ、敵うわけがない。ここは大人しく従うことにする。

斎藤「ああ、十分にな。で? 宇理炎をどうするつもりだ?」

「……あなた本当に何者?」

651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:52:21.77 ID:BPpZnIIJO [23/90]
斎藤「俺は斎藤。琴吹家の執事だ」

「ああ、ムギちゃんの」

斎藤「知ってるのか?」

「ええ。担任だから」

斎藤「担任…? あ、あ~……どっかで見たことあるような」

「口説いてるつもり?」

斎藤「ははっ、残念。先約があるもんで」

「そう、それは残念ね」

斎藤「さあて答えな。宇理炎をどうするつもりだ?」

「ええ、答えるわ……その前にそっちを向いていいかしら? 」

斎藤「ああ、ゆっくりな」

「ふふ、ありがとっ!!!」

シューーーー

斎藤「ぐえっくそっなんだこりゃっ」
「乙女のたしなみよ。じゃあね、ボーヤ」
斎藤「待てよ!!! まだ聞きたいことが山ほど……」

653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:57:45.32 ID:BPpZnIIJO [24/90]
斎藤「クソッ! あの女……」

何か知ってやがるな……。

斎藤「あ……?」

祭壇の奥にキラキラと青白く光っている。
土足のまま上がり込むとその光の正体と対面した。

斎藤「宇理炎……。あの女持っていかなかったのか? しかしまあ……俺が持ってても仕方ないけどな」

とりあえずそれをしまいこみ、さて、と一息つく。

斎藤「お嬢を探さねーと。しっかしここどこだよ全くよー……」

うんざりする気持ちを抑えつつ、猟銃を肩に掛けながら歩き始めた。

654 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 02:59:36.47 ID:BPpZnIIJO [25/90]
「行ったみたいね」

一つはあっちに持たせといた方が都合がいいかもしれないわね。

「さて、もう一つを探すとしましょうか」



さわ子「舞台が整う前にね……」


終了条件未達成

656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 03:14:38.18 ID:BPpZnIIJO [26/90]
桜ヶ丘高校/保健室
第二日
AM6:00:05

平沢唯

終了条件1 学校からの脱出
終了条件2 校長像の破壊
──────────
唯「ん…ここは?」

気づくと見慣れないベッドに横たわっていた。消毒液の香りが鼻を少し刺激する。
白いカーテンで仕切られているのを見て、最初は病院かと思ったけど…次第と頭にある思いが蘇る。

唯「憂……!」

そうだ…私は憂に刺されて…。

唯「あれ? 何ともない」

お腹や胸の辺りを確認してもナイフで刺されたような後はなかった。

唯「それにしても……成長してない…」ガーン

660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 03:23:21.78 ID:BPpZnIIJO [28/90]
唯「憂は……」

──【ギャッギャッギャ】──


──【ッラハギッ】──

──【ビュルルルルルルルル】──

──【バササササササ】──

唯「何か増えてる……というか進化してるよ! 空飛んでるのいたよ!?」

と言ったところで誰も突っ込んではくれないので私はやるべきことをやるべく立ち上がる。

唯「知ってる……私。何をしたらいいのか」

何で? それはまたまたわかんない。けど…。
多分それは間違ってない。それは憂やみんなを助けることに繋がる…!

662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 03:26:34.15 ID:BPpZnIIJO [29/90]
武器がないと。もう逃げてばっかりじゃいられない。
机の上にあるので武器になりそうなものは……

1 ハサミ
2 カッターナイフ
3 ロケット鉛筆

>>663

665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 03:34:44.01 ID:BPpZnIIJO [30/90]
唯「カッターナイフが一番威力ありそうだよね」ムンズッ

カリ、カリ、と刃を出すと……右腕の傷が痛みだす……って。

唯「あれ? このハンカチ……憂の」

右腕に巻かれてたのは見間違おうものがない憂のお気に入りの白いハンカチだった。

唯「憂……。待っててね。お姉ちゃんがきっと助けてあげるから!」

カッターナイフを握りしめ、保健室を後にする。

遠慮はしない。だってあれはもう人間じゃないんだから。

唯「でも何でカッターナイフ持たなくなったんだろう…」

667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 03:47:57.79 ID:BPpZnIIJO [31/90]
「…………」

唯「ん?」

何だろう、これ。

「キョッキョッ…………」

四つん這いになった何かがいきなり飛び掛かってきた!!!

唯「わぁッー!!」

尻餅回避で難を逃れるもその四つん這いの生き物は素早く方向転換し、またこっちに狙いを定めてくる。

唯「なに……これ」

澪ちゃんが見たら魂が飛んで行きそうな程の造型だった。
頭に触覚の様なものが二本生えており、それが益々不気味さを醸し出している。

「ッラハギッ!!!」

唯「このっ!!!」

負けじと反撃! カッターナイフを相手の眉間辺りに突き立てる!というか勝手に突き刺さりに来た!

669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 03:55:20.74 ID:BPpZnIIJO [32/90]
「ギイイイイイイイ」

唯「やった…?」

「フクラハギッ!」

そう言った後、体をダンゴムシの様に丸めて大人しくなった。

唯「何か面白い鳴き声…」

急がないと、復活したら厄介だ。

唯「復活…」

そう、私は知っている。
屍人は死なない。

唯「……」

今はこの感覚に身を委ねることにする。


「ギャッギャッギャ……」

唯「ひいいいいいいいいいいいいいい」

エクソシストの様にブリッジしたままカサカサとこっちに走ってくる。澪ちゃんがとても心配です……。

676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 04:07:05.37 ID:BPpZnIIJO [34/90]
唯「上手く巻けたみたい……」

高さは十分、多分これぐらいから落とせば壊れる筈…。

窓を開け、校長先生の銅像の位置を確認する。

唯「う~んこれぐらいかな」

風は無風、天気は曇り空。

唯「角度よーし、んじゃ投下」

パンッ───
パンッ──

唯「わっ、わわっ。何!?」

慌ててしゃがむと視界ジャックを開始。
一つだけ真っ赤な画面の映像が浮かび上がる。

唯「これ…私がいるところ……」

さっきのは飛んでる奴が撃って来たんだ。
油断してた……。

唯「どうにかして倒さないと……けどあっちは銃持ってるし…」

689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 04:24:21.13 ID:BPpZnIIJO [39/90]
パンッ──

唯「飛べるからって好き勝手やってさ!」

視界ジャックで相手の位置をこまめに確認する。

──【ビュルルルルルルルル】──

唯「あれ…? この屍人だけ全く動いてない……」

何でだろ。

もしかしたらもしかするかもしれない。
言わばボス的のようなもの…!

唯「動かざること山の如しだね!」

大将は動かないのが常。
わたしは静かに教室を出て、ボス(ブレイン)を倒しに向かった。

690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/15(金) 04:27:12.36 ID:BPpZnIIJO [40/90]
>>686
プロ乙

>>688
その調子です
確かにブレイン潰しはSIREN定石だよな


レスしてると眠れないから書き優先で
支援ありがとう

691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 04:34:45.89 ID:BPpZnIIJO [41/90]
それはすぐに見つかった。
一階の調理室の片隅で何かが蠢いている。
何でこんな簡単に見つかったかと言うと視界ジャックをした時、その人に赤い十字の様な光がしばらくつくのだ。
これにより大体の位置を特定出来る。

唯「それにしても……」

「ビュルルルルルルルル」

唯「まさか……あれに入ってるのかな?」

鍋の蓋が小刻みに上下しているのを見る限り、間違いないだろう……。

唯「何か気持ち悪いのばっかりになったよね…」

誰に言うでもなくそんなことを呟いてしまう。

唯「……よしっ」

意を決して近づく。

唯「クッキング開始だよ!!!」

「!?」

692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 04:40:23.72 ID:BPpZnIIJO [42/90]
蛙の卵のような緑色のうねうねの集合体が入った鍋の下にあるガスコンロを一気に強火で点火。

「!!???」

唯「吹きこぼさないように上から強く蓋をしめましょう…!」

鍋の中はどんどん高温になって行き────

「ビュルアアアアアアアアアアアアア」

断末魔かもわからない声が調理室に木霊する。

グツグツグツグツ

唯「美味しくなーれ。美味しくなーれ」

「ピュガ……ガ……」

「」チーン

グツグツグツグツ……

694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 04:45:01.09 ID:BPpZnIIJO [43/90]
──【「グギャアアアアアア」】──

──【「フクラハギッ」】──

──【「ウオウエエエアアアアアアアアア」】ドサッ──


唯「はっ!」

唯「やっぱりそうだったんだ。多分だけどこの気持ち悪いのがあの気持ち悪いやつの親玉でこいつを倒すと他のやつも倒れる……!」

そう、つまり頭脳屍人!

唯「それにしても……酷い臭い」

グツグツグツグツ……

火を止めてさっさとあの教室に戻ろう。鍋の中身は…見たら気絶しそうだからやめとこう。

697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 04:50:12.55 ID:BPpZnIIJO [44/90]
──

唯「よーしあの羽根もいないぞ!」

唯「改めて! 角度よーし! 風よーし! 投下!!!」

三階から銅像目掛けて机を放り投げる。

ガツーーーーン

ボロ……

机は見事に校長先生の銅像にヒットし、その首をもぎ取った。
校長先生ごめんなさい!

すると……ふっと現れた光の塊が一気に天目掛けて飛んで行った。
そこだけ雲は晴れ、光が差し込んでいる。

唯「まず…一つ」


終了条件達成

769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 17:54:25.53 ID:BPpZnIIJO [49/90]
桜ヶ丘 大手スーパー 内部本屋
AM6:30:33

田井中律
──────────
律「ん…あれ」

律「ここって……」

わたしが一番最初にいたスーパーじゃん。

律「戻って来た…?」

辺りを見渡しても澪達はいなかった。どうやらここにいるのはわたしだけのようだ。

律「夢…か?」

そう思うのが自然だろう。けど…どうせ夢ならここじゃなくて自分のベッドで目覚めたかったな。
律「……」

片目を閉じ、意識を集中する。

──【ブゥリゥ…】──
──【ッハッヒャア】──

律「ちっ…やっぱり夢とはいかないか」

終了条件1 スーパーからの脱出
終了条件2 頭脳屍人を倒す

772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 17:58:53.75 ID:BPpZnIIJO [50/90]
まずはスポーツコーナーで武器になるものを探そう。

律「夢だとしても……次こそはみんなを守る」

その為の力を。

1 木製バット
2 金属バット
3 テニスラケット
4 卓球のラケット
5 ピン球(卓球の玉)

>>774

775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:05:54.72 ID:BPpZnIIJO [51/90]
律「やっぱりこの中で一番威力がありそうなのはこれか…」

金属バットを迷わず引っこ抜き、大きく振りかぶってみる。

ブンッ

律「うん、いけそう」

野球小僧みたいにそれを肩に担いで駆け出す。
片目を閉じる。

律「こいつらを操っている頭を潰す……」

それが早いってわたしが言っている。
わたしって誰だって? さあ……?

律「いた……」

──【サカナァ……】──

律「あいつがブレインだったのか……」

場所を確認しつつわたしはエレベーターのボタンを押した。

782 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:12:41.14 ID:BPpZnIIJO [52/90]
それと同時に階段で下に駆け降り、様子を見る。

律「なんじゃありゃ……」

四つん這いになった犬のような化け物がエレベーターの前で何かやっている。

律「……あれが成れの果てってわけか」

もしかしたら……私達も……、いや、考えるのはやめよう。

エレベーターの中に入って行く犬の化け物を見た後、

律「上に参りま~す☆きゃはっ」

扉を閉めてやり上のボタンを連打してやった。

律「なんかデジャブ…」

やっぱり夢じゃなかったのかな…あれ。

783 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:19:30.49 ID:BPpZnIIJO [53/90]
律「ってことは……」

──【ブゥリュリュ】──

律「なんか視界が逆さまになってるけど……こいつに見つかったんだっけ」

しゃがみながらその屍人の近くまで行ってみる。

律「うっ」

今度は蜘蛛かよ……。化け物ってレベルじゃないだろこれ。
澪が心配だ……。

律「さてと……」

服がいくつもかかっている銀の掛け棒? みたいなのをしゃがみながら押す。わたしはその服に隠れながら、ゆっくり、ゆっくり、と近づく。

蜘蛛屍人「?」

ピタッ

蜘蛛屍人「……」

ソローリソローリ……

蜘蛛屍人「?」

律「ハァイ」

出っ張ってるメタボ気味なお腹を思いきり金属バットで殴り付けてやった。

784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:26:18.95 ID:BPpZnIIJO [54/90]
律「よし。後はいるのはいるけどブレインまでの道筋にはいないな」

それでも警戒を怠らず鮮魚コーナーを目指す。
お菓子や野菜に目移りしながら鮮魚コーナーへ。
すると魚をもったまま魚の入ってない緑色のドロドロな水槽を眺めている……魚がいた。
というか頭が魚だ。

律「魚が好きすぎて魚になっちゃったのか……」

体は人型だから魚人? とりあえずあれがブレインってことは間違いないらしい。

律「ゆっくり……バレないように……」

頭脳屍人「ギョ!!」

律「あっ」

785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:30:56.16 ID:BPpZnIIJO [55/90]
頭脳屍人「ギョギョギョ!!!!!」

律「おいコラ逃げんな!」

頭脳屍人「ギョギョギョ!!!!!」

律「待てーーー!!!」

魚頭の怪物を追い回すわたしって一体……。


「ウア!」「ッラハギッ!」「フォッフォッ」

追いかけて走り回っている間に他のやつらに見つかりまくりだよ……ったく。

律「どうするか…」

793 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:39:32.64 ID:BPpZnIIJO [57/90]
律「クソッ! さすがにこれ以上囲まれたらまずい! 迂回してスーパーから出よう!」

陳列棚を縫うように進み何とか出入口から脱出。

律「あの魚め! 覚えとけよ!!!」


終了条件未達成

794 名前:ミス[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:40:41.36 ID:BPpZnIIJO [58/90]
律「クソッ! さすがにこれ以上囲まれたらまずい! 迂回してスーパーから出よう!」

陳列棚を縫うように進み何とか出入口から脱出。

律「あの魚め! 覚えとけよ!!!」


終了条件1 達成

797 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:49:34.53 ID:BPpZnIIJO [59/90]
交番
「ウヒャッヒャッヒャッヒャ」

飛び込むと同時に思いきり体を捻り込み、両腕にありったけの力を込める──

律「よぉ」

「ウヒャ!?」

ゴスゥンッ──

バットを思いきり後頭部から叩き込む。その勢いで机に顔がめり込み出来損ないのコント番組みたいな様になった。

律「なんか頭に羽根生えてら」

知ったこっちゃないけど。

ジリリリ……ジリリリ……
律「…………」

ガチャン

律「悪いな、射殺される前に撲殺したよ」

「もしもし!? その声もしかして律!?」
律「えっ……もしかしてその声……」

「ウヒャッヒャッヒャッヒャ」
律「ちっ、追ってきたか!」

798 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 18:54:51.37 ID:BPpZnIIJO [60/90]
パァンッ───

律「ッ~。銃持ってるやつもいんのかよ! やっぱりあの魚潰しとくんだったな…」

「もしもし!? どうなってるの!? 無事なの!?」

律「悪い、話してる場合じゃないみたいだ」
「律!!!」

律「じゃあな、和」

電話を切ると警察官から素早く拳銃を抜き取り不慣れな手つきで構える。

律「死地ってやつか……」

律「上等!!!」

生き残るんだ……!!!
わたしは!!!
──────────

802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 19:04:57.62 ID:BPpZnIIJO [61/90]
桜ヶ丘 琴吹邸
AM7:00:00

琴吹紬

終了条件1 琴吹邸からの脱出
終了条件2 斎藤を倒す
──────────
紬「ん…」
……またここ。

紬「せっかくいい夢見てたのに」
夢……なのかしら?

紬「……うっ」

自室の扉を出ようとする、

紬「すると斎藤がエントランスの二階から銃を構えていて、私はここから脱出した」

その映像が、さっき見えた内容。

紬「何なのかしら……これ」

益々わけがわからない……。
紬「……どうしよう」
1 素直にここから脱出する。
2 斎藤を倒す為に動く

>>803

804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 19:11:50.71 ID:BPpZnIIJO [62/90]
紬「……斎藤を倒しましょう」

最後の記憶……私を殺したのは……間違いなく斎藤だった。
それに唯ちゃんも……よくわからないけどあれは夢じゃない。
今私がなんでまたここにいるのかわからないけど……またあの未来に行くわけにはいかない。

紬「その為に……封印を解く。あれと戦うために」

あれ? それは……なに?

紬「……わからないことが多すぎるわ」

それでも前に進むしかない。

どうあがいても絶望だとしても

807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 19:21:59.31 ID:BPpZnIIJO [63/90]
視界ジャック、

──【紬お嬢様……早く出てきてクダサイヨ】──

紬「斎藤…」

このまま出れば間違いなく撃たれる。そこで誘導することにする。

紬「携帯は駄目でも…内線は生きてるはず」

自分の部屋に設置されている電話で内線を押し、お父様の書斎にかける。書斎はエントランス二階の側にあるので斎藤まで聴こえる筈。

prrrrr prrrrr

視界ジャックで確認。

──【ウウ!?】──

電話に気づいたのか一目散で書斎に入って行く。
どうやら屍人は音に鋭く反応するみたいだ。目からは血を流してるだけあって視力は悪いのかも。
その間に自室を出るて、キッチンに向かう。

809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 19:29:26.86 ID:BPpZnIIJO [64/90]
紬「武器がいるわ…」

斎藤を倒せる武器…。武器庫に行けば拳銃も手に入るのだろうけど…。
他にも屍人がいるかもしれないし…危険かもしれないわね。
慎重に考えないと。

824 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:01:59.04 ID:BPpZnIIJO [66/90]
紬「フライパンにしましょう!」

琴吹家のフライパンは炒めものに煮物、パンだって焼けちゃうんだから!

紬「銃弾だってへっちゃらよ」

フライパンを持ってキッチンから出る。

斎藤は……

──【琴吹家は……オワリダ……】──

書斎でまだ何かやってるみたい。後ろから殴りかかれば……。

階段を上がり、ゆっくりと書斎に近づく。
都合よく書斎の扉は開いたままだ。
開けたら閉める、それが基本。
いくら化け物になったって言ってもこれぐらいが出来ないなんて、琴吹家執事失格よ、斎藤。
肉眼で斎藤の後ろ姿を捉えた。

826 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:10:07.26 ID:BPpZnIIJO [67/90]
今だっ!
紬「ええいっ」

パコン

斎藤「うぐぅ」
怯んだ! もう一撃!
紬「このっ!」
パコン
斎藤「があ……」
紬「これでとどめよ!」

バァン───

紬「あっ……っ……」
脇腹の肉が吹き飛ぶ、
紬「負け…………な…………」
カチャリ……
フライパンで……防御……。

バァン──

紬「ぐぶっ……」

銃弾はフライパンを突き抜けて紬の頭に突き刺さる。
血が吹き出し、天を仰ぐように仰向けで倒れ込んだ。
斎藤「お嬢様……くひゃひゃひゃ……こっちはいいでしょお?」

終了条件未達成

832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:20:33.71 ID:BPpZnIIJO [69/90]
桜ヶ丘 澪宅
AM9:44:44

秋山澪

───────────

澪「律……もう…ダメだぞ。みんな見てるんだから…」ムニャムニャ

澪「そんなことないよ……律の髪も綺麗だよ」ムニャムニャ

澪「カチューシャつけた律も好きだけど……外した律も……好き」ムニャムニャ

澪「はっ!!! 私何を言って……」

澪「ここどこ…? 律? ムギー! 梓~」

…………

澪「夢……だったのかな」

目を瞑る。

──【ミオチャアン……】──

澪「ひいいいいっ! 夢じゃないいいっ」

終了条件1 秋山家からの脱出
終了条件2 梓を倒す

838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:26:18.86 ID:BPpZnIIJO [70/90]
澪「と、とにかくここから出ないと」

どこまでが夢でどこまでがあったことかわからないけど……。

澪「行こう、守られるんじゃなくて守るんだ!」

大切なものを!

この決意はちょっとやそっとのことじゃ揺らがない!!!


トス……トス……トス……

澪「(マ、ママだ!!! もう上がってきた!!! 早く隠れないと!!!)」

どこに隠れよう…?

851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:32:29.95 ID:BPpZnIIJO [71/90]
澪「よ、よし! クローゼットに隠れよう!」

ベッドの下は前隠れたしな。

そそくさと服をかき分け中に潜り込む。

澪「……」ドキドキ

キィィィ……

澪ママ「ミオチャアン……」

澪「」ポカーン

ママが……唇お化けに…………。

澪『あはははは~』
澪「」

魂が抜けていく…………

澪ママ「ミオチャアン……オトモダチキテルワヨー」

857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:38:43.01 ID:BPpZnIIJO [72/90]
澪ママ「ミオチャアン~ドコニイルノ~?」

澪「」

澪ママ「カクレンボカシラー?」

澪「」

澪ママ「ウフフ……カクレテモムダヨー」

ゴオオオオッ

ベッドを叩き折る。

澪ママ「オカシイワネ~イルトオモッタノニ」

掛布団の下に枕が噛んでいて膨らみ、それを澪だと思い込んでいたようだ。

澪ママ「ミオチャンどこイッタノカシラ……オトモダチがキテルノニ」

いないと思ったのかそのまま唇の化け物は澪の部屋を出ていく。一方澪は、

澪「」チーン

まだクローゼットの中で気絶していた。

869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:46:06.59 ID:BPpZnIIJO [74/90]
澪「……ここは?」

真っ暗だ。私は何をしてたんだろう。

澪「クローゼットの中に入って寝るなんて余程疲れてたんだなぁ。律に笑われちゃうよ。顔洗いに行こっと」

ママにもおはようの挨拶しなきゃ。

部屋を出て、階段を降りる。
緩やかなカーブを描きながら下りリビングに出る。

澪「」

唇のお化けが羽根が生えたお化けと一緒にテレビを見ている。

あれ? 寝ぼけてるのかな?

澪「」ゴシゴシ

澪「」

…………。階段を上り、クローゼットに戻ると閉め、私はまた気絶した。

878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 20:53:08.78 ID:BPpZnIIJO [76/90]
澪「あれ……ここは?」

暗いな……って何回もやったよ!

澪「げ、げ、げ、現実を受け止めなきゃ……」ガクブル

澪「うう……うっ……」

駄目だ……怖すぎる。こんなの私じゃなくても卒倒するよ!

澪「このままここに引きこもろうかな…」

澪「そうだ! イルクーツクに行こう!」

澪「律と一緒に行くんだ! 楽しいだろうな~」

澪「イルクーツクって海とかあるのかな? わかんないや。けどあるならまたみんなで泳ぎたいな~」

澪「最近エリザベス触ってないな…」

885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 21:00:37.29 ID:BPpZnIIJO [77/90]
澪「そんなことしてる場合じゃない!」

みんなと約束しただろう……あの光る世界で。大切なものを守る為って!

澪「今この世界で生きてる人を私が救うんだ…!」

まずはみんなと合流しよう。学校に行けば誰かいるかも。
先に律の家かな? とりあえずここを脱出しないと!

澪「あの唇お化けと羽根お化けを倒すんだ……!」

武器になるようなもの……。

902 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 21:12:24.12 ID:BPpZnIIJO [78/90]
澪「私の歌詞で卒倒させてやる!!!」

勢いよく階段を駆け降りる!

ガタンッ

澪ママ「」
羽根屍人「」

音に反応して階段の方を振り向く二匹。

澪「屍人。こっちにおいでと呼びかける。綺麗な世界があるからと」

澪「でも中々聞いてくれない…。おめめからちょっぴり赤い涙」

澪ママ「」
羽根屍人「」

澪「唇が大きくなったり、羽根が生えたり、みんな違うよ愉快だよ」

澪「パタパタパタパタ、私も大空を飛んでみたいなどこまでも」

澪ママ「」
羽根屍人「」

澪「(即興にしては良くできたな!)」えへんっ

912 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 21:25:01.39 ID:BPpZnIIJO [79/90]
澪ママ「こっちにオイデエエエエエエエエエエエエエ」

羽根屍人「ププ……」
澪「駄目だったみたい」

バササササササ

羽根がついた屍人が私の肩を掴む。

澪「えっ……あっ」

澪ママ「遊びにイクノ? 気をツケテネ」

ママが裏口を開け、そのまま裏口から外へ。
羽根屍人「ププ……」
どんどん……どんどん地上から遠ざかって行く。

澪の「高い……」

ここから落ちたら……。見上げる、私を掴みあげてるものの顔を見てみる……と、それは。
梓「ミーオ先輩」

澪「あ、梓……?」

その瞬間手を離され、私は一瞬だけ空の旅を満喫した。

ドシャッ──

終了条件未達成

926 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 21:41:42.88 ID:BPpZnIIJO [81/90]
桜ヶ丘 大手スーパー交番前
第二日
AM7:00:00

───────────

律「1.2.3.4.5……あ~やめたっ!!!」

敵の数を数えていたが多すぎて嫌になる。

交番に立てこもりながら銃で応戦するも上手く狙いが定まらず、当たらないことの方が多い。
それも当たり前だ、どこの世界に銃を撃つのが上手い女子高生がいると言うんだ。

パァンッ──
パァンッ──

律「ひっ」

交番の壁がすり減る。

律「……どうする、一か八か突撃するか…」

どうするっ…!

938 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 21:55:56.00 ID:BPpZnIIJO [83/90]
律「きっと誰かが……誰かが助けに来てくれる……」

でも……誰が?

律「くっ……」

こんな場所に?

律「それでもぉ……」

来てくれるわけないじゃん。
わたしが誰かを助けても、みんなはわたしを助けてくれない。そんなこともわかんないのかよ?

律「違うっ…! 違うっ…! きっと来てくれる!!!」
約束したんだ…!
わたしは仲間を信じる!
わたしは、思いきり仲間の名前を叫んだ。

943 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 22:04:47.18 ID:BPpZnIIJO [84/90]
律「唯ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」


交番に木霊する声、それに…………。


唯「りっちゃん!!!!!!!」


答えてくれた!!!

外だ!!!

律「唯!!!」

パァンッ──

律「っと!」

どうやら狙われてるらしい。
すぐさま交番内に戻り唯の視界をジャック。

そこから見えるのは屍人の大群。恐らく唯は物陰からこっちを見ているのだろう。

律「唯!!!」

唯「りっちゃん!? 無事だったんだね!」

律「なんとかな!」

950 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/15(金) 22:14:00.91 ID:BPpZnIIJO [85/90]
律「話は後だ!!! そっちで何とか銃を持ってる屍人を何とか出来ないか!?」

唯「わかった!!! やってみるよ!!!」

頼もしい唯の声。ここに来てから唯に会うのは初めてなのに自然と意志疎通出来た。
それにしても懐かしい気がする……、最後に会ったのは多分昨日?のことなのに……。


唯「こっちだよ!!!」

手を振って屍人達に陽動をかけているようだ。その声に釣られ屍人の何人かが唯に向かって行く。

律「あっ……逆に唯が危ないんじゃ!」

と思ったが唯は上手く曲がり角を利用して屍人達を巻いていく。

律「頼りになるぜ唯!」

それしても知ってる人の目線を盗み見るって……何か照れるな。ドキドキするっていうか、あっ~もうっなんでもないっ!

953 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 22:23:53.12 ID:BPpZnIIJO [86/90]
律「この数なら!」

交番を一気に飛び出す。

「ウアアアアアアアアア」

律「そいやっ!」

金属バットで首をへし折る。

「ギュルルルルルルルル」

律「この近さなら外れる方が珍しい!!!」

パァンッ──

「ギイイイイイイヤアアアアアア」

律「いける……!」

けど相手にしてる時間が惜しい。銃を持った屍人が唯を追ってったんだ、のんびりしてたら唯が危ない!

片目で唯の視界をジャックしながらその後を追った。


終了条件1 唯を救出する

957 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 22:36:31.49 ID:BPpZnIIJO [87/90]
唯「大体撒いたみたいだけど……」

──【ひっひっひ……マテェ……】──

唯「一人ついて来てる……、銃を持ったやつが」

そして行き止まり……、隠れられそうな場所は一つだけ……。武器はカッターナイフ……。

961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 22:52:47.57 ID:BPpZnIIJO [88/90]
「ひっひっひ……どこだぁぁぁぁ?」

裏路地の行き止まりの場所で銃を持った屍人がウロウロ何かを探している。

「ひ~ひっひっ……どこだぁ~」


律「こっちだよ」

ガンッ

「ごお…………」

バットで殴られ昏倒する屍人。

律「ふぅ、これで大体片付いたな」

片目を閉じ視界ジャック。

律「(ふふ)」

青いポリバケツの蓋をゆっくり開く。

律「わぁっ! 屍人だぞ~~~!!!」

唯「きゃ~やめて~た~すけ~て~」

律「ってもっと驚けよつまんな~い」

唯「りっちゃんがわたしの視界をジャックしてるみたいに私も見てたんだよぉ」

965 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 22:58:40.88 ID:BPpZnIIJO [89/90]
律「/// 唯のえっち!」

唯「ほえ?」

唯に胸を隠すようにして照れて見せる律。

律「わたしのちっちゃい~とか思ってたんだろ! わ~視界にさえ映らないや~って!」

唯「思ってないよぉ~っと」

ポリバケツから出てニコりと律に笑いかける唯。

律「ほんとにぃ!?」

唯「ほんとほんと。りっちゃんこそポリバケツに入って震えてるわたしを見て笑ってたんじゃないの!?」

律「なわけないだろ! …………すっごい心配だった。変わってやりたいぐらい」

唯「えっ……あ、ありがと///」

律「さて、話したいことはお互いにいっぱいあるだろ」

唯「うん、何から話そうか……」

終了条件達成

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/15(金) 23:58:22.82 ID:BPpZnIIJO [2/2]
桜ヶ丘 喫茶店SDK
第二日
AM10:10:10

平沢唯
田井中律

──────────
あれから場所を一目のつかない喫茶店に移し、唯が買ってくれた缶コーヒーをゆっくりと飲みながら話し合った。

あの後保健室で寝ていたら巻き込まれていたこと。
多分……一度死んだこと。
そしてそれをやったのは憂ちゃんで……でも唯はそれを何か意図があってだと、要するに信じてるってわけだ。妹を。

わたしも話した。
撃たれたこと。
その先で澪達に会ったこと。
そしたらまた元居た場所に戻っていたことなんかを……。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:03:59.92 ID:wMSAAF0rO [1/109]
律「ってことは唯が生きてる人に会ったのは憂ちゃんとわたしだけってことか」

唯「うん。りっちゃんはみんなと会ったんだよね?」

律「……どうだろうな」

薄暗い喫茶店のカウンターに目を遣る。

       ・・
律「少なくともここじゃなかったよ。何て言うか……幻想的な世界だった。凄い田舎で田んぼとかがあったっけ」

唯「……そっか」

律「……他のみんなどうしてるかな?」

唯「わかんない…。視界ジャックは範囲が限られてるから…」

律「ああ、知ってる…」

そう言うと律は残り僅かになったコーヒーを一気に煽り、体に流し込んだ。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:09:30.86 ID:wMSAAF0rO [2/109]
律「これからの話をしようぜ。唯はどうしたい?」

唯「わたしは……憂を助けたい」

律「憂ちゃんか……、今どこにいるのかわかるのか?」

唯「わかんない…」

律「……いそうなとことかは?」

唯「……」

律「はあ…。じゃあとりあえずみんなを探すついでに憂ちゃんを探すってことでどうだ? 澪やムギや梓なら家に行けばいるかもしれないしさ」

唯「……封印を解かないと」

律「封印……?」

唯「うん。この世界を……抜け出す為に」

律「……唯、何か知ってるのか? この世界のこと」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:15:38.76 ID:wMSAAF0rO [3/109]
唯「多分……わたしは知らない。けど…知ってる」

律「なぞなぞなんてしてる場合じゃないだろ?」

唯「りっちゃんだって思い当たる節があるんじゃない? その証拠にあいつらのことを屍人って呼んでた。何で知ってたの? そんなこと」

律「それは……ピューピュー」

唯「りっちゃん、多分わたしのやってることは憂やみんなを助けることになると思うんだ。ここで助けても多分結果は変わらない…」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:19:03.50 ID:wMSAAF0rO [4/109]
律「……どういうことだよ」

唯「…見た方が早いかな。ついてきて」

律「お、おい!」

先に行く唯を焦って追いかける。

唯「あ、そう言えば知ってる? りっちゃん。ここの喫茶店の店長の話」

律「あぇ? え~となんか異界から帰ってきた~とか噂があるんだよな。ムギが言ってたっけ」

唯「うん。その人のハンドルネームを名前にしたんだってさ」

律「SDKねぇ……」

唯「もしかしたらその異界からって話……本当なのかもしれないね」

律「ん?」

カランカラン…

律「あ、待てよ唯~」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:27:10.77 ID:wMSAAF0rO [5/109]
──

律「なんだよ……これ」

崖の下に広がる広大な赤い海。

唯「わたしも見たときはびっくりしたよ。多分……桜ヶ丘がそっくりそのままどこかへ行ったんじゃないかな…」

律「…どこかって?」

唯「それはわからないけど…」

律「わからないじゃないだろ!!! 何か知ってんだろ唯!!!」

律が唯の肩を掴み強く揺さぶる。

唯「いたいよりっちゃん…」

律「あっ……ごめん」

唯「何でこんなことになったのかわからない……けど……脱出の仕方はあるよ」

律「本当か!?」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:35:38.23 ID:wMSAAF0rO [7/109]
唯「四つの封印を解いて……この世界を作っているやつを倒すんだよ」

律「?? よくわかんないけどそうすれば元の世界に戻れるんだな?!」

唯「多分……だけど」

律「……わかった。その封印とやらがされてる場所はわかるのか?」

唯「うん。これまた何でわかるのかがわからないんだけどね。目を瞑るとその位置がわかる気がするんだぁ」ニコ

律「唯……」

そうだ、不安なのはわたしだけじゃない。唯だってわたしと同じだ。
更に自分の妹に刺されたって言うのにわたしの気を遣ってまでくれてる…。

律「唯…」

唯「りっちゃ…ん?」

わたしは優しく唯を抱きしめた。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:44:24.10 ID:wMSAAF0rO [8/109]
律「……こうするとさ、不安が弱まらないか?」

唯「うん……りっちゃんあったかい」

律「唯もあったかい」

人の暖かさが…不安や苦しみや絶望を和らげるんだ。
唯もこんな気持ちになってくれてるといいな。

律「憂ちゃん……助けような」

唯「うん。みんなもね」

律「よし、じゃあ行くか! 封印を解きに!」

唯「うん!」

終わらせるんだ……この絶望を。

唯「りっちゃん胸ちっちゃい」

律「ほっとけっ!」

ペシンッ

終了条件1 3つの封印を解く

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 00:56:31.62 ID:wMSAAF0rO [9/109]
律「さて、どこから行こうか」

唯「学校のはもうわたしが解除したよ。後はこの近くと~澪ちゃん家の近くと~ムギちゃん家の近くかな」

律「なるほど。じゃあ近くからの方がいいかな?」

唯「かもね。順番はりっちゃんに任せるよ」

律「そうだな~……」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 01:06:16.17 ID:wMSAAF0rO [10/109]
律「澪が心配だ……。澪の家の近くやつから行こう」

唯「わかった。ちょっと遠くなるけど……こっち」

律「おいおい、何言ってんだよ唯ちゃん」

唯「へ?」

律「ジジャーン!!!」

唯「そ、それは!?」

律「さっきの喫茶店の表に止まってた車の鍵! こんなこともあろうかとってさ」

唯「りっちゃん……車運転出来るの?!」

律「……」

唯「……」

律「できゅなぃ……」

唯「ですよね~」

律「まあ何とかなるだろ! 戻ろうぜ唯~」

唯「大丈夫かなぁ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 01:20:29.88 ID:wMSAAF0rO [11/109]
唯「唯と!」

律「律の~!」

唯&律「正しい車の乗り方講座~」

唯「まず車が来てないか左右を確認しよう!」

律「来てないみたい!」

唯「次にドアを開けて乗り込みましょう」

ガチャ、バタン

律「乗り込んだぞ!」

唯「えーと次に座席の調節をしましょう! りっちゃんは小さいから座席をめいいっぱい前に出した方がいいかも」

律「ちっちゃい言うな!」

唯「そしてルームミラー、サイドミラーを調節」

律「ちょちょいっと(わかんないから適当でいいや)」

唯「そしたらいよいよ……」

律「発進スタンバイってわけだな……!」

二人の額に仄かに汗が浮かぶ

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 01:28:19.41 ID:wMSAAF0rO [12/109]
唯「田井中君、じゃあエンジンかけてみて」

律「は、はぁい」

鍵穴にキーを差し込んで、回す!

ブゥンブウン……

車は軽快なエンジンを上げながら機動する。

唯「じゃあ次はシフトをDに入れて」

律「シ、シフト? D」

唯「これこれ」

運転席と助手席の間にレバーのようなものがある。

律「ああなるほど。これをDにして……」

ガチャリ

唯「じゃあサイドブレーキ外して発進してみようか」

律「サイド? あ、えっと……」

唯「君はもの覚えが悪いね~田井中君。その後ろにあるやつだよ」

律「すみましぇっん唯教官っ」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 01:35:35.55 ID:wMSAAF0rO [13/109]
律「これを外して……」

スススス……

律「わわっ!!! 勝手に進み出した!!!?」

唯「心霊現象!?」

律「なんばんだぶなんばんだぶ」

唯「と、とにかくブレーキブレーキ!」

律「よっしゃあっ!!!」

ダンッ!

ブォォォッ──

唯「それアクセルだよりっちゃああああんっ!」

律「しまったあああああっ!!!」

唯「その隣のやつ!!! 早くぅっ!!」
律「これかぁっ!」

キキーッ

唯「ふう……」
律「止まった……」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 01:49:07.89 ID:wMSAAF0rO [14/109]
唯「え~とさっきの現象は~……クリームだよりっちゃん!!」

律「美味しそうな現象だな……」

唯「きっと間違ってないよ!」

このままじゃ唯達が教習所で恥をかいてしまう!!!

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 01:56:50.24 ID:wMSAAF0rO [15/109]
タカトラバッタ……

律「はっ! 唯! それはクリームじゃない! タカトラバッタだ!」

唯「タカトラバッタ……?」

律「ああ! タカトラバッタ現象だ!」

唯「うん……うん! 何だかわたしもそんな気がしてきた!」

律「今までわたし達を導いてくれたって言うかさ、後押ししてくれた何かがそう言うんだよな。タカトラバッタって」

唯「わたしもわたしも」

律「タカトラバッタ現象……恐ろしいな」

唯「サイドブレーキを外す時はブレーキしながらだねりっちゃん!」

律「だな!」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:00:22.47 ID:wMSAAF0rO [16/109]
律「唯~発進するぞ~いいか~?」

唯「何か忘れてるような……」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:04:51.51 ID:wMSAAF0rO [17/109]
唯「シートベルト忘れてるよりっちゃん!」

律「おっといけないいけない」

カチャリ

シートベルトは命のベルト、みんなつけよう命のために!

以上、もしも異界に巻き込まれて車を使うようになった時の為のマニュアル

アーカイブ ダッシュボードに入っていた発進マニュアル

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:10:38.63 ID:wMSAAF0rO [18/109]
制限速度を守りつつ走行する。
自分達以外に車は走ってないので安全に走りさえすれば事故はなさそうだ。
ただし、突然出てきた屍人はそれに限った話じゃないが。

律「唯…、生き残ろうな……私達は。何があっても」

唯「うん……」

わたしだってバカじゃない。最悪想定はしている……。
でも……それでも……やっぱり無事でいてほしい。

澪……。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:17:13.27 ID:wMSAAF0rO [19/109]
ようやく澪の家についた私達は。どちらからでもなく車から降りた。

律「澪……無事でいてくれよ」

唯「澪ちゃん……」

終了条件2 梓、澪を倒す。

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:22:23.54 ID:wMSAAF0rO [20/109]
──【ミオチャアン……】──

──【ププ……】──

──【ハチミツ……メープル……】──

律「見えるのは三人か……」

唯「もしかしてこの中に……」

律「ここからの視界ジャックじゃよくわからないな。中に入って確かめよう」

唯「うん…」

先に唯が行き、玄関から入ろうとするも、

律「さすがに玄関からはまずい、こっちだ」

澪の家を熟知していると言った感じで迂回して裏口に回る。

律「澪のお母さんはいっつもここ開けっ放しなんだよな」

そう言いノブを回してみると案の定と云った感じで勝手口のドアが開いた。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:31:32.60 ID:wMSAAF0rO [21/109]
律「……」
唯「……」

二人とも無言になり屈みながら秋山家に潜入した。
既に視界ジャックを行っており、リビングでテレビを見ているのはわかっていたからだ。

そこから素早く二階に上がり澪の部屋を目指す。

唯「(あのちっちゃい羽根の生えてたのは…………)」

律「唯、早く来い! 置いてくぞ」ボソッ

唯「う、うん」

ゆっくり音を立てないように階段を上がる。

律「…………」

唯「…………」

二人とも、目は閉じない。ここまで来れば、いや、唯なら最初からわかっていたかもしれない。
視界ジャックをした時、生きている人間は緑色で表示される。自分は青、そして赤は…………。
律は静かに澪の部屋のドアを開けた。

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:38:39.96 ID:wMSAAF0rO [22/109]
澪「……」

律「澪、迎えに来たぞ」

唯「…………」

澪「リ…………ツ…………?」

律「そうだ、わたしだ。怖かったろう? もう大丈夫だからな」

律が優しく澪を抱き締める。

唯「……っ……うっ……」

唯はただただ溢れている涙を拭っていた。

澪「リツ……リツ……」

澪の目からは大量の血が流れている。それが律の制服に流れ紺色のブレザーが黒色に染まる。

唯「なんで……こんな……」

澪「リツ……リツ……」

律「わたしはここにいるからな……みお……みおっ」

律は声を震わしながら澪の名前を何回も呼んだ。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:43:07.63 ID:wMSAAF0rO [23/109]
唯「りっちゃん……離れなきゃ……」

律「……いやだ」

唯「もうそれは澪ちゃんじゃないんだよ……りっちゃん、」

律「ヤダッ!!! やだやーだぁーっ! これは澪だもんっ! わたしの大事な友達で……幼なじみで……」

律も澪に負けないぐらいの涙を流している。違いは赤か透明かと言うだけだろう。

唯「わたしだって大切だよ! 澪ちゃんは軽音部の……大切な友達だよ……でも」

律「唯なんて澪を知ってから3年も経ってないだろっ!! わたしはずっとずっとずぅっと澪と一緒だったんだ……」

唯「…………りっちゃん」

123 名前:お前らwwwwww さすがだ[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:53:05.27 ID:wMSAAF0rO [25/109]
抱きついているりっちゃんを力ずくで澪ちゃんから引き剥がす。

律「あっ……」

切なげな顔をしたままのりっちゃんをわたしは力いっぱい叩いた。

唯「ばかっ!」

パシンッ──

律「ッ……」

唯「生き残るって言ったじゃない……りっちゃん」

律「……」

唯「おいていかないでよ……」

律「唯……でも……ほら、澪のやつ襲って来ないぞ? もしかしたら……」

唯「それは多分まだ死んでから間もないからだよ…。半屍人なんだ…。でも……次にサイレンがなって血の海を渡ったら……もう姿も形も澪ちゃんじゃなくなる…」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 02:57:33.90 ID:wMSAAF0rO [26/109]
唯「りっちゃんも見たでしょ?! あの化け物達を! ここで死んじゃったら……ああなるんだよ」

律「そんな……ことって……あ、ああ、ああああああああああああああ……」

頭にフラッシュバックする。サイレンの音に導かれ赤い海を渡っていた。
じゃあ……わたしは何で今生きてるんだ?
唯も……どうして?
澪が死んで屍人になったと言うならわたしも唯もそうなっていけなきゃならない。

頭が爆発しそうだ……。

唯「りっちゃん……」

ただ、言えることは……

律「ああ……」

・・
ここではもう澪は戻って来ないってことだ……。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 03:07:03.83 ID:wMSAAF0rO [27/109]
唯「攻撃して来ないのは本当にりっちゃんを思ってたからだと思うよ…。半屍人の行動はね…生前の生活がベースになってるから…」

律「そっか…。唯、澪を楽にしてやれる方法はないのか?」

唯「……屍人は死なないから…。何かを使えば浄化出来たんだけど…わからない」

律「そっか…。じゃあ今はそっとしておこう」

唯「うん…」

律「封印を解いて……必ず助け出してやるからな……澪。それまで待っててくれ…」

そうして二人が踵を返し、部屋を出ていこうとした時だった。

澪「リツ……リツウ……コッチニキテヨ……リツウウウウウウ」

エリザベスをネックから掴み上げ、振りかぶる。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 03:15:53.83 ID:wMSAAF0rO [28/109]
唯「危ない!!!」

壁に当たりそうになったベースのエリザベスにわざと当たりに行く唯。

唯「つ……ぅ……」

いくら片手で持っていたとは言っても細く小さい唯の体には余りにもオーバーダメージだった。

律「唯!!! バカなにやってんだよ!!! 避けれたろ!!!」

唯「だって…あんな勢いで壁に当たっちゃったら……エリザベス……壊れちゃうから」

律「唯……バカ……バカっ…!」

唯もわかっていた。自分が今こうしてると言うことは、もしかしたら澪もまた同じように戻れるのではないか? と。
その時にお気に入りのベース、エリザベスがバラバラだったら…澪は悲しむだろうと。だから、飛び込んだ……自分を犠牲にしてでも守ったのだ。澪の気持ちを。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 03:20:06.64 ID:wMSAAF0rO [29/109]
澪「リツゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥコッチニキテヨーーーーーー」

そんな気も知らず、今の澪はまたエリザベスを振りかぶり、、、

律「澪……ごめん」


わたしは引き金を……

1 引いた
2 引かなかった

>>135

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 03:31:53.62 ID:wMSAAF0rO [30/109]
パァン───

澪「リ……ツ……」

一撃で心臓を貫いた銃弾は一時的にだが澪を安らかな眠りへと誘った。

律「…………」

目を伏せたまま口許を強張らせ静かに泣いている律。仕方がないとは言え友人を撃ってしまった悲しみは、これからずっとついて回るだろう……。

唯「りっちゃん……」

優しく律の肩を抱く唯。

律「……今のうちにエリザベス……隠しておこう」

唯「うん……」

唯はエリザベスを拾うと、ケースに入れクローゼットの中に収納した。

律「行こう……唯」

唯「うん……」

そのまま二人は澪の部屋を後にした。

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 03:44:19.88 ID:wMSAAF0rO [31/109]
階段を降り、勝手口から律が出ようとした時だった。

唯「……りっちゃん、ちょっと先行ってて」

律「……ん、これ」

律が唯にもう一つの武器、金属バットを差し出す。

律「カッターナイフじゃ威力が足りないだろ。それとも左はわたしがやろうか?」

なんだ……知ってたのか。

唯「ううん、大丈夫。一人で出来るよ」

律「……そっか。じゃあ車で待ってる」

去り際に手をひらひらと二、三回振ると律は車の方へと歩いて行った。

バットを握りしめる。

唯「せめて少しぐらいは……いい夢を見てね。あずにゃん」

背後から忍び寄り……唯は二人の頭を砕いた。

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 03:52:18.95 ID:wMSAAF0rO [32/109]
ガチャ……バタンッ

唯が車の中に入ると、律は無言のまま車を出した。

律「……無事で良かったよ」

唯「うん……」

律「……辛かったな」

唯「うん……」

靴を脱ぎ、助手席で体操座りをしている唯。膝に目元を押し当て、必死に堪えている。

律「泣いていいんだぞ……唯」

唯「……う゛ん゛」

それがきっかけになったのか、唯は大声で泣き始めた。
律は左手で唯の頭を持つと、黙って自分の膝まで持ってくる。

律「……」

唯「うぇ…ぐすっ…」

その泣き顔を見ることもせず、ただただ左手で唯を優しく撫でた。
車は唯が言った秋山宅近くの公園に向かって行く。

終了条件2 達成

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:03:24.05 ID:wMSAAF0rO [34/109]
律「唯、ついたぞ」

唯「うん、ここで間違いないよりっちゃん」

律「って言ってもただの公園だろ? ここにそんな大それた封印? なんてもんがあるのか?」

唯「まあまあ、見てなさい」

落ち着きを取り戻したのかいつも通りにあどけて見せる唯。
良かった……。

車を降りて公園の中に入る。昔よく遊んだっけな……澪と。

唯「これだよりっちゃん!」

ビシッと指をさしたのはどこの公園でも設置されている様な水飲み場だった。

律「おいおい……いくらなんでもこれは」

唯「まあまあ。物は試しだよりっちゃん。これを全開まで捻ってみて」

律「はあ…わかったよ」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:10:50.29 ID:wMSAAF0rO [35/109]
それは捻ると上に噴き出す型の奴、わたし自身確かにこれを全力まで捻った覚えはないけど……。

律「こうか~」

唯「もっとだよりっちゃん!」

更に捻り込む。

律「これでどうだああっ」

唯「もっと!! もっとだよ!! 天まで届かせる勢いで!」

律「バカ言うなよ! そんなこと出来るわけ…」

キュ、と、とうとうそれに限界は訪れた。
次の瞬間光が立ち上ぼり、空を覆っている雲を退けた。

律「……」ポカーン

唯「だから言ったでしょ!? 本当だって」

律「うん……まあ……わたしはびしょ濡れだけどな……!」

唯「(残り…二つ)」キリッ

律「どや顔すなっ!」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:18:15.81 ID:wMSAAF0rO [36/109]
律「は~もう、酷い目にあった。次の封印は唯が解くんだぞ!」

風邪をひかないようにそこら辺りの民家に干してあるタオルを拝借して体を拭く。

唯「わかってるよぉ~りっちゃん」ニヤニヤ

律「こっちみるなぁ!」

唯「ふふ、次はどこの封印を解除しに行く?」

律「う~ん残り二つか。ムギの家はここから遠いしな」

唯「……でももしかしたら」

律「ああ、生き残ってるかもしれない。澪はギリギリ間に合わなかったけど…ムギは助けられるかも…な」

唯「うん!」

1 喫茶店SDKの近くの封印を解く
2 ムギの家の近くの封印を解く

>>156

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:25:19.95 ID:wMSAAF0rO [37/109]
律「近い方から行こう。車ならそう時間も変わらないだろうしな」

唯「うん、わかった。近代世界万歳だぬ!」カミッ

律「だぬ!」

唯「りっちゃん酷い~」

律「水浴びさせてくれたお礼だ!」

唯「もぅ」

そうやってほっぺたを膨らます唯が可愛くて、ついついからかってしまう。

せめて唯だけは……生き残って欲しい。

唯だけは……。

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:35:15.61 ID:wMSAAF0rO [38/109]
喫茶店SDK付近の川原──

唯「え~とね……」

律「また水難だけはご勘弁を……」

唯「多分変な石ころがあると思うんだ~。りっちゃんも探してみて~」

律「はあ…結局こうなるのか」

先に川の中に入ってじゃぶじゃぶしてる唯を見ながらわたしも靴を脱ぎ捨て靴下を脱ぎ、川の中に入る。

律「……」

太陽が届いてないせいか気温も秋後半ぐらいになっている為水も若干冷たい……。
って言うか……。

律「唯、これ大丈夫なのか? 赤いけど…」

唯「大丈夫だよ、多分」

律「多分って……」

ほんとに大丈夫かよ…。とにかく一刻も早くその石ころを探した方がいい…気がする。

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:39:55.65 ID:wMSAAF0rO [39/109]
律「唯~あったか~」

唯「ん~ない~」

律「そもそもどんな石ころなんだ?」

唯「炎の形をしたやつ……は違うか。なんかねー掴んでみてこれだっ! ってなるやつー」

律「なんじゃそりゃ」

唯「多分りっちゃんにもわかると思うよー」

律「わかるわけないだろ……」

唯「石ころさえもいとおしい……」

律「? なんか言ったか~?」

唯「う~うん、なんにも~」

律「こんなんで見つかるのかよ……」

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 04:51:32.09 ID:wMSAAF0rO [41/109]
律「まんがタイムキララだ! しかも最新号!」

律「気になってたんだよな~キャラット」

赤い色が染み付いていて読めない……。

律「もうっ!」ポイッ

早く探さないと……。

律「早く探さなイト……」

ムンズッ!

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 05:00:26.54 ID:wMSAAF0rO [42/109]
律「このつるつるツベツベ感……そして手に馴染むフィット感……! まるでこれを持って生まれて来たんじゃないかと見間違ごうような……!」

律「これだああああああっ!!!」

それを天高く掴み上げた瞬間、光の矢が空へと放たれ、天空の霧を晴らしたもう。

唯「見つけたんだりっちゃん!」

律「おぅよ! 残りは後一つだな!」

唯「うん!(あと…一つ)」

ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──────────

律「あの時聞いたサイレンの音……」

唯「12時になったんだ……(澪ちゃん…)」

律「唯、急ごう」

唯「うん」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 05:11:45.65 ID:wMSAAF0rO [43/109]
桜ヶ丘 琴吹邸
第二日
PM12:26:32

平沢唯
田井中律

終了条件1 最後の封印を解く
終了条件2 怪力屍人を倒す
───────────

律「ついた…ムギの家。多分ここであってると思う」

唯「そう言えばムギちゃんの家って来たことなかったよね」

律「だな。住所は知ってたけどやっぱり突然は押し掛けにくいっていうか…。一回家に電話はしたことあるんだけどな」

唯「へぇ~そうなんだ」

律「そしたら執事みたいな人が出てさ。ビックリしたよほんと」

唯「なんとなくそんな気はしてたけど…やっぱりお嬢様だったんだね、ムギちゃん」

律「別荘何個も持ってる時点でそうだとは思ってたけどな」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 05:20:27.69 ID:wMSAAF0rO [44/109]
唯「でも……それを鼻にかけてたことなんて一度もなかったよね」

律「ああ。好奇心だけは人一倍あったけどな」

唯「そこがムギちゃんの可愛いところだよぉ」

律「だな」

唯「……封印はこの中だよ、りっちゃん。近くって言ってたけどこんなにもムギちゃん広いって思わなかったから」

律「まさか敷地内とは思わなかったか」

唯「そういうこと」

律「唯、先に言っとくよ。何があっても封印を解け、何があっても……だ」

唯「りっちゃん…それって…」

律「わたしはみんながいる世界がいい。一人も欠けてない…元の世界がいい」

律「だからその世界に、お前が導いてくれ。唯」

唯「…うん」

190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 05:30:45.87 ID:wMSAAF0rO [46/109]
律「行こう。終わらせるんだ、この世界を」

唯「うん!」

車にあった役に立ちそうなものを一式持ってゆき、広大な敷地に足を踏み入れた。

律「……」

律が片目を閉じる。

律「多いな…執事とか使用人が屍人化したのか?」

律「唯、封印されてる場所は?」

唯「真ん中の中庭辺りかな?」

律「ならど真ん中を突っ切った方が早そうだ」

拳銃の弾の残りは後5発、それが切れたら後はバットで押すしかない。
唯は何故か車の中に入っていた火かき棒を新たな武器として持っている。

「ッラハギッ」「ラハギッ」「ギッ」

律「番犬の登場ってわけか!」

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 05:37:13.68 ID:wMSAAF0rO [47/109]
無駄撃ちは出来ない…。銃をスカートとおへその間にし舞い込むと両手で金属バットを握る。

律「唯!」

唯「うんっ!」

左右から攻めてくる犬屍人に対抗するため唯と背中合わせになりながら迎え撃つ。

「ギイイイッ」

律「なろっ!」

飛びかかって来た一匹目を平行にスイングして弾き飛ばす。

「ッギ!!!」

続けざまに襲って来る犬屍人。
こっちに二匹来てくれたのは都合がいいが後ろに唯がいるから避けるわけにもいかないっ!

律「くっ」

バットの端と端を持って壁を作り、

律「てやっ!」

なんとか押し返す。

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 05:42:36.41 ID:wMSAAF0rO [48/109]
唯「このっ! このっ!」

片目を閉じ、唯の視界をジャック。
火かき棒を振り回して何とか近づけさせてないようだ。
ちょっと可愛いな、なんて思ってたのは内緒。

「ッラハギッ!!」

律「来たか…!」

押し返した犬屍人が勢いをつけ、もう一度飛び込んで来る。
もう片方の目でも同じような光景が繰り広げられていた。

こうなったら…!

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 05:59:18.07 ID:wMSAAF0rO [52/109]
ここは唯を信じて……!

律「そりゃっ!」

一気にしゃがむ……もし唯がここでしゃがまなかったら…。

唯「わわっ」

おおっ! さすが唯! わたしの意思を読み取ってくれたか!

「ギャンッ」「キャウンッ」

私達の上空で凄い勢いでぶつかり合う犬屍人達。
それぞれ明後日の方に弾き飛ばされたのを見て、一気に仕留めにかかる。

律「唯! そっち任せた!」
唯「う、うん! わかったよりっちゃん!」

弱っている犬屍人にわたしの必殺技が襲いかかる!
喰らえっ!

技名>>203

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 06:05:16.07 ID:wMSAAF0rO [53/109]
律「はかいこうせん!!!」

「フクラハギッ」

律「決まった……」

打撃なのにこうせん? って質問は受け付けな、い、

唯「なんかちょっと触っただけで倒しちゃったよ~。あれ? りっちゃんなにやってるの?」

律「……反動で動けない」

唯「ふえ?」

律「恐ろしい技だ……」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 06:09:52.19 ID:wMSAAF0rO [54/109]
犬屍人を撃破した私達はいよいよムギの家の中に潜入を開始する。

律「おじゃまします!」
唯「おじゃましませんよ~」

律「それ小さい時に澪ん家でやったやった」
唯「わたしも和ちゃん家でおじゃましま~すって言うと邪魔になるなら帰ってって言うからおじゃましませんよ~って言ってよぉ」

律「和は厳しいな~。あっ! そう言えば和から電話があったんだよ!」

唯「えっ?! いつ?!」

律「朝方だったかな。何でかわからないけど交番の電話から」

唯「う~ん……携帯も圏外でかからないはずなのにね」

律「謎だな…」

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 06:16:52.12 ID:wMSAAF0rO [55/109]
途端、体が震える。

律「唯! 伏せろ!!!」

唯「えっ?」

反応しきれていない唯の頭を掴んで無理矢理下げさせる。

チュインッ──

間一髪と言った具合にギリギリかわし、わたしと唯は左右に別れ、壁に隠れた。

律「唯、わたしが囮になるからお前は中庭の封印を解きに行け!」

唯「そんなの無茶だよ! 相手は銃を持ってるんだよ!? りっちゃんが死んじゃうよ…!」

律「唯…車で言ったろう!? 何があっても封印を解けって!」

唯「でも…やっぱりやだよ!! りっちゃんを置いてなんていけないっ!!」

駄々を捏ねるように首を振り拒否する唯。

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 06:25:29.68 ID:wMSAAF0rO [57/109]
律「全く……お前が死んでも知らないからな!」ニヤッ

唯「りっちゃん…」

律「わたしが銃を撃って間を作る。その間に唯は中に入って隠れるんだ。そして視界ジャックで様子を見て後ろを取れそうならそいつで一発頼む。くれぐれも無茶はするなよ!」

唯「了解でありますりっちゃん隊員!」

律「幸運を祈る、唯隊員!」

敬礼を交わし、りっちゃんの拳銃の音が合図になった。

パァン──

よーい…どん、まるでかけっこが始まる時の前みたいに緊張していて…ちょっと転びそうになったりした、けど…!
何とか中に入ることに成功した。とりあえずすぐ側にあった部屋へ逃げ込む。

唯「わぁ…本がいっぱい」

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 06:31:52.01 ID:wMSAAF0rO [58/109]
律「唯は上手くやったか…」

弾は後一発…陽動に使うにしては勿体無い。
私は再びそれをスカートにし舞い込むと、機会を伺う。

バァン───
バァン──

律「くっ…」

鈍々しい音を上げながら玄関、いや、門の方が表現は正しいかもしれない。を削り取っていく。
撃たれるごとに自分の居場所が削り取られているみたいで悪寒が走った。

律「だけど…ここがチャンスでもある」

あの猟銃は古いのか弾が二発しか込められないようだ。その証拠にどんな時でも二発撃つとその後若干間があった。

律「その間にわたしも飛び込めれば…!」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 06:41:42.42 ID:wMSAAF0rO [59/109]
次だ…次に来たら飛び込む。出る振りをして陽動をかける、すると、
バァン──

律「(一つ…)」
すかさず陽動、
今度はギリギリまで行く。

バァン──

律「(二つ!!!)」

一気に飛び出し手短な部屋へと、

バァン──

律「なっ……」

ズウッ───

律「あ゛あ゛あ゛があああっ」

足を撃たれた……。
痛い……痛いよぉ……クソッ……何で三発目が…。
部屋に転がり込みながら片目を閉じ猟銃を持っている屍人の視界ジャック。

──【フエッヘッヘッ……】──

屍人は弾を一発だけ入れ、また狙いをつけている。
そうか……普段は一発づつにしておいて……わたしが出てこようとした時に素早く二発弾を入れたのか……なんてリロードの早さだよ…。

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 06:47:02.15 ID:wMSAAF0rO [60/109]
それにこの知能……並みの屍人レベルじゃない。何だよ……こいつ!!!

律「クソ……立てよ…立てよわたし!!」

足から大量の血を流しながら、それでもバットを支え棒代わりにして立ち上がる。
幸い弾は貫通しているらしく、風通しはいい…かな。

──【死ね…殺してやる…幸せそうな面をしたやつなんてみんな死ね…】──

エントランスを降りてこっちに来ている…わたしを仕留めるつもりだろう。

律「な…ろうっ!」

バットを下手に持ち構える、唯だけはやらせない…!
相討ちになってでも倒す…!

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 06:52:47.41 ID:wMSAAF0rO [61/109]
ギリギリの所で視界ジャックか切れる、なるほど…体力がなくなると出来なく…なるのかな?

ただ扉に向かって走り、敵が見えたところでバットを大きく振りかぶる。

律「持っていけ!!!」

わたしの命と引き換えだ!!!

カチャリ……

コンマ数秒、多分テレビでよく言われてる百分の何秒ってやつ足りない。
このバットが当たる前に…やつは引き金を引くだろう。
そうわかっていてもわたしはもう逃げない。この一発にはわたしだけじゃない、澪や梓…みんなの気持ちが込もってんだよ!!!

律「届けええええええええええええええええ!!!!」

バァン──

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 07:00:40.68 ID:wMSAAF0rO [62/109]
律「……」

「…………オゥ…」


唯「間に合っ…た?」
律「…………」

糸の切れた人形みたいに倒れ込む律。

唯「りっちゃん!!!!」

頬と足から血を流し、眠ったように倒れている。

唯「…り゛っち゛ゃん……」

律の頬にポタリと落ちる……

律「……」

鼻水。

律「やけにねっとりしてると思ったら鼻水かよっ! 視界ジャック損だよ!」

唯「りっちゃん!!! 生きてて良かったよぉ……」

律「ギリギリな。唯がなんか投げつけたおかげで射線がズレたみたい。てか何投げたんだよ?」

唯「火掻き棒!」

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:05:48.70 ID:wMSAAF0rO [63/109]
律「あの車に入ってたやつか……救われたな、火掻き棒に」

唯「だね!」

律「」ビクッ


律「唯、わたしは動けないから一人で封印を解きに行ってくれないか?」

唯「でも……りっちゃんの手当てしなきゃ!」

律「それぐらい自分でできらぁい。心配するなよ。人間頑丈に出来てるからこれぐらいじゃ死なないよ」

唯「……ほんとに?」

律「ああ。りっちゃん嘘つかない」

唯「…………うん、わかった。じゃあ行ってくるね! 封印解いたらすぐ戻ってくるから!」

走り去る唯の後ろ姿を見て、安心した。これでもう大丈夫だな。

律「さて……と。いるんだろう、ムギ。出てこいよ」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:12:12.01 ID:wMSAAF0rO [64/109]
怪力紬屍人「オギャアァァァァァ……」

律「変わり果てちまったな……ムギ」

よっこらしょっと。
バットを杖がわりにして立ち上がる。このバットには本当世話になったな…。

律「今……楽にしてやるから」

ごめんな……唯。わたしは結局生きられる運命じゃなかったみたいだ。
でもここまでお前を守れて良かったよ。
あの時光る世界でしたみんなとの約束……守れたかな?

予告ホームランの構えでいい放つ。

律「りっちゃん甲子園、開幕だぜ」

唯、後、任せた。

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:19:16.15 ID:wMSAAF0rO [65/109]
──

唯「早く……早く封印を解いてりっちゃんの手当てを…」

ドアと言うドアを、扉と言う扉を開け、白色の光を追う。まるで江戸時代の殿様みたいな絵面だなんて思いながら、ようやく中庭へ辿り着いた。

唯「この噴水を壊せば……!」

目に入った大きめの石の目の前でしゃがみ込み、

唯「ふんすぅぅぅぅぅぅぅぅいっぱああああああああああつぅぅぅぅぅぅぅぅ」

ありったけの力で持ち上げる。
よたよた歩きながら水を溜めてる要因となってる噴水の段差に上り、石を、

憂「やめて、お姉ちゃん……」

唯「憂……?」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:26:16.89 ID:wMSAAF0rO [66/109]
──

律「どうしたよ!? そんなもんかぁ!? 今のりっちゃんは絶好調だぜ!?」

怪力紬屍人「アアアアアアアア」

なんとかキッチンまで誘導出来たのはいいけど……そろそろ立ってるのも限界くさいな。

ここに入って回してから数分……そろそろいいか。

律「どうしたよ! そんなもんか!?」

ひたすら煽る、もっと近づけないと……!

怪力紬屍人「ウキャアアアアアア」

中華鍋を投げつけてくるムギ。それを弾かずかわす……。

律「あっ……」

余程足に来てたのか避けた拍子に尻餅をついてしまった。
その間に距離を詰められ、

紬「シャランラァァァァァァァァァァ」

首を締め上げられたまま持ち上げられる。

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 07:30:22.76 ID:wMSAAF0rO [67/109]
なんて力だよ……、こりゃ後数秒持たずにへし折られるな。
他人事みたいに洞察した後、スカートとヘソの間にある拳銃を取り出す。

これで仕上げだ……。
・・
また、救えなかったな……ちくしょう。

でもまあ……いっか。
次こそは……必ず。

全員助け出すんだ……。

その時力を貸してくれよ……わたし。

意識が消える前に、引き金を、引いた。


ズオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンン

───────────

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:35:24.74 ID:wMSAAF0rO [68/109]
唯「憂……なんで」

憂「お姉ちゃん……。どうして諦めてくれないの?」

唯「諦められるわけないよ!!! みんながこんなことになる世界なんて……」

憂「それが現実なんだよ」

唯「違うっ! わたしの知ってる世界は……もっと希望に溢れてた!!!」

憂「絶望は希望、一緒なんだよ、お姉ちゃん」

唯「ちがうちがうっ! わたしは……わたしは……みんながいない世界なんて絶対に認めない!」

憂「……じゃあ私が消えてもいいの? お姉ちゃんは」

唯「えっ……」

憂「お姉ちゃん、私は……」



堕辰子なの──

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:42:22.03 ID:wMSAAF0rO [69/109]
唯「堕辰子…?」

憂「そう。この世界を作って、みんなを苦しめてる元凶なんだよ?」

唯「そんな……嘘でしょ…?」

憂「……嘘じゃないよ。その証拠に」

憂が何かを差し出して来る。
青い炎……。

唯「宇理炎……?」

憂「それで私を焼けばこの世界は終わる。安心して、お姉ちゃんは死なないから」

唯「……?」

憂「終わらせたいんでしょ? なら封印を解くなんてまどろっこしいことしないで私を焼けばいい」

唯「憂……」

私は……

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:50:40.07 ID:wMSAAF0rO [71/109]
唯「……焼かないよ」

憂「なんで……? お姉ちゃんを刺したり…みんなにいっぱい酷いことしてるのに!!」

唯「だったら怒る。めっ、そんなことしちゃダメでしょ!」

憂「なんで……なんでそんな優しいの……? お姉ちゃん」



唯「お姉ちゃんだからだよ。憂」

憂「…………」


唯「それに……憂を宇理炎で焼いても終わらないしね」

憂「!? なんで……そのことを」

唯「前はそれで失敗したから、もうしない。憂を助け出すから……必ず」

憂「お姉ちゃん……って呼んでもいいの?」

唯「いいに決まってるでしょ? 姉妹なんだから」

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 07:58:01.84 ID:wMSAAF0rO [72/109]
憂「お姉ちゃん……」

憂「うっ……あ……ああっ……」

唯「!?」

突然頭を抱えて苦しみ始める憂。

憂「お姉ちゃん……来ちゃ……ダメ……ああ……ああああああああああああああ」

ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──────

間近で聴こえるサイレンの音、いや、違う……あれよりもっと獰猛的な……。
唸り声のような…………。

憂「お……姉ち……ゃん……」

憂の伸ばした手を、

唯「憂いいいいいっ」

わたしは、掴めなかった。

唯「憂……」

跡形もなくどこかへ消え去ってしまった憂……。

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 09:46:21.47 ID:wMSAAF0rO [73/109]
唯「どれだけ時間がかかっても……」

唯「どれだけ絶望したって……!」

唯「絶対に助けてみせるから……!!!」

だから待ってて、憂。

そう決意するのと、爆発の余波が来るのは、同時の出来事だった。

わたしはりっちゃんとの約束通り石を投げ入れ封印を解く。

光の塊が天へ穿たれ、最後の封印が解かれた。

唯「ここから始まる……」

でも、それはもうちょっと先になりそうだ。



終了条件達成

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 09:48:10.99 ID:wMSAAF0rO [74/109]
??? ???
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平沢唯

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「ウアアアアアアアアア」

「グギャアアアアアア」

「ギイイイイイイ」

唯「何匹でもおいで……」

右手には火掻き棒、左手には宇理炎。

唯「はあっ!!!」

宇理炎を掲げ、浄化する。

「ギイイイッ」 「ウオオオオオ」 「ヒイエエエエエエ」

唯「次こそは……絶対に」

今はただそのピースが揃うのを待とう。

この、煉獄で。

ジェノサイドEND



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