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従妹「にぃにぃ久しぶりっ!」2

従妹「にぃにぃ久しぶりっ!」
続き

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:37:28.00 ID:gnuypYpN0 [26/42]
従妹「しかし、にぃにぃよく食べるね」

男「そうか? 育ち盛りだからな」

従妹「もう大学生でしょ……成長は止まってるんじゃないかな……」

母親「それを言うなら、従妹ちゃんのほうが育ち盛りよね」

従妹「えっ……そんなことは……」

母親「だって見て見なさいよ、この胸っ」

ぽよんっ……。

従妹「あっ……ん……」

男「──ぶはっ! ごほっごほっ……」

母親「きったないわねぇ……」

男「ば、ババアっ! 何触ってんだよっ!」

母親「いいのよ女同士なんだから。ちなみにサイズいくつ?」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:44:21.81 ID:gnuypYpN0 [27/42]
従妹「え、ええと……」

母親「あーっ、男がいたら言い難いわねっ! ほら、耳貸すから」

ごにょごにょ……。

母親「うわっ……なにそれっ……ほんと大きいわ……」

男「くそっ、人が飯食ってるって言うのに……」

母親「でもそれだと、気に入ったブラ見つからないでしょ」

従妹「そうなんです……あんまり可愛い系はなくて……」

母親「そうよねぇ、特別に作って貰うのにもお金かかるし」

母親「あっ! でも、確かそういう専門のお店、私、知ってるわ」

従妹「え、それ、本当ですかっ?」

母親「うん、私は利用したことないけど、確かそうだったと思う」

男「洗濯板だもんな」

母親「……はい、晩飯抜き決定ー」

男「ちょっ……」

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:52:19.34 ID:gnuypYpN0 [28/42]
母親「夕飯が食べたいなら、従妹ちゃんと一緒に買い物行ってきなさい」

男「えっ? 俺がランジェリーショップについてくわけ?」

母親「それも兼ねて、どっか色々遊びに行ったらいいでしょ?」

男「いや、まあそうだけど」

従妹「にぃにぃも来てくれると助かるなっ」

母親「その店までは、バスで二十分ぐらいのとこにあるから」

母親「あと近くに遊園地みたいのもあるはずよ。男分かるでしょ?」

従妹「遊園地?」

男「ああ、そっち方面か……となると……」

従妹「ねっ、にぃにぃ行こうよっ!」

男「あー分かったって……まあ、あの辺なら遊ぶに困らないか……」

母親「どうせ暇なんだから、行ってきなさい。従妹ちゃんをしっかりエスコートするのよ」

男「はいはい、分かりましたよ」

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 04:23:26.87 ID:gnuypYpN0 [29/42]
従妹「着いたぁっ!」

男「こんな時間なのにバスこんでたな」

従妹「でも、にぃにぃ、庇ってくれたもんね」

男「そりゃあ……男の役目だからな……」

男(周りの男どもの野獣の目には対抗せざるをえなかった……)

従妹「ええと、この先にあるんだよね」

男「母親のへったくそな地図によるとな」

従妹「地図、もう一回見せて」

男「ほれ、ここの『もくてきちっ!』って書いてあるとこ」

従妹「はは、文字が可愛い」

男「ババア、実は漢字書けねぇんじゃねーかと心配になったわ……」

従妹「もう、そういうこと言わないっ」

285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 04:27:03.24 ID:gnuypYpN0 [30/42]
男「店に入ると変態だから、俺は外で待ってるよ」

従妹「えー、別に、同伴ならいいでしょ?」

男「いいや……俺にはちょっと無理だって……」

従妹「いいのっ! ほらっ、ついてきてっ!」

ぐいぐい……。

男「うわっ……また、またこの流れっ……引っ張るなっ……」

カランカラン。

従妹「うわぁぁ、おばさんの言った通りだっ」

男(うっ……周りの視線が痛いっ!)

従妹「にぃにぃ見てっ! これすごく可愛くないっ!?」

男「わ、わからんって……俺に聞くな……」

従妹「うーん……でも、ありすぎて迷っちゃう……どれにしようかな……」



289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 04:39:14.85 ID:gnuypYpN0 [31/42]
店員「どうです、お目当てのもの見つかりましたか?」

従妹「あっ……いっぱいいいのがあって困っちゃってます」

店員「それは有り難いお声、ありがとうございます。失礼ですが、お連れの方は彼氏さんですか?」

男「いいや、しんせ……」

従妹「はいっ! 実はそうなんですよっ」

店員「ふふっ、それはそれは。そうですね、なら彼氏さんに選んでもらうなんてどうです?」

従妹「あっ、それ名案ですね。にぃにぃ?」

男「……え、俺が選ぶの?」

店員「ちなみに、彼女さんはサイズ幾つですか?」

従妹「ええと、Fの70です」

男(……え?Fカップもあんの!?)

店員「そうですね……それだと、この辺がお勧めかな……」

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 04:42:55.31 ID:gnuypYpN0 [32/42]
従妹「この店、ほんと種類が豊富ですねっ」

店員「はい、サイズが大きい方のをたくさん用意してますので」

従妹「ほら、にぃにぃ、選んで」

男「選べって言われても……」

従妹「直感でいいから、なんかこれだっ!みたいなやつ」

男「……うーん……」

男「……こ、これかな?」

店員「あらあら……また、アダルティなものをお選びに……」

従妹「く、黒……?」

男「い、いや、なんとなくいいかなって……」

従妹「私がつけるには……うーん……でも、にぃにぃがそういうなら……」

店員「ご試着なされますか?」

従妹「はい、じゃあ、他にもこれと……ええと、これでお願いします」

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 04:46:40.26 ID:gnuypYpN0 [33/42]
従妹『……にぃにぃ……ほら、入って見てみてっ』

男「それは、駄目だって……店員さんも見てるしっ」

店員「私は全然構いませんよ。いないものと思って結構です」

男「そ、そんな……」

従妹『ほらお店の人もそう言ってるんだから、悪あがきはやめてさっ』

男「……うぅ……」

従妹『もうじれったいなぁ……よしっ!』

ザザッ……。

男「なっ……」

男(一瞬の隙に引きずり込まれたっ!)

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 04:50:34.19 ID:gnuypYpN0 [34/42]
従妹「どう? 結構似合ってるかな?」

男(し、下着姿……しかも、近いっ、近過ぎるっ……)

男「お、おお……似合ってる! 似合ってるよっ!」

従妹「むーほんとぉー? なんか適当な感じがするなぁ」

従妹「もっと近づいてよく見て。ねっ?」

ぐいぐい……。

男「いいって……ここからで十分だって……」

男(当たる……当たっちまうっ! 胸に顔がっ!)

従妹「どう? にぃにぃに選んでもらったやつだよっ」

男「グッドグッド! だから、お願い……もう限界だって……」

従妹「んーまあ、いいか」

男「……はぁー……はぁー……これでやっと終わりか……」

従妹「あと二つあるから、そっちもよろしくねっ」

男「……へっ?」

299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 05:17:38.68 ID:gnuypYpN0 [35/42]
従妹「ここが遊園地なんだ」

男「……うぅ……」

男(くっ……俺の息子よ……そろそろ鎮まれっ!)

従妹「もうげっそりしてないで、早く元気取り戻してねっ」

男「……あ、ああ……」

従妹「ほらほらっ、初めは勿論、ジェットコースター!」

男「もしかして、回る方か?」

従妹「あれ? にぃにぃって絶叫系駄目だった?」

男「いや……大好きだけど」

従妹「ならオッケーだね。よっし、レッツゴーっ!」

男「そ、その前に……トイレに行かせてっ」

331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:52:58.00 ID:gnuypYpN0 [37/42]
男「やべぇ……まだ目が回る……」

従妹「小さい遊園地なのに、結構ガチのやつだったね」

男「どうだ? そろそろ飯時だし腹がへってきた」

従妹「うん、どっかで昼食にしよっ」

男「んー……お店とか結構出てるけど……」

従妹「あっ、にぃにぃあれっ」

男「ん? どこだ?」

従妹「ほらっ、あのカップル」

男「ああ……なんか飲み物飲んでるな……って、二つストロー?」

従妹「一緒に同じもの飲んでるね、いいなぁ」

男「えっ……まさか」

従妹「にぃにぃ、私達もあれ飲もうよっ」

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:57:23.60 ID:gnuypYpN0 [38/42]
男「……『カップル限定、真夏のトロピカルジュース』」

従妹「ははっ、もう秋なのにね」

男「……マジで頼むのか?」

従妹「うん、もう決めちゃったもん」

男「はぁ……」

店員「ヘイ、オニイサン。ナニニスル?」

男「ええと、ホットドック一つと……」

従妹「私も、同じ物で」

店員「オーケー、ホットドックフタツネ」

従妹「あと、真夏のトロピカルジュースもお願いしますっ」

店員「オオ、オフタリアツアツネー。ナカイイコトイイネ」

従妹「ふふ、そんなことないですってー」

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:02:51.74 ID:gnuypYpN0 [39/42]
従妹「わぁ……ストローがハートマークだ……」

男「ちょっ……聞いてないっ!」

店員「オアツイオフタリニ、サービスネ」

男「ノー! ストローチェンジッ!」

店員「イイノイイノ、ハズカシガルノヨクナイネ」

従妹「そうだよっ、折角店員さんが気をきかせてくれてるのに」

男「こんなもんで飲めるかっ! 恥ずかしくて死ぬわっ!」

店員「……シネ? モシカシテ、オニイサン、イマシネイッタ?」

男「えっ? 言ってないよ……」

店員「シネイウナラ、ワタシアイテナルヨッ!! Fuck you, boy!!」

男「いや……そんな……」

従妹「ほらっ、にぃにぃいくよっ!」

男(くそ……今更、変えてもらえそうな空気じゃねえよ……)

336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:11:10.31 ID:gnuypYpN0 [40/42]
ちゅぅー……。

男(はずいっ! これは恥ずかし過ぎるっ!)

従妹「にぃにぃ、もっと一緒に飲もっ」

男「い、いいよっ、交互に飲もうぜっ!」

従妹「そんなのつまんないよっ、一緒に飲めばハートが綺麗な色になるのに」

男「お前はこの視線に堪えられるのかっ!?」

通行人A「うわぁ……見て……あれ」

通行人B「熱々だな……そうそう、あれは出来ないぞ……」

通行人C「しかし、あの子すげぇ可愛い……相手は微妙な癖して、うぜぇな……」

男(この刺すような視線……男どもの醜い嫉妬の目)

従妹「いいのいいのっ、他の人は気にしない」

男「そ、そんな……」

従妹「にぃにぃ、せーので飲もっ! やらなかったら、チューしてもらうからっ!」

男「ちょっ……それはさらに無理っ!」

338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:16:21.36 ID:gnuypYpN0 [41/42]
従妹「次は……お化け屋敷っ!」

男「おい、いいのか? 確か、怖いの苦手だっただろ?」

従妹「そ、そんなことないよ……?」

男「完全にまだ苦手じゃねぇか。無理しなくていいんだぞ?」

従妹「で、でも、この機会逃したら、一生入れなさそうだし……」

男「別にお化け屋敷に入れなくたっていいだろう」

従妹「いいのっ、もしかしたら、それほど怖くないかもしれないし……」

男「……お前、看板ちゃんと見たのか?」

従妹「う、ううん……怖くて直視してない……」

男「血だらけの首無し女が大量に描かれてたぞ……」

従妹「……うぅ……」

男「やめとこうな? あんま無理していいことないぞ?」

従妹「行くもんっ! もう、私、大人だからっ!」

535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:13:35.41 ID:KapuKFan0 [2/37]
従妹「きゃあああああっ!?」

男「うおっ……」

従妹「にぃにぃ、怖いっ……もうやだよぉっ……」

男「だから、やめようってあれだけ言ったのに」

従妹「……うぅ……もう出たい……」

男「はぁ……もう少しだと思うから頑張れ」

従妹「にぃにぃ……」

ぎゅっ……。

男「お前、さっきから近すぎだって……」

従妹「やだっ、絶対離れないもんっ」

536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:15:16.53 ID:KapuKFan0 [3/37]
男「これじゃあ、抱き合って歩いてるみたいなもんだぞ……」

従妹「そんなの知らない……私、もう目瞑ってるから後はお願いね……?」

ぽよんっ……。

男「くっ……」

従妹「……にぃにぃ?」

男「わ、分かったっ、俺に任しとけっ!」

男(暗闇の中でこんな状態だったら……くっ、理性がヤバいぞっ!)

男「よ、よしっ! かっ飛ばすぞっ!」

従妹「えっ!? にぃにぃ早いよっ!?」

男(急げっ、一刻も早くこの場から離れないとっ!)

538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:19:18.99 ID:KapuKFan0 [4/37]
男「…………」

従妹「…………」

男「……あー……つかれた……」

従妹「……もう二度と入らない……」

男「それがいい……お前のためにも、お前と一緒に入る人のためにも……」

従妹「どういう意味なの……それ……」

男「深い意味はない……。で、次どうする?」

従妹「……なんか、落ち着ける場所がいいよね……」

男「んー……そろそろ日も落ちる頃だからなあ……」

従妹「あっ……あれ」

男「どうした?」

従妹「ほら、観覧車っ」

539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:26:41.45 ID:KapuKFan0 [5/37]
従妹「うわぁ……どんどん上がってくねっ」

男「久しぶりだな、観覧車なんて」

従妹「にぃにぃとも昔、一緒に乗ったよね」

男「どうだろ……そうだったっけ?」

従妹「覚えてないのー? 高いのが怖くて泣いてた私をずっと励ましてくれたじゃん」

男「あー何となく……微かに記憶が……」

従妹「手をずっと握ってくれて、私、とっても心強かったんだから」

男「鼻水垂らしてたな、確か」

従妹「もうっ、何でそんないらない部分だけ覚えてるのっ」

男「はは、ごめんごめん」

従妹「でも、もうあの頃からずっと時間が経ってるんだね」

男「…………」

従妹「お互い、大きくなって……住んでる環境も変わって……」

男「……そう、だな」

541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:32:21.61 ID:KapuKFan0 [6/37]
従妹「昔みたいに、頻繁に会えるみたいな状況も無くなって……」

男「…………」

従妹「にぃにぃは私と会えなかった間、どうしてた?」

男「普通に高校に通ったり、受験したり……そんなもんだ」

従妹「うん、私もそんな感じ」

従妹「でもね……その間、ずっと会いたかった」

男「…………」

従妹「にぃにぃに、ずっーと会いたかったんだ……」

男「……ああ」

従妹「おばあちゃんのところに帰省するときには、いつもワクワクして……」

従妹「だけど、向こう着いたら、やっぱりにぃにぃはいなくて……」

男「……ご、ごめん……」

従妹「会いたかった……寂しかった……」

男「…………」

544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:37:30.02 ID:KapuKFan0 [7/37]
従妹「だからね、私……決めたの」

男「えっ?」

従妹「大きくなって環境が変わって、こんな風に疎遠になるくらいだったら」

従妹「私がその環境を変えてやろうって……私自身で何とかしようって」

男「…………」

従妹「だから、私はにぃにぃと同じ大学に行く」

男「……従妹」

従妹「たった一年だけかもしれないけど……でも、それでも私にとっては大切なの……」

男「…………」

男「……そんなに」

従妹「……ん?」

男「そんなに、俺のことを中心に考えなくても……」

男「歳をとって……それで疎遠になっていくって、普通の形なんじゃないか?」

545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:45:28.63 ID:KapuKFan0 [8/37]
男「血が繋がった兄妹とかなら、その縁は一生離れられないけど」

男「俺達は、従兄妹なんだ。小さい頃は一緒に遊ぶけど……時間が経てば、それも変わってく」

従妹「…………」

男「でも、こうやってたまに会って……昔話に花を咲かせたり、近況を話し合ったり」

男「……それで、いいだろ。それが……普通だろ?」

従妹「……ふつう……なんだろうね」

男「だからさ、お前が俺と同じ大学に来るって言うのは嬉しい……でも」

男「それが、俺と会えるからっていう、つまんない理由なら……正直、賛成は出来ない」

従妹「……にぃにぃ」

男「自分の進路のことをしっかり考えるべきだ。それこそ、自分自身のためにな」

男「厳しいこと言うかもしれないけど、それがお前のためだと思うぞ」

従妹「…………」

男「……ごめんな……ちょっと暗い話しちまった」

従妹「……いいの……私のことを思って言ってくれたんだし……」

男「…………」

550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 09:57:00.34 ID:KapuKFan0 [9/37]
とことことこ……。

男「…………」

従妹「…………」

男(……あんなこと言っちまったせいで……気まずい……)

男(がらにも無く……真面目なこと言っちまったからな……)

男「……なあ、従妹」

従妹「……ん?」

男「さっきはああ言ったけど、まあ、深く考えなくていいぞ」

従妹「え……でも」

男「俺の気持ちはそうだけど……実際、決めるのは本人なんだから」

従妹「うん……」

男「すぐに受験ってわけでもないんだから、ゆっくりと考えればいい」

従妹「そう、だよね……」

男「お前がどう決めても、最終的には俺は応援するから」

従妹「にぃにぃ……」

551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:03:09.16 ID:KapuKFan0 [10/37]
男「せっかく久しぶりに会えたんだ、今は楽しく明るくいこうぜっ」

従妹「ははっ、にぃにぃがそんなこと言うなんて」

男「なんだー? 俺がお前と会って楽しくないとでも思ってんのか?」

従妹「……だって、にぃにぃ、今日もそうだけど乗り気じゃなかったじゃん」

男「そ、それはさ……」

従妹「久しぶりに会ったときも……何か、あんまり相手したくないみたいな」

男「いやいや……それは照れみたいなのが影響してだなっ」

男(あまりにもお前が美人になってるから……正直、どうしていいのか分かんないんだよ……)

従妹「でも、そうやって言ってくれるなら助かったよ」

男「そ、そうか?」

従妹「うん、まだ、にぃにぃも私のこと好きなんだって分かったし」

男「ま、まあ、そういうことだ」

従妹「よしっ、元気取り戻したっ。仲良くいこっ」

ぎゅっ……。

男「えっ、手……握るの……?」

556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:09:39.72 ID:KapuKFan0 [11/37]
従妹「むっ、にぃにぃ……」

男「わ、分かったよ……今さっき否定したところだしな……」

従妹「そうだよっ、二人仲良くっ」

男「お、おうっ」

男(しかし、この歳になって、手を繋ぐ従兄妹って変だよな……)

従妹「ふふっ……にぃにぃ、顔真っ赤」

男「うるせっ、夕陽のせいなんだから勘違いすんなよっ」

従妹「うん、そういうことにしとくから」

男「くっ……いいようにあしらわれた……」

従妹「いいのいいの、さっきの仕返しだもんっ」

男「なんだよ……仕返しって……」

男(まあ……暗い空気が変わっただけでも良しとするか)

?「……あれ」

男「ん?」

557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:15:35.54 ID:KapuKFan0 [12/37]
女友「もしかして……従妹?」

従妹「……えっ、うそ……」

男「なに? 知り合い?」

従妹「う、うん……学校の友達……」

女友「なんで従妹がこんなとこにいんの?」

従妹「それは私の台詞だよっ。今、親戚の家に来てるの」

女友「私も実家がこっちだから……」

従妹「えっ……そうだっけ?」

女友「従妹には話したことないっていうか……そんなこと普通話さないというか」

従妹「まあ……そうだね」

女友「……で、お隣さんは彼氏か何か?」

従妹「ええと……」

男「──違います」

女友「うわっ……即答……」

男「こいつの従兄だ。よろしくな」

561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:21:38.37 ID:KapuKFan0 [13/37]
女友「はぁー従兄ねぇ……しかし、手握ってるけど」

男「そ、それは……ちょっとしたふざけたスキンシップというか……」

女友「ちなみに従兄妹同士なら結婚出来るって知ってます?」

男「ちょ、ちょっと待って」

女友「ははっ、そんなに焦らなくていいのに。逆に疑われちゃいますよ?」

男「…………」

従妹「もう女友っ、にぃにぃを困らせないで」

562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:22:48.63 ID:KapuKFan0 [14/37]
女友「にぃにぃ?」

男「……そこも深く追求しないでくれるかな……」

女友「あーはい。今ので何となく理解できました」

男「察してくれると、ありがたい……」

女友「なんとなくお兄さんとは、分かり合える気がしますね」

従妹「えっ、何……二人の間で何が?」

女友「いいの従妹は。今の調子でガンガンいきなさい」

男「ちょっ……君」

女友「お兄さんとは分かり合えますが……私、面白いことも好きなんですっ」

565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:44:06.61 ID:KapuKFan0 [15/37]
男「えっと、何飲む?」

従妹「私、オレンジジュース」

女友「アイスコーヒーでお願いします」

男「了解……オレンジジュースとアイスコーヒー二つで」

店員「かしこまりました」

女友「すみませんね、奢ってもらっちゃって」

男「いやまだ言ってない……まあ、そのつもりだったけどさ」

女友「ははっ、ちょっとした冗句ですよ」

男「君、バリバリ計算高いだろ……」

従妹「……むぅっ」

男「あ、どうした?」

女友「さっきから、お兄さんと私の会話に入れてなくてむくれてるんですよ」

従妹「そんなことないもんっ」

女友「あっ、『もん』が出た」

従妹「そ、そんなことないですっ!」

568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:49:18.57 ID:KapuKFan0 [16/37]
男「はははっ」

女友「……あれ、何か今おかしいこと言いました?」

男「いや、従妹がどうやって学校生活送ってるか、今ので分かった気がする」

女友「そういうことですか」

従妹「……なんか、言葉に悪意を感じるなぁ」

男「女友さんは、従妹と結構仲良いんだ」

女友「入学式の時に偶然隣の席になりまして……それからこんな感じです」

従妹「いい、にぃにぃ。この子、結構黒いから騙されちゃ駄目だよ」

女友「ちょっと、従妹、何余計なこと言ってんの」

男「まあ、何となく分かってるけどね」

女友「お兄さんまでそんなこと言って……」

男「じゃあ、なんか従妹の面白い話とか知ってるんだ?」

従妹「にぃにぃっ!」

女友「それは勿論、数多くをご用意してますよ」

570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 10:56:33.73 ID:KapuKFan0 [17/37]
女友「私が一番驚いたのはですね、入学初日のことでした」

従妹「うわぁ……ちょっとやめてよぉー……」

男「ふむふむ」

女友「入学式もちょっと変な気がしてたんです。でも、それがなんのか分からなくて」

女友「その後、各生徒は自分の教室に移動したわけなんですが、その時も私は従妹と喋っていて」

女友「教室に入った時……あっ、これは、と」

男「ほう」

女友「その時、なんの違和感か理解したんですね。それが、男どもの飢えた視線だって」

男「は、はは……」

従妹「絶対、違うもん……」

女友「幸運なのか悪運なのか分かりませんが、私達は席も隣同士で」

女友「そこからもやっぱり、粘着質な気持ち悪い視線がつづく一方でした……」

女友「それで、女の直感で分かったんですよ……これは、この後、何かあると」

573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:07:08.32 ID:KapuKFan0 [18/37]
女友「事が起きたのは、担任が挨拶を終えた後のことでした」

女友「生徒たちも初めの緊張からやっと解放され、一人また一人と続々と帰っていく中」

女友「顔をひきつらせながら、一人の男子が私達の元へ」

男「あーはい……」

女友「私も顔には自信が無いわけではありませんが、この隣の子には勝てる気が全くありませんでした」

女友「女の私から見ても、嫉妬を通り越して……最早『すげぇな』の一言で片付けられる始末」

女友「勿論、男子の視線は私など眼中になく、しっかりと従妹を見据えていました」

女友「で、呼び出しですよね、そこは古典的です」

女友「従妹に無理矢理連れられた私、そして従妹」

女友「裏庭では、男子の一世一代の告白が今にも始まりそうな時」

男「え……始まらないの?」

女友「どこに隠れてたんだ……と呆れるほど、木々の端からそれぞれ男が三人現れました」

男「……はぁ……それはまた」

女友「奇怪な光景でした……。男四人が奥で話し合った後、従妹に向かって一列に並んだんです」

男「絶対、奥でジャンケンしてたよね」

576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:13:39.85 ID:KapuKFan0 [19/37]
女友「そして……」

女友「──悪魔の四人切りっ」

男「……はぁ……」

従妹「……うぅ……だって……」

女友「四人が連続でふられる光景なんて、私初めて見ました」

女友「二人とかなら分かりますが、四人ですよっ?」

男「……俺も今まで見たことねぇな」

従妹「……そ、そんなぁ……」

女友「まぁ、それが初めて従妹と会った日のことで……」

男「いや、本当に凄いね……」

従妹「にぃにぃ……」

女友「ちなみに、授業が始まった後の一週間、のべ十三人が切られましたけど」

男「…………」

従妹「もうっ! にぃにぃが言葉失ってるよっ!」

578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:26:37.14 ID:KapuKFan0 [20/37]

女友「それで、渋谷のスカウトマンに従妹が言ったんですよ」

女友「『私、エッチなビデオに出るつもりはありませんからっ!』」

男「ははははっ」

従妹「……うぅ……」

女友「初めからきちんとした雑誌の人だって、名刺見せて貰って分かってるのに」

女友「アダルトビデオって……くくっ、スカウトマン、口開けて呆然としてましたよっ」

男「ははっ、し、しかし、話が尽きないな……」

女友「そうですね……話し出すと幾らでもありますから」

従妹「もうーそういうのいいから、にぃにぃも満足したでしょ?」

男「いや、うん、もうたっぷり聞いた」

従妹「女友も喋り過ぎだよ……私のイメージ崩れて来てるじゃん……」

男「それはないって、お前、やっぱり可愛いもんな」

従妹「……えっ……あ、あ、ありがと……」

女友「ふふっ、お兄さんには従妹はメロメロですね」

従妹「もうっ、そんなことないもんっ!」

580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:33:49.09 ID:KapuKFan0 [21/37]
男「……っと、話してたからもうこんな時間か」

女友「あっ……七時をとっくに過ぎてますね」

男「そろそろ出ないとな、夕飯作って帰りを待ってると思うし」

従妹「うわぁ……おばさんに悪いことしたかも……」

女友「そうだ、従妹」

従妹「ん?」

女友「私、こないだ聞いたんだけど、滝先輩の話」

従妹「えっ……う、うん」

男「滝先輩?」

女友「近いうちに、また告白しようとか言ってるみたいだよ? メール来てるんじゃないの?」

従妹「いや……うん……ちょっとここではいいじゃん……」

男「俺に遠慮しなくていいんだぞ? で、滝先輩って?」

女友「あー、滝先輩っていうのはですね……」

従妹「──女友っ! にぃにぃに話さなくていいっ!」

女友「えっ……でも……」

582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:37:35.85 ID:KapuKFan0 [22/37]
男「……従妹?」

従妹「別にここで話さなくてもいいでしょ?」

女友「それはそうだけど……」

男「なんだ? 俺に、聞かれたくない話なのか?」

従妹「そ、そういうことじゃないけど……」

男(なんかモヤモヤするな……はっきりと聞いとくか……)

男「滝先輩っていうのは、お前の元カレだったりするのか?」

従妹「違うっ! それは違うよっ、そういうのじゃないって……」

男「でも、お前、すごい言い難そうにしているから……」

従妹「もういいじゃん……この話はあまりしたくないよ……」

男「…………」

男「……ああ、分かった」

男(……くそっ……なんか気になるな……)

女友「…………」

584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:40:51.75 ID:KapuKFan0 [23/37]
女友「じゃあ今日は、ありがとうございました」

男「おう、こっちも色々、話し聞けて良かったよ」

女友「はい……従妹」

従妹「うん……なに……?」

女友「最後のほう……ちょっと余計なこと言ってごめんね」

従妹「……べつに……いい」

女友「……うん……じゃあ、また」

男「また機会があったらな」

従妹「……ばいばい」

女友「…………」

女友「……そうだ」

男「ん?」

女友「お兄さん、ちょっといいですかっ?」

従妹「女友?」

585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:45:20.47 ID:KapuKFan0 [24/37]
従妹「にぃにぃに余計なこと言うの止めてよ」

女友「違うって。私も女なんだから、察してくれない?」

男「……えっ……それって」

従妹「だ、駄目だよっ!」

女友「ちょっと待って。別にお兄さんは従妹の彼氏でも何でも無いんでしょ?」

従妹「そ、それはそうだけど……」

女友「だったらいいでしょ。そんなの私の勝手だし」

従妹「……う、うぅ……」

男「お、おいおい……」

男(なんなんだ……この流れ……)

女友「お兄さん、ちょっとこっち」

男「で、でも……」

従妹「…………」

男(従妹が俺のシャツを握ってんだよな……これを振り切りわけにはいかないし……)

586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:46:26.74 ID:KapuKFan0 [25/37]
従妹「……お兄さん」

男(……ん……? 待てよ……?)

男「……従妹、シャツ離して」

従妹「うっ……」

男「……ん、ありがと」

従妹「…………」

男「そっちで、話せばいいんだな?」

女友「あっ、はい……」

588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:50:57.21 ID:KapuKFan0 [26/37]
とことことこ……。

男「それで、滝とか言う奴の話なんだろ?」

女友「……話が早くて助かります」

男「この後のフォローのことをもう少し考えて欲しかったけどな」

女友「すみません……咄嗟に、思いついたのがあれしかなくて……」

男「で、何なんだ? 従妹は俺に聞かれるの嫌だと言ってたぞ?」

女友「……それでも、お兄さんには話しておきたいんです」

男「…………」

女友「滝先輩っていうのは、うちの三年の人なんですけど」

女友「サッカー部のキャプテンやってる凄い人で、人気もあるんです」

男「ああ」

女友「その人が、最近、従妹に夢中になってまして……」

男「昔の元カレとかではないんだな?」

女友「勿論違います。というか、従妹が他の男子と付き合ったことは無いです」

593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 11:54:52.95 ID:KapuKFan0 [27/37]
男「……そうか」

男(何だよ……なんで、安心してるんだ、俺……)

女友「一度、その人が従妹に告白して……ふったんですけど」

男「ん? 何か問題があったのか?」

女友「いや、そこまでは問題ないんですが」

女友「滝先輩には、その前に付き合ってた方がいて……」

男「ああ……」

女友「従妹が好きになったってことで、その人と別れたんです」

男「……そういうことか」

女友「従妹はそれが自分のせいだと思ってるらしくて」

女友「あんまり、その滝先輩の話は嫌みたいですね」

男「……ん」

女友「とくにお兄さんに聞かれるのは……」

男「…………」

596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 12:00:26.95 ID:KapuKFan0 [28/37]
男「…………」

従妹「…………」

男(また、この空気か……いらん置き土産をしてくれたよな……あの子)

従妹「……にぃにぃ?」

男「ん、どうした?」

従妹「……え、ええと……さ」

男「おう」

従妹「女友……何だって?」

男「いや、まあ……うん」

従妹「……にぃにぃ?」

男「ちょっと、気になります……みたいなこと言われただけだよ」

従妹「……そ、それで?」

男「いや、うんと、ありがとう……みたいな」

従妹「……にぃにぃは、女友のこと好きなの?」

男「いや……」

597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 12:05:29.70 ID:KapuKFan0 [29/37]
従妹「……そ、そのさ……」

男「ああ……」

従妹「私は……どう、かと思うなあ……」

男「えっ……何が?」

従妹「いや、女友って可愛いけど、本当は腹黒いし……」

男「ああ、そういうことか」

従妹「ケーキだってねっ、お腹一杯とかいいながら、三つとか普通に食べちゃうんだよっ」

男「あ、うん」

従妹「そ、それに……ええと、他に何があるかな……」

男「もういいよ」

従妹「……え?」

男「あの子に悪いけど、俺は付き合う気とかそういうのは無いから」

従妹「……全く? これっぽっちも?」

男「おお、ああいうしっかりものタイプは俺には合わない」

従妹「そ、その通りだよっ」

600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 12:08:12.35 ID:KapuKFan0 [30/37]
男「年下に尻敷かれるっていうのは、ちょっとな」

従妹「……う、うん」

男「まあ、どっちかというと」

従妹「……ん?」

男「あの子と従妹なら……俺は、従妹の方がタイプだな」

従妹「……うぅ……」

男「ははっ、照れちゃったか」

従妹「……にぃにぃ」

こてっ……。

男「お、おい……バスの中だってっ……」

従妹「ありがと……にぃにぃ」

男「う、うん……」

従妹「私も……にぃにぃのこと、好き……」

男「…………」

643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 17:22:14.36 ID:KapuKFan0 [33/37]
男「ただいまー」

従妹「すみません、遅くなってしまって……」

母親「気にしない気にしない。もう、ご飯は出来てるから」

男「親父は今日も帰って来てんのか?」

母親「さっき電話があって、急な仕事が入っちゃったんだって」

男「いつもならしない連絡をわざわざ……」

母親「それだけやっぱり若い娘がいると、はりきっちゃうんでしょ」

男「完全に変態親父だな……」

従妹「は、はは……」





646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 17:28:38.89 ID:KapuKFan0 [34/37]
母親「それで、従妹ちゃん。気に入った下着あった?」

男「ふぼっ!」

従妹「おばさんの言った通り、ばっちしでした」

母親「それは良かったわ。入ったことはなかったから、結構心配だったのよね」

男「食事中に、それも、異性がいるところでする話題ではないだろ……」

母親「どんなの買ってきたの?」

従妹「ええと、三つほど可愛い系を選んできました」

男「おい、お前ら俺の話を聞け」

母親「どれどれ……」

がさがさ……。

男「もうやだ……この母親……」

母親「ちょ、ちょっと……従妹ちゃん」

従妹「えっ……どうかしました?」

649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 17:32:42.28 ID:KapuKFan0 [35/37]
母親「黒のやつあるじゃない……最近の子だと、これも可愛い部類なの……?」

従妹「あー、そうだった……。えっと、それはですね……」

男「…………」

従妹「にぃにぃが選んだものでして……」

母親「な、なんとまあ……」

男「好きで選んだんじゃないっ! あくまで強制されてだからなっ!」

母親「それにしても、これを選ぶとは……我が子ながら恐ろしいわ」

従妹「そ、そうですね……」

男「おい、フォローはどうしたフォローは」

母親「でも、あんたが気に入ったのを選んだんでしょ? これが良かったわけ?」

男「いや、まあ……そうだけどさ……」

母親「やはり、あの人の血を継いでるだけあるわね」

男「……それは凹むわ」

従妹「にぃにぃ、元気出して……」

651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 17:40:02.81 ID:KapuKFan0 [36/37]
母親「はあー、やっぱり遊園地に行ったんだ」

従妹「はい、時間いっぱいまで色々回りました」

母親「観覧車とかも乗った?」

従妹「最後に一回乗りましたよ」

母親「いいわねぇ……青春してるわね……」

男「まあ、なんだかんだ言って、楽しかったな」

従妹「うん、とっても楽しかったっ」

母親「なんか、懐かしいわね。昔、二人が小さかった頃、みんなで行ったじゃない?」

男「あー……それ、従妹が言ってたな」

従妹「聞いてくださいよ、おばさん。にぃにぃ全然覚えてないんです」

母親「あれ、あんたが一番楽しんでたのに?」

男「いや……微かに記憶はあるけど、そこまでは……」

従妹「私は完璧に覚えてるのにひどいよぉ……」

母親「ほんとこの子ったら肝心なところで駄目ね。親の顔がみたいわ」

男「お前だよ、親お前だから」

652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 17:49:55.72 ID:KapuKFan0 [37/37]
男「……ふぅ……」

男(こうやってガス抜きしとかないとな……何があってからじゃ遅い……)

男(しかし従妹が来てからというもの、完璧に回数が増えちまってる……)

コンコン。

従妹『にぃにぃっ、早く入れてっ』

男(噂をすれば何のその、ってやつだな……)

男「おう、今開ける」

ガチャ……。

従妹「もう、遅いよっ!」

男「いやいやごめん……って、おいっ!?」

従妹「どうかな?」

男「どうってお前っ、下着姿じゃねえかっ! このバカっ!」

729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 06:32:28.61 ID:J3pGO6No0 [1/32]
従妹「だって、せっかくにぃにぃが選んでくれたんだもんっ」

男「だから、試着室で見たってっ!」

従妹「ちゃんと見て欲しいのっ、似合ってるかどうかっ」

男「似合ってるってっ! 頼むから、服を着てくれっ!」

男(やべぇ……このボディは反則だろっ……)

従妹「ほら、後ろも……」

男「あーもうくそっ、埒があかねぇっ」

ザバッ……。

従妹「あっ……」

男「変な声だすな、俺のジャージ貸してやるからそれ着ろ」

従妹「……むぅ……もう、何か適当……」

男「適当も何も……この流れが俺には意味分からんわ」

731 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 06:37:34.14 ID:J3pGO6No0 [2/32]
従妹「気を取り直して……にぃにぃ、いつもの、ね」

男「……そろそろ止めにしようぜ」

従妹「ダメだよっ、私がお風呂に一緒に入らないことの条件でしょ?」

男「それがかなり無茶あるんだって……」

従妹「でも、約束は約束だもんっ! にぃにぃ、お願いっ!」

男「……はぁ……」

男(付き合ってもいないのに……こんなこと続けてもいいのかな……)

従妹「にぃにぃ……?」

男(俺がもし、今後、従妹と付き合う彼氏だったら、従兄とキスしてた女なんて嫌だよな……)

従妹「……も、もしかして……怒った?」

男(やっぱり、従妹のためにも……こういうのは止めた方がいいじゃないのだろうか……)

従妹「何か……返事してよぉ……」

男「…………」

従妹「にぃにぃ……」

男「なあ……従妹」

732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 06:43:18.68 ID:J3pGO6No0 [3/32]
従妹「……え?」

男「やっぱりこういうのは良くない」

従妹「そ、そんな……」

男「ほら、これからのこと考えろよ。今はお前に好きな奴はいないかもしれないけど……」

従妹「今だけじゃないもんっ、これからもだよ?」

男「まあ俺の話を聞け……確実に今後、付き合いたいなって思う男性が現れるよ」

従妹「……絶対ないもん……」

男「そんな男性が現れた時に、今みたいなことを一から始めればいいだろ?」

男「そんなに焦らなくても、いつかはしなきゃいけない時がくるんだから」

従妹「今がいい……」

男「そう言って、あまり俺を困らしてくれるな……」

従妹「にぃにぃは……にぃにぃは、私だと嫌なのっ?」

男「そういうことじゃなくてな……」

従妹「誤魔化さないでよっ!」

733 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 06:48:48.05 ID:J3pGO6No0 [4/32]
従妹「私だから、年下だから? それとも、妹みたいに思ってるから嫌なの?」

男「そうじゃない……」

従妹「だって、にぃにぃが言ってることってそうだもんっ」

従妹「にぃにぃにだって、付き合ってる女性いないんでしょ? 私もいない……なら、問題ないじゃんっ」

男「それとこれは、話が別だ」

従妹「……にぃにぃ……」

男「母親にも言われたけど、俺はお前に手を出しちゃいけない」

男「お前がまだ恋愛に対して無垢だからこそ、年上の俺が歯止めをきかせないと駄目なんだ」

従妹「そんなこと……」

男「はっきり言って、俺は恋愛を経験したことがない」

従妹「……っ」

男「だから、キスとかそういうのは恋人同士がやるもんだって、信じてる」

従妹「……うぅ……」

男「だから、今みたいなこと続けるのは正直しんどいんだ」

734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 06:53:39.58 ID:J3pGO6No0 [5/32]
従妹「にぃにぃは……私のことを恋人だと思えないの……?」

男「……恋人というよりは、妹に近いな」

従妹「…………」

男「小ちゃい頃から一緒にいたじゃないか。何も知らない同士とは訳が違う」

従妹「……っ」

男「それにさ、やっぱり俺はお前に幸せになって欲しいんだ」

従妹「……にぃにぃの言う、私の幸せってどんなの?」

男「そりゃ……お前がいい人と付き合って、楽しい日々を送……」

従妹「──押しつけだよ」

男「押しつけって……」

従妹「にぃにぃは私のこと妹みたいに思ってるって言ったけど」

従妹「私はにぃにぃのことを実の兄だと思ったことは一度もない」

男「…………」

従妹「兄でもないにぃにぃに、そんな心配してもらわなくてもいい」

男「……お、お前……」

736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 06:59:37.26 ID:J3pGO6No0 [6/32]
従妹「大体、いい人って何? あまりにも漠然としてる」

男「そりゃ……お前のことを一番に考えてくれて……」

従妹「そんな人いないもん」

男「お前が知らないだけで、いるって……」

従妹「……いない」

男「従妹……」

従妹「……っ」

従妹「にぃにぃ以上に私のこと考えてくれる人なんて、絶対いないもんっ!」

男「…………」

従妹「にぃにぃじゃ駄目なの? その役目を負ってくれないの?」

男「だから、そういう極端な話じゃなくてさ……」

従妹「私は真面目だよっ? にぃにぃがいいっ」

男(……従妹は……俺を勘違いしてる……)

男(昔の頃の思い出が強すぎて……俺のことを過剰に評価してるんだ……)

男(……有り難いけど……嬉しいけど……でも)

737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:02:48.56 ID:J3pGO6No0 [7/32]
男「お前の錯覚だよ、それは……」

従妹「……そんな……」

男「……もう少し経てば分かる。今は分からないかもしれなけどな……」

従妹「…………」

従妹「……だ、だったら……」

男「ん?」

従妹「にぃにぃは……私が、他の人と付き合うの許せる?」

男「……別に……」

男(……何だ……何でもっとはっきり言わないんだ……)

従妹「別に……って」

男「相手がいい人間だったら……いいじゃないか?」

従妹「…………」

男「ほら……あの、滝先輩とかいたじゃないか」

男(おいっ! 俺は何を言ってるんだっ!)

738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:07:57.72 ID:J3pGO6No0 [8/32]
従妹「……滝先輩は全く関係ないよ」

男「そんなに初めから毛嫌いしなくてもいいだろ?」

従妹「にぃにぃは知らないんだから、それこそ余計なお世話」

男「前の人と別れて……それは、従妹のことを大切に思ってくれている証拠じゃないのか?」

従妹「……な、何でそれ……」

従妹「ああ……女友が話したんだね……」

男「…………」

従妹「……にぃにぃが言いたいことは、もう分かった」

従妹「それで、にぃにぃは滝先輩と私が付き合えばいいって思ってるの?」

男「……まぁ、そういうことだな」

従妹「ふーん……滝先輩ねぇー……」

男「…………」

従妹「いいよ、なんかもう私も分け分からなくなってるし」

男「……えっ?」

従妹「ここに呼び出そ、滝先輩」

740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:12:08.88 ID:J3pGO6No0 [9/32]
男「ちょっと待て……こんな時間にか?」

従妹「いいよめんどくさいし。さっさとこの話を終わらせたい」

男「明日でもいいだろ……相手のことを……」

従妹「私が決めたの。もう、指図しないで」

男「…………」

従妹「滝先輩って人は、にぃにぃが言うようにいい人かもしれない」

従妹「あんまりうわついた話も聞かないし、前の彼女とも別れたしね」

男「……そうか」

従妹「誰が私の連絡先教えたのか知らないけど、たまにメールもくるんだ」

男「…………」

従妹「私は興味なかったから、いつもゴミ箱に直行だったけど」

従妹「まあそれで、連絡先は知ってるの」

男「ああ……」

従妹「じゃあ、連絡するから。時間になったら、二人で駅まで行こっ」

742 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:16:43.43 ID:J3pGO6No0 [10/32]
男(俺の思い通りになったはずだ……)

男(従妹との不純な行為も終わって、アイツも幸せになれる……)

男(誰も損をしない……誰もが最良になれる選択だ)

男(でも……どうしてだ……)

男「…………」

従妹「もうすぐ時間だね」

男「……そうか」

従妹「どうしたの? さっきから全然喋らないけど」

男「…………深い意味はないよ。ただ、色々考えてるだけ」

従妹「ふーん……しかし、滝先輩も、こんな夜遅くにバイクで大丈夫かな」

男「…………」

男(どうして……胸が張り裂けるほど、痛いんだろう……)

男(妹を取られる……そんな気持ちなのか……)

男(でも……きっとこれが正しいんだ……)

従妹「……あっ」

744 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:21:09.54 ID:J3pGO6No0 [11/32]
男「ん……もしかして、あれが」

従妹「……うん、滝先輩だと思う」

滝「……どうも」

従妹「ごめんなさい……こんな時間に呼び出してしまって……」

滝「あーうん、別にいいよ」

従妹「本当に、ごめんなさい……」

滝「気にしなくていいって。で、話って何なの? それに、この……横の人は?」

男「…………」

男(身長は俺よりもずっと高い……顔も整ってるし……勝てる要素が見つからないな)

男(……ん? なんで、俺が勝てなきゃいけないんだ?)

従妹「この人は、私の従兄です」

滝「はぁー……それで、何でこの人が?」

従妹「ちょっと付き添ってもらったんです」

滝「ええと……ごめん、良く理解できないな……」

746 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:26:46.65 ID:J3pGO6No0 [12/32]
従妹「滝先輩には、前から色々気持ちを伝えられてきました」

滝「う、うん……そうだね」

従妹「ごめんなさい、一回目は断ってしまって」

滝「ははっ、あの時は結構落ち込んだよ……」

従妹「でも、彼女さんとも別れたみたいで……」

滝「そりゃ、別の人に告白するんだ、別れるのが普通だろ?」

従妹「それでも……私のせいで、本当にすみません」

滝「もう、さっきから謝ってばかりだな……別れたのは君のせいじゃない」

滝「俺が勝手に決めたんだ。君がぐじぐじ悩むことじゃないし、それに遠慮する必要もない」

従妹「……先輩」

男「…………」

男(……ははっ……なんだ、いいやつじゃないか……)

男(初めはどうなるかと思ったけど……これは任して大丈夫だ……)

男(……ああ……そうか……終わりなんだな……)

男(俺がアイツの面倒を見るのもこれで……最後……)

748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:30:31.65 ID:J3pGO6No0 [13/32]
滝「……もしかして、このことを謝りたくて呼んだの?」

従妹「それも……あります」

滝「そうか……なら、ちょっとだけ俺から話をしてもいい?」

従妹「……え?」

滝「前に一度、俺は君に振られたよね」

従妹「あ……はい」

滝「それからずっと色々考えたんだ。諦めようとか、他の人を探そうとか」

滝「でも、やっぱりさ……君のことを追ってる自分がいて……」

従妹「…………」

滝「ごめん……君には本当に迷惑かもしれないけど」

滝「もう一度やりたいんだ。結果が分かっていてもね……」

従妹「……先輩」

従妹「実は……今日来てもらったのはその話なんです」

滝「ん?」

751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:33:46.81 ID:J3pGO6No0 [14/32]
従妹「この話をしたら、従兄のほうから色々言われまして」

滝「あ、うん……そうなんだ」

従妹「こんなんじゃ駄目だって……いい人がいたら、付き合うべきだって」

男「…………」

滝「えっ……でも」

従妹「私……思ったんです。滝先輩は……いい人なのかもしれないって」

滝「……あ、ありがとう」

従妹「だから……私」

滝「……え……」

男「…………」

男(あー……これで……終わりか……)

従妹「先輩に……今日ははっきりと言います」

滝「…………」

従妹「私……先輩と……」

男「……っ」

755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:37:35.19 ID:J3pGO6No0 [15/32]
従妹「──先輩とは、付き合えませんっ!」

男「なっ……」

滝「…………」

従妹「いくら滝先輩がいい人だって分かってても、にぃにぃに言われてもっ!」

従妹「私が好きな人は先輩じゃないっ……」

従妹「私が……私が……本当に大好きなのはっ……」

滝「……うん」

従妹「──この横にいる……従兄なんですっ!」

男「…………」

男(……何だ……何言ってんだこいつは……)

滝「……じゃあ、前断ったのも?」

従妹「はい……ごめんなさい……」

滝「他の人からの誘いをずっと断り続けていたのも?」

従妹「にぃにぃが……従兄が好きだったから……」

滝「そうか……そうだったんだ」

762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:42:16.37 ID:J3pGO6No0 [16/32]
滝「初めから……全て決まってたんだね」

従妹「…………」

滝「俺が振られる理由がやっと分かったよ。そりゃ、勝てないわ」

従妹「……ごめんなさい……」

滝「そうか、そういうことで今日は呼んだんだ」

従妹「……ごめんなさい、ごめんなさいっ」

滝「ははっ、まあ、すっきりしたからいいよ。残念だったけど、モヤモヤは消えた」

従妹「…………」

滝「話がこれで終わりなら、俺はそろそろ帰るわ」

滝「……ここからまた、一悶着ありそうな気配だしね」

従妹「…………」

男「…………」

男(何だよ……俺のことが好き……? だから、告白を断ってた?)

男(意味がわからない……あいつの言う『好き』は、恋愛のものとは違って……)

764 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:47:37.29 ID:J3pGO6No0 [17/32]
従妹「……にぃにぃ」

男「……あ、うん……」

従妹「これで、分かってもらえた?」

男「…………」

従妹「多分、いくら鈍いにぃにぃでも、今ので分かってくれたと思う」

男「……それは……」

従妹「にぃにぃは言ったよね、滝先輩は前の彼女と別れて告白したから、多分いい人だって」

男「…………」

従妹「だから、私もそうしたよ。先輩には悪いけど、そのためだけに呼んだの」

男「……お前……」

従妹「にぃにぃはまだ私のこと子供か何かと勘違いしてるんじゃない?」

従妹「もう私だって、色々分かってるもんっ」

従妹「大切な人のためなら、他の人を犠牲にしても、傷つけても構わない」

従妹「にぃにぃが思ってるほど、私は純情じゃないよ。もっとホントは汚いんだ」

男「…………」

765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 07:52:24.55 ID:J3pGO6No0 [18/32]
従妹「にぃにぃは気付いてないかもしれないけど」

従妹「お風呂に入ろうって言い出したのもそう、キスし始めたのもそう」

従妹「その場のなりゆきなんかじゃないよ。全部、考えてやったんだもんっ」

男「……そうか……そうだったんだ……」

従妹「にぃにぃが好きだから。少しでも、気付いて欲しかったから」

従妹「でも……にぃにぃの中には……昔の私しかいなくて……」

男「…………」

従妹「なにやってもっ! いくら頑張ってもっ! 『妹』の一言で片付けられちゃうっ!」

男「……ああ……」

従妹「もうそんなの嫌だっ! 私は、にぃにぃが誰よりも好きなのっ!」

男「…………」

従妹「昔から……ずっと昔から……それは初めは兄を慕う気持ちだったかもしれないよ……」

従妹「でも今ならそれは違うって分かるもんっ」

従妹「私は……今も昔も……ずーっと」

従妹「──にぃにぃのことが大好きなんだからっ!」

772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 08:01:25.75 ID:J3pGO6No0 [19/32]
男「…………」

従妹「…………」

男「……ははっ……」

従妹「……にぃにぃ?」

男「……これじゃあ、どっちが年上か分かんねえな」

従妹「……え」

男「ここまでされて、やっと気付くなんて……つくづく俺も馬鹿だよ」

従妹「……にぃにぃ」

男「滝先輩には悪いことしたな……俺の責任だ」

従妹「ち、違うっ……」

男「それにさ……お前のことをずっと妹として見てたのは事実だし」

男「今まで必死に、女として見てこなかったのも……正しい」

従妹「…………」

男「逃げてたんだよな、ずっとさ」

776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 08:05:32.51 ID:J3pGO6No0 [20/32]
男「久しぶりに会ったら、急激に可愛くなって戻って来たお前に……」

男「正直、どうやって対応していいのか、分からなかった」

従妹「……うぅ……」

男「ごめんな……頼りない兄で……」

従妹「…………」

男「本当にごめんな……しっかりしない男で」

従妹「……そ、それって……」

男「俺も覚悟を決めるよ。ここまで想いをぶつけられたなら、真面目になるさ」

従妹「……う、うん……」

男「でも、もう少しだけ時間をくれ」

男「今まで妹として見て来たお前を、きちんと一人の女性として扱うから」

男「それで……答えを出させてくれないか?」

従妹「……ぅう……にぃ、にぃ……」

男「ちょっとだけ時間はかかるかもしれないけど」

男「お前の想いに応えられるだけの……しっかりとした男になるから」

781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 08:10:11.27 ID:J3pGO6No0 [21/32]
従妹「……うっ……うぅ……ひっく……」

男「泣くなよ……ここから始まるんだからさ」

従妹「だ、だって……うぅ……う、嬉しくてっ……」

男「…………」

従妹「やっ、と……おもいが……通じ、て……うっ……」

男「そうか……」

男「洟垂れで泣き虫のお前が……本当によく頑張ったな」

従妹「……にぃにぃっ!」

ドカッ……。

男「おいおい……急に抱きつくなよ」

従妹「……ぅう……うぇっ……うっ……」

男「でも、もうそれも気にしなくていいんだよな……」

男「……そうだ」

従妹「……っ……ん?」

男「そういえば……今日はしてなかったよな」

787 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 08:14:16.34 ID:J3pGO6No0 [22/32]
従妹「……えっ」

男「……ほら、顔こっち向けろ」

……ちゅ。

男「………ん」

従妹「……んん!?」

男「……はい」

従妹「えっ……もう終わり……?」

男「まだ、付き合うって決まったわけじゃねぇぞ?」

従妹「で、でも……」

788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 08:16:26.50 ID:J3pGO6No0 [23/32]
男「お互いフリーだし、まあキスぐらいならいいか」

男「なんか、俺がかなり得してるけど……」

従妹「にぃにぃ……はや……」

──んちゅ。

従妹「……ん…んっ」

男「ん……」

男(なんか……胸の奥がすかっとするな……)

男(やっと……これで、対等になれたのかもしれない……)

男(でも、これから……これからが……本当に大事だな……)

男(……こいつのことを本当に女として見れるか……そこが肝心だ……)

従妹「……ひぃひぃ……?」

男「んんっ!」

従妹「ん……あ……」

男(まあ、どうにかなるか……)

800 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:23:38.58 ID:J3pGO6No0 [25/32]
男「……とまあ、そういう感じで」

母親「…………」

男「……何か、言いたいことある?」

母親「言いたいことっていうか、今更気付いたわけ?」

男「……は?」

母親「そんなの前から分かってるわよ。従妹ちゃんがあんたのこと好きってことぐらい」

男「マジで?」

母親「見れば分かるじゃない。どう見ても、あれは恋してる顔でしょ」

男「……気付いてなかったのは俺だけか……」

母親「で、どこまでいったの? もしかして、やった?」

男「……どこまでって……」

母親「私、前に言ったわよね。手出したら、殺すって」

男「…………」

母親「あの子が毎日、あんたの部屋に行ってるのは知ってる」

母親「だから、聞くの。どこまでいった?」

802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:27:39.47 ID:J3pGO6No0 [26/32]
男「……うぅ……」

母親「別に殺したりはしないわ。あれは、半端な気持ちで手を出して欲しくなかったから」

母親「あんたがその気なら、特に何もいわない」

男「……おい、それって……」

母親「大体、従妹ちゃんを預かる時に、佐智子さんからそれっぽいことは言われてたの」

母親「『従妹、今回は完璧に男くんのこと落としにいくと思うんで』みたいな」

男「……はぁー」

母親「実の兄妹でもないし、反対みたいなのはしないわ」

母親「男が真面目に付き合うつもりがあるならだけど」

男「…………」

母親「しっかり考えなさい。他所の場合とは全然違う」

母親「何たって従兄妹同士よ? 別れたらそれでおしまいってわけにはいかないんだから」

男「おう……」

804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:31:47.47 ID:J3pGO6No0 [27/32]
母親「それにね、従妹ちゃん、相当優秀みたいよ」

男「…………」

母親「あんたの大学なんて、すかしっぺみたいなもん」

男「す、すかしっぺって……」

母親「それだけ好きなんでしょ。こんなに一途な子なんて普通いないわよ?」

男「…………」

母親「恵まれすぎね。だから、あんたももう少し変わらないと」

母親「何で、従妹ちゃんが好きになったか、ぐらい思い出しなさい」

男「……そんなのあるのかよ……」

母親「これ以上は手助けしないから。あとは自力で頑張れ」

男「……分かった」

母親「……私の子なんだから、期待してるわよ」

男「…………」

805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:35:18.52 ID:J3pGO6No0 [28/32]
男(理由ねぇ……俺のことを好きなる理由……)

男(んー……思い出せねぇ……なんかあったっけ?)

男「あーだめだ……」

男「考えても仕方ねぇか……」

男(なんかの弾みで思い出してくれるといいだがな……)

男(……昔か……昔……)

男(……何だっけ……)

男(……んー……)

男「……駄目だ……何も浮かばない……」

男「…………」

806 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:39:09.53 ID:J3pGO6No0 [29/32]
従妹「にぃにぃ、おはようっ」

男「……うっす」

従妹「あれ、元気ないね。あっ……目の下にクマ出来てる」

男「ちょっと昨日は眠れなくてな……」

従妹「……もしかして、私のせい?」

男「んにゃ、ちょっと違うな」

従妹「ふーん……でも、夜更かしは身体に良くないよ」

男「おう、分かってる」

従妹「…………」

男「ん? 朝のキスでもして欲しいのか?」

従妹「ちょっ……い、今はだめっ!」

たたたたっ。

男「何なんだいったい……」

808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:50:24.21 ID:J3pGO6No0 [30/32]
もぐもぐ……。

母親「……聞いたわよ、従妹ちゃん」

従妹「……へっ?」

男「…………」

母親「よく頑張ったわね、えらいわ」

従妹「……あ、はい……どうも……」

父親「ん、何の話だ? お父さんも参加させてくれ」

男「……いいから黙ってろよ」

父親「うるさいわバカ息子」

男「……はぁー……」

母親「今日の二人の予定はどうなってるの? 久しぶりの休日だけど?」

父親「ははっ、待ちに待った休日だなっ」

男「……ええと、まだ考えてない」

従妹「にぃにぃと一緒です」

母親「あら、そうなの」

809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:54:15.26 ID:J3pGO6No0 [31/32]
父親「実は、前々から考えてることがあってなっ」

トゥルトゥルトゥル……。

男「おっ……携帯が鳴ってる」

従妹「にぃにぃ、誰から?」

男「んと……先輩だな……」

従妹「あ、こないだ会った大学の人?」

男「おう……もしもし」

父親「えっと、前から考えたんだがっ、どうだ、キャンプにでも……」

男「あ、はい……え、今日ですか」

父親「みんなで行ったら、楽しいと思うん……」

男「分かりました、飯食べたら向かいます」

従妹「にぃにぃ、何だって?」

男「いや、大学に来いってさ」

従妹「え……なんか、用事でもあるの?」

男「捲し立てられてよくわからんかった……」

811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 09:57:38.90 ID:J3pGO6No0 [32/32]
父親「えっ……キャンプは?」

男「これから大学行かないと駄目だから俺は無理だ」

母親「あら、それは残念ね」

父親「まあ、男は運が無かったってことで仕方ないな」

父親「悪いが、俺と母さんと従妹ちゃんは今日でかけて……」

従妹「あっ、私もにぃにぃについてく」

男「ん? どうせ、暇だぞ?」

従妹「でも、一緒にいたいし。別に構わないよ」

男「ならいいけど……まあ、邪魔はすんなよ」

従妹「うんっ」

父親「……はい……じゃあ、そういうことで」

母親「お父さん……元気出して……」

父親「せ、折角の……休みなのに……うぅ……」

父親「仕事中なのに……必死に色々考えてたのに……ぐすっ」

男「いや、仕事しろよ……」

894 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:23:52.44 ID:BKGilZsL0 [2/18]
ガチャ。

男「ちっーすっ」

先輩「おっ、来たくれたかっ」

男「先輩、急な用って何ですか? 電話では何にも聞けず仕舞いだったんですが」

先輩「ちょっと話があって……そうだ、こないだの彼女さんは?」

男「えっ……あ、はい」

従妹「ど、どうも……」

先輩「……よ、よしっ……うっしっ!」

男「せ、先輩?」

先輩「気持ちが急ぐあまり、彼女さんを連れて来てくれって言い忘れてしまったんだ」

先輩「でも、これでOK。男君、ナイスだよ」

男「えっと……こいつが何か話に関係あるんですか?」




899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:30:40.03 ID:BKGilZsL0 [3/18]
先輩「僕はね……あの後、ずっと考えてたんだ」

男「はぁ……」

先輩「『にぃにぃ』って呼ばれる彼氏がいるのかどうか……」

先輩「一日中……それも、夜の間もずっと眠らないで、考えてたんだ」

男「……えっと……」

先輩「ここまで僕を唸らせた命題も……大学受験以来だ……」

先輩「紙に書いては消し、必死に考え尽くしたっ」

先輩「そして……遂にっ、今日の朝、その真理に辿り着いたんだっ!」

男「…………」

先輩「ズバリ断言しようっ! 男君っ!」

先輩「『にぃにぃ』がまかり通る仲の男女に、恋愛関係などないっ!」

男「…………」

男(……こいつバカだ……)

先輩「ははっ、驚きのあまり言葉も出ないか」

900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:34:58.75 ID:BKGilZsL0 [4/18]
男「それで……先輩はどうしたいんですか?」

先輩「どうしたいもなにも、君は僕を欺いたんだよ? まずはその謝罪が聞きたいな」

男「謝罪ですか……」

先輩「それと、そうしなければならない理由」

先輩「そ、そして……そこにいる、じょ、女性の本当の紹介をして欲しいっ」

従妹「…………」

男「……ちょっと時間下さい」

先輩「構わない。十二分に話しあってくれ」

男「……従妹、ちょっとこっちこい」

従妹「う、うん……」

とことことこ……。

男「で……どうする?」

従妹「やっぱりあの人……変な人だね……」

男「俺も今までは真面目な人だと思ってたんだが……どうやら、病にかかってるらしい」

男(完全に、恋の病だと思うがな……)

902 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:38:16.82 ID:BKGilZsL0 [5/18]
従妹「にぃにぃ……どうするの?」

男「……とりあえず、俺に任せろ」

従妹「……信じてもいい?」

男「ああ……昨日の俺とは違うところを見せてやる」

従妹「……にぃにぃ」

先輩「話はそろそろ終わったか?」

男「……はい」

とことことこ……。

先輩「……で、どうなったんだ?」

男「初めに、確かに先輩に嘘をついてたことを認めます」

先輩「ははっ、やっぱりそうだろう。僕を騙そうなんて、君も思い切ったことをする」

男「それは、本当にすみませんでした」

先輩「まあ、いいよ。それで……そ、そこの、女性は一体……?」

903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:42:33.03 ID:BKGilZsL0 [6/18]
男「こいつは俺の従妹で、夏休みの間だけ家で預かってます」

先輩「そ、そうか……従妹なのか……」

男「ただ、先輩」

先輩「……と、なると……ぼ、僕がアプローチしても問題は……」

男「──あるんです」

先輩「……えっ?」

男「こないだ、この子に告白されまして」

先輩「こ、告白……?」

男「今は保留中ですが、正直、他の野郎に渡すつもりは更々ありません」

従妹「……っ」

先輩「そ、そんなっ! 従兄妹同士なんだろっ!? 男君、また君は嘘をついて……」

男「残念ですが、嘘じゃないです」

先輩「う、嘘だっ! 僕は騙されないぞっ!」

男「……だったら、証明してみせますよ……」

従妹「にぃにぃ……?」

904 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:45:06.99 ID:BKGilZsL0 [7/18]
ぎゅっ……。

従妹「……あっ……」

先輩「なっ……抱きしめて何を……」

男「先輩には申し訳ないと思ってます……でも」

先輩「……ま、まさか……」

んちゅ……。

男「……ん」

従妹「……あん」

先輩「くっ……躊躇いもなく……目の前でっ……」

男「……んんっ」

男(今日はかなり激しくいくぞっ……)

ぎゅっ。

従妹「……んっ……あっ……」

男「んん……」

先輩「……あっ……なんて熱いんだ……この二人……くっ、くそっ」

908 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:50:57.23 ID:BKGilZsL0 [8/18]
男(抱きしめてわかるけど、こいつの身体ってほんと柔らかいな……)

従妹「はっ……んっ……」

男(しかも、必死に俺の強烈なキスについていこうとしてるし……)

従妹「……んっ……あ……んっ」

男(……声も生々しい……やべぇ……ちょっと興奮してきた)

男(俺も負けてられないぞ……唾液を流し込んでやるか……)

にゅちょ……にゅるん……。

従妹「んっ! は……ん……」

男「……んん……」

先輩「……うぅ……なんだよ……こ、こんなの……」

先輩「……はつ、初恋だったのに……これは……キツい……」

従妹「……あっん……ん……」

男「……んっ……」

先輩「……で、でも何だろう……この胸の高まりは……」

先輩「……も、もしかして……自分は……ああ……うっ……」

912 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:56:02.06 ID:BKGilZsL0 [9/18]
従妹「…………」

男「どうした、さっきから黙り込んで」

従妹「……いや、にぃにぃが凄い猛烈だったから……」

男「なんだ、意外だったか?」

従妹「予想外だよぉ……あ、あんな……人の前で……」

男「前だってやってるだろ?」

従妹「で、でも……こんなにす、凄いのじゃなかったし……唾液だって……」

男「は、ははっ……あれはかなりやばかったな」

従妹「う、うん……新発見だよ……頭、くらくらしたもん……」

男「また、帰ったらやるか?」

従妹「にぃにぃ……」

男「ん?」

従妹「絶対だよっ! 約束だからねっ!」

男「ははっ、勿論だっ」

男(しかし、帰る直前、先輩が解放された顔だったのが気になるな……何だったんだあれ)

917 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:07:29.72 ID:BKGilZsL0 [10/18]
男「案外、用事が早く終わっちまったな」

従妹「家に帰ってもいいよね。みんな待ってると思うし」

男「…………」

男「そうだ」

従妹「……にぃにぃ?」

男「どうだ、これからデートしてみないか?」

従妹「……えっ」

男「こないだは俺がきちんとエスコートも出来なかったしな」

男「挽回もかねて、もう一度仕切り直しなんていいと思うんだ」

従妹「…………」

男「お前はどう思う?」

従妹「う、うんっ!」

従妹「行こっ! 絶対に行こうよっ!」

男「よしっ、そうと決まれば話は早い。どうだ、どこに行きたい?」

従妹「どこだったいいよっ! にぃにぃと一緒なら、どこでも楽しいもんっ!」

918 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:11:45.44 ID:BKGilZsL0 [11/18]
従妹「……うわぁ……凄い……」

男「俺も初めて入ったわ」

従妹「……にぃにぃ……でも、これ……」

男「気にするな、お前が好きなものを選べばいい」

従妹「で、でも……値段どれも高いよ?」

男「今までの全部のお返しだよ。こんなんじゃ返せないぐらいだけど、それぐらいさせてくれ」

従妹「う、うん……」

男「どうだ? この辺のネックレスなんていいと思うが」

従妹「……ネックレスかぁ……」

男「何だ? 違うのがのいいか?」

従妹「うーん……」

男「じっくり考えればいい。時間はたっぷりあるんだからな」

従妹「…………」

従妹「あっ……」

924 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:15:40.09 ID:BKGilZsL0 [12/18]
男「ん?」

従妹「……これ……」

男「……指輪か」

従妹「う、うん……」

男「これが欲しいのか?」

従妹「……だ、駄目かな……?」

男「そんなことないさ。お前が気に入ったものを買うつもりだからな」

従妹「でも……恋人同士でもないのに、指輪を贈るって……」

男「気にしたら負けだぞ? 言ったもんが勝ちだ」

従妹「…………」

従妹「にぃにぃ」

男「おう、決めたか」

従妹「これ……二つ買おっ」

男「……ん? もう一つ欲しいのか?」

従妹「ううん……私とにぃにぃが一緒につけるのっ」

925 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:20:23.17 ID:BKGilZsL0 [13/18]
従妹「ルンルンル~ン♪」

男「えらくご機嫌だな」

従妹「だ、だって……にぃにぃと同じ指輪っ」

男「そうか、そんなに嬉しいのか」

従妹「うんっ! なんか、一緒にずっといるみたいっ」

従妹「これがあれば、離れててもにぃにぃのこと感じられるし……」

男「……確かにそうだな……」

従妹「だから、絶対離さず身につけてないと駄目なんだからねっ」

男「風呂の時もか? 錆びちゃうぞ?」

従妹「でも、銀だから大丈夫なんだよっ。変な成分のお風呂に入らなければ大丈夫っ」

男「ははっ、それは一本取られた」

従妹「ふふっ、にぃにぃっ」

ぎゅっ……。

男「おいおい、一目についちゃうぞ?」

従妹「いいのっ、今日はデートなんだからっ!」

927 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:24:43.27 ID:BKGilZsL0 [14/18]
従妹「にぃにぃ、こっちの服とさっきのとどっちがいいかな?」

男「……ええと、前のほうがいいじゃないか……?」

従妹「じゃ、じゃあねっ……次はこっちのやつと……」

男「そろそろ決めようぜ……もう、かれこれ一時間もこのやり取りやってるぞ……」

従妹「だって、いいのがいっぱいあるんだもん」

男「それも分かるけど……もう腹減ってきたって……」

従妹「えー……じゃあ、もう少ししたら決めるよ」

男「……出来るだけ早くな……」

従妹「うんとねー……あっ、あっちのもいいのがあるっ」

たたたたっ……。

男「……なんか、かなり長引きそうな予感がするな……」

従妹「にぃにぃっ! 早く、こっちに来てっ!」

男「お、おう……」

933 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:32:27.66 ID:BKGilZsL0 [15/18]
男「…………」

従妹「ご、ごめんね……」

男「……あー……後少しから本当に長かったな」

従妹「だから、さっきから謝ってるじゃん。もう、許してよぉー」

男「別に怒ってないけど……まあ今日はいいさ」

男「今までの謝罪と感謝を込めたのが、本日のデートの意味だからな」

男「姫に振り回されるのも、我慢我慢」

従妹「むぅー……絶対、意地悪だよぉ……」

男「ははっ、よし、飯頼むか」

男「ちなみに、ここはオムライスが評判のお店らしいぞ」

従妹「そうなの? じゃあ、それを頼もうよ」

男「ただ、二種類あってな……どっちにしようか迷ってるんだ」

従妹「ふーん、よくわかんないけど、そんなの悩む必要ないじゃん」

男「えっ? どうしてだ?」

従妹「だって二つ頼んで、分け合いっこすればいいだけだもんっ」

938 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:37:25.81 ID:BKGilZsL0 [16/18]
店員「お待たせしました」

従妹「うわぁー……いい匂い」

男「これは……結構うまそうだ……」

従妹「温かいうちに食べよっ! 頂きまーすっ」

男「おう、頂きます」

もぐもぐっ。

従妹「お、おいしいっ」

男「……こ、これは半熟の卵と具が最高のハーモニーを醸し出して……」

従妹「もうっ、そんな解説いらないって」

男「そ、それもそうだ……うまいな」

従妹「うんっ、それに……にぃにぃと食べてるから二倍おいしいよっ」

男「はは、二倍って何の基準なんだ」

従妹「細かいことはいいのっ! すっごくおいしいってことだもんっ」

男「それは良かった。誘った甲斐があるってもんだ」

従妹「うんっ、本当に楽しいっ!」

939 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:41:15.06 ID:BKGilZsL0 [17/18]
従妹「にぃにぃ、ほらこっちも食べてみて」

男「おう……って」

従妹「あーん」

男「…………」

従妹「んっ、にぃにぃ! あーん」

男「……ああ、分かったよ……」

ぱくっ……。

従妹「おいしいでしょ?」

男「おう……おいしいな」

従妹「じゃあ、にぃにぃのやつもちょうだいねっ」

男「……まさか」

従妹「勿論、今のをお返しだよ? ほら、にぃにぃの出番っ」

男「……し、仕方ない……あ、あーん」

ぱくっ。

従妹「ふふっ、なんかバカップルみたいだねっ」

941 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 01:45:09.84 ID:BKGilZsL0 [18/18]
男(どうしてこいつは……俺のことを好きになってくれたんだろう)

従妹「にぃにぃ、あーん」

男「……みんな見てるぞ……」

従妹「周りは気にしないのっ、二人だけの時間だもんっ」

男(どうしてこいつは……俺に笑顔を向けてくれるんだろう)

男「……もう、どうにでもなれっ」

ぱくっ……。

従妹「ははっ、豪快な食べっぷりだねっ。さすが、にぃにぃっ」

男「……この野郎……ほらお返しだっ……あーん」

従妹「私は全く恥ずかしくないのだっ」

ぱくっ。

男(どうして……)

男(……どうしてなんだろう……)

男(こんなに楽しそうに……幸せそうに……俺を想ってくれるのは……)

従妹「にぃにぃっ、楽しいねっ!」


943 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 01:47:45.28 ID:BKGilZsL0


──『……嫌……』


男(……えっ……?)


──『……ち、近づかないで……』


男(な、何だコレ……?)


──『……うぅ……ええ……ん……』


男(これは……この声は……?)

従妹「にぃにぃ……?」

男「あ、ああ……」

男「…………」

従妹「どうかした? なんか、表情が変だよっ?」

男「……そ、そうだな……」

男(あの声は……確かに……従妹……?)

946 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 01:51:48.14 ID:BKGilZsL0
従妹「急にどうしたの? なんか、お腹でも痛かったり?」

男「いや……そういうことじゃなくてな……」

男(……そうだ……)

男(あれは……多分……昔の、小さかった従妹の声だ……)

男「…………」

従妹「……にぃにぃ?」

男「……ああ」

男(……何か、思い出しそうだぞ……)

従妹「ちょ、ちょっとどうしちゃったの……?」

男(こうやって……急におかしくなった俺を心配そうに覗き込む、この子も……)

従妹「……なんか変だったらすぐに言ってよ…‥?」

男(確か昔は……)

男(…………)

男「……そうだ……そうだったんだ……」

947 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 01:54:53.78 ID:BKGilZsL0
従妹「……え?」

男「思い出した……思い出したぞっ」

従妹「ちょっと……にぃにぃ……?」

男「小さかった頃……」

男(そうだ……そうだよっ……)

男(今は慕ってくれるこいつも……昔は……)


──『……ち、近づかないで……』


男「…………」

従妹「……えっと……?」

男「……昔さ……お前、俺のこと嫌いだったよな」

従妹「……あ……で、でも何で……?」

男「初めて会ったときも、佐智子さんの後ろにずっと隠れててさ」

従妹「もしかして、にぃにぃ……」

男「俺が必死に遊ぼうって誘ってんのに、ぴぃーぴぃー泣いちゃって」

948 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:00:02.47 ID:BKGilZsL0
従妹「……う、うそ……」

男「それでも、ずっとめげずに誘って」

男「でもお前、追いかける俺から一生懸命逃げてさっ、ははっ……」

従妹「……ああ……」

男「仲良くなりたかったのに、お前ってやつはひどいやつだった」

従妹「……にぃにぃ……」

男「でも、ある時、それを見かねた親たちが遊園地に行こうって」

従妹「…………」

男「でも、ずっとお前は佐智子さんの側にいて」

男「なんか悔しくて、それでもまだ仲良くなりたい自分がいて……」

従妹「……う、うん……」

男「そしたらお前、急にいなくなってやんの」

従妹「……あ、あの時は……アイスクリームに目を奪われちゃって……」

男「ははっ、その時から甘いもんが好きだったのか」

949 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:05:09.14 ID:BKGilZsL0
従妹「でも……にぃにぃ、思い出したんだ……」

男「ああ……それでな」

従妹「うん……」

男「慌て出した親たちを尻目に……俺は、一人で駆けたんだ」

男「母さんを振り切って……がむしゃらにな」

従妹「…………」

男「憎たらしいお前だったけど、多分泣いてるんだろうなって」

男「寂しがりやで臆病なお前だったから、絶対泣いてるんだろうなって」

従妹「うん……うん……」

男「その姿が何となく浮かんじゃって、居ても立ってもいられなくて」

男「……人ごみの中、小さいからだでその間を走り抜けた」

従妹「……にぃにぃ」

男「そして……見つけたんだ」

従妹「…………」

男「やっぱり泣いてた……小さなお前を……見つけたんだ」

951 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:10:20.61 ID:BKGilZsL0
男(……覚えてる……)

男「……覚えてるよ……」


──『……うぅ……ええ……ん……』


男「真っ赤に晴らした目と……視線が合って……」


──『……うぅ……』


男「一瞬、安心した様子だったけど……俺だけだったことに、すぐに戸惑い出して……」


──『……うっ……』


男「それで、泣き虫なお前は……また泣き始めようとしたから」

男「それを止めたくて……女の子を泣かせたくなくて……」


──『えっ……』


男「俺は……手を差し伸ばしたんだ」

954 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:14:28.01 ID:BKGilZsL0
従妹「……にぃにぃ……」

男「うん、思い出したよ」

従妹「……ああ……」

男「そうか……そうだな」

従妹「…………」

男「俺のほうが……先に……」

956 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:16:01.78 ID:BKGilZsL0
従妹『えっ……』

男『……いいから、手、握れよ』

従妹『……うぅ……で、でも……』

男『ほらっ、遠慮するなっ』

従妹『……っ』

男『……すぐに母さんたちも来るからさ』

従妹『う……うん……』

男『しかし心配したぞ……急にいなくなったりするから』

従妹『ご、ごめんなさい……』

男『いいよ、気にすんな』

従妹『でも……ど、どうして……探してくれたの……?』

男『……だって……俺……』



──……お前のこと好きだから



960 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:20:38.71 ID:BKGilZsL0
男「……俺の方が、先に……お前を好きになったんだな」

従妹「……うぅ……にぃにぃ……」

男「ははっ、馬鹿だな……こんな大事なこと忘れてるなんて……」

従妹「……うん……ほんと、馬鹿だよぉ……」

男「そうか……そうだったのか」

男「悩むとか、悩まないとかそんな話じゃなかったんだ」

従妹「……?」

男「前からおかしいと思ってんだよな」

962 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 02:24:34.68 ID:BKGilZsL0
男「お前のこと考えると……なんか、胸の奥がちくちくするんだ」

男「初めは兄として、妹を大事に思う気持ちかな、とか思ってたけど」

男「今なら分かる……確実に分かるさ」

従妹「……にぃにぃ……?」

男「俺は、お前のことが……好きだったんだ」

従妹「ああ……」

男「ずぅーっと昔から……そして、今も……」

従妹「……う……ん……」

男「──俺は、お前のことが大好きだっ!」




従妹「にぃにぃっ!!!」




─本当のラブラブEND─



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俺にも可愛い従姉妹が欲しい。

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