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シャナ「あんた何者なの?」上条「不幸だ……」

1 名前:プロローグ[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 00:46:34.00 ID:uDUdSkDO [1/37]
 上条当麻は不幸な人間である。 夏休み一週間前であるその日も上条当麻は不幸であった。


 七月十二日

 朝、さぁて今日は休日だしゆっくり寝るぞー、と二度寝しようとした矢先に童貞を捨てるために不良ぶっている隣人土御門元春にゲーセン行くにゃー、と叩き起こされ、財布を落とし、クラスメイトで学級委員の変態青髪ピアス(もちろん本名ではない)と合流し、携帯を無くし、ファミレスでは上条の料理だけ忘れ去られ、あげくのはてにはビリビリ中学生に追いかけ回される。

 普通の人間の一年分くらいの不幸を一日で消化した上条は、しかし、今からさらなる不幸が待ち受けていることを知らない。


4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 00:49:50.92 ID:uDUdSkDO
 そして、これから起こる出来事が、上条当麻という人間の人生を大きく変えることになる、なんてことも当然知っているはずがなかった。

 しかし、それは突然訪れる。

 七月十二日

 上条当麻の日常は、

 あまりに呆気なく、燃え落ちた。

 あるいは、燃え上がった。




 ―――『幻想殺し』と『炎髪灼眼』が交差するとき物語は始まる。

7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 00:56:53.13 ID:uDUdSkDO
注意

1、この作品は駄文です。期待を持たずにご覧ください

2、作者の勝手な解釈が入る恐れがあります。

3、更新速度は未定です。ご容赦ください。

4、文句などはどんどんいっちゃってください。

5、作者は禁書は全巻、シャナは三年前までの巻しか見ておりません。

9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 00:59:38.62 ID:uDUdSkDO
 突然、世界が変化した。

 学園都市第七学区の裏通りを歩いていた上条当麻は、 しかし、特に驚きはしなかった。

上条(またなんかの実験か……? 不幸だぁ。)

 そう、ここは学園都市。そして上条は不幸な人間である。変な大学かどこかの実験や事件に巻き込まれることは日常茶飯事であった。

 しかし、だんだん様子がおかしいことに、上条は気付いていく。

 なにも、気配がなかった。それどころか、周りを見渡してみると、側にいる何人かの不良が動くのをやめていた。

 そう、まるで時間が止まったかのように。


上条(おいおいどうなってんだ、これは。なにかの能力か?……いや時間を止めるなんて能力聞いたことないしこれは超能力者レベルじゃ……)

 突然、思考が停止した。いや、させられた。上条は目の前いる「もの」を見つめていた。

10 名前: ◆xjpNgvhR2E[] 投稿日:2010/08/18(水) 01:05:27.21 ID:uDUdSkDO
 そこにいたのは、奇妙な、学園都市にすらないような不可解なものであった。

 一つは、マヨネーズのマスコットキャラそっくりな、しかし、上条の二倍はあるような三頭身の人形。

 もうひとつは、滑らかで乾いた質感を持つ金髪をした、美女。いや、美女の人形、だった。

 は、と思わず上条は口に出した。怪物たちは、上条にはまだ気づいていなかった。上条は頭が麻痺したようになりながらも、逃げないと、とだけ思った。

 しかし、上条は見てしまった。

 怪物達が口をぱっくり開けたとたん、

 周りにいた不良達が猛烈な勢いで燃え上がるのを。


11 名前: ◆uFy7yfmNH.[] 投稿日:2010/08/18(水) 01:09:07.91 ID:uDUdSkDO
 燃え上がった人々は、すぐに元に戻っていった。そう、服も焦げず肌も爛れずに。

 しかし、もとに戻った人々は、先程までとは全く違っていた。そう、見た目ではない根本的ななにかが。

 上条はそのさまを放心して見ているしかなかった。

 そんな彼の姿を、怪物たちがようやく気づいた。

キューピーもどき「なんだぁ、こいつ」

金髪人形「さぁ……、貴方御"徒"では……ないわよね」

キュピも「フレイムヘイズ? でもないね」

金髪人形「"トーチ"ですらない……? なにかしら、これ? ……まぁ飛びきり変わった人間かしら? ご主人様が興味を示されるかもね」

キュピも「やったあ、お手柄だぁ」

 キューピーちゃんが上条へと走り寄ってきた。

 上条は路地裏の喧嘩ならかなりなれている自信がある。しかし、二メートルオーバーのキューピーちゃんに襲われるなんて経験はなかった。

 上条は立ち尽くしていた。キューピーちゃんは上条のはらを、土管ほどもある腕で掴む。

キュピも「いただきまーーーーす」


そして――――

12 名前: ◆8NrfnElaQs[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:13:15.14 ID:uDUdSkDO
 上条は突然地面に叩きつけられた。

 なにがあったんだ、とふとみると、自分を掴んでる巨腕が肘からすっぱり断ち切られていた。

キュピも「ごっ、がァァァァアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああッッッ!?」

片腕を失ったキューピーちゃんは、叫び、よろめいた。斬られた断面から、薄白い火花がパチパチ散っていた。

 上条を掴んでいた巨腕が、同じく薄白い火花となって散った。

 上条は、光が薄れた後に、見た。

 灼熱を思い出すような、赤く、赤く、どこまでも赤い長い髪を。

 マントのような、黒寂したコートを。

 少女、のようだった。しかし少女の、コートの袖先からのぞく指は、大きな刀を握っていた。

13 名前: ◆6EAUwMdaTY[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:17:23.87 ID:uDUdSkDO
少女「どう、アラストール?」

 突然、少女が言った。

??「"徒"ではない。いづれも、ただの"燐子"だ」
 と、姿の見えない誰かが答えた。

キュピも「よぉぉくも僕の腕をぉぉぉ!!」

 腕を斬られたキューピーちゃんが、少女へと襲いかかる。しかし、次の瞬間、

 少女は神速とも呼べる速度で、キューピーちゃんの膝元に踏み込み、彼(?)の足を叩ききった。

キュピも「え、え、炎髪と灼眼……!!」

 足を斬られ、倒れたキューピーちゃんは、自分の相手を見て、恐怖とともに呟いた。

 少女はそれを気にもせずキューピーちゃんの頭部を無造作に両断した。


14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:21:03.20 ID:uDUdSkDO
 人形が弾け飛び、その余韻が消えるまで数秒。少女はようやく上条を見た。

 少女は、中学生にも満たないような、背丈と顔立ちだった。しかし、その赤い瞳と髪は、あまりにも強烈だった。

上条「……あー、その、助かった。ありがとう」

 上条はなんとか声を絞り出した。しかし、少女は上条を無視して言った。

少女「アラストール、コレ、なに?」

??「ふむ、どうやら、"徒"でも、"燐子"でもないな。フレイムヘイズでもないようだが……、なぜ封絶内で動いている……?」

少女「アラストールでもわからないのね……。っ!?」
 突然、いなくなっていた金髪人形が上条へと砲弾のように飛んできた。

上条「なっ!?」

 上条は、とっさに『右腕』を振りかざした。上条の右腕に、金髪人形が触れる。

 次の瞬間、 金髪人形は 一瞬にして弾けとんだ。

少女「……!?」

 少女が驚いたような顔をした。金髪人形が弾けとんだあとから、小さな人形が飛び出した。

人形「ちいっ!」

 飛び出した人形が炎髪の少女と対峙する。


15 名前: ◆mflQbBsWcE[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:25:14.41 ID:uDUdSkDO
少女「『これ』、がなにかは知らないけど、ご主人様に持っていこうとでもしたわけ? なんだかよくわからないけど、自滅なんていい気味じゃない」

人形「この、討滅の道具め……!! 私のご主人様が、黙ってはいないわよ……」

少女「そうね、すぐに断末魔の叫びをあげることになるわ。残念ながらおまえは聞けないけどね」

 そういって、少女は人形に斬りかかった。しかし、

??「後ろだ!」

 少女の後ろで爆発が起こった。少女は、一瞬そちらを見た。人形はその隙に消えていった。



17 名前: ◆dAOTL3C5nU[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:30:58.03 ID:uDUdSkDO
少女「ちっ、逃げられたようね。まぁいいわ、あの"燐子"の言い方からすると、案外大きいのが後ろにいるかもね」

??「久々に"王"を討滅できるやもしれぬ」

少女「うん」

上条「……」

 少女と謎の声が話しているなか、完全に取り残された上条は、一言呟いた。

上条「不幸だ……」

18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:37:33.96 ID:uDUdSkDO
―――


少女「で、あんたはなんなの? なんで封絶で動いてるわけ?」

 再び動き出した世界で、少女が上条に話しかけた。壊れたものは、少女がすぐに直していた。

 いつの間にか、少女の瞳と髪は艶のある黒色になっていた。

 少女の問いに、しかし上条にはなにがなんだか全くわからない。

上条「いや、俺としてはこの状況のすべてが意味不明でして、てか、これ撮影かなんかでせうか?」

 上条が逆に質問で返すと、少女は少しむすっとした表情を浮かべ、

少女「すべて現実よ。というより、なにも知らないの? この世の本当のことを?」

上条「?」

??「話が進まん。教えてやれ。この世の本当のことを」

少女「はぁ、しょうがないわね――――」


19 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:42:45.06 ID:uDUdSkDO
―――

上条「……嘘だろ?」

 少女に『この世の本当のこと』を聞いた上条は、それ以外の言葉が出なかった。

 しかし、同時にすこし納得もしていた。そうでなければ、さっきまでの現象を説明出来ないからだ。

少女「すべて真実よ」

 少女は、言った。この世界では、いまこの時にも、トーチとして、この世界から忘れられていく人々がいると。

上条「ふざけんなよっ!? なんだよそれは、そんなのが許されるはず……」

少女「でも、それがこの世界の普通なのよ。おまえが知らなかっただけでね。さぁこっちの説明はしたわ。次はおまえよ」

上条「……あぁ」

 上条は苛立ちを覚えながらも、自分のことを説明する。

 彼の右腕には幻想殺しと呼ばれる力が備わっていること。

 それは、異能の力ならば、超能力だろうが神様の奇跡だろうが打ち消すと言うことを。



20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 01:51:00.13 ID:uDUdSkDO
少女「アラストール?」

 少女が呼び掛ける。少女がかけているペンダントから聞こえてくるのは、少女の契約者(?)アラストールであると上条は教えてもらった。

アラストール「……初めて聞く。紅世の力ではないな……」

少女「……そう」

 話ながら歩いているうちに、上条の学生寮の前にたどり着いた。

上条「あ、俺んちここなんだけど……」

 少女はなにか考え込んでいるのか、上条の声になにも反応しなかった。

上条「待てって、オイっ」
 上条は、少女を引き留めるべく少女の肩を掴んだ。

 右腕で。



 次の瞬間、少女の着ていたコートが消えた。


 コートの下は、何故か下着だった。


25 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 02:10:15.54 ID:uDUdSkDO
少女「っ!?」

 少女は一瞬にして上条から離れると、コートがすぐに現れた。


上条「いや、あのですね、これは上条さんも悪いとは思いますけど、てかなんでコートの下が下着!?」


 少女は顔を真っ赤に染め、刀を振りかぶる。

アラス「峰だぞ」

 少女のペンダントから、男の声が聞こえると同時に上条の頭に衝撃が走った。

上条「不……幸……だ……」

34 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 14:57:45.76 ID:uDUdSkDO
―――

 学園都市から、少し離れたとある市にあるビル。

 そこにいる"ご主人様"のもとへ人形は帰ってきていた。

人形「ただいま戻りました、フリアグネ様」

 人形の前には、長身の男がゆったりとした様子で佇んでいた。

 純白のスーツを身に纏い、その上には、同じく純白の長衣を羽織っていた。

フリアグネ「あぁ、お帰り、マリアンヌ。まったく、怪我をしているではないか。ほら、こちらへおいで」

 線の細い美男子だった。しかし、彼が紡ぐ声は、調律の狂った管楽器のような妙な韻を含んでいた。

 "狩人"フリアグネ

 それが、彼の名前だった。

35 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 15:04:36.50 ID:uDUdSkDO
マリアンヌ「ご主人様、申し訳ございません。勝手に動いてしまって。しかもこの様なんて……」

フリアグネ「謝らないでおくれ、マリアンヌ。構ってやれなかった私も悪いんだ。……それに、面白い報告も聞けたしね」

 フリアグネは、笑みを浮かべながら続ける。

フリアグネ「封絶の中でも動け、私が作った"燐子"を、触れただけで壊す。さらに、それは"徒"でも"フレイムヘイズ"でもないとは。ふふふ、実に面白いね」

マリアンヌ「フリアグネ様……」

 マリアンヌ、と呼ばれた人形が言う。それに気付いたようにフリアグネは言った。

フリアグネ「……"狩人"として、その彼の力が欲しいね。ちょうど"都喰らい"の準備も大方片付いたところだ。マリアンヌ、君との永遠は、もう少しだけ待ってくれるかな?」

マリアンヌ「はい。フリアグネ様のお心のままに……」

フリアグネ「では、行こうマリアンヌ。その学園都市とやらに」

 こうして、"狩人"は、御崎市をあとにした。

 "幻想殺し"を狩るために――――

38 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 16:11:50.50 ID:uDUdSkDO
 七月十三日

 上条当麻は、昨日少女にやられた頭をさすりながら登校する。

上条(……頭がまだ痛いってことは、やっぱり昨日のあれは夢じゃないんだな)

 昨日。上条は『この世の本当のこと』を教えられた。学園都市に小学生の頃から暮らし、科学が日常だとと思っていた上条に突然降りかかってきた非日常。

 上条は最初こそ混乱していたが一日たった今では、思考は落ち着いていた。

上条(……この世では、なんの罪もない人が日常的に消えている。それが現実、か……)

 上条は、そんな現実は許せない、と思う。しかし、同時にあまりにも昔から続いている『現実』に無力感も感じていた。

 上条の右手は"幻想殺し"。『現実』をことはできない。

39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 16:17:56.43 ID:uDUdSkDO
 そんなことを考えながら歩いている上条がふと前を見ると、見知った顔を発見した。

御坂「またあったわね。昨日はよくも逃げやがってこのっ」

 ビリビリ中学生である。名前はお互いに覚えていない。そもそも、友達になろうという仲でもないのだ。

上条「……なんだ、ビリビリか」

御坂「だっからー!! 私には御坂美琴ってちゃんとした名前があんのよ!! いい加減覚えろ!!」

上条「あー、はいはいイササカノミコトさんですねわかります」

御坂「全然違うわよー!!」
 興奮した御坂の前髪から電撃が飛び出した。

 そう。ここは学園都市。超能力育成機関である。

 ここにすむ180万人の学生は日々超能力の開発を行っている。

 そして、このビリビリ中学生は、学園都市に七人しかいない超能力者のうちの第三位である。

40 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 16:27:53.96 ID:uDUdSkDO
 そんな第三位様を右腕一本であしらった上条は、ふと思った。

上条(……まさかビリビリ、トーチじゃないよな)

 不吉なことを考えた上条は御坂美琴に近づいていく。


御坂「なに、ようやくやる気に……ってひゃあ!! 何すんのよ!!」

上条「ふぅ、よかったよ」

 御坂の頭に触れた上条は、彼女が消えないことに安堵した。

 そう。上条にはトーチは見えない。しかし"幻想殺し"はすべての異能を打ち消す。

 それが例え、消えた本人の残り滓だとしても。

上条「ん、どうしたビリビリ? 顔真っ赤だぞ、夏風邪か?」

御坂「死ねー!!」

 本日最高の電撃が上条を襲った。

上条「うわっなんだよおい、不幸だぁー!!」

42 名前:sagaってなぁに?[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 16:45:54.04 ID:uDUdSkDO
―――

 なんだかんだで時間をとってしまい、遅刻ギリギリで学校へ駆け込む上条。

青髪ピアス「なんやー、ギリギリやなーカミやん。また女の子とフラグでも立ててたんかいな」

土御門「まぁカミやんはフラグ体質兼不幸体質だからにゃー。大方女の子に追いかけ回されてたんだろうぜい」

 話しかけてきたのは、青い髪にピアスを開けた学級委員(男)青髪ピアスと、金髪にサングラス、アロハシャツの大男、土御門元春である。

上条「あのなぁ、不幸体質ではあるが、上条さんには駄フラグしか立ちませんよ」


小萌「今までド派手な学校生活をエンジョイしてきた上条ちゃんがなにを血迷ったこといってるんですかー?」

 突然後ろから聞こえた声の持ち主は、月詠小萌である。

 身長は135センチ。昨日の少女よりも小さいこの女性は、これでも上条のクラスの担任である。

上条「あれ、一時間目小萌先生の授業でしたっけ?」
小萌「いえー、ちょっと上条ちゃんに用事があってきたのです」

上条「俺に?」

小萌「はい。上条出席日数的に、後一日でも休んだら夏休み補習確定ですからねー。忘れないで下さいね」

43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 16:52:36.36 ID:uDUdSkDO
上条「あれ、そんな休んでましたっけ、えーと、あれ?」

青髪ピアス「まぁカミやん何回か怪我で入院しとったしなー」

土御門「ほかにも色々休んでたぜよ」

 悪友二人が同意した。じゃあそういうわけでー、と小萌先生は教室から出ていく。

上条「はぁ……」

 上条はとぼとぼと窓際の後ろのほうにある自分の席へ座る。

 青髪ピアスが上条の隣の席に座わりながら言った。

青髪ピアス「なぁカミやん、宿題やった? 親船先生のやつ」

上条「あぁっ!! 忘れてた。すまん平井さん、宿題見せてく……れ……」

 上条は後ろの席にいるであろう同級生平井ゆかりに援助を求めようと振り向いた。

 しかし、そこには平井ゆかりの姿はなかった。

 そこにいたのは日常の破壊者。

 フレイムヘイズの少女。
 凛々しい顔立ちに、腰の下まである長く艶やかな髪を背にし、堂々と胸を張って、制服まで着て、あのフレイムヘイズの少女が、座っていた。


46 名前:>>45サンクス[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 17:04:41.61 ID:uDUdSkDO
上条「なっ、なんであんたがここにいるんだよ!?」

少女「お前を狙う奴らを釣るには、やっぱりその近くにいた方がいい、ってアラストールと話したの。ま、私もこういう場所には滅多に来ないし、見物がてら、ってとこ」

上条「平井は、どうしたんだ?」

少女「ここにいたトーチなら、私がいなくなったからもうなくなったわよ。そして、私が平井ゆかりになった、ってわけ」

上条「な……どういうことだよ!! ここにいた平井はどうしなったんだ!!」

青髪ピアス「どうしたん、カミやん。大声出して。平井さんと痴話喧嘩かいな?」

 青髪ピアスが割り込んできた。しかし、それで上条は正気にもどる。

上条「……」

少女「思い煩うことなんかないわ。そもそもなにもなくてもこれは消えていたのだから」

 上条は、しかし、そこにいた平井ゆかりを覚えている。彼女を忘れたくはなかった。

 目の前にいるのは、平井ゆかりではない。クラスメイトたちは、平井ゆかりと呼ぶかもしれないが、上条は彼女をそう呼びたくなかった。



47 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 17:09:39.72 ID:uDUdSkDO
上条「……あんたの名前は?」

少女「名前?」

上条「あぁ、『フレイムヘイズ』なんかじゃない、あんた個人の名前はなんていうんだ?」

少女「……」

少女は、顔を曇らせた。心なしか、凛々しい顔立ちから寂しさ露にしていた。

少女「わたしは、このアラストールと契約したフレイムヘイズ、それだけよ。それ以外に名前なんかない」
 胸に下げた、声の出るペンダントをもてあそびながら、少女は小声で答えた。

少女「ほかのフレイムヘイズと区別するために、"『贄殿遮那』の"ってつけて、呼ばせてはいたけど」

上条「ニエなんとか…?」
少女「『贄殿遮那』。私の大太刀の名前」

上条「そうか、それじゃあ俺は、あんたを『シャナ』って呼ぶことにする」

 平井ゆかり、では彼女はない以上、別の呼び名が必要だった。

 かなり簡単に上条は決めたが、シャナと名付けられた少女にとっては、どうでもいいことだった。


48 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 17:18:19.72 ID:uDUdSkDO
シャナ「……勝手にすれば」

 と、シャナが答えると同時に授業の予鈴がなる。

上条「あれ、シャナ授業とか受けて大丈夫なのか? 開発とか」

シャナ「勝手に名付けていきなり呼びつけ? まぁいいけど、開発? は知らないけど授業なんてこんなレベルでしょ?」

 シャナが教科書を鞄から取り出す。上条が不幸な予感を感じたとき、一時間目の授業の先生が入ってきた。









土御門(……面白くなってきたにゃー)

 土御門が二人の様子を見て笑っているのに、上条とシャナは気づいていなかった。

49 名前: ◆UxGGtdFeSE[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 17:19:39.22 ID:uDUdSkDO
とりあえずここまでで

またあとで来ます

56 名前:>>52知ってたほうがいいかもです[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 21:07:57.84 ID:uDUdSkDO
―――

 上条の予感は、当たった。

 四時間目、数学の授業も終盤に差し掛かっていた。

 教室は、静寂と緊張のなかにあった。

 原因は、ただ一つ。いや、ただ一人。上条の後ろに座っている少女、シャナだ。

 しかし、別にこの小さい少女が何かをしている訳ではない。

 そう、彼女はなにもしていないのだ。教科書を閉じて、ノートもとらず、ただ腕を組んで教師を見ていた。


 現在授業を行っている数学教師――親船素甘は、そのようすに動揺していた。
 少女の視線には、敬意や尊重を全く含んでいないと、気づいてしまったからだ。

 別に授業の邪魔になっている訳ではないのだから、放置しておけばよいのだが、親船は、耐えることができなかった。

 前の三人の教師同様に―――



57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 21:11:14.31 ID:uDUdSkDO
―――

上条「はぁ……」

 昼休み

 先程までの授業を思いだし、上条は心底疲れたようにため息をついた。

 ――あの後、シャナは親船の立場や、プライドと言うもののを、言葉だけでぼろぼろにしていた。

 午前中四時間あったなかで、唯一小萌先生の授業だけ、その事件は起きなかったが、それでもやはりクラスメイトたちはぐったりとし、昼休みになると一人、また一人と教室を出ていった。

 残ったのは、上条とシャナ、それに土御門と青髪ピアスだけである。

 シャナは席でメロンパンを頬張っていた。おいしいらしく、すこし頬が緩んでいる。

土御門「いやー、平井さんすごかったにゃー」

 すこし離れた席に座った三人は話し始めた。

青髪ピアス「なぁなぁカミやん、なんかこう、平井さんがあーやって教室達を言葉責めしてるの見ると、なんか興奮せぇへんか?」

上条「お前小萌先生のことも好きって言ってたな。ロリコンでMか? 救われねぇな」

土御門「カミやん、ロリ馬鹿にするのは許さんぜよ」

青髪ピアス「そうやでカミやん、それにボクぁロリのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様
金髪黒髪茶髪銀髪ロングヘアセミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテールポニーテール
お下げ三つ編み二つ縛りウェーブくせっ毛アホ毛セーラーブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さん
メイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんショタツンデレチアガールスチュワーデス
ウェイトレス白ゴス黒ゴスチャイナドレス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様ニーソックス
ガーターベルト男装の麗人メガネ目隠し眼帯包帯スクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングショット
水着バカ水着人外幽霊獣耳娘まであらゆる女性を迎え入れる包容力を持ってるんよ?」

上条「長いし、一個明らかに女じゃないな」



58 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 21:17:22.05 ID:uDUdSkDO
 上条は、ふと思いシャナへとよっていった。

上条「なぁシャナ」

シャナ「なによ」

 買い物袋に入っていた沢山の甘いものは、空になっていた。

 この体のどこに入ったんだ、とすこし疑問に思いながら上条は続ける。

上条「敵って、いつ来るんだ?」

シャナ「さぁね、とりあえず夕方を警戒するけど」

 周囲の世界との繋がりを一時的に断つ因果孤立空間、"封絶"は通常、夕方に行われることが多いらしい。
上条「夕方か……って夕方!? 下手したら学校に来るかもしれないってことか!?」

シャナ「当たり前じゃない、私が何のためにいると思ってんの」

上条「……」

 上条は、考える。さっきまでの馬鹿みたいな会話。
 そんな日常を変えたくない、と。

上条(まぁ、昨日の今日だしな、まさかこないだろ……)



―――しかし、敵は訪れる。

59 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 21:24:59.91 ID:uDUdSkDO
―――

 夕方。ホームルームを終えた教室で上条は胸を撫で下ろしていた。

上条(よかった、なにもなくて……)

 と、上条が急いで帰ろうとした直後


 世界が赤に染まった


  生徒達が、ピタリと静止する。

 奇妙な紋章が回りに浮かびあがる。

―――封絶、だった


上条「くそっ、あと少しで!!」

シャナ「相手に言いなさい。来るわよ」

 上条は、教室を見渡す。幸い、ホームルームの後であり、生徒は四人ほどしか残っていなかった。

60 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 21:28:23.48 ID:uDUdSkDO
上条(みんなを安全な場所に避難させないと!)

 上条は、まず近くにいたクラスメイト、吹寄制理に駆け寄った。

上条「吹寄!!」

 ふと、右手で触れば治るのではないか、と思ったが、残念ながら変わらなかった。

上条「っ、重い……」

 ぼそり、と上条は呟きながら吹寄(巨乳)を運んでいく。その際に、胸が当たるのは、不可抗力である。

 吹寄(巨乳おでこ)を廊下側の壁へ放り出す。

 再び教室に入ると、まだシャナは、動いていなかった。

 ただいつの間にか黒のコートを纏い、右手には『贄殿遮那』を持っていた。

 コートを見て、昨日のハプニングを思い出した上条は、頭をブンブンとふり、窓の外を見た。

61 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 21:33:36.28 ID:uDUdSkDO
 そこには、小さな何がが浮かんでいた。

 それは長方形の、カードのようだった。くるり、とまわると、そこにはスペードのエースが書いてある。
 その一枚のカードからはらり、と二枚目が落ちた。続けて、どんどん増え、窓の外を埋め尽くす。

 次の瞬間的。轟っ!! という音とともに一斉にカードが教室に雪崩れ込んだ。
上条「っ!?」

 上条はとっさに右手を前に出した。しかし、その右手にカードが触れることはなかった。

 シャナがコートの裾を伸ばし、上条を守ったからだ。

シャナは、刺突の構えを取る。そして、跳んだ。

カードの流れの一点へ、大太刀を突き立てた。

??「っ、がぁぁぁ!!」

絶叫が上がり、カードの流れがゆらぐ。

 その一瞬を、上条は見失わなかった。上条は右手を振りかぶる。異能の力なら神様の奇跡すらも打ち消す必殺の右手を。

 瞬間、トランプが一斉に消えた。

62 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 21:37:44.20 ID:uDUdSkDO
 上条は、シャナの方を見ると、シャナの大太刀に粗末な作りの人形が引っ掛かっていた。

人形は、体を切られており、その傷口からは、薄白い火花が散っていた。

 その薄白い火花が、地面を跳ね、シャナを取り囲んだ。

上条「シャナ!!」

 人形の傷口から、いきなり大量の火花が飛び出した。それは、一粒一粒がドールの頭に変わり、人形の全身に張り付いた。

マリアンヌ「もらったわよ、フレイムヘイズ!!」

 叫びとともに、巨大なドールの頭が、上条へと向かう。

シャナ「なにを?」

 シャナは平然と言うと、跳躍した。

 人形の巨躯を刀身に抱えたまま。

シャナ「っだあ!!」

 シャナが叫び、上条に向かっていたドールを、刀身の人形で叩き潰した。

63 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/18(水) 21:43:01.86 ID:uDUdSkDO
上条「す、すげぇな……」

 唖然とする上条。そんな様子にお構い無く、シャナは無惨な姿になった人形を床に放り落とした。

シャナ「おまえの主の名は?」

マリアンヌ「わ、たし、が言うとお、もうフ、レイ、ムヘイ、ズ」

シャナ「ううん、ただの確認。でもまあ、無駄駒をちょろちょろ出し惜しみするくらいだから、よほどの馬鹿なんだろうけど」

??「うふふ、有益な威力偵察、と言って欲しいね」
 と、窓の外から声がした。

 窓の外にいるのは、長身の男。

 純白のスーツと長衣を着た美男子。

――"狩人"フリアグネだった。

71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 11:17:23.35 ID:LXxjFQDO [1/49]
シャナ「あんたが主?」

フリアグネ「そう、"フリアグネ"、それが私の名だ」

アラストール「フリアグネ……? そうか、フレイムヘイズ殺しの"狩人"か」

フリアグネ「殺しの方で、そう呼ばれるのは好きじゃないな。本来は"紅世の徒"の宝を集める、という意味の"狩人"なのだけど」

 フリアグネは、シャナの胸元のペンダントを見る。

フリアグネ「君は、"天壌の劫火"アラストールだね。……なるほど、これが君の契約者"炎髪灼眼の討ち手"か。噂にたがわぬ美しさだ。でも、少し輝きが強すぎるな」

 二人(三人?)が話しているのを聞いている上条。しかし、全く知らない言葉ばかりですでに頭はパンク寸前である。

 そんな上条をおいて、二人(三人?)はさらに話しを進める。


72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 11:23:16.30 ID:LXxjFQDO [2/49]
フリアグネ「マリアンヌ!!」

突然フリアグネが調子っ外れな声をあげる。

フリアグネ「ああ、ごめんよ、私のマリアンヌ! こんな恐い子と戦わせてしまって」

 フリアグネの手には、いつの間にか、ぼろぼろの人形・マリアンヌが柔らかく抱かれていた。

マリアンヌ「申、し訳あ、りませ、ん、ご主人、様」
フリアグネ「謝らないでおくれマリアンヌ。ほら、いま直してあげるからね」

 フリアグネが、ふ、と息を、マリアンヌに吹きかけた。

 すると、マリアンヌが一瞬、薄白い輝きの中で燃え上がり……そして、元の姿に戻っていた。

フリアグネ「さあ、これで元通り。慣れない宝具なんて持たせてごめんよ」

 フリアグネは、そう言うと、初めて上条のことを見る。

フリアグネ「私自慢の『レギュラーシャープ』を一瞬にして消すとは……。面白い、実に面白いよ、君」

 ぞくり、と上条の背筋が凍る。まるで、猫に狙われた鼠のように。


73 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 11:33:04.50 ID:LXxjFQDO [3/49]
 フリアグネは、再びシャナの方を向く。

フリアグネ「うふふ、君はフレイムヘイズのくせに、炎をまともに出せないようだね」

シャナ「……なんですって?」

フリアグネ「そのかなりの業物らしい剣の力を借りて、ようやく内なる炎を呼び出しているようだね」

アラストール「……なるほどな。燐子は、我らの力を見極める囮か。噂通り姑息な狩りをする」

フリアグネ「いやいや、今日様子見をしていたのは、あくまで念のためさ。……にしても、"王"である君の力もまさに『宝の持ち腐れ』だね。ふ、ふふふ」

シャナ「いいわ、持ち腐れかどうか、教えてあげる」

 シャナが灼眼の光を強め、身構える。しかし、フリアグネは困った顔をして言った。

フリアグネ「やれやれ、無粋な子だね。……そうやってムキになって力を暴走させたフレイムヘイズを私は何人も知ってるよ。そんなことになって、万が一そこの少年が死んでしまったら本末転倒だ」

上条「……」

フリアグネ「まぁ、あまりこの町に長居する気はないが、……もう少し、やりやすい状況を作ってから、また伺いよ」

 そう言って、フリアグネは去っていった。

74 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/19(木) 11:39:18.31 ID:LXxjFQDO [4/49]
アラストール「やはり、"王"だったな。それも"狩人"フリアグネとは」

シャナ「ふん」

 アラストールの言葉に、シャナが鼻を鳴らして返した。

 上条は教室を見渡した。幸い、上条があのトランプ――『レギュラーシャープ』をそうそう消していたため、怪我人はいなかった。

シャナ「封絶内を直さないとね。まぁ壊れたのは校舎だけだし、私の力で大丈夫ね」

 そう言うと、シャナは校舎をみるみる直していった。

 上条は、考えていた。今回はたまたま、校舎だけですんだ。しかし、もし教室にもっと生徒が残っていたら――と。

 上条は不幸な人間である。まぁ、それは生まれたときからなので、多少は慣れている。


 しかし、そんな彼が、この"幻想殺し"が、回りの 人間まで不幸にしてしまうことに、上条は耐えられなかった。

 そう思っても、なにもできない。不幸なんて、自分のせいではない、と思う上条も頭にいるからだ。

上条(……俺は偽善使いだ)

77 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 11:47:56.02 ID:LXxjFQDO [5/49]
―――

 修復も終わり、下校中の上条。隣には、長い黒髪をたなびかせる少女、シャナがいる。

上条「なぁ、これからシャナはどうするんだ?」

 上条はシャナに聞いた。

シャナ「当分は、あんたの側で見張りね。」

上条「……側ってどこ?」

シャナ「あんたの家の屋上とか」

上条「学生寮なんだけど」

シャナ「……」

 沈黙が訪れる。やがてその沈黙を打ち破るように、アラストールが言った。

アラストール「貴様の家しかあるまい……不本意だかな」

 …………

シャナ「変なことしたら、ぶっとばすわよ」

上条「いや、俺、青髪ピアスみたいな趣味してな痛だっ!?」

 ……昼休みの会話は聞かれていたらしかった。

78 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/19(木) 11:55:43.05 ID:LXxjFQDO [6/49]
 上条の部屋にたどり着いた。上条は、隣人、土御門元春がいないことを確認すると、素早くシャナを家に入れる。

シャナ「狭い部屋ね」

上条「おいこら靴ぐらい脱げ」

 そんな会話をしながら、部屋に入る上条とシャナ。

上条「あれ、御飯とか、普通に食べるんでせうか?」

シャナ「当たり前じゃない、普通にお昼食べてたでしょ」

上条「いや、上条さんね感覚からすると、メロンパンに、みたらし団子、苺大福にシュークリームは普通のお昼とはとても……」

シャナ「うるさいうるさいうるさい、甘いものが好きなんだからしかたないでしょ!!」

上条「ハイハイ」

 ふと、上条はこういう普通の会話を少女とできているのに驚いてた。

上条「で、夕御飯は何が食べたいんだ?」

シャナ「……は?」

上条「いや、だがら、夕飯。どうせ俺が作るんだし」

シャナ「…………なんでもいい」

 シャナが、ぽつりと答えた。


79 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 12:04:22.55 ID:LXxjFQDO [7/49]
―――



上条「いや、ちょっと待って」

 実際に待て、と言われたのは上条だが、とりあえず、そう返答せざるを得ない状況である。

 シャナにベットを使わせるとして、俺は風呂場かなー、不幸だー、とか思ってた上条は、シャナとアラストールに引き止められた…というより、制止命令を受けたのだ。

上条「……いや、さすがに同じ部屋で寝るのはちょっとまずいんじゃないでせうか?」

シャナ「おまえを守るためにいるのに、なんでわざわざ別の部屋になんなきゃなんないのよ」

アラストール「諦めてここで寝ろ」

 アラストールに、完全に命令としか言えない指示を受ける。

 その彼の意思を表すペンダントを、シャナが首から外して、枕のしたに押し込んだ。

上条「…なんでもなにやってんだ?」

シャナ「見ればわかるでしょ、着替えるから、見えないところに行ってもらったの」

 上条はアラストールが隠された枕を見つめる。

アラストール「そういう決まりなのだ。分かったら、貴様もどこかへ潜り込め。」

上条「……不幸だ」

80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 12:22:40.87 ID:LXxjFQDO [8/49]
 結局、へやの押し入れに詰め込まれた。

シャナ「覗いたらぶっとばすわよ」

 昨日のことを思い出したのか、珍しく顔を薄く染めながらシャナが言った。

 もちろん上条には見えてないが。

上条「不幸だ……」

 ……するり、と音が聞こえる。どうやら服を脱ぎ始めたらしい。

上条(昨日下着姿見ちゃったんだよな……)

 あのときの姿を思い出した上条は、やばいやばい別のこと考えないと、となんとか思考を別のことに変えようとする。

上条「なぁ、いつまで入ってりゃいいんだ」

シャナ「夜中、ずっとに決まってるでしょ」

上条「んな馬鹿な」

 突っ込んだ拍子にバランスを崩す上条。

 気づいた時には、手遅れだった。ふすまを押し倒し、頭から転がり落ちる。

 ふと前を見ると、全部脱いだところらしいシャナがきょとんと立ち尽くしていた。

上条「……えーと、シャナさん、いきなりコートを羽織って、刀をだすっていやマジ洒落にならないからーっ!!」

シャナ「死ね」

 轟っ!!という音とともに上条はノーバウンドで壁に叩きつけられた。灰の中の空気がすべて抜けた。

上条「またかよ……不幸だ……」

 上条の意識はそこで途切れた。寸前で、アラストールの自業自得だ、と言う声が聞こえた気がした。

81 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 12:25:06.27 ID:LXxjFQDO [9/49]
いったん切って、書き貯めしてきます

見てくれて感謝!!

85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 14:47:13.66 ID:LXxjFQDO [10/49]
七月十四日

 シャナにとっての二日目の授業は、前日と同様、突っかかった教師の壮絶な自爆を繰り返していた。

 教師は恐れ、ある生徒はおののき、ある生徒は興奮する(当然青髪ピアスである。)、という状況が三時間目まで続いた。

 しかし、四時間目で、一方に大逆転が起こる。

 四時間目は、体育だった。その担当の教師、災誤先生(ゴリラ)は、生活指導の先生でもある。彼は、最近平井ゆかりという生徒が、騒ぎを起こしている、と聞いたらしい。

 もう一人の体育教師、黄泉川愛穂は話を聞いて、いい馬鹿がいるじゃん、と喜んでいたが、ゴリラ(災誤)は、自分の授業で、その平井とやらをへこませてやろう、と画策した、いやしてしまった。

 彼は、いきなりクラス全員に無制限のランニングをするように言った。



86 名前:災誤先生ファンの人ごめん[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 14:51:38.90 ID:LXxjFQDO [11/49]
 すぐにへばるだろう平井ゆかりは、しかしまったくペースを変えなかった。

 もうすでに、授業は終盤に差し掛かっている。持久走には自信がある上条すらも、もう限界に差し掛かっていた。

 ゴリラは、焦れたが、平井ゆかりがへばるまでは、ランニングを止めることができない。

 やがて、白いカチューシャをつけた女生徒が一人、トラック上でうずくまった。

災誤「こらぁ、速く走れ!!」

 しかし、白いカチューシャの少女は、動けない。クラスメイトたちが彼女に駆け寄る。

上条「先生、いい加減に休ませてあげてください!! てか、なんでいきなり持久走なんですか!」

 白カチュの少女を見て我慢できなくなった上条がゴリラに噛みつく。

災ゴ「うるさい!サボらずしっかり走らん……ぐはっ!!」

 突然、ゴリラが飛んだ。フライングゴリラはずどん、とグラウンドに落ちる。

 その後ろに、平井ゆかりことシャナが、運動靴の底を見せて立っていた。

 シャナが蹴り飛ばした理由は、走行ライン上にゴリラがいたから、というだけである。

87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 14:55:40.86 ID:LXxjFQDO [12/49]
シャナ「さっきからずっと走るだけ……。馬鹿な訓練ね、疲れるだけで、なんの意味もないわ」

災ゴ「貴様……教師を足蹴りにしたな!」

シャナ「おまえ、この授業の意味を説明しなさい」

災ゴ「ふんがー!! もう許さん、貴様など停学、いや退学にしてやるぞ!!」

シャナ「……」

 シャナの表情が消える。やばい、と上条は思った。戦闘開始の表情だ、と感じた上条は、思わず叫んだ。

上条「蹴りだ!」

シャナ「?」

 シャナは、はてな、と思いながらも、ゴリラを気持ちよく蹴り飛ばす。轟っ!!と言う音とともに、ゴリラがノーバウンドで五メートルほどぶっ飛び、地面に叩き付けられる。

ゴリラ「がっ、ば……ァァああああああああっ!?」

 ゴリラが戦闘不能になる。ため息をついた上条は、わざとらしく声を張り上げる。

上条「先生、トラックの中に突然入ってきたら危ないでしょう!」

 上条がちらり、と土御門と青髪ピアスを見る。二人はにやりと笑い、

土御門「だにゃー、蹴っ飛ばされても、しょうがないぜよ」

青髪ピアス「せやな、平井ちゃん、足速いから!!」

 クラスメイトたちも同調していく

「先生、平井の前に飛び出したら危ないですよ!」

「先生ーカワイソ!」

「交通事故みたいなもんだな」

ゴリラ「き、きさまら……」

 ゴリラが必死で立ち上がる。

黄泉川「災誤先生、あんたの負けじゃん、いい加減にするじゃんよ」

 ゴリラの後ろに、緑色のジャージを着た、妙に色っぽい先生が立っていた。彼女の名前は、黄泉川愛穂(巨乳)。学園都市の警備員も勤める体育教師である。

黄泉川「おまえたちも、後は自習にするじゃん」

 生徒達が歓声をあげる。
 シャナがきて、始めてクラスが一つになった瞬間だった。

88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 14:59:22.58 ID:LXxjFQDO [13/49]
―――

 というわけで、平井ゆかりことシャナは、クラスメイトからの人気を集めることになった。

 もともと、上条のクラスは、黄泉川先生が小萌先生に、馬鹿ばっかでいいなー、と呟くようなクラスだったので、クラスメイト側からは、シャナにたいしてほぼ完全に打ち解けていた。

 昼休み、すこしほっとしている上条に、一人の女子クラスメイトが話しかける。

吹寄「上条当麻、平井さんと仲いいの?」

上条「ん?」

 話しかけてきたのは、大きな胸と、出したおでこがチャームポイントの吹寄制理。

 土御門曰く、カミジョー属性に対する最終兵器だ。
 説明しよう。カミジョー属性とは、不幸な目に合いながらも、必ずどこかで女性とフラグをたてる上条についたあだ名である。

 その力はすさまじく、クラスの女子は、吹寄を除き、全員がその毒牙にかかっている。

 しかも、やっかいなことに、上条にはその自覚がなかった。

89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:04:46.80 ID:LXxjFQDO [14/49]
上条「まぁ、仲がいいと言うかなんというか」

 ゴニョゴニョ、と上条は言葉をにごす。まさか、怪物と戦った仲です、とは言えまい。

吹寄「……そうか。もし仲がよかったら彼女に頼んでもらって勉強を教えてもらおうと思ったのだけど」

 いやー、仲がよかったとしてもそれは無理かなー、と上条はシャナを見ながら呟いた。

 現在、シャナはクラスメイト達にかこまれている。
 流石に今日は昼休みになってもほとんどの生徒が残っていた。

 シャナをクラスに馴染ませることが、意味があるかは上条には、わからなかった。

上条(まぁ取り残されるよりはいいか)

 上条は難しいことを考えるのはやめて、素直に今の状況を受け入れることにした。

90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 15:13:45.97 ID:LXxjFQDO [15/49]
―――

 放課後

 授業が終わり、青髪ピアスや、土御門に誘われないうちに、脱兎の勢いで教室を出ていく上条とシャナ。

 そんな二人を見て青髪ピアスが呟いた。

青髪ピアス「いやー、平井ちゃんも、カミジョー属性に引っ掛かってもうたんかいな。ほんまカミやん範囲広いのー」

 青ピには言われたくないだろうぜい、と思いながら土御門がいった。

土御門「まぁ、あれはちょっと特別ぜよ」

青髪ピアス「? そういえば、前から気になっとったやけど、それ、なに掛けとるん」

 青髪ピアスが土御門の首もとを指した。

土御門「まぁお守りみたいなもんだぜよ」

 そこには、不思議な『栞』のようなものがあった。

91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:19:54.93 ID:LXxjFQDO [16/49]
 学校から離れた上条とシャナは、第七学区のとある公園を歩いていた。

上条「これからどうするんだ?」

 昨日も聞いたような質問を、上条はまたした。

シャナ「夕刻までには、こっちに有利な場所を探しておかないと」

上条「有利な場所なんてあるのか?」

シャナ「とにかく、ほかに人間がいないとこ。おまえってば、放っとくと、すぐに変な真似するから」

上条「そうか、ありがとう」

シャナ「うるさいうるさいうるさい。私はやりたいようにやる、って言ってるだけよ」

 上条が、ハイハイそうですか、と声をかけていると、後ろから聞いたことのある声が聞こえたら。

御坂「ちょろっとー、そこのツンツン頭! とまりなさい」

 …………

御坂「こらー!! 聞こえてんでしょ! 止まれー!」

シャナ「うるさいわね、なに、さっきから。てか、誰あんた?」

 スルーを決め込もうとしていた上条だが、まさかのシャナが振り向いた。

92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:22:41.61 ID:LXxjFQDO [17/49]
御坂「誰って……そっちこそだれよ!!」

シャナ「聞いてるのはこっち、なに、あんたの知り合い?」

 上条に問いかける。上条は愛想笑いを浮かべ言った。

上条「えーと、ビリビリ?」

御坂「私は御坂美琴だぁー!!」

 御坂の額から電撃が走る。

シャナ「っ!?」

 シャナが驚いているが、気にせず、上条は右手で電撃を打ち消す。

シャナ「……なに? 今の……」

上条「超能力だよ。言ったろ、この街では『開発』が行われているって」

シャナ「アラストール」

アラストール「うむ……、我も初めて見る力だな。一度この世を離れた後でできたものかもしれん」

御坂「? いま何処から声が……」

 御坂が辺りを見渡す。その隙を、チャンスと思った上条は、シャナの手をとり駆け出した。

御坂「あっこら、逃げるな!!」

 無視無視無視。

93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:25:40.01 ID:LXxjFQDO [18/49]
―――

 ビリビリ中学生を振り切った上条とシャナは、とあるスーパーにいた。

上条「……なぁシャナ、もしかして機嫌悪い?」

 上条は聞いた。さっきビリビリから逃げてから、シャナはなぜかずっとむすっとした表情で黙っていたからだ。

シャナ「別に」

 ……明らかに機嫌が悪い。一体何があったんだ、と頭を抱える上条は、自分のせいだと気付いていない。

 そんな状況でも、買い物カゴを一杯にしていたシャナは、最後にレジ近くの棚へ向かう。

上条「ちょっと待て、上条さんそんなに一杯の物買えるほどお金持ちじゃありませんよ!?」

 カゴの中を見た上条が声を張り上げた。

 そんな様子を見て、シャナは呆れたような顔をする。

シャナ「大丈夫よ、金なら手に入れてあるから」

 普通に働いて手に入れたとは思えないお金と量を見せつけられ、上条はその話題を切り上げることにした。

 レジ近くの棚にあるパンコーナーにシャナは立ち止まる。

94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:33:30.21 ID:LXxjFQDO [19/49]
 彼女の視線を釘付けにしているのは、メロンパンだった。

上条(そういえば、昨日も今日も食べてたな……)

 そんなことを考えている上条に気づかず、シャナは、何種類もあるメロンパンを、慎重に吟味していた。

上条「これはどうだ? 本物のメロン果汁入りとか書いてあるぞ」

シャナ「駄目よ」

上条「へ? なんで?」

シャナ「メロンパンってのは、網目の焼き型がついてるからこそのメロンなの! 本物のメロン味なんて、ナンセンスである以上に、邪道だわ!」

 シャナは、買い物カゴと鞄を持った両の手を細い腰に当てて、胸を張って言った。

 突然の大声に、周りのお客さんがざわめく。




「うわー、なんか語ってますよ佐天さん」

「そうだね、なんかメロンパン食べたくなってきちゃったね」

「……メロンパン、か。甘い、そう私と同じね…」

「結局、サバ缶が来てる訳よ」

「フレンダうるさい。真っ二つにするわよ」

「なンかうるせェな、空気の振動を反射っとォ」





上条「はぁ」

 と、上条は、その堂々たるポリシーの表明に、同意するしかない。

 結局、厳選の作業には、それから十分の時を要した。

 そして、上条が買おうとしていた缶コーヒーは、全て売り切れだった。

95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:40:13.36 ID:LXxjFQDO [20/49]
―――

 家に付いた上条は真っ先にお風呂に入っていた。どうやら疲れたらしい。

 上条がお風呂に入っている間に、シャナがアラストールに話しかける。

シャナ「アラストール、この街なにか変じゃない?」
 アラストールは枕の下から、フゴフゴと答える。(いま、シャナは着替え途中である。)

アラストール「うむ」

 アラストールが一言で返した。

シャナ「この街……、トーチが少なすぎる」

 シャナが呟くように言った。

シャナ「街を歩いていても、一つたりとも見当たらないなんて。フリアグネもいるし、もっとないとおかしいのに……」

シャナ「そして、まさに奇跡のように、あいつの後ろの席の、これだけがトーチだった、まるで誘われているみたいね」

アラストール「そして、超能力、か」

シャナ「うん。フレイムヘイズ以外であんな力、見たことない」

アラストール「……」

 二人の会話が途切れた。わからないことが多すぎるからだ。

 その沈黙を破ったのは、二人ではなかった。

上条「ふぅー、いいお湯でしたって……うわぁ!!」

 上条が部屋に入ってきた。

 ちなみに、シャナはまだ着替え中である。

シャナ「二度ならず、三度まで……」

上条「いや、これは上条さんのせいではないと思うんですが、だから、刀は洒落にならな……アッー!!」


 轟っという音とともに以下略。

96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 15:45:29.90 ID:LXxjFQDO [21/49]
―――

 そんな世界を見下す、あやふやな白い姿が、とある高いビルの屋上の縁にある。

 "狩人"フリアグネである。

フリアグネ「マリアンヌ、ごめんね、君を、君という存在を作るときに、こんな寄り道をして」

マリアンヌ「いえ、ご主人様は"狩人"ですから……。ご主人様のためなら私はなんでもできます」

フリアグネ「マリアンヌ……。君を、"燐子"などという道具ではない、一つの存在に、してみせる。そのための、"御崎市"だ。そのための"都食らい"だ」

マリアンヌ「ご主人様……」

フリアグネ「それに、こんな近くにフレイムヘイズがいたら、いつ邪魔をされるかわからないしね……。狩ろう、これまでのフレイムヘイズどもと同じように、狩ってしまおう」

フリアグネ「そうするべきだよね? マリアンヌ」

マリアンヌ「はい、その通りです、ご主人様」

 ぱっと子供のように顔を明るくして、フリアグネは高らかに、調子っ外れに謳う。

フリアグネ「さぁ歓迎の準備だ、マリアンヌ! 可愛い子らを集めて、盛大におもてなししよう!!」

マリアンヌ「はい、ご主人様!」

108 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 20:52:56.42 ID:LXxjFQDO [23/49]
七月十五日

 シャナ、三日目の授業は、何種類かに別れることとなった。

 初めてシャナの授業を受ける教師は、前日、前々日と同じ目にあった。

 変化があったのは二度目以降の教師だ。

 無視を決めつける者、シャナへ反論を行う者、通常の授業を行える者(それは子萌先生くらいだが。彼女だけは、シャナに自爆させられなかった。恐るべき幼女先生である)。

 三日目にもなれば、クラスメイト達もなれ、シャナの様子を楽しんでいた。




109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 20:54:18.48 ID:LXxjFQDO [24/49]
―――

放課後

 上条とシャナは、夕暮れを前にして、第二学区の爆発物の試験場に来ていた。ここならば、邪魔が入らないと上条が提案したからである。

上条「本当にくるかな……」

 上条は不安に思っていた。わざわざこんなところまで来て、来ませんでしたではとんだ無駄骨だ。

シャナ「来なければまた明日もここに来るしかないわね」

上条「不幸だ……」

 二人が無駄話を十分ほど続けていると、突然、ズン、という衝撃が走った。

上条「シャナ!」

シャナ「ええ、来たわよ!!」

 瞬間、シャナの黒くて艶やかな長い髪と瞳が灼熱に染まる。右手には、大太刀『贄殿遮那』、そして、黒寂びたコートが体を包む。

フレイムヘイズとしての彼女が、燃え上がった。

シャナ「"狩人"のご登場ね」

 その場を埋める様に、薄白い炎が立ち上がる。

 地に紋章、周囲に陽炎が残され、囲われた世界が止まった。

 薄白い炎、つまり"狩人"による封絶だった。

110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:01:42.25 ID:LXxjFQDO [25/49]
フリアグネ「やぁおちびさん、よい場所を用意してくれたね」

 妙に韻を浮かせた声がする。純白のスーツに、純白の長衣を羽織った美男子、"狩人"フリアグネが、空に浮いていた。

シャナ「御託はいいから、早く始めましょう」

フリアグネ「やれやれ、やっぱり無粋な子だね、君は。ふふふ、まぁいい」

 フリアグネの言葉が終わる前にして、シャナは足裏に爆発を起こして跳んでいた。大太刀『贄殿遮那』を一閃する。

 それを余裕の表情で避けたフリアグネは、手袋わはめた掌から、純白の炎玉をはなつ。

 シャナは刀の峰を体に叩きつけ、反動で大きく返し、太刀で炎を凪ぎ払った。

 音もたてず、両者が着地する。

上条「すげぇな……」

 上条の身体能力では、空中戦は不可能である。上条は両者と軽く距離を取っていた。

シャナ「今日は、お人形遊びじゃないの?」

フリアグネ「もちろん、用意してあるとも」

 フリアグネが両手を大きく広げる。すると、数十もの薄白い炎が沸き上がった。

 その内から、少女型の『お人形』達が姿を現す。



111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:08:49.22 ID:LXxjFQDO [26/49]
 その人形は、カジュアルやゴスロリから、パンクルック、メイド、巫女、水着(当然のようにスクール)、ナース、メガネにブレザー等々……。

上条「お前は青ピか!!」

 上条が思わず突っ込んだ。

フリアグネ「ん? ……まぁいい、じゃあ、やろうか」

 戦闘が始まる。

 三十は下らないフィギュアが一斉に飛び掛かる。

 シャナは、ものすごい勢いで、フィギュアたちを葬っていく。まさに圧倒的だった。数的劣勢をものともしない。

上条「くっ!?」

 一方、上条のほうにも何匹かフィギュアが来ていた。ただ、上条を殺す気はないらしく、足止め程度である。

 上条は、フィギュアが出す炎玉を右手で打ち消し、フィギュアに近づいていく。

112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/19(木) 21:18:18.84 ID:LXxjFQDO [27/49]
 シャナは、ランジェリーと、チャイナの上半身をまとめて切り飛ばすと、さらに前に進んだ。

 ようやく、本命の薄白い影が見える。

 シャナは、その本命・フリアグネを一気に斬りつけようと、踏切の足を地面に打ち付けた。

フリアグネ「ふふふ……」

 ほぼ同時に、フリアグネが右手の拳、その握りこんだ親指を勢いよく上に向けて弾いた。

 ピイン、という音とともに一枚の金貨が舞っていく。どこぞのビリビリ中学生ね代名詞と同様の動きだが、しかし、その金貨は、くるくる回るたびに残像を残し、どこまでもあがってゆく。

 シャナの踏み込みに合わせて、金貨の残像を、思い切り降った。その残像は金の鎖となり、シャナの上に降りかかる。

113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/19(木) 21:24:24.23 ID:LXxjFQDO [28/49]
 シャナは、金の鎖を切り上げたが、残像の鎖は斬れず、大太刀に絡まる。

 シャナは、ようやくこれが、武器殺しの宝具であると理解した。

フリアグネ「ふふふ、どうだい、私の『バブルルート』は。その剣がどれほどの業物でも、こいつを斬ることはできないよ」

シャナ(なら、持ち主を斬る)

 当然のように思ったシャナは、大太刀を引き、フリアグネとの間合いを計った。

 周りからフィギュアがにじり寄り、引き合う二人の間にも幾体か入る。

 シャナが、どうするか、とフリアグネを見ると、空いた手で、つい、とハンドベルを取り出した。

114 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:32:04.75 ID:LXxjFQDO [29/49]
 なにかさせる前に、とシャナは一瞬、引きを強める。フリアグネも引き返す。
 瞬間、シャナは、その力を利用して、前へ突進した。

 ―――間に入っているフィギュアたちを気にせずに。


フリアグネ「ふふふ」

 フリアグネが笑い、ハンドベルを鳴らす。

 瞬間




 シャナの周りのフィギュアたちが凝縮され、破裂した。

 轟!!と、大爆発が巻き起こり、シャナがノーバウンドで地面に叩きつけられた。


115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:41:28.38 ID:LXxjFQDO [30/49]
シャナ「ーッ!!がァァァあああああああああ!!」

 もろに大爆発に巻き込まれたシャナは、一発でボロボロになっていた。

シャナ「っうぐ!」

 シャナの体が動かない。もはや戦闘は不可能な状態だった。

上条「シャナ!!」

 上条がシャナに駆け寄る。まだ意識がありらしいシャナは、しかし、来るな、と声を出すこともできない。

フリアグネ「ははははっ!! 素晴らしい威力だろう、私の『ダンスパーティ』は」

上条「ちくしょう……。」

 上条は声を上げた。シャナを一撃で潰したフリアグネは、得意気に笑う。

上条「お前!! なにが目的なんだ!! この世に勝手に現れて好き放題しやがって!!」

 上条が叫ぶ。その様子を見たフリアグネは、にやりと笑い言った。

フリアグネ「目的? ふふふ、この"狩人"相手に、そんな啖呵をきれるきみに免じて教えて上げよう」

 フリアグネが続けた。

フリアグネ「僕の、この世にいる唯一無二の目的は、"都喰らい"を起こし、マリアンヌとの永遠を手に入れることさ!!」

116 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:52:21.76 ID:LXxjFQDO [31/49]
アラストール「馬鹿な、"都喰らい"だと!!」

 シャナのペンダントから、アラストールが驚きの声をあげた。

上条「なんだ? "都喰らい"って?」

フリアグネ「ふふふ、簡単に言うと、とあるひとつの"都"を丸ごと"存在の力"に変化させることだよ」

上条「な……っ!?」

フリアグネ「すでに準備は整っている。あとは、"御崎市"に戻って仕掛けを発動させるだけさ」

アラストール「ありえん!! まさか、あの"棺の織手"の秘法を……」

フリアグネ「僕ならできるのさ。そして、その膨大な"存在の力"でマリアンヌは、一つの存在に生まれ変わる!!」



上条「ふざけんじゃねえぞ…………」

 上条の瞳に、力が宿っていた。

117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:54:41.69 ID:LXxjFQDO [32/49]
 上条は、シャナが来てから、今の戦いの中ですら、一つの迷いを持っていた。



 ―――自分が、周りの大切な人たちを、傷つけているのではないか、と。

 上条の右手、これを狙ってきた化物、教室への来襲、そして、ボロボロになったシャナ。

 全ては、上条の『不幸』のせいなのだ、と思っていた。

 自分さえなくなれば、全てがよくなるのでは、と。

 しかし、そんな上条は、気付いた。

 今、目の前にいる、フリアグネを

 自分の『幸福』のために、たくさんの人を犠牲にしようとしている彼を許してはいけない、と。

 上条は、誰かを犠牲ににして得る『幸福』なんて、いらない。

 それならば、『不幸』のまま、全てを守ってやる、と。


上条「いいぜ、てめえが自分勝手に他人を傷つけるっていうんなら」

上条「そんな幻想、俺がぶち殺してやる」


 ―――"幻想殺し" 上条当麻の戦いが始まる。

119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:55:17.04 ID:LXxjFQDO [33/49]
 上条はフリアグネのもとへ、駆け出した。

フリアグネ「おいおい、君を殺すつもりはないんだか……、死なない程度に傷つけるしかないか。いけ」

 上条の元へフィギュアが襲ってくる。

 上条は、そのフィギュアにたいし、ただ、右手で触れる。

 それだけで、フィギュアは消えていった。

フリアグネ「へぇ……、やっぱり面白いね、その力。ならこれはどうかな!!」

 フィギュアが二体同時に、左右から迫ってくる。

上条「ーっ!?」

 上条は迷わず、片方に接近する。そして、触れると同時に、後ろに手を勢いよく向けた。

 しかし、上条の右手が、フィギュアが触れることはなかった。

 フリアグネのハンドベルが鳴る。それに反応したフィギュアが爆発した。

120 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 21:58:58.12 ID:LXxjFQDO [34/49]
シャナ「!?」

少しだけ回復したシャナが立ち上がる。

フリアグネ「おや、やりすぎてしまったかな?」

 シャナのときほど大きくはないが、人一人なら充分壊せる爆発をもろに受ける。



 ―――しかし、上条は倒れない。


フリアグネ「なっ!?」

 フリアグネはの上条元へ、さらにフィギュア向かわせる。

 立ち上がったシャナの元へは、マリアンヌが向かって行った。

シャナ「っ!?」

 立つだけでも限界に近いシャナは、なんとかマリアンヌと応戦する。

 


121 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:00:08.51 ID:LXxjFQDO [35/49]
 一方、上条はフリアグネへと距離を縮めていった。

 もうすでに、爆発を三度、突撃を二度受けている。普通の人間ならば、とっくに倒れるような怪我をして、しかしそれでも

 上条は、絶対に止まらない。

 フリアグネは、その上条の様子を、じっと観察していた。

 "狩人"フリアグネは、"徒"として、獲物の性質を見抜く能力を持っている。そして、彼は鋭い洞察力も持っていた。

フリアグネ「……なるほど、君の力の核は右腕か」

 フリアグネが呟いて上条を見る。その目には、絶対に倒れない上条への、軽い畏怖が込められていた。


フリアグネ「遊びは終わりだ、この『レギュラーシャープⅡ』で、君の力の源を頂くことにするよ」

 フリアグネの右手から、以前のより大きなトランプが現れた。

フリアグネ「行け!!」

 フリアグネの合図とともに、トランプが上条を襲う。

 瞬間、上条の右腕が、ひゅんひゅん、と回転しながら宙を舞った。

122 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:03:59.95 ID:LXxjFQDO [36/49]
シャナ「当麻!!」

 マリアンヌと戦闘中のシャナが思わず叫んだ。

 無理やりマリアンヌを叩き付せる。

シャナ「はぁぁぁぁ!!」

 シャナは、フリアグネの方へと駆けていった。しかし、まだ大量に残っているフィギュアが邪魔をする。

フリアグネ「ふふふ、僕の勝ちだね」

 フリアグネが得意そうに笑いシャナを見た。しかし、シャナは、なぜか呆然とフリアグネの後ろを見ていた。

フリアグネ「ん? おちびさんいったい何を……なっ!?」

 フリアグネは振り向いた。そして、見た

 自らの右腕を切り落とされて、それでもなお


 向かってくる上条当麻の姿を。


123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:07:21.59 ID:LXxjFQDO [37/49]
上条「はぁ、はぁ」

 満身創痍になりながら、しかし、上条は倒れない。

フリアグネ「な、なんなんだお前は!?」

 フリアグネが焦りの表情を浮かべながら叫んだ。

 上条は何も答えない。しかし、彼の目には力が残っていた。

 フリアグネがその姿を見て、凍る。まるで異質のなにかを見ているように。

 そして、それは突然起こった。

 上条の右腕の切断面。そこから噴き出す血の流れに異常が起きる。

 そこから、なにか透明のモノが飛び出した、


 顎。

 大きさにして二メートルを越すほどの、巨大に強大な、竜王の顎。

 牙の一本が空気に触れる。それだけで、世界が変化した。


124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/19(木) 22:08:31.32 ID:LXxjFQDO [38/49]
アラストール「なっ!?」

 思わずアラストールが声を上げた。それほどの出来事が起きた。



 一瞬にして、封絶が消えた。

シャナ「なに、これ……」

 シャナが驚きの声をあげる。しかし、変化はまだ止まらない。


 シャナの周りにいたフィギュアたちが一斉に消えた。

 シャナの黒寂びたコートが消えた。

 フリアグネの手にしていた全ての宝具が消えた。

 ―――そして、マリアンヌが消えた。


126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 22:12:55.90 ID:LXxjFQDO [39/49]
フリアグネ「なっ!? マリアンヌぅぅぅぅぅぅううう!!」

 フリアグネが叫ぶ。フリアグネの"都喰らい"は、マリアンヌとの永遠を手に入れるためのものだった。

 そして、それに必要な道具は"ダンスパーティ"。

 "ダンスパーティ"が壊れたいま、マリアンヌを治して、"御崎市"へ戻っても、"都喰らい"を発動できない。

 ―――フリアグネの、全ての幻想が、一瞬にして壊された。

フリアグネ「ああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 フリアグネが叫ぶ。その姿は、白い鳥に変化していた。

シャナ「あれは……」

アラストール「本来のやつの姿だ。恐らく、人化の自在法も消されたのだろう」

 白い鳥と化したフリアグネが、上条へ向かっていく。

 上条は、ただ竜王の顎を最大限に開き、フリアグネを迎え、





―――頭から呑み込んだ。

139 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:08:04.47 ID:LXxjFQDO [42/49]
七月十八日

カエル顔「いやー、全身打撲に全身火傷、あげくに右腕切断なんて、君どんな生活してるんだい?」

上条「はははは……」

 ここは、とある病院の病室。

 上条当麻は、あの後、三日間眠り続けた。

 ちなみに、眠っている三日間で怪我は完璧に治っていた。

 上条は、右腕を切断された後のことを、いまいち覚えていなかった。だが、こうして病院いるということは、あの少女が助けてくれた、ということだろう。

 あの少女、シャナのことを上条は考えた。フリアグネを倒した今、シャナはおそらくこの街にいないだろう。


141 名前:エピローグって入れるの忘れたorz[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:14:17.98 ID:LXxjFQDO [43/49]
上条「最期に一言、お礼言いたかったな……」

 と呟き、さぁて一眠りしようかなぁと、ベットに横になろうとする上条。

 しかし、突然バタン、という音とともに、ドアが開いた。そこには、長い黒髪をたなびかせ、とある高校の制服を着たシャナがいた。

シャナ「まったく、やっと起きたわね!! 三日間なんて寝過ぎよ!!」

アラストール「うむ、これは、鍛練が必要かもしれんな」

 入ってきてそうそう、二人は上条に容赦のない言葉をかける。

上条「な、な、なんでここに!?」

 上条が驚きながら尋ねた。

シャナ「あんたのあの時の力、到底普通とは思えない。それに、少しこの街で気になることがあるからね。もう少し様子を見ることに決めたの。」

142 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:17:22.20 ID:LXxjFQDO [44/49]
上条「あはは、そうか」

 上条が言う。その顔には、笑みがあった。

シャナ「ん? なによニヤニヤして」

上条「いや、まだシャナと別れないですむんだな、って思っただけ」

 その言葉を聞き、シャナの頬が薄く染まる。

シャナ「なっ……、うるさいうるさいうるさい!! いちいち変なこというな、この馬鹿!」

上条「ははは……」

 上条は、思う。始めに非日常を持ってきたこの少女も、すでに上条の日常にいるんだな、と。


 上条が、守ると決めた日常に。






シャナ「あ、そういえば当麻、月詠小萌から伝言。『上条ちゃん治ったら夏休み補習ですからねー』だって」

上条「わ、忘れてた、補習のこと。うわっー!! 不幸だぁぁぁ!!」




 ―――上条は気付いていない。シャナが、上条のことを、「おまえ」ではなく「当麻」と読んだことを。
 それは、たんなる気まぐれか、それとも…………

143 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:21:19.18 ID:LXxjFQDO [45/49]
―――

 その部屋には、窓がない。いや、ドアも、階段も、エレベーターも通路すらなかった。

 そして、核シェルターを優に追い越す演算型・衝撃拡散性複合素材でできた最硬のビルに、一人の男が立っていた。

 金髪に、サングラス、アロハシャツを着た大男、土御門元春である。

 彼の前には、巨大なビーカーがあった。中には、緑色の手術服を着た人間が逆さに浮いている。

 その『人間』は、男にも、女にも見えて、大人にも子供にも見えて、聖人にも囚人にも見えた。

 土御門は、そんな『人間』に話しかける。

土御門「どういうつもりだアレイスター。わざわざ、"徒"と"フレイムヘイズ"を近づけない特別な"自在法"を弱めてまで、"狩人"と"炎髪灼眼"を学園都市にいれるだなんて!?」

 土御門の問いに、『人間』アレイスター・クロウリーは顔色一つ変えずに答える。

アレイスター「ふふふ、ただプランを遂行するのに必要なだけさ」

土御門「なっ!? 貴様、なにを考えている、まさか……」

 土御門は考え込んだ。そのようすを見たアレイスターが言う。

アレイスター「さぁ、話しは終わりだ、土御門元春。出ていきたまえ」


144 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:25:08.05 ID:LXxjFQDO [46/49]
―――

 ツインテールの瞬間移動能力者(実際は座標移動だか)によって、ビルの外に出された土御門元春は舌打ちをしながら考える。

土御門(……カミやんの"幻想殺し"が、まさかあれほどとはにゃー)

 土御門は思い出していた。三日前戦いを。あの時、土御門は封絶内にいた。

 首に下げていた、封絶内で動くことを可能とする特別な"宝具"の力によって、封絶内でも固まらなかった土御門は、あの時の、竜王の顎を見ていたのである。
土御門(まぁ竜王の顎のせいで、"栞"は壊れちゃったがにゃー)



 土御門元春は多角スパイである。それは、学園都市、イギリス清教だけの話ではない。"フレイムヘイズ"側にも、彼はスパイをしているのであった。

 
土御門(まぁ、過ぎたことはしょうがない、まずは新しい"栞"を貰うために"弔詞の詠み手"とでも連絡をとるかにゃー)

 と、土御門は携帯電話をとりだし、どこかへ去って行った。


145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:25:26.00 ID:LXxjFQDO [47/49]
―――

 ツインテールの空間移動能力者(実際は座標移動だか)によって、ビルの外に出された土御門元春は舌打ちをしながら考える。

土御門(……カミやんの"幻想殺し"が、まさかあれほどとはにゃー)

 土御門は思い出していた。三日前戦いを。あの時、土御門は封絶内にいた。

 首に下げていた、封絶内で動くことを可能とする特別な"宝具"の力によって、封絶内でも固まらなかった土御門は、あの時の、竜王の顎を見ていたのである。
土御門(まぁ竜王の顎のせいで、"栞"は壊れちゃったがにゃー)



 土御門元春は多角スパイである。それは、学園都市、イギリス清教だけの話ではない。"フレイムヘイズ"側にも、彼はスパイをしているのであった。

 
土御門(まぁ、過ぎたことはしょうがない、まずは新しい"栞"を貰うために"弔詞の詠み手"とでも連絡をとるかにゃー)

 と、土御門は携帯電話をとりだし、どこかへ去って行った。


146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/08/19(木) 23:29:05.59 ID:LXxjFQDO [48/49]
同時刻

 学園都市の外に、炎があがっていた。

 その炎から逃れるように、一人の少女が走る。

 しかし、少女の足では、炎を振り切ることはできない。

 少女に、容赦のない炎が浴びせられる。

 しかし、少女には傷一つ、いや服の焦げすらも付いていなかった。

??「いい加減諦めたらどうだい、もう逃げ場はないよ」

 少女の後ろから、声かけられた。しかし、少女は止まらず逃げ続ける。

少女(あそこの壁に、入り口がある。何とか入らないと……)

 少女が駆け込むと、まるで迎え入れるようにドアが開いた。

 少女は、必死でそこのドアを通る。


 そこは、学園都市



 そして、少女の名前は、禁書目録






 世界はまわっている
 主人公の知らないところで
 そして、それは、いつか必ず主人公の元へと導かれる…………






147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:31:29.72 ID:LXxjFQDO [49/49]
一応これで、考えていた第一章は終わりです

……とはいっても、第二章なんてほとんど展開考えてないんだけどwww

続きます?

コメント

No title

そして記憶を失う、と

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