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かくれんぼ(仮)【未完】

670 名前:かくれんぼ(仮)【未完】1/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:05:38.85 ID:ulv2j8o0 [3/10]
「………」

ある日突然断絶されたミサカネットワーク。
同時にミサカたちは研究施設から放り出され孤独のまま世界各地に散らばっていた。
ミサカは荒れ果てた廃墟のような場所で座り込みぼんやりと地面を眺めていた。
ひびの入ったコンクリート。
少しばかり生えた雑草。

(ミサカは、もうまともに食事を取っていません)
動くのも億劫でひたすら日陰の中で地面ばかり見つめていた。
(きっともう明日明後日にはミサカはこの廃墟の飾りの一つになるのでしょう)

「おい」

「え?」

視界の中に人間の靴が見え、頭の上から人間の声が降って来た。
ミサカは顔を上げると、人間が目の前に立っていた。
逆光で眩しい瞳を細めると、人間はミサカの前にしゃがみ込む。

「やっと見つけたぜェ。お前、検体番号はいくつだ?」

「ミサカは検体番号14654ですと、簡潔に答えます」

671 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/72/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:06:24.76 ID:ulv2j8o0 [4/10]

「ン、情報通りだな」

聞き覚えのある声だとミサカが考えているとその人間は背負ったリュックを降ろし中を物色し始めた。
何度か瞬きを繰り返しようやく逆光に慣れた瞳がその人間の姿を鮮明に映し出す。

日差しから肌を守るために頭から全身をすっぽり覆ったマント。チラリと見えた瞳はひたすらに赤い。
けれど決して鮮やかで宝石のような瞳ではなく、例えるなら血の色。
さらさらと揺れる髪は白く、言葉を紡ぐ唇すらも色素が足りなく薄いピンク色。

「あなたは、どうして…ここに?とミサカは率直な疑問をあなたにぶつけます」

「そンな質問は後だ。先に水とか飲め。ほら」

人間がリュックから取り出したのはペットボトル。キャップを取ると人間はミサカにそれを手渡す。
ミサカはそれを素直に受け取った。何よりも欲していたものがペットボトルの中でゆらゆら揺れる。
ゴクリ。一口飲み、口を離し、久方ぶりの潤いを噛みしめると再び口を付け堰を切ったようにゴクゴクと水を飲んでいった。
どんなに間抜けな姿を晒していても構わない。唇の端から水滴がパタパタ落ちて服に染みて行くがその冷たさも快感だった。

「はっ、はぁ…は…」

気付けば全ての水を飲み干していた。唇を離し空っぽになったペットボトルを見つめていると、視界の端からもう一本ペットボトルが出て来た。
どうしていいか一瞬戸惑うとその隙に人間は空のペットボトルを回収し、新しいペットボトルをミサカに握らせた。
チラ、とお互いの目が合う。が、人間の方はすぐにその目を反らしリュックを引っ掻き回していた。

672 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/73/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:07:00.04 ID:ulv2j8o0 [5/10]

「栄養剤。必要だろ。それ飲む分の水は取っとけよ。俺の携帯食料も食うか?…っつーかいきなり食っていいもンなのかァ?」

「あ、ありがとうございます。とミサカは素直に感謝の言葉をあなたに述べます」

「そンないい言葉は他の奴に使ってやれ。少なくとも俺に使う必要ねェよ」

錠剤の入ったピルケースを見つけたのか、それを振ってジャラジャラと音を立てこちらにアピールをする。
4~5錠ほど手のひらに乗せられ、飲め。と一言だけ投げ掛けられた。ミサカはこくり、と頷きそれを一気に飲みこんだ。
「なンとか無事そうだな」人間の唇が小さく動き、囁くような音量で言葉が漏れる。
その言葉は、その人間からは信じられないほど優しい声音だったのだ。ミサカはぱちくりと目を大きくし、目の前の人間を見つめた。
視線に気付いた人間は、しまった。というような顔をして視線を反らした。その様子がなんだか微笑ましくミサカは口を開いた。



「ありがとうございます。一方通行。とミサカは再び感謝の言葉をあなたに伝えます」



「そうですか、妹達全員にこのミサカと同じ出来事が…とミサカは携帯食料をゆっくり口にしながらあなたの言葉に耳を傾けます」

「敵対勢力の数も目的も不明。学園都市の協力者たちがそっちを調べてるとこだ。
 妹達研究の大本だった研究所がいつの間にか他の勢力に乗っ取られていたとか、
 最近は何処も不景気で資金難から妹達の調整がネックになっていたとかで色々な計画が水面下で動いていたのかもな…。
 打ち止めの調整用の薬にウイルスが仕込まれていて、それが原因でお前らのネットワークが切れたのは事実だ。
 以前の天井の計画のようにネットワークを介して妹達を暴走させるわけでもなく妹達をバラバラにした理由も解ってない。
 あれから20日ほど立つが進展なしってことだ。相手が何かを仕掛けてくる様子もない」

673 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/74/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:07:27.31 ID:ulv2j8o0 [6/10]

じりじりと体力を奪う太陽が隠れるのを待つ間、14654号と一方通行は日陰に身を隠していた。
その間、ここ半月ほどの間に起きた出来事を一方通行は伝えていた。しかし、その出来事を起こした主犯も目的も一切掴めていないらしい。
簡潔にまとめると打ち止めが普段調整に使っている薬にウイルスが仕込まれていてそのウイルスによりミサカネットワークが切断され全ての妹達は孤立。
そしてその直後研究所から放り出された。というわけである。

「………」

その話を聞きながらミサカは自身の行動を振り返っていた。

眠っているうちに研究所から連れ出されたのか、目覚めた時に見た光景は何もない荒野だった。
同じ研究所には他に3体の妹達がいたが周りには誰もいなかった。果たして自分だけがこんな状況なのか他の妹達も同じなのか。
コンタクトを取ろうとミサカネットワークに接続しようとするが、それが出来ないことに気付いた時の絶望感。
何が起きているのか、今までネットワークで行っていた相談や解決の知恵を一人で行わなくてはならない本当の孤独。
ミサカは生きるために自分の持つ知識を総動員してなんとかここまで生きながらえた。

しかし、食料はあまり見つからず干上がった大地に水はない。放浪の末にこの廃墟にたどり着いた時には食料を探す体力すら残っていなかった。

「……、それで、今はどのような状況なのですか?とミサカは先を促します」

674 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/75/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:08:29.60 ID:ulv2j8o0 [7/10]

ふぅ、と短く息を吐きミサカは一方通行を見た。一方通行は少しずつ傾いてきた太陽を観察しながらまた口を開く。

「まず、日本国内にいた妹達はほぼ学園都市に集まった。まァ、最後に頼りになるのは学園都市くらいだからな…。
 で、集まった妹達とあの医者でワクチンを作ってそれでミサカネットワークを復旧させて、ワクチンを摂取した妹達から再接続していった。
 とにかく全妹達をネットワークに接続させるために学園都市に集まった妹達は世界中に散ってる妹達を救助しに行った。
 これが結構順調に進んだらしい」

「らしい、とは?とミサカは座り込んだ足を組みかえながら疑問に思ったことを口します」

ひゅぅ、と風が出てきて、目の前の雑草がゆらゆらと不安定そうに揺れた。火が傾いてきたことで背中を預けているレンガで出来た壁もだいぶ冷たくなって来たようで
ミサカは少し肩を擦ると一方通行は自分の羽織っていた日避けのマントを脱ぎミサカの膝にかけた。

「おいおい、俺は誰に演算補助してもらってンだっけ?」

「あ」

「そォいうことだ。ネットワークがないと俺は何も出来ない。何も考えられない。動くことすらままならない。しかも今回のウイルスが俺にも流れて来て
 脳波の違う俺はどっかでウイルスがバグったのか意識不明と来た。お前たちがネットワークから切られた時、俺はぶっ倒れて1週間眠り続けてたンだ」

675 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/76/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:09:12.97 ID:ulv2j8o0 [8/10]

この辺までは俺も人づてに聞いた話だ。と付け加えて彼は立ちあがった。
強烈な日差しも今は収まり動きやすい気温になってきたので移動を開始するらしい。ミサカも意外とすんなり立ちあがることが出来て、
元々戦闘用に強化されていたこのクローンの身体に感謝した。

「300人ほど妹達が再接続されてようやく目が覚めた。言語はなンとなく理解出来る程度だし、喋ることは出来るけど文章が構成出来ないからめちゃくちゃだし
 車いすじゃなきゃ移動出来ない。まぁ、再接続された妹達が増えて来たから今はこうやって俺も救助に行けるようになったンだけどな」

一方通行は杖をカツと鳴らして一歩踏み出すとミサカに手を伸ばした。どうやらミサカを気遣っているようだったが一方通行もそれなりに疲労していた。
相手のバイタルサインを読みとっていたミサカは一人で動けると首を振り一方通行の横を通る。これ以上は足を引っ張れない。

「さすが学園都市製の栄養剤ですね。たった数時間でここまで回復しました。とミサカは元気さをアピールします」

「無理すンじゃねェぞ。これから3時間は歩くンだからな」

「あなたも、ご無理はなさいませんように。元々貧弱なのですから。とミサカは少し目を細めてあなたに笑いかけます」

676 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/77/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:09:57.25 ID:ulv2j8o0 [9/10]

くすり、と口端を少しだけ持ち上げると一方通行はむっ、と口を結んだ。売り言葉に買い言葉で何か言ってやろうと思考を巡らせるも図星を突かれていて
何も言い返せなかったようで、ばつが悪そうに溜息を吐いて歩き始めた。
ミサカも気にした様子はなく、先ほど彼から渡されたマントを今度は自分が羽織り彼の少し後ろを付いて行った。


「今、妹達は6000人ほど回復してる。回復した妹達が加わって救助部隊が増加してるからな、日に日に勢いが増してる。
 この調子ならあと1~2週間でネットワークも完全に取り戻せるンじゃねェの?」

「そうですか、それを聞いて安心しました。とミサカは仲間たちの無事に安堵します」

「お前用のワクチンは今俺が使ってる宿に置いてる。あァ、ちなみにお前がいた研究所の他の妹達は全員無事だ。ネットワークにも復帰してる。
 まだ学園都市にいるか救助部隊に加わってるかまでは解んねェけどな」





677 名前::かくれんぼ(仮)【未完】1/7[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 02:12:13.75 ID:ulv2j8o0 [10/10]

こんな感じです。話のプロットは完成しててあとは書くだけなんだけど、別のSSやってるうちにちょっと面倒になってしまった。
今やってる別のSSが終わったら続き書くかもしれません。
あと、元ネタがあって、とある人のSSで自分がネタで書き込んだレスが元ネタです。
なので>>670の部分はそのレスのまんまです。見覚えある人いたらおぉ!とでも思って下さい。
お邪魔しました。


Tag : とあるSS総合スレ

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