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麦野「美琴、私のものになりなよ」【2】-2

麦野「美琴、私のものになりなよ」
麦野「美琴、私のものになりなよ」1-2
麦野「美琴、私のものになりなよ」【2】
359 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:23:16.51 ID:xQD8DnYo [3/34]

―水族館館内『イルカショー会場』 14:40―


ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…


御坂「ふぅ。結構いい席取れてよかったわね」

麦野「前から3列目、まずまずよね。あ、喉乾いてない? お茶あるけど」

御坂「ん、今は大丈夫。ありがと。イルカショー楽しみねー」

麦野「そうね」

麦野(楽しいな。こいつと過ごすこういう何気ない時間はほんと癒される……。
    二人でゆっくりするのも好きだけど、やっぱたまには出掛けるのもいいわよね)

麦野(こいつは楽しんでくれてるのかしら。ううん、きっと同じ気持ちよね。
    アンタとの時間を守るためなら、何でもできる。心からそう思えるよ、美琴……) クスッ

御坂(なんか機嫌よさそうだな沈利さん。初めて会った時からは考えられない笑顔よね。
    この顔ずっと見てたいな……)

御坂(待てよ。アレを渡すなら今かしら……? き、緊張するわねえ……よし、一旦深呼吸を)

御坂「スー……ハー……」



360 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:25:17.57 ID:xQD8DnYo [4/34]

スタスタ…


麦野「ん?」

御坂(なんかチャラそうなのが来たわねー……)

軽薄そうな男「ねえねえ、君たち何学区の子? 学校どこ?」

女好きな男「君たち可愛いねー。女の子二人なんて寂しいよね。よかったらこれから俺達と一緒に回らない?」

麦野(くそ、こんなところにまでこのテのアホがいるとは……っつかアンタらも男二人で来てんじゃん)

御坂「悪いけど間に合ってるわ。他当たってくれる?」

御坂(じゃないと沈利さんが何するか分からないし……)

軽薄そうな男「間に合ってるって? あ、もしかして男連れ? それなら……」

麦野「残念。そうじゃなくてね」 グッ

御坂「え……ちょっ……!」


チュゥゥゥゥウウウウウウウ…


女好きな男「」

軽薄そうな男「」



361 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:26:49.22 ID:xQD8DnYo [5/34]

御坂「むー! むー!……んぅ……」 トロン…

麦野「……ぷはっ、こういうことなの、ごめんね」

御坂「…………ぁう」

軽薄そうな男「チッ、んだよそっちの趣味かよ。気持ちわりーな、いこーぜ」

女好きな男「すげー……はじめて見た」 


スタスタスタ…


麦野「気持ち悪いとはなによ。男二人で休日に水族館にナンパしに来てるテメェらのほうがキモいっつの」

御坂「…………」 ポカーン

麦野「……いつまでぼけっとしてんの?」

御坂「ハッ……ば、馬鹿じゃないの!? こんな人ごみの中であんたって人はぁぁああ!」


ザワザワザワ… ヒソヒソヒソ… ビショウジョユリモエー…


麦野「う……こっちのほうが手っとり早いんだから仕方ないでしょ!」

御坂「…………ばか、不意打ちは反則よ……」 ドキドキドキ



362 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:28:19.51 ID:xQD8DnYo [6/34]

麦野「したくなったのよ。駄目だった?」

御坂「……駄目じゃないけど……ドキドキする」

麦野「私だってしてるわよ……変な眼で見られるのもわかってたけど……でも、したかったの」

御坂「まったく……。ちょっとお花摘みに行ってくるわね」

麦野「ああ……。おしっこ?」

御坂「そうよ! なんで訊き返すかなー」

麦野「いや花摘むなんて古典的な表現初めて聞いたからなんとなくつい」

御坂「ったくもう。すぐ戻ってくるから」

麦野「ごゆっくりどうぞ。まだ始まるまでちょっとあるし」

御坂「はーい」


スタスタスタ…



363 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:30:17.21 ID:xQD8DnYo [7/34]

麦野(気持ち悪い……ね。やっぱ普通はそう見られるのか……。
    私はともかくあいつまでそんな風に言われるのは嫌だな……)

麦野(もう少し自重したほうがいいかな。こっちは普通に恋愛してるつもりだけど、他人から見ればそんなことないもんな。
    おまけに私は暗部の人間。あいつと多少の距離をとって接さないと逆恨みしたクズ共に美琴まで危害を加えられるのは
    ムカつくわ……。ま、レベル5のあいつがそれでどうにかなるなんて思わないけど……)

麦野(あいつ一途っぽいもんな……私の自惚れじゃなけりゃ、このままだとあいつ私の仕事手伝うとか言い出しかねない……。
    いや、どちらかと言えばむしろ私に仕事辞めろなんて言い出すか……?)

麦野(……後には戻れないのよ、私は。あいつと遊びで付き合ってる訳じゃないけど……ずっと一緒にいられるかって言うと
    結構厳しいのかしら……)

麦野(深みにハマっていってるのは私の方か? 学園都市に七人しかいないレベル5の、
    アレイスター直属の最重要機密組織『アイテム』のリーダーであるこの私が……
    学園都市で最も自由な人間の一人であるはずの私が……身動きを取れないなんて……)

麦野(美琴、アンタは私の足枷なのね。……とても愛しい私の鎖。私はどうすればいいのかしら……。
    ……ヤダな……アンタと離れたくないよ……)

麦野(私は学園都市やら暗部やら、わけのわからないしがらみを捨てて外に逃げ出せる程強い人間じゃないんだよ。
    ……アンタが欲しくて欲しくて……やっと手に入れたのに。
    アンタを抱き寄せたまま生きていくことに初めから限界を感じてる……)

麦野(でも絶対に手放したくない……アンタが他の誰かのものになるなんて、死んでも考えたくない……だけど)

麦野(血に汚れて、人を壊すことしか知らない私は、アンタを綺麗なまま守りきれるのかな……。
    ねえ美琴、教えてよ……私はどうしたらいい?)



364 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:35:19.24 ID:xQD8DnYo [8/34]

―水族館館内トイレ 14:50―


チョロロロロ…


フレンダ「ふぅ……トイレ探すの手間取っちゃったな」

フレンダ(これからどうしよっかなぁ。だんだん見るの怖くなってきた訳よ。
      あの二人が付き合ってるっぽいのは信じたくないけど、まあ雰囲気から感じ取れるし。
      だからって私に何の報告も無いのはちょっと悲しいなー) ガラガラ…

フレンダ(まあ最近付き合ってこれから話してくれるのかもしれないけど、
      どっちにしろ麦野の一番はもう私じゃなくて超電磁砲なんだよね……) ハァ…

フレンダ(私が一番になったことがあるかはともかく。
      ショックだなぁ……結局、白井さんもそうなのかな。ま、あの子はどうでもいいか) フキフキ

フレンダ(もう麦野に直接訊く? あーでも泣かずに聞けるかな……) クイッ 


ジャァァァァァアアア

カチャッ


フレンダ(ともかく、引き続きイルカショーで麦野の視姦を……)

御坂「……」 

フレンダ「ひっ!」



365 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:37:43.11 ID:xQD8DnYo [9/34]

バターンッ!


御坂「ん?」

フレンダ(な、なななんで超電磁砲がいる訳よ!)

御坂(気のせいかな……。どっかで見た人がいたような)

フレンダ(ドアの上の隙間から見えるかな……何してんだろ) グィッ

御坂(まいっか……。それより沈利さん、気づいてくれるかな……)

フレンダ(んー?  リップ塗ってる。お化粧直しかな。けど超電磁砲ノーメイクだったような……)

御坂(……あいつは結局ヘアピンにしか気づいてくれなかったけど、沈利さんなら……) ドキドキ

フレンダ(色気づいちゃって中学生。麦野を誘惑しようって訳!?) キィィ!

御坂(今日は……絶対コレ渡すんだ) ソッ


366 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:38:29.05 ID:xQD8DnYo [10/34]

フレンダ(ん? なんだろあの箱……まさか麦野へのプレゼント!? ……いや絶対そうだ)

御坂(受け取って……くれるかな……) カァァ…

フレンダ(むっかつくー! よぅしっ! アレをどっかで奪い取って捨ててやる訳よ! 麦野とのデートを台無しに……!)

御坂(きっと受け取ってくれるわよ……沈利さん、優しいもんね) フフッ

フレンダ(台無しに……)

御坂(おっと、そろそろ始まる時間ね。沈利さん待たせてるから急ごうっと!) ダッ


パタパタパタ…!

……ガチャッ


フレンダ「……何やってんだろう私……」



367 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:42:17.83 ID:xQD8DnYo [11/34]

―水族館館内『イルカショー会場』 15:10―


ワーワー! バッシャーン! スッゲー!


御坂(ああー! もう始まってるし……!)

御坂「ごっめーん! 遅れちゃったわね……!」

麦野「丁度始まったとこよ。あらアンタ、化粧してきたの? でもちょっとグロス塗りすぎね」

御坂「……っ!」

御坂(こ、こんな一瞬で気付くなんて……)

麦野「何驚いてんのよ。今日一日アンタの顔ばっか見てんのに気付かないわけないでしょ」

御坂「そ……そうよね……! あはは、私ったら沈利さんに分かるようにちょっと濃く塗りすぎちゃって……」

麦野「あら。私のこと大好きなのね」

御坂「うっ……うん」

麦野「正直でよろしい」

麦野(ああもう……可愛いわねえ……。こんなの手放せるわけないでしょ……) スッ

御坂「あっ……沈利さん、あの……」



368 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:43:33.89 ID:xQD8DnYo [12/34]

麦野「照れてるの……? いいじゃない見られても……キスしよ……」

御坂「ち、違うの! 沈利さんに渡したいものがあって……」 モジモジ

麦野「私に? なぁに?」

御坂「これ……もらって!」 ズイッ

麦野「ん、何よこの箱」

御坂「開けていいわよ……」 ドキドキ

麦野「どれどれ」 パリパリッ

御坂「……気に入ってもらえるか分からないけど……」

麦野「……これ」

御坂「……湯上りゲコ太ストラップ……。お揃いでどうかなって……」

麦野「……あれからまたお風呂通ってたの……?」

御坂「うん……沈利さんと一緒に着けたくて……」 

麦野「…………」

御坂(や、やっぱり駄目かしら……? 子供っぽいわよね……?)



369 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:45:41.63 ID:xQD8DnYo [13/34]

麦野「…………ぷっ!」

御坂「へ?」

麦野「あははははははっ! おっかし~っ! あははははははっ! 
    ひぃ~! お腹いたーい! これっ! お揃いって! カップルでゲコ太って……!
    あははははははははははっ!」 ダンダンッ!

御坂「っ!」 カァァ

麦野「あーもう! アンタってどうしてそう予想外のことしてくれんのかしら。ふふふっ! いいね、可愛い」

御坂「いいわよもう! いらないなら返して!」

麦野「やーだ。私のものだもん。くくくっ、いいよいいよ。これお揃いで着けようっと。
    うふふふっ、ゲコ太を恋人に渡す女かー。どういうセンスしてんだかねー」 ニヤニヤ

御坂「ば、バカにしてるでしょ!?」

麦野「してない。嬉しいよ、ありがと」

御坂「……うん」

麦野「じゃあお礼ってわけじゃないけど、私からも……」 ゴソゴソ

御坂「え?」

麦野「ほんとは食事の時渡そうと思ってたんだけどね。はい、サプライズでーす」



370 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:47:12.68 ID:xQD8DnYo [14/34]

御坂「あ……」

麦野「まさかアンタに先手を打たれるなんてね」

御坂「開けてもいい?」

麦野「もちろん」

御坂「…………これ、時計……?」

麦野「そ。アンタアクセサリーは学校禁止でしょ。なんか身につけるもの渡したかったから」

御坂「あんたのことだから高いもんなんじゃ……」

麦野「大したことないわよ。いちいち値段きくな。安っぽかったら気楽に受け取るわけ?」

御坂「そういうつもりじゃないわよ。でもストラップとじゃ釣り合わないし」

麦野「そんなの気にすんなっての。大事なのは気持ちでしょ?
    あんまり装飾過多なやつだと没収されたら嫌だし、シルバーのシンプルなもんにしたけど大丈夫?
    あ、もちろんアンタの能力にも耐えられるように絶縁仕様よ。特注なんだからね」

御坂「そこまで考えてくれたんだ……やだ……どうしよ、嬉しい……!」 ジワッ…

麦野「ばか、なに涙ぐんでんのよ。着けてあげるから手出して」

御坂「グスッ……はい」

麦野「よっと……。うん、似合う」



371 名前:19日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:49:51.89 ID:xQD8DnYo [15/34]

御坂「ありがとう……一生大事にするからねっ!」

麦野「んな大げさな……。そんなもんより、私のことを大事にしてよね」 ツンッ

御坂「……当たり前でしょ、そんなの」

麦野「当たり前か……うん、そうよね」

御坂「ふふっ、腕時計ってあんまりしないけど、これはもうずっと着けとくわ! 寝るときも!」

麦野「寝るときは外せよ。っつか、やっぱモノあげるのって緊張するわね」 フゥ

御坂「どうして?」

麦野「気に入らないもんだったらどうしようとか考えるじゃない」

御坂「確かに……でも! 沈利さんが心をこめてくれるものだったら、何でも嬉しいに決まってるじゃない!」

麦野「……まあね。受け取る側としちゃそうだけど、渡す側はやっぱ考えちゃうよ。アンタもそうだったでしょ?」

御坂「うん……いや、ゲコ太は正直ないかなって思ってるとこだけど……」

麦野「なんで? アンタが好きなもんだろ。だったら愛せるよ」

御坂「……ずるいわねえ」



372 名前:イルカショー会場で普通にイチャつき始めるバカップル ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:52:28.86 ID:xQD8DnYo [16/34]

麦野「何が?」

御坂「沈利さんがかけてくれる言葉。全部嬉しいことばかりだから……」

麦野「…………」

御坂「沈利さんを好きになってよかったって、一緒にいる度に思わせてくれるのね」 クスッ

麦野「……ま、こんなこと言うだけで喜んでくれるんだったらいくらでも言ってあげるわよ」

御坂「ええ、たくさん聴かせてよね。何回言われても飽きないもん」

麦野「……ふん。ってかイルカショー全然見てないじゃない! ちゃんと見ないと……」 グッ

御坂「沈利さん……」

麦野「……な、何よ……」

御坂「……キス……して」

麦野「……さっき人前だからっつってアンタに怒られたんだけど?」

御坂「……一回したんだから何回したって一緒よ」

麦野「ふふっ、それもそうだね……―――」



373 名前:ってか19日になってましたが、18日目です。すみません ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:56:00.65 ID:xQD8DnYo [17/34]

―水族館館内『イルカショー会場』 15:20―


フレンダは今になってようやくイルカショーの会場前通路へと到着した。
水しぶきの上がる音が通路の向こうから聞こえてくる。
イルカショーはとっくに始まっている時間帯。こんなに時間に遅れたのには理由がある。
トイレの洗面台で御坂が丁寧に包装された小箱を見つめて頬を赤らめていた姿を目の当たりにして、
自己嫌悪に陥っていたからだ。


フレンダ(結局あれは、恋する女の横顔な訳よ……)


いかにして御坂と麦野を引き離すかを考えていた自分が恥ずかしくなったのだ。
そんなセコいことばかり考える矮小な人間だと知れば、麦野にどんな軽蔑の視線を送られるかを想像して
しばらくその場から動けなかった。


フレンダ(せめて麦野の口から……二人が付き合ってるのかどうかを聞かせてほしい訳よ)


結局のところ、麦野が愛したものを奪うなんてことが、自分にできるはずなどないのだから。
フレンダはトイレから飛び出し白井と別れた場所まで戻ると、そこに彼女の姿は無かった。
結構長い時間待たせてしまったから移動してしまっただろうか。
その場で5分ほど待っていたが、一向に現れなかったため、麦野達がいるはずの会場まで足を運んできたところだった。
フレンダはそこで、会場脇入場口に佇む白井の後姿を見つけた。


フレンダ「お、白井さんやっぱ先に来てたか。ごめんねー、ちょっと色々あって……白井さん?」

白井「……」



374 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 21:57:55.36 ID:xQD8DnYo [18/34]

白井の反応がまるでない。
呆然とする視線の先にあるのは決して大きな水槽を縦横無尽に泳ぎまわるイルカなどではない。
フレンダは彼女の視線を追って客席の方を見る。
前から三列目、右端。
笑顔を浮かべ、イルカに夢中になっている観客達の中では異質な二人がそこにいた。
傍から見れば年の離れた女友達同士。だが友達同士では決してしない行為。
抱き合い、口づけを二人は交わしていた。


フレンダ「―――っ」


フレンダの中で何か一瞬で崩れ去った。
今まで積み上げてきたもの。
麦野になんと言われようと、確かに温めてきた淡い想いが今、現実という刃に切り捨てられた。


白井「……わたくし達は、とんだ道化ですわね」


ポツリと白井が呟く。
フレンダは言葉を返せなかった。
麦野が他の誰かに恋をすることなんて無いと信じていたから。
そんな根拠の無い理想を、彼女に押し付けていたから。


フレンダ「……ほんとにね」


自嘲を浮かべるフレンダ。
頬を一筋の涙が零れ落ちていく。
唇を離して見つめ合う二人の穏やかな表情に、胸が強く締め付けられた。



375 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:00:38.17 ID:xQD8DnYo [19/34]

白井「麦野さんが、憎いですの」


切なげに白井が言う。
フレンダも肩をすくめて頷いた。


フレンダ「私も結局、超電磁砲が憎いよ」


麦野に愛されたのは同じ性別の人間だった。
相手が男だったら、こんな気持ちにはならなかっただろう。
仕方ないと、諦められただろう。
なのに


白井「貴女がもっと早く麦野さんをモノにしていればよかったですのに」

フレンダ「あんただって、超電磁砲と付き合ってくれてればよかった訳よ」


途轍もない悲しみかと言われれば、そんなことはない。
超電磁砲に対する憎悪が湧いてくるかと思えば、そうでもない。
愛した人が愛したものを、憎むことなんてしたくない。
だがそれを受け入れるほど大人にもなれない。
きっと眼の前の彼女も同じ気持ちだろう。
フレンダは、ぽろぽろと涙を零しながら白井の大きな瞳を見詰めた。
毅然と振る舞う白井の目にも、涙がジワリと浮かんでいた。


フレンダ「幸せそうな顔しちゃってさ……相手が女の子なんて、ばっかじゃないの……!」

白井「本当ですわよっ……! あんなにお姉様に笑顔を浮かべさせるなんて……腹立たしいですの!」



376 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:01:50.08 ID:xQD8DnYo [20/34]

二人は笑い、憤り、涙を流す。
完膚無きまでの、失恋だった。


フレンダ「白井さん、これから暇? 私丁度今全部の予定がキャンセルになっちゃった訳なんだけど。
      結局、よかったらご飯でも食べに行かない?」


フレンダは指で涙をぬぐいながら、白井に問いかけた。
ハンカチで涙を拭いていた白井が、虚を突かれたような表情になりながらも、次の瞬間には頬笑み頷いた。


白井「奇遇ですわね、わたくしもたった今時間が空いてしまったんですの。ご一緒させていただきますわよ」


ふいに、白井とは良い友人になれそうだと思うフレンダ。
幸い明日は日曜日。同じ苦しみを分かち合える者同士、今日は語り明かそう。


フレンダ「でもその前に……」

白井「ですわね」


まだ麦野達の口からその事実を確認した訳ではない。
それまで上っ面の会話しかしなかったフレンダと白井の気持ちが、ここにきてようやく合致した。


フレンダ「超電磁砲に確認しなきゃな訳よ。主に麦野はどんな風に攻めてくれるのか」

白井「おっしゃる通り。麦野さんに詳しくお聞きしなくてはいけませんの。主にお姉様の肢体の具合を」


おかず採集に余念の二人。
転んでもタダでは起き上がらないところが、二人のたくましいところであった。



377 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:03:03.36 ID:xQD8DnYo [21/34]

フレンダ「とりあえずイルカショー終わったら声かけよ」

白井「でもせっかくのデートのようですし、お邪魔するのも無粋ではありませんこと?」

フレンダ「さっきまであわよくば邪魔する気まんまんだったけどね。けど確かにそうだわ。また次回一緒に……」

『ではそこのお客様ー! 是非こちらに来てイルカに餌をあげてみて下さい!』


突如、二人の元に届けられる声。


白フレ「「は?」」


ステージの方を見ると、トレーナーらしき女性がマイク片手にステージからこちらを手招きしているようだった。
観客席からも、視線がこちらに向けられていることから、自分達に向かって告げられた言葉だったらしい。
パチパチという拍手が2人の元へ届けられる。


白井「ど、どうしますの……」

フレンダ「いや、だって……えー」


おろおろとしている2人の元に駆け寄ってくる水族館スタッフ。彼らに引きずられるようにして、
フレンダは白井と共にステージの方までやってきてしまった。
チラリと麦野達が座っている付近を見ると、口元を引きつらせた2人のレベル5が世にも恐ろしい顔でこちらを睨んでいる。
フレンダは隣に立つ白井と顔を見合わせ、足元の水面から顔を出す愛らしいイルカの顔を眺めて現実から逃げ去ることにしたのだった。



378 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:04:32.46 ID:xQD8DnYo [22/34]

―水族館館内通路 15:50―


フレンダ「ヤバいヤバイヤバイヤバイ!」

白井「どどどどうしましょう!? お姉様がものっすごい形相でこちらを睨んでいましたわよ!?」

フレンダ「や、やっぱりここは結局一度白井さんの能力で外に出て……」

御坂「見つけたわよ!

麦野「……やっぱアンタらだったか……」

白フレ「「!!?」」 ビクゥッ!


オソルオソル…


フレンダ「あ、あはは……奇遇だねえ……麦のーん」

麦野「そうね。今日はやけにどっかで聴いたことある声の金髪を目にすると思ったら……」 ハァ…

フレンダ(あ、あれ……問答無用で原子崩しかと思ったけど……あんまり怒ってない?)

白井「お、お姉様……」

御坂「どういうつもり黒子。それからそっちの……」

麦野「フレンダだよ。私の仕事仲間の」



379 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:06:07.35 ID:xQD8DnYo [23/34]

フレンダ(仕事仲間……か)

御坂「ひさしぶりねー。さっきトイレで見たのはやっぱあんただったか」

白井「お、お姉さまこれは誤解ですの! わたくしとフレンダさんはお友達なんですの!
    今日は2人でお魚を見に来ただけですわ!」

御坂「へえ~」 ジロッ

白井(まずいですのー……これはバレてますのー……いやしかし、結局お姉様にはお訊きしなければならないことが
    あるのですから、別にバレても問題ないのでは……?)

麦野「で、アンタらの目的は? 私らの後尾けて何しよっての?」

フレンダ「そ、それは……」 チラッ

フレンダ(訊くの怖いけど……訊かないと駄目よねー……)

白井(……仕方ありません。少々予期せぬタイミングではありますが、観念するといたしましょう)

白井「お姉様、麦野さん。わたくしたち、本日は確かめたいことがあってここに参りましたの」

御坂「確かめたいこと?」 ドキッ

フレンダ「うん。麦野……答えてくれる?」 

麦野「……え、ええ」 ドキッ

白井「では単刀直入に。……お二人はお付き合いされてますの?」



380 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:06:58.97 ID:xQD8DnYo [24/34]

御坂「っ……」 カァァ…

麦野「っ……」 

フレンダ「どうなの麦野? 今日一日の2人の様子を見せてもらったけど、どう見てもそういう風に見えたけど」

麦野「…………」

フレンダ(ヤダな……まだ違うって言われることを期待してる……。聴かなきゃよかったかな……)

麦野「…………うん」

フレンダ「っ!」 ズキッ

白井「……そうですの……」 ズキッ

御坂「ごめんね黒子、話すのが遅れちゃって。隠すつもりはなかったんだけど」

白井「別にそんな風には思っておりませんけど……」

フレンダ「……どうして女の子なの?」

麦野「女の子だから好きになったんじゃないわよ」

フレンダ「……じゃあどうして?」

麦野「美琴は私に無いものを持ってるから。それはもう絶対に私には手に入らないもので、
    それを持つ美琴がキラキラ輝いて見えたから、私はそこに惹かれたんだと思う」



381 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:08:28.92 ID:xQD8DnYo [25/34]

御坂「し、沈利さん……」 カァァ

フレンダ「そっか……」

白井(躊躇いが一切ありませんわね……妬けますの)

フレンダ(超電磁砲にそうとう惚れてるなこれ……。あーあ……麦野はこんなに穏やかな子じゃなかったのに。
      あの触れれば切れるようなおっかない麦野はもういないんだね……寂しいけど、そういう麦野も魅力的な訳よ)

白井「そこまで素直に答えられてしまうとわたくしたちの立つ瀬はありませんわね。
    せっかくですからお姉様もお聞かせ頂けます?」

白井(そしてわたくしに完膚無きまでの敗北をお与えくださいですの……。そうすれば、わたくしも諦めがつくと言うものですの)

御坂「うっ……わ、私も?」

フレンダ「そうだよねー。結局、麦野の片思いって可能性もあるんじゃないの~?」 ニヤニヤ

麦野「ねーよ」

フレンダ(自信満々な訳よ……そりゃそうだろうけど)

白井「さぁさぁお姉様。一思いにババーンっと吐いてくださいまし」

御坂「うう……でも」 カァァ…

麦野「私も気になるな。アンタ、私のどこが好きなの? んー?」

御坂「……か、」

白井「か?」 ニヤニヤ

フレンダ「か?」 ニヤニヤ

麦野「か~?」 ニヤニヤ



382 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:09:33.33 ID:xQD8DnYo [26/34]

御坂「かわいくて優しいとこ……かな」 ポリポリ

フレンダ「いやないないそれは無痛いっ!」 ゴッ

麦野「即否定すんな!」

フレンダ「ぶん殴らなくてもいいのに……」 ダウー

白井(可愛いとはまた微妙なことを……お姉様のセンスはよく分かりませんの。
    麦野さんは確かにお美しい方ですから、綺麗とか美人とかそういう方面なら分かりますが、可愛いとは……?)

御坂「見た目だけじゃなくって、意外とお茶目だし、なんだかんだ私のことすっごく世話焼いてくれるしね」

麦野「美琴……」 ドキドキドキ…

御坂「沈利さん……」 ドキドキドキ…

白井「な、なんですのこの空気……」 ヒソヒソ

フレンダ「し、知らない訳よ……もやだこのバカップル……」 ヒソヒソ

麦野「ハッ、コホンッ……まあそんなわけだから、普通に付き合ってるわよ。文句ある?」

フレンダ「いやもうなんかどうでもいい訳よ。そこまでイチャイチャを見せつけられると」

白井「ですわね。もう好きにしてくださいですの」

御坂「何よ張り合いないわねー。ところであんた達ってほんとに仲良かったの?」

白井「いいえ、今朝知り合ったばかりですの」

フレンダ「うんうん。でもこの後一緒にご飯な訳よ」



384 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:10:51.99 ID:xQD8DnYo [27/34]

麦野「そう。ならせっかくの機会だし晩御飯一緒に食べる? 予約してあるけど別にキャンセルしてもいいわよ。ね、美琴」

御坂「うん。私達に気ぃ遣わなくていいわよ?」

白井「いえいえ、お気持ちだけ受けとっておきますの」

フレンダ「だね。私らは私らで楽しむ訳よ。2人の邪魔は出来ないし」

麦野「遠慮すんなっつの」

フレンダ「ありがと。でもほんとにいいよ。どーせ麦野のことだから高い店とか予約してるんでしょ? 
      高級ホテルの最上階の学園都市の夜景が一望できるレストランとか」

麦野「よくわかったわね」

フレンダ「マジなのね……。パスパス。今日は安い焼酎煽りながらあんたらの悪口で盛り上がるんだからね! 
      ね、白井さん!」

白井「そうですの。散々悪態をついてやるつもりですから覚悟して下さいましね」

麦野「……そう。ならまた今度ね」

御坂「やれやれ、何言われるんだかね。黒子、門限はどうすんのよ?」

白井「そんなもの無視ですの無視無視! フレンダさんとの女の友情を取りますのよ!」

御坂「そっか。あんま飲みすぎちゃ駄目よー」

白井「淑女たるわたくしがお酒に呑まれるなどという愚行を犯すはずがありませんの。ご心配には及びませんわ」



385 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:11:55.81 ID:xQD8DnYo [28/34]

フレンダ「麦野こそその無尽蔵のエロ欲で超電磁砲壊さないようにね」

麦野「しねえよ! もう帰れよ!」

御坂(壊されるって……どんなことされるんだろ……) ドキドキ

フレンダ「あはは、じゃあ私たちは行く訳よ」

白井「デートのお邪魔をして申し訳ありませんでしたの」

御坂「いいわよ。じゃあね」

麦野「気をつけて帰るのよ」

フレンダ「はーい、バイバーイ」


スタスタスタ…


白井「……」

フレンダ「……」

白井「……」

フレンダ「……」

白井「フレンダさん……」



386 名前:黒子とフレンダにはもう一悶着あります ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:13:37.52 ID:xQD8DnYo [29/34]

フレンダ「ん……?」

白井「わたくし……今夜は帰りたくありませんの」 グスッ

フレンダ「……どうして?」

白井「お姉様のいない部屋で、一人でお姉様を思い出すのが辛いですの……」 ポロポロ…

フレンダ「そか、同じ部屋なんだもんね。……よしっ! 今日は朝まで飲み明かそうぜ!」 キラッ

白井「よろしいんですの?」 ジワァッ

フレンダ「あーもう泣かない泣かない……。泣きたいのは……エグッ……私の方な訳よ……グスッ……!」

白井「泣いてなんかいませんの……グスッ!……フレンダさんこそ……ヒグッ……涙がこぼれていましてよ……グスッ」

フレンダ「……気のせいだもん! エグッ……よぅし、今日はやけ食いしてやる訳よ!」

白井「……グスッ……望むところですわ! そして明日からは、お姉様達の恋路を応援できるわたくしになってみせますのー!」

フレンダ「そうだそうだ……! 麦野の馬鹿やろー……!」



387 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:15:10.14 ID:xQD8DnYo [30/34]

―水族館内『お土産ショップ』 16:30―


麦野「ふう、お魚フェアなかなか良かったわね」

御坂「そうね。沈利さん鮭ばっか食べてたけど」

麦野「エイとかマンボウの刺身とか珍しくて嫌いじゃないわよ? 
    アンタこそタコ焼きだのいかそうめんだの無難なもんばっか食べてたじゃないの」

御坂「んー、泳いでるの見たあとだとどうにも食欲がねー」

麦野「確かに。でもこの後食事だから丁度よかったわ」

御坂「そっか。予約してくれてるのよね?」

麦野「ええ。第五学区のホテルにね」

御坂「また高そうなところね……」

麦野「本当は第三学区の方がランクの高いホテルやレストラン多いんだけど、まあ遠いから仕方ないわ。
    5時半にハイヤー手配してるからそれまでお土産でも見てましょ」

御坂「いいわね。何か買う?」

麦野「まずはペンギンのぬいぐるみね。あとはお菓子でも買っていこうかしら」



388 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:16:32.86 ID:xQD8DnYo [31/34]

御坂「ペンギンいいわよねー、アザラシもなかなか。私も何か買おっかなぁ」

麦野「ふふっ、これ見て。このタコ。アンタこれ買いなさいよ」

御坂「えー? すっごい間抜け面なんだけど。にしてもこのタコの足が黒子の髪型に似てるわね」

麦野「そうね」

御坂「あ……」

麦野「……」

御坂「ねえ」

麦野「うん? あの子達のこと?」

御坂「うん……2人とも目が腫れてたし、やっぱり……」

麦野「やめろ」

御坂「でも……」

麦野「まあ私らの自惚れの可能性もあるけど、たぶんあいつらは私たちに対して本気だった。
    でもだから何? 結局私らの気持ちがあいつらに向いてないなら、付き合うことは出来ないんだよ」

御坂「……それは」

麦野「アンタの時と同じね。分かるでしょ」

御坂「……うん」



389 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:18:20.99 ID:xQD8DnYo [32/34]

御坂「そうか。そうよね。私があいつに失恋して、泣いてたときと同じなんだ……
    それなのに、黒子にあんな辛い想いさせて私は……」

麦野「絶対に謝っちゃ駄目だよ。告白をしてこなかったことがあの子達の優しさなんだから。
    ……アンタと同じようにね」

御坂「分かってる。……でも何か出来ることはないの?」

麦野「無い。知ってるでしょ。同情や慰めの言葉を、好きだった相手からかけられることがどんなに惨めなことなのか」

御坂「…………」

麦野「気付いていても言わないことだって時には必要よ。
    あいつらだってきっと私たちとの関係が壊れてしまうのを望んじゃいないの。
    次会った時も、いつものように接してあげなさいよ」

御坂「辛いわね……」

麦野「互いにね」

御坂「けど辛いのは黒子達も同じか……体が一つじゃなかったら、黒子達の気持ちにも応えてあげられたのにって少し思った」

麦野「そんな能力が欲しいもんね。でも私は、例え体がいくつあっても、その全てでアンタを愛してあげたわよ。
    私の心は、ここに一つしか無いんだから」

御坂「……ばか」

麦野「うん、自分でもそう思う。……なんかしんみりしちゃったな。こんなのあいつらだって望んで無いはずなのに」

御坂「確かにね。よし! 気を取り直して晩御飯を楽しもー! 今日のご飯は何かしら?」



390 名前:18日目中編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 22:20:58.51 ID:xQD8DnYo [33/34]

麦野「えーっと……確かフレンチの店だったと思うけど」

御坂「は? 何でそんな曖昧な感じなのよ。予約してくれたんでしょ?」

麦野「夜景が見えるとこがよかったの。そこしか見てなかった……」

御坂「むむ。けど、た、確かに夜景っつったらもう最上級のデートコースよねっ!」 ドキドキドキ…

麦野「まあ概ね同意しておくわ。ところでアンタの理想のデートってどんなのだよ」

御坂「えー。そうねえ……食事だとやっぱり夜景の見える展望レストランでー。
    遠くの海から2人の仲を祝福するかのように花火が上がって……ビルの壁面のろうそくが吐息で消えたり……」

麦野「あーもういいわ。お前バカだろ」

御坂「んなっ! 失礼ね! 憧れるくらいいいでしょ!」

麦野「少女趣味ここに極まるってか。ま、いいんじゃない。可愛い可愛い」 ナデコナデコ

御坂「すっごい馬鹿にされてる気が……」

麦野「馬鹿にはしてないわよ。バカだと思ってるだけ。
    さ、お土産買って行きましょ。アンタの夢を少しだけ叶えてあげるわ」


442 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:45:41.44 ID:YCM4ZsUo [2/44]

―第七学区 ファミリーレストラン『ジョセフ』 18:30―


白井「うぇっぷ……食べ過ぎましたの……気持ちが悪いですの……」 ウプッ

フレンダ「確かにー……調子に乗ってあんなに食べるんじゃなかった訳よ……」 ゲッソリ

白井「しかもわたくしとしたことがファミレスの高カロリー食品ばかりこんなに……体重計が恐ろしいですのー」

フレンダ「ハンバーグから始まりピザにポテトフライにドリアにパスタ。デザートにケーキとパフェとヨーグルト。
      おまけにドリンクバー付き。麦野だったら自己嫌悪で死んでるところだね……」

白井「ああ、お姉様のように食べてもお肉の着かない体になりたいですの……」

フレンダ「いやいや、白井さんめちゃめちゃ細い訳よ」

白井「これでも努力してますの。おかげで胸は全然大きくなりませんけれど……」

フレンダ「私も。これはあれよ。麦野に吸い取られてるからよ!
      私だって本来の胸の大きさはそれはそれはまんまるくてふっくらと……」

白井「言ってて虚しくなりませんこと?」

フレンダ「うん。なった。聞いてよ。麦野のサイズFだよF! 私なんかギリギリAなのに……」

白井(わたくしはAAですの……)



443 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:48:05.35 ID:YCM4ZsUo [3/44]

フレンダ「大体麦野ってば完璧超人過ぎんだって。レベル5ってとこはもちろん、美人でスタイルいいし、勉強も出来るし
      タフで頑丈だしすっごい力強いし。正直超電磁砲に負けてるとこが思いつかない訳よ」

白井「……」 カチンッ

白井「それは聞き捨てなりませんわね」

フレンダ「むむ?」

白井「お姉様だって確かにお胸は慎ましくていらっしゃいますけれど、スレンダーな肉体とあどけなさの残る
    可憐なお顔立ちをしておられますの。面倒見がよくて優しくて、誰からも愛される素敵お姉様はいくら麦野さんと
    言えども負けてる気がいたしませんわね」

フレンダ「……」 カッチーン

フレンダ「そんなこと無いもん! 麦野だってたまにご飯奢ってくれたりするし、ピンチの時にはいつだって助けに来てくれる訳よ!」

白井「それはお姉様だって同じですの! わたくしとは魂の絆で結ばれたパートナーですから。
    大体原子崩しってなんですの? 要はビームを発射するだけの能力なのでしょう?
    あらゆる方面への応用力が高いお姉様の方が実力は圧倒的に上ですの」

フレンダ「ふーんだ。麦野の能力をフルパワーで出したら超電磁砲なんて秒殺よ!」

白井「威力でしか語れないとはお下品ですの! 
    そもそもお姉様の魅力はレベル5程度で収まるようなものではありませんの!
    フリフリのお洋服を2時間も迷って試着した挙句に色違いで3着も買ってくるような
    微笑ましい一面も持ち合わせていますの! こんな愛らしい真似が麦野さんにできますかしら!?」 ガターッ!

フレンダ「む、麦野だってああ見えて毎週クレヨンし○ちゃん見てるし、
      コ○ンではマジメに犯人予想しちゃったり幽○白書読んだ次の日はこっそりの霊○ポーズで
      原子崩し撃っちゃうような可愛いとこがあるんだからっ!」 ガシャーン!



444 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:49:52.62 ID:YCM4ZsUo [4/44]

アーデモナイコーデモナイ! オネエサマデスノ! メルトダウナー!

ヒソヒソヒソ… ザワザワザワ… レベル5ッテ… アノレールガンガ… メルトダウナーガ…


店員「お、お客様、どうかなさいましたか……?!」

白井「はー……はー……な、なんでもないですの」

フレンダ「ふー……ふー……ごめんなさい、ちょっと熱くなって」

店員「そ、そうですか……他のお客様のご迷惑になりますので大声を出さないようにお願いいたしますね……」 

白井「どうやらこの際貴女とはきっちりと決着を着けなくてはならないようですわね」

フレンダ「望むところな訳よ。麦野の可愛さに腰抜かさないでよねー」 ニヤッ
 
白井「そちらこそ、お姉様のあまりの魅力に眩暈を起こしても知りませんわよ」 ニヤッ

フレンダ「よし、ここじゃ迷惑だからうち来なよ」

白井「お邪魔いたしますの。言っておきますけれど、今夜は朝までお姉様の魅力を聞かせて差し上げますから、
    覚悟しておいてくださいましね」

フレンダ「望むところよ。麦野の今日までの成長の記録を写真と映像と共に振り返ってあげる訳よ」

白井「上等ですの! すみませんですのー! お会計お願いいたしますのー!」

店員(今度はなんだ……)



445 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:51:16.48 ID:YCM4ZsUo [5/44]

店員「はい。お会計4720円になります」

白井「今晩はお世話になるのでここはわたくしがお出ししますの」

フレンダ「いやいや! 年下に奢ってもらうなんて出来ない訳よ! ここは私がっ!」

白井「何をおっしゃってますの。手ぶらでお邪魔するというのに、そういう訳には行きませんの」

フレンダ「私の方が先輩だもん!」

白井「精神年令はわたくしのほうが上ですもの」

フレンダ「がぁぁ! 意味わかんない! 白井さん頑固過ぎ! 麦野か!」

白井「貴女こそ子供っぽい反応はおやめ下さいまし。まるでお姉様ですわよ」

フレンダ「むぅ……」

白井「ぐぐぐ……」

店員「あの……お支払いは……?」

店員(仲がいいのか悪いのかどっちなんだ……)

白フレ「「割り勘で!」」

店員「はっ、はいすみませんでした!」

店員(もう早く帰ってくれ……)



446 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:54:36.50 ID:YCM4ZsUo [6/44]

―第五学区 スカイタワービル120階 高級フレンチレストラン『シャルル=ゴンクール』 20:00―


カチャッ…


御坂「ふぅ……美味しかった。ごちそうさま」

麦野「なかなか悪くなかったわね」

御坂「にしてもあんな長い車が来るなんてビックリしたわよ」

麦野「適当に手配したから知らなかった。っつかアレ恥ずかしいわね」

御坂「まあそれはそれとして、素敵なとこね。学園都市の夜景が一望できるわ」

麦野「思い出に残る初デートになったかしら」

御坂「うん。ありがとう。今日は一日すごく楽しかったわ」

麦野「まあ私もだけど。……素敵なストラップももらったしね」

御坂「ほんとに思ってるー?」

麦野「思ってるわよ。あーほら、なんていうのかしら。飼い犬が大好物の骨をくれたときの気持ち?」

御坂「私は犬か」

麦野「望むならバター犬にしてあげてもいいのよ?」 ククッ



447 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:56:51.14 ID:YCM4ZsUo [7/44]

御坂「バター……犬? なにそれ。お菓子?」

麦野「アンタにゃまだ早かったみたいね。そのうち教えてあげるわ」

御坂「?」

麦野「ところで……これからどうする?」

御坂「どうするって、沈利さん家に泊めてくれるんじゃないの? 家でゆっくりしましょうよ」

麦野「えーっと……実はこのホテルに部屋とってあるんだけど……」

御坂「なっ……」

麦野「アンタさえよかったら……今日はここに泊らない……?」

御坂「よ、よかったらって言われても……寮には戻らないことになってるし……選択肢無いんだけどね」

麦野「照れること無いでしょ。家でだって一緒に寝るんだから」

御坂「だ、だって……ホテルってその……つまり」

麦野「この高級ホテルとラブホテルを同じレベルで考えるとはね……やっぱまだまだそっちはガキか」

御坂「ガキガキ言わないでよ! よ、よーし、行ってやろうじゃないの! へ、変なことしないでよね!」

麦野「今まで散々やってきたでしょが……」



448 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:58:06.40 ID:YCM4ZsUo [8/44]

御坂「それとこれとは別! 今日は健全なデートなんだから! 沈利さんすぐ触ってくるから釘刺しとかないとね!」

麦野「はいはい分かった分かった。シャンパン用意してるから、一緒に飲もう。さすがにここじゃ飲めなかったし」

御坂「だから中学生に普通にお酒を勧めないでよね……」 ハァ

麦野「飲みたい気分なのよ。それに、私アンタをもう中学生扱いしてるつもりないからね」

御坂「え……」

麦野「アンタそこらのガキより無駄に大人びてるし。っつか年誤魔化してんじゃねえの?」

御坂「いやそれは沈利さn」

麦野「あァん?」

御坂「なんでもないですごめんなさい」

麦野「とにかく。私はアンタが中学生とかそんなことはもう気にしないことにしたの。 
    アンタが早く大人になるしかなかったのは察してるつもりだけど、私はそんなアンタに惚れたんだから」

御坂「う、うん……」

麦野「だからもう中学生だからとかどうとか言わないで。私がロリコンみたいじゃないのよ」



449 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 01:58:36.73 ID:YCM4ZsUo [9/44]

御坂「ふふっ、そんなこと気にしてたの?」

麦野「気にしてるっていうか、なんか自分の性癖が心配というか……」

御坂「何でもいいよ。沈利さんが私のことを好きでいてくれるなら」

麦野「当然の前提でしょ。好きだから、変な不安が出てくるんだよ」

御坂「よくわかんないけど。ま、要はこの美琴センセーの可愛さにあてられちゃったわけねー?」

麦野「調子乗んな殺すぞ」

御坂「否定しないとこが沈利さんの可愛いとこよね。よし、部屋行って夜景見ながら乾杯しましょー」

麦野「なんでアンタが仕切るんだよ。それは私の役目。ほら、さっさと着いてきなさい」

御坂「はいはい。どこまでもお供しますわよ、お姉様」 クスクスッ



450 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:01:41.96 ID:YCM4ZsUo [10/44]

―フレンダ宅 21:30―


フレンダ「……ん、うーん……」 


すっかり夜も更けたころ、フレンダはベッドの上でごろりと寝返りを打って目を覚ました。
どことなく寝苦しさを感じて、けだるい体を起しながら頭を押さえる。
頭痛がする。どうやら飲み過ぎたようだ。
先ほどまで白井と2人飲んでいたテーブルを見ると、数本の空のウィスキーやワインの瓶とつまみのさきイカが乗っている。
あれからフレンダの家に着くなり、2人は怒涛の勢いで酒を飲み始めた。
まるで今日の出来事を早く記憶の彼方に追いやってしまいたいと言うかのように、互いの想い人との良い思い出を
語り合って酔い潰れていったのだ。


フレンダ「いつの間に私寝て……つっ……飲みすぎたかな」


そして気付けばこうである。途中から全く記憶が無い。
ふと室内を見渡すと、一緒に飲んでいたはずの白井の姿も無かった。
それにしてもやけに体がスースーする。


フレンダ「えーっと白井さんは……って、私何で全裸な訳よ!?」 


チラリと自分の平坦な白い体を見下ろすと一糸纏わぬ姿がそこにある。
ピンク色の突起が色づく胸も、金色の茂みに覆われた秘部も全てがさらけ出されている。
その時、フレンダの視界の端に恐ろしいものが映った気がした。


フレンダ「ま、待てよ。ここはベッド……も、もしかして……」 



451 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:05:35.31 ID:YCM4ZsUo [11/44]

恐る恐る視線を向けると、そこには想像通りの光景が広がっていた。


白井「…………スー……ムニャムニャ」


生まれたままの姿で可愛らしく寝息をたてている白井の姿が隣にある。
ツインテールをほどき、シーツに振り乱されたゆるいウェーブヘアが妙に煽情的で、フレンダはゴクリと
生唾を飲み込みながら理解しがたい現状に首を傾げる。


フレンダ「何が起こったの……?」

白井「…………おねえさまぁん……ムニャムニャ」

フレンダ「……し、白井さん白井さん! 起きて起きて!」 


規則正しく上下するぺったんこの胸に視線が引き寄せられるのをこらえながら、フレンダはその華奢な肩に
そっと手を添えて軽く揺すった。
このまま寝かせておいてあげたい気持ちもあるが、いかんせん状況が状況だ。
下腹部に特に痛みは感じないしシーツに血が着いているというわけでもないので、
酔った勢いでロストヴァージンということは無さそうだが、とんでもないことをやらかしてしまったのは間違いないだろう。


白井「……ぅうん……」 


細い体をくねらせて艶めかしい声をあげる白井。
不覚にも、フレンダはこの中学一年生の幼い体にドキリと胸を高鳴らせてしまった。



452 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:07:05.93 ID:YCM4ZsUo [12/44]

フレンダ(可愛い……) 


常盤台の学生は一般の学生と違い恐ろしい速度でカリキュラムが進められている。
故に、パッと見は中学生でもその知識と経験から滲み出る雰囲気はある種独特の大人っぽさが感じられるのだ。
普段麦野以外の同性はおろか、ロリになど到底食指が動くはずもないフレンダであっても、
思わず唸ってしまうような色気が白井の寝姿に見てとれる。


フレンダ「って違う違う! 白井さん! 何があったの?!」 


そんな自分の煩悩を振り払うように、もう一度肩をペチペチと軽く叩きながら白井に呼び掛ける。
やがて彼女は、眠たそうに眼を擦りながらムクリと体を起した。


白井「んぅ……もう、何ですのフレンダさんたら……」 


ぼんやりとした声で問いかけてくる。
フレンダはどう訊いていいか分からなかったので、とにかく単刀直入に切り出してみることにした。


フレンダ「わ、私たち……なんでこんな格好をしてる訳よ……?」


フレンダの言葉に白井は自らの姿を確認する。
驚き声を荒げるかと思ったが、まるでそんなことは無く、ごく自然なことであるかのように
白井は頬を赤らめて恥ずかしそうに微笑んだ。


白井「あら、覚えていませんの? まったくフレンダさんったら……すごかったですのに……」 



453 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:09:08.20 ID:YCM4ZsUo [13/44]

唇を柔らかくほころばせ、紅潮した頬を押さえながらはにかむその様子に、フレンダは血の気が引いていくのを感じた。


フレンダ「な、何な訳よその反応!? 私白井さんに何しちゃったの!?」


色々とあらぬ妄想が膨らんでいく。
もしかすると思っている以上にとんでもないことをやらかしてしまったのかもしれない。


白井「白井さんだなんて……先ほどまでは黒子と呼んで下さっていましたのに」


ジッと黒い眼で上目づかいに見つめてくる。
酔った自分は一体どんなテクニックで彼女を虜にしてしまったのだろうか。


フレンダ(わ、私取り返しつかないことしちゃった……?)


フレンダはビクビクと震えながら必死で記憶を辿るも、とうとう思い出すことはできなかった。


フレンダ「ま、まさかねー。あはは、白井さん。私白井さんにマッサージしたとかそんなオチでしょ?」


漫画やドラマでよくある例のオチを期待しておっかなびっくり尋ねるが、白井はため息をついてやれやれと首を横に振った。
必死に他の可能性を探るも、何も思いつけずに言葉に詰まり、そしてとうとう白井はこんなことを言う。


白井「本当に覚えていませんのね。……まあ、わたくしも酔っておりましたから人のことは言えませんけれど。
    フレンダさんたら……わたくしの全身に舌を這わせて……あんなに気持ちよかったのは初めてですの……」 

フレンダ「」



454 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:10:30.80 ID:YCM4ZsUo [14/44]

あまりにも生々しい内容に返す言葉の無いフレンダ。
現実は想像の斜め上だったようだ。
白井の華奢でか細い体のすべてをねぶりつくし、何度も絶頂に導いたであろう自らの指先を見詰める。
そのテクを、どうして麦野に使えなかったのか。


白井「蕩けそうでしたの。正直行為中はお姉様の顔が頭から吹き飛んでしまいましたの……」


恍惚とした表情で語る白井。まだ酒が残っているのか、少々テンションも上がってしまっているようだ。


フレンダ「な……な……」


だがフレンダの体から酒気はとっくに抜けていた。
というか、先ほどの言葉で一瞬にして吹き飛んだというのが正しい。
酔っ払っている場合ではない。麦野のために大事に取っておいた純潔を、白井に捧げてしまったのだから。


白井「後半はフレンダさんも可愛かったですわよ。あんなにおねだりされたらわたくしもさすがに理性を……ってあら、
    何うなだれてますの?」


フレンダ「失恋のショックで今日会ったばかりの人と寝るなんて……私としたことが……」


白井の言葉を最後まで聴く前に、フレンダは膝から崩れ落ちていた。
どうやらもう言い逃れはできないようだ。


白井「まぁまぁ。舌で愛撫し合っただけですわよ」



455 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:12:56.76 ID:YCM4ZsUo [15/44]

ケロリとそんなことを言う白井。
普段麦野に色々と変態的な言葉を向けているフレンダだが、いざ自分がその当事者となると意外とも諸いものだと思う。
しかも白井は自分より3つも年下なのにこの余裕の態度だ。
同じ女として精神的敗北を感じるフレンダだった。


フレンダ「うう……処女が無事だっただけヨシとしよう……」


その一点だけは死守したことをせめてもの慰めとして、フレンダはよろよろとフラつく体で無理矢理に自ら納得させようと試みる。
すると、


白井「なーんて。冗談ですの」

フレンダ「へ?」


次の瞬間、白井はペロリと舌を出して悪戯っぽく笑いかけてきた。
虚を突かれたように口を開くフレンダ。
冗談ということは、つまり先ほどまでの発言は真実ではないというわけだろうか。
フレンダは日本語の意味を理解するのも覚束ない程度には混乱していた。


白井「まあそういう雰囲気にはなりましたけど、フレンダさんったら突然吐いて倒れてしまいましたもの」

フレンダ「マ、マジ……?」

白井「ええ。わたくしも貴女も服を汚してしまいましたから、とりあえず服を洗濯機に入れて掃除をしましたの。
    そうしたら貴女が呑気に寝てらっしゃるから、わたくしもお隣に失礼したんですの」



457 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:14:56.49 ID:YCM4ZsUo [16/44]

フレンダ「な、なーんだ……よかったー……」


ほっと胸を撫で下ろすフレンダ。
くすくすと笑う白井の顔を見て、全身から力が抜けていくのを感じた。


白井「ふふっ、よかったですわね。それより、シャワーを浴びてらした方がよろしいのではなくて?
    正直貴女、臭いますわよ。わたくしも先ほど勝手にお借りしましたの」


フレンダ「げっ、ご、ごめんね。ゲロぶっかけちゃったんだもんね……! すぐ行ってくる訳よ!」 


しかし白井に自らの吐しゃ物を吐きかけてしまったことは事実のようだ。
吐息も心なしか酸っぱい臭いがする気がする。
フレンダはあわてて口元を押さえ、勢いよく立ちあがって浴室の方へ向かおうと駆け出す。


白井「フレンダさん」


その背中に、先ほどまでとは打って変わって冷静な白井の声が届けられた。
とっさに振り返ったフレンダの前にあった白井の笑顔はどこか切なげで、そして優しいものだった。


フレンダ「な、何? ほんとごめん! 服は弁償するからね! 他にも何か汚しちゃったものとか……」

白井「どうせ変装用に買ったものですから結構ですの。それより、ありがとうございました」



458 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:17:26.05 ID:YCM4ZsUo [17/44]

ペコリと突如頭を下げる白井。


フレンダ「へ?」


またしてもポカンと口を開け放つフレンダ。


白井「貴女の温もりがあったおかげで……黒子は立ち直れそうですの」

フレンダ「白井さん……」

白井「これも何かの縁ですの。これからも、黒子とお友達でいてくださいましね」


少し遠い目で、白井は小首を傾げて微笑みを滲ませる。


フレンダ「……い、いいのかな。私で」


学校の友人とは比較的広く浅い付き合いをしているフレンダとしては、こんなに一人の人間と距離を縮めたことはなかった。
それが照れくさくて、フレンダは自慢の金髪をかきながらおずおずと尋ね返す。


白井「初対面の日の夜にゲロをブチまけられるような相手にはそうそう巡り合えませんもの」


茶化すような白井の言葉に、フレンダもどこか肩の荷が下りたような心持であった。
きっと一人で家に帰っていたら、こんな気分にはなれなかっただろう。
白井と二人楽しく飲み明かし、友人になれたことで互いに想い人への気持ちをうまい具合に発散することができたようだ。



459 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:18:51.12 ID:YCM4ZsUo [18/44]

フレンダ「それはずっとこの先も言われそうな訳よ。けど、こちらこそありがとね。
      何か気分がスッキリしたよ。麦野を応援しつつ超電磁砲から麦野を寝とるチャンスを待つ訳よ」


白井「奇遇ですわね。わたくしもお姉様をいかに略奪するかを考えていくつもりですの。
    わたくしは諦めが悪いんですのよー」 ゴゴゴゴ…


そしてフレンダは新たな野望を胸に白井と笑顔を交わし合う。
それはどこか新しい悪戯を思いついた少年のような口調だった。


フレンダ「あはは、よし! これからもがんばろうね、黒子!」

白井「もちろんですわ!」


ガッシリと友情の握手を交わす二人。
レベル5の取り巻きとして、フレンダは彼女に不思議な親近感を抱いていた。
これからも仲良くやっていけそうな気がする。


フレンダ「んじゃ私はお風呂入ってきまーす」 


色々なことが落着し、すっかり冷静になったフレンダは軽い足取りで洗面所の扉を開いて足を踏み入れる。


フレンダ(いやー、しかし黒子の冗談でよかった訳よ。いくら私でも記憶の無いうちに初エッチを……ん?)



460 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:21:15.94 ID:YCM4ZsUo [19/44]

服は着ていないので棚からタオルを取り出し、浴室に入ろうとしたその時だった。
ふと見た鏡。白く透明感のある肌に、いくつか不可思議な場所がある。


フレンダ(あれー……? 何か私の首筋に赤い虫刺されみたいな痕が……あるような……ないような……あれー?)


首筋、まるで小さな虫に刺されたような赤い痕が、鎖骨の上や首回り、果ては胸元にいくつも着いている。
そう。
それはまるで


フレンダ「!!!?」


ハッとなってフレンダは勢いよく洗面所の扉を開いて、リビングで服を着ようとしていた白井にマジマジと視線を送る。


フレンダ「く、黒子っ!」


恐る恐る、だが確かめないわけにはいかないと、彼女の繊細な首筋付近を凝視する。



461 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:22:58.56 ID:YCM4ZsUo [20/44]

白井「あら、どうかなさいまして?」


小首を傾げる白井。そこには確かに、自分のそれと同じような赤い痕が残っていた。


フレンダ「黒子……あ、あんたのその首筋の赤いのは……」

白井「クスッ」


ゴクリと唾を飲み込むフレンダの問いかけに、白井はクスリと小さな笑い声を零す。


フレンダ「ま、まさか……」


その蠱惑的な微笑み思わず見入るフレンダ。
彼女は口元にそっと人指し指を当てて唇を動かす。


白井「わたくし達はお友達ですの。それ以上のことなど、何もありませんわよ?」


到底年下とは思えない小悪魔の表情でフレンダを諭すように告げた。



462 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:26:18.95 ID:YCM4ZsUo [21/44]

―第五学区 スカイタワービル100階 ホテル『グラストンベリ』 スイートルーム 22:00―


煌びやかな調度品の数々が並べられた高級ホテルのスイートルーム。
そこはキングサイズのベッドを部屋の中央に据え、ガラス張りの壁に囲まれた大理石の浴室や簡易キッチンを添えた
数十帖にも及ぶ巨大な部屋だった。
間接照明が上品に灯る薄暗い室内、小さなテーブルの上には一本数十万円は下らないシャンパンと、
飲みかけのグラスが二つ並んでいる。
夕食後、麦野は御坂を伴ってこの部屋を訪れた。
それからすぐ、数々の見事な装飾品になど目もくれず、あらかじめ麦野がホテルに預けていた高級シャンパンをそそくさと開けて飲み始めた。
しばらくはほろ酔い気分で会話に華を咲かせていた二人だったが、1時間程経過したところで雰囲気が変わる。
以前のように悪酔いこそしていないものの、少々酒の入った二人はふざけ合うようにして互いの体を触り合い、
気がつくと唇を合わせて抱き合っていた。
学園都市の夜景を一望できる窓の傍、二人掛けのソファで寄り添う御坂に麦野は、彼女の唇に自らのそれをあてがい、
貪るように舌を絡ませている。


御坂「ん……チュプッ……」

麦野「……んぅ……チュムッ……ピチュッ……」


静寂に包まれた空間に木霊する柔らかい水音が、麦野の脳髄を甘く蕩かせて御坂を抱きしめる腕に力を混めた。
それに反するように、御坂はトロンと瞳を潤ませて麦野に体を預けきっている。
その頭を麦野は優しく撫でながら、御坂の口内に侵入させているピンク色の舌を生き物の如く遊ばせ、
御坂の歯の一本一本を丹念になぞって愛撫する。
時折上あごをくすぐるように舌先でつついては、その度ピクンと跳ねる御坂の反応を楽しんでいた。



463 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:28:03.21 ID:YCM4ZsUo [22/44]

御坂「……ふぁ……ンチュ……沈利さんの……嘘つき」

麦野「……チュプッ……何が?」


熱い吐息で麦野の高い鼻先をくすぐりながら御坂は恨めしげな視線でそう言う。
麦野はその様子を満足げに眺めながら、背中に優しく手を這わせる。


御坂「何もしないって言ったくせに……」


真っ赤になった頬を膨らませて、しかしさほど嫌がるそぶりは見せずに御坂。
麦野は悪戯っぽく笑い、御坂の頬をその細い指で軽くつねった。


麦野「何もしないなんて言ってないよ。っつか、本当に何もされたくなかったわけ?」

御坂「それは……」


Tシャツの胸元をキュッと掴みながら御坂が視線を反らした。
恋人同士が二人でホテルに入り、何も起こらない方が不自然だ。
もっとも、初め麦野は今日御坂とコトに及ぶつもりはなかった。
キスをして、互いの体に触れ合うことが出来ればそれで満足だったのだ。
だが御坂は当然そんな麦野の胸中を知る由もなく、今なお落ち着かない様子で時折巨大なベッドへと視線を送っている。
やがて麦野は御坂の頭をそっと撫でてクスリと笑みを零した。


麦野「キスくらいさせてよ。今日はもうそれでいいからさ」

御坂「え……?」



465 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:31:47.82 ID:YCM4ZsUo [23/44]

意外そうに麦野を見やる御坂。
多少の期待はしてくれていたのだろうか。
そんな反応をされると、麦野としては少々複雑だった。


麦野「他のこともしてほしいのかにゃーん?」


口元をニヤニヤと釣りあげて御坂の頬をプニプニとつっつく麦野。
その表情と裏腹に、麦野はどこか空虚で掴みどころのない不安感を抱いていた。
あるいは恐怖と呼べるものだったのかもしれない。
御坂と性行為に及ぶことは、麦野にとっては一つの覚悟のいる行為だった。
麦野が御坂とコトに及ぶことに尻込みしているのは、何も彼女が中学生だからとかそういうことではない。
麦野にとって、御坂美琴は純粋性の象徴のようなものだったから。
序列第三位という圧倒的な能力を持ちながら、暗部に堕ちず堂々と太陽の下を歩いている御坂は、
同じ女性の能力者ということもあり、麦野はかねてより良くも悪くも強く意識していた相手だった。
同質の能力を持ちながらも立場は真逆。
だからこそそこに特別な不可侵性を感じていた。
かつて戦った時は、何者にも汚されていない彼女に嫉妬にも近い感情を向けていたのかもしれない。
しかし御坂と出会った後、麦野が彼女のどんな状況に在っても輝きを失わない純粋さに惹かれ、
自分では持ち得なかった綺麗なものに憧れたのも事実だ。


御坂「……ちょっと、してほしいかも」


故に、麦野は恐れていた。彼女を抱くことで、彼女が純粋なものでなくなってしまうような気がして。
言葉を詰まらせて、御坂が振り絞るようにそう言うも、麦野の理性のタガを引きちぎるには今一つ足りない。


麦野「……」



466 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:33:42.25 ID:YCM4ZsUo [24/44]

顔を曇らせる麦野。
多くの人間の血を浴びたこの穢れた体で、御坂と交わることで彼女までが汚いものになってしまうのではないかという不安が拭えない。
そして同時に、御坂を自分の手で汚したいという欲望もまた沸いてくる。
誰にも触れられたことのない無垢な体を支配し、蹂躙し、調教するのはドSの麦野からすればこの上なく抗い難い快楽だろう。
頭の中で二つの意識がせめぎ合う。


麦野(美琴が求めてる……ここまで言わせてるのに、何もしないのもこいつを傷つけることになるのか……?)


最善の答えが見つからない。
御坂との距離の詰め方が分からない。
だが、それでも彼女の求めには応じてやりたかった。
御坂の体を上から眺めて行く。
綺麗な茶色い髪とガラスのヘアピン。小さな顔。大きな瞳。ピンク色の唇とそこから覗く白い歯にぬめった舌。
細い首は容易く絞め殺せそうな程に頼りなく、華奢な肩とわずかに覗く鎖骨が本能に訴えかけてくる。
わずかに膨らんだ貞淑な慎ましい胸は逆に煽情的に見えてきた。
くびれのあるしなやかなウエストに、張りのある小さめのお尻。短パンから伸びるスラリとした二本の足は、
白い太股が強調されて悩ましい。
潤んだ瞳でまっすぐにこちらを見つめる御坂のその様子に、麦野はクラクラと眩暈を起こして倒れそうになるのを必死にこらえた。


麦野(こいつにこんなに色気を感じてるのはきっと私くらいなんだろうな……)


ゴクリと生唾を飲み込み、麦野は御坂にもう一度向き直って両肩に手を添えた。
唇を少しだけ突き出して、御坂はそっと瞳を閉じた。
酒の所為にはしたくない。
真正面から、御坂の全てを手に入れる。
心臓から送り出される血液が、手を、足を、脳を巡り。顔は熱病に侵されたように赤く火照ってくる。



467 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:36:05.85 ID:YCM4ZsUo [25/44]

麦野(わかったよ、美琴……指でするくらいなら、いいよね……)

御坂「早く来て……沈利さん……」


熱い吐息とともに艶めかしく動いた唇に、麦野は遂に頭の中で線が一本焼き切れる音を聞いた。
御坂の唇にそっと自らのそれを近づけて、5mmの距離を開けて麦野は最後に呟く。


麦野「美琴……止まらないよ。もう、止められないからね……ごめんね」

御坂「んっ……!」


柔らかく啄ばむように御坂と口づけを交わす。
フレーバー着きのリップだったのか、ほんのり桃の香りが鼻を通り抜けていった。
こんな子供じみた可愛い香りをさせているのにと、麦野はこの背徳的な行為に言い知れぬ興奮を覚えて
御坂をソファの背もたれに乱暴に押し付けた。


御坂「んぅ!……ちゅっ……チュプッ……ンチュッ……ふぁ……」

麦野「ハァ……チュッ……んう!……ハァ……チュプッ」


勢いを増していく二人の呼吸と鼓動。
麦野はぼんやりと霞がかっていく頭の中で、ただひたすらに御坂の名前を呼び続けていた。
欲しい。欲しい。欲しい。
御坂美琴の全てが欲しい。
彼女の口内に侵入させた舌でぬるりと唾液を舐めとりながら、丹念に、そして犯すように向こう側の舌をねぶる。
ドクドクと鮮明に聞こえてくるどちらのものとも知れない心臓の音は、規則的なリズムで麦野の理性を破壊していった。
唇を少しずつ下方へと移動させ、首筋を舌先でなぞってくすぐる。



468 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:38:37.20 ID:YCM4ZsUo [26/44]

御坂「ぁっ……!」


ピクンッと跳ねる御坂の体。首を後ろに反らして、もっとして欲しいとねだるように体をくねらせた。
麦野は御坂の服の上から指先で全身を優しく撫でていく。 
腕から始まり、背中、脇腹、そして胸元へ。
服と下着越しに感じる柔らかい感触に、麦野は荒ぶる呼吸を押さえつけながら一度唇を首筋から離して彼女のTシャツを脱がす。
恥ずかしそうに瞳を潤ませた御坂はこちらを見ず、いそいそとされるがままに服を脱いだ。


麦野「ブラ、可愛いわね」

御坂「沈利さんに見てほしくて……この前買ったの……」

麦野「そんなに私に犯されたかったのね」

御坂「違う……も……んぅっ!」


白い肌のわずかな膨らみを守るように着用されたる薄い水色のブラ。
麦野は下着の上からゆっくりとほぐすように御坂の胸に指を食いこませて揉みこんでいく。
舌先は再び御坂の肌の上を這いまわり。
鎖骨をゆっくりと丁寧に。そして首筋に戻って今度は強く吸う。


御坂「っ……ぁっ……ぁあ……」


やがて唇を離したそこには、隠しようも無いほどくっきりと赤いキスマークが着いていた。



469 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:41:41.97 ID:YCM4ZsUo [27/44]

麦野「ふふっ、素敵な傷痕ね」


満足げに微笑んだ麦野は、心地良さそうに蕩けた瞳の横、形の良い耳元へと唇を近付ける。


御坂「はぁっ……んっ! 沈利…っ…さぁん……そんなとこ…ハァ…駄目ぇ……ハァ」


耳の形を確かめるようにして、そして少しわざとらしく音を立てながら、ピチャピチャと舌を蠢かせる。
同時に、背中に手をまわしてブラのホックを外し、空いた隙間から手を差し込んで御坂の乳房へと手を這わせていった。


麦野「おっぱい、小さくて可愛い……」


耳元で囁くと、吐息でくすぐったそうに身をよじらせながら御坂は嬌声をあげた。


御坂「ぅ……ん……そんなこと言わないで……ぁっ……!」

麦野「気持ちよさそうにしちゃって。ほんとはもっとしてほしいくせに」

御坂「ち…ハァ…がう……ハァ……んっ! ぁっ……!」


慎ましく、掌に軽く収まりきってしまう可愛らしい胸。
麦野は、甘い吐息を漏らして悦びの声を躊躇いがちに零す御坂の胸の感触に酔いしれていた。
小さくとも確かに柔らかく主張するそれはじっとりと汗で湿り気を帯びて麦野の掌に張り付いてくる。
上から下に掌で円を描くように押し上げて、時折指を沈みこませて絶妙に刺激を与える。
だがしかし、最も敏感なピンクの先端部にはまだ触れない。
もっともっと焦らして、御坂が涎を垂らしてモノ欲しそうな視線でこちらを見てくるまでは絶対に。
気が着くと麦野は口元に笑みを浮かべていた。
あの御坂が、自分の指と舌だけで蕩けきってしまっている。
無防備に弛緩した体には汗が滲み、濡れた瞳を懇願するように向けてくるのがたまらない。
ピンクの小さな乳輪を、指先でゆっくりとなぞりながら耳元の唇を首筋、脇腹へと下ろしてくる。
ソファの背もたれに体を預けている御坂は、虚空を見上げて声を押し殺すのが精一杯の様子だった。
左手で胸を、右手で太股をさすりながら麦野はその肢体に舌を這わせて愛撫を続ける。



470 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:43:09.45 ID:YCM4ZsUo [28/44]

麦野「声、我慢しなくていいんだよ? 美琴の気持ちいい声、もっと聴かせて」

御坂「やぁ……っ! 恥ずかしい……ぅっ……ぁんっ……」


上気して紅潮する肌が愛おしい。
麦野はさらに焦らすように触れるか触れないかのタッチで御坂の胸の頂点をいじめるのだった。


御坂「そ……そこは……だめぇ……んっ……はぁっ……!」

麦野「乳首立たせて言うことじゃないわねー。目が嬉しそうに蕩けちゃってるけど?」

御坂「だって……沈利さんが……」


御坂の羞恥心を煽るように囁く麦野。
快楽に身を委ねつつある自らの精神に抗うように、御坂は反抗的な視線でこちらに視線を返すが、
麦野は小悪魔的な笑顔で優しく御坂の小さな乳首を摘みあげた。


御坂「はぁんっ……! だ、駄目だったら……ひぁっ……!」

麦野「私が何? 人の所為にしてんじゃないわよ。ふふっ……こんなにしてるくせに」


段々と気分が乗って楽しくなってきた麦野。
唇を御坂の胸元に寄せ、先ほどより少し赤くなっている乳首を口に含んで舌で転がす。
それに反して御坂は奥歯を噛んで必死に甘い声が出るのをこらえようとしているらしい。


麦野「ちゅぷっ……ピチャッ……体震えてるよー? どうしたのー?」



471 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:44:51.72 ID:YCM4ZsUo [29/44]

わざとらしく楽しげに問いかける麦野。
御坂は両手で口元を押さえて、背中を反らしたままブルブルと首を横に振った。
その様子がたまらなくおかしくて。
麦野は右手で乳房を揉み、左手は全身をゆっくりと指先でなぞり、唇と舌でもう片方の胸を愛撫していく。


御坂「こ……こんな……の……ぁあんっ! はぁっ……んぁっ!」

麦野「処女のくせになかなか感度いいじゃない。どーせオナニーばっかしてたんだろうけど」

御坂「し……してな……ぅんっ! ぁっ! ぁっ!」


音を立ててその突起を吸い上げてやると、それに呼応するように御坂の体が跳ねた。
体温が高く、滲んだ汗と御坂の甘い匂いが混じって麦野の鼻腔を甘美に刺激してくる。
もやがかかったような視界と脳が、御坂をもっと攻め立てるようにと指示を飛ばす。
麦野は微笑んだまま御坂の太股の付け根まで指を移動した。


麦野「あれー? 上のお口は今忙しいみたいだね」


口元を歪めて心底楽しそうに言葉を繋いでいく麦野に、御坂は必死で口元を押さえて首を振る。
もうたまらない。我慢できない。


麦野「じゃ、こっちのお口はどうかにゃーん?」


麦野は舌舐めずりをすると、しなやかな指先で御坂の短パンのフロントのボタンを外した。


御坂「ひっ……!」



472 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:47:23.78 ID:YCM4ZsUo [30/44]

ビクリと肩を跳ね上げる御坂。それが何を意味するのか、さすがに気付いたらしい。
不安げな表情でこちらを見てくるので、麦野は柔らかく微笑を滲ませて頭を撫でてやった。


麦野「大丈夫よ。優しくしてあげる」


そう言って麦野はもう一度御坂に口づけた。
少しこわばっていた御坂の体が再び弛緩してソファに体重を預けて行く。
麦野は彼女に唇を重ねたまま、短パンを脱がそうと少しずつずり下ろしていくと、御坂も腰を浮かせてそれに
協力する素振りを見せた。
どうやら覚悟は決まったらしい。
麦野は薄く瞳を開いて御坂の顔を見ると、彼女は涙を目尻に浮かべてこちらを見つめていた。
短パンを脱がし、麦野はむせかえるような御坂の甘い匂いと、汗の匂いを鼻から肺いっぱいに吸いこんで
下着越しにデリケートな部分に触れてみた。


御坂「っ……はぁ……」


グチュリと、水気を吸ったショーツは淫靡な音を立てた。
恥ずかしそうに麦野の服の裾を掴む御坂。
構わず麦野はその部分を撫でさすっていく。不安を取り除くように丁寧な口づけと共に御坂の頭を撫でてやりながら。
右手中指と薬指に御坂の熱い愛液が付着し、ヌルヌルと下着の上を滑る。
ゆっくりとほぐしていくように円を描いて、空いたもう片方の掌で再び胸元を包み込む。


御坂「ぁっ……ぁぅ…ハァ…ハァ……んぅっ!」


硬く尖っていく胸の先端部をコリコリと指の腹で押しつけ、熱い下腹部は柔らかく麦野の指を押し返してくる。
鼻先にかかる御坂の吐息は霧のように麦野の理性を覆い隠して。
麦野は円を描く指の動きに緩急を付けて刺激していった。
口腔内を犯す舌の動きは蛇のように滑らかで、御坂の身体は先ほどから幾度となく跳ねあがっては
麦野の服を強く掴んだ。



473 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:49:18.38 ID:YCM4ZsUo [31/44]

麦野「濡れ過ぎでしょアンタ。何でこんな風になっちゃってんのかにゃーん?」


意地の悪い笑顔で麦野が問いかけると、御坂はキュッと唇を感じで瞳を強く閉じた。
麦野は少しだけ感動していた。


麦野(楽しい……。こんなにゾクゾクするセックス初めてだわ……)


こんな時に思い出したくもないが、今まで垣根と経験した4度の行為のどれよりも御坂を指で翻弄するこの瞬間が楽しい。


御坂「沈利さんが……ぁん……触るからぁ……はぁっ、んぅ!」


御坂がこの指で悦んでくれている。
御坂が何もかもを自分に預けてくれている。
そう思うだけで、麦野も自分の下腹部が熱を帯びてくるのを感じていた。
もっと御坂を気持ちよくしてやりたい。もっと御坂の奥へ行きたい。
欲望に後押しされるように麦野は御坂のブラと同じ水色のストライプのショーツを横にずらし、
そこにある彼女の最もデリケートな部分を覗き見た。
ピンク色にぬらぬらと煌めき蠢動するソレを目の当たりにして生唾を飲み込む麦野。
これが誰も見たことの無い御坂の最奥への入口。
黒いわずかな薄い毛に覆われて、その愛液に濡れた秘所に恐る恐る触れてみる。


御坂「ぁんっ!」


跳ねる体。
ぬるりとした熱い肉の感触に、麦野は頭がどうにかなりそうだった。
あの純真な御坂も、自分と同じ様に愛液で秘所を濡らしている。
彼女が同じ身体構造をした人間で、女であるという当然の事実を今更ながらに突きつけられて、
恐ろしい程の衝撃が体中を駆け巡っていった。
それは、強烈な違和感だった。思わず麦野の手が止まる。



474 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:51:04.66 ID:YCM4ZsUo [32/44]

麦野「私が男だったら……」

御坂「え……」


ポツリと呟いた麦野の言葉に、肩で息をしながら御坂が不安げに顔を覗きこむ。
麦野は御坂を強く抱きよせながら、震える声で言葉を紡ぐ。


麦野「私が男だったら、アンタと一つになれたのに……アンタの温もりを、体の全てで感じられたのに……」


麦野は泣きたいような、悔しいような不思議な気分だった。
これは女同士のセックス。
完全に一つになれなくて。
貪るように相手を求めても、その距離がゼロに縮まることは永遠に無い。
その事実を認めるのが悔しいから、麦野は御坂の身体の奥まで潜り込もうと指でなぞり、舌を這わせた。
女同士では感じられない温もりがあるかもしれないのが怖いから、麦野は永遠に縮まることの無い最後のその距離を
埋めようと必死にもがく。
二本の足の間にあるはずのものは、女同士の自分たちには持ち得ないものだったから、
麦野はその悔しさが少し可笑しくなって涙を零しながら笑った。


麦野「ぅぐっ……何泣いてんだろね私は……。こんなの当たり前だろ……当たり前なのに……」

御坂「……沈利さん……」


抱き合い、キスをして、言葉を交わしても、決して埋まらない最後のその1マスが、麦野には悔しくてならなかった。
そんなことにこだわる女々しい自分が嫌になる。
御坂と快楽を追求し合うのは楽しいのに、最後の最後に待ち受けていたその現実は受け入れ難い。
だが、嗚咽し震える麦野を御坂は優しく抱きしめた。



475 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:52:27.72 ID:YCM4ZsUo [33/44]

麦野「……美琴」


自分より4つも年下の、華奢な女の子の腕の中は、想像もつかない程温かく大きい。
縋るように麦野は御坂に抱きつき、その36.8度の体温をけっして逃がさぬように受け止める。
二人は互いの腕の中で、求めあうように言葉を交わした。


御坂「分かるわよ……沈利さんの気持ち。私も今きっと、同じ気持ちだから」

麦野「…………」

御坂「でも……あんたが女の子じゃなかったら、私はきっと好きにならなかったから。
    あんたが女の子だから、沈利さんがこんなに温かいんだって知ることができたんだ」


今度は力強く、願うように。
御坂の言葉はいつだって力があった。
真っ直ぐに堂々と翔けていく御坂が眩しくて、それが自分とあまりにかけ離れているのが悔しくて、憎らしくて。
だけど、そんな御坂だから、自分は恋をした。
そんな御坂美琴に、ずっとずっと憧れていたんだ。


麦野「ぅ……グスッ……そんなの……私だってそうだよ……!」

御坂「沈利さん。悲しむことなんて無いわよ。私は沈利さんの温もりを知ってるから」



476 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:53:50.77 ID:YCM4ZsUo [34/44]

クスリと優しく微笑む御坂。


麦野「わ、わかってるわよ……別に悲しかったわけじゃ……」


麦野はその愛しい顔を見ながら、つられるように恥ずかしげに微笑を返す。



御坂「だから続きをしよう……ねえ、沈利――――――」



麦野「っ……」


御坂が麦野の口元に唇を寄せる。
ゼロに程近い最短距離で、彼女は言った。




御坂「――――――私を、あなたのものにしてよ」





477 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:55:29.12 ID:YCM4ZsUo [35/44]

その言葉は中学生の少女が放つものとは思えない程に慈愛に満ち溢れていて、
麦野は全てをかなぐり捨てるように御坂の唇にむしゃぶりついた。
自らが着ているブラウスのボタンを興奮に震える指で外して、深い谷間を作り上げる白黒のブラを脱ぎ捨てる。
ぐにゅりと形を変える程強くFカップの大きな乳房を御坂の身体に押し付けて肌と肌を擦り合わせた。


御坂「んっ……ピチャッ……チュプッ! あっ……はぁ……んっ!」

麦野「美琴…ハァ…もっと…ハァ…ンチュッ……ちゅぅっ」


舌で口内を蹂躙し、互いの唾液を喉の奥まで流し込んでいく。
少しでも御坂に近づきたい。
永遠に埋まらない1マスをどうしても埋めたいから、麦野は少し乱暴に御坂を抱き寄せる。
ショーツをずらし、再び愛液の溢れる秘所に指を当てがう。


麦野「アンタ……毛、薄いね……」

御坂「何……言ってんのよ、ばか」


茶化すような言葉に、抱きつく力を強めて応える御坂。
黒い薄い茂みの下ヒクヒクと蠢動する秘所に隠されるように存在する小さな突起。
柔らかな肉の唇に包まれた小指のつま先よりももっと小さなソレを、麦野はそっと中指の腹で押しつけてやる。


御坂「ん―――っ!!」

麦野「いつもこれでオナニーしてんの?」



478 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:57:05.36 ID:YCM4ZsUo [36/44]

麦野の誘惑するような問いかけに御坂はブルブルと首を振る。
ツンツンと、軽くノックするようにそこを刺激する麦野。
御坂が正直に答えれば、いつでもそこを触ってやると言わんばかりの挑発。
それが分かっているのだろう、御坂は唇を噛んで快楽の誘惑に必死に耐えていた。


麦野「ねえねえ、最近はいつしたの?」


ねっとりと絡みつくような声で問いかける。
秘所から絶えず溢れてくる愛液をそこに塗りたくりながら、
ビクビクと身体を跳ね上げている御坂に意地悪く質問を続ける。


麦野「一つ応えるごとにどんどん気持ちよくなるよ?」

御坂「んっ……! ぁっ! ぁんっ! やっ……!」

麦野「ほらほら、いつしちゃったのー? んー?」


ぬるぬると円を描くように赤い蕾を焦らすかの如く刺激する。
その誘惑に耐えることが出来るはずもなく、御坂は顔を真っ赤にして唇を動かした。


御坂「き、昨日……!」

麦野「あらそうなのー。ふふーん、何考えながらしたの?」

御坂「ぁあんっ……! やっ! ら、らめっっ! そんなにしたら……!」



479 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 02:59:07.39 ID:YCM4ZsUo [37/44]

クチュクチュという水音をわざと御坂に聞こえるように鳴らして、麦野の蹂躙は続く。
足の指先をつりそうなほど反らしている御坂は、喉から声を絞り出すように応えた。


御坂「し、沈利さんに……! こ、こうされるのを想像してっ! んあぁぁっ!」

麦野「そう。アンタも期待してたんだ。ふふっ、エッチなのはいけないと思うわよー?」


その答えに麦野は満足げに微笑むと、御坂の入口からゆっくりと中指を侵入させていった。


御坂「ああぁぁっ!」


ズブズブと沈み込んでいく中指。
それを締め付けてくる御坂の狭い膣内は熱く、麦野は愛液のぬるりとした感触の気持ちよさにクラリと眩暈を起こした。
自分のものとも違う、他人の内部は、こんなにも温かく柔らかいのかと、情欲は際限なく麦野の脳髄を蕩けさせていく。


御坂「はぁ……ぅっ!」


少しだけ、御坂は顔をしかめた。
そこから先は初めての証。処女膜をはがし、貫く儀式の場所。
指一本で限界の膣内は、さらに狭くきつく麦野の指に食らいついてくる。


麦野「……いいよね、美琴」

御坂「ま、待って沈利さんっ!」



480 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 03:00:56.39 ID:YCM4ZsUo [38/44]

ギュッと麦野の腕に縋りついて不安げな視線を向けてくる御坂。
なだめるように口元に微笑みを滲ませ、麦野は小首を傾げる。


麦野「どした?」

御坂「い、痛くない?」


目尻に浮かんだ涙から、やはり初めてに対する恐怖心は少なからずあるようだ。
そんな様子を可愛いなと思いながら、麦野は額に軽く口づけてから自らの大きな胸元に
御坂の顔を抱え込むように押し付けた。


麦野「ちょっと痛いかもだけど、すぐ収まるから。辛いならやめてもいいけど……?」

御坂「だ、大丈夫……沈利さんに、初めてをあげたい……」

麦野「可愛いこと言うわ。好きよ、美琴」


麦野は中指に追従させるように薬指を秘所内へと侵入させる。
二本の指によって膣壁がこじ開けられ、ミチミチと奥へ奥へと突き進んでいく。


御坂「ぎっ……あぐっ……ぅぁああ……んぅ……!」


麦野の背中に爪を立てて痛みをこらえる御坂。
これだけきつければしっかり濡らしているとは言えかなり痛いだろう。
ギチリと御坂の処女をひきはがすように貫き、指が根元まで入ったことを確認して麦野は深く息を吐く。
今、御坂の処女を奪った。
麦野は背中に突き立てられる爪の痛みを心地よく感じながら御坂に囁きかける。



481 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 03:02:02.76 ID:YCM4ZsUo [39/44]

麦野「奥までいったよ……痛かったね。大丈夫?」

御坂「うん……なんとか……」


眉間にしわを寄せる御坂に麦野は口付ける。
痛みだけで初めての行為を終わらせてやりたくない。
ちゃんと最後まで、気持ちよくさせてやりたい。
ゆっくりと味わうように御坂の唇を啄ばみ、麦野は御坂の内部で熱く包まれている中指と薬指を巧みに動かし始めた。


御坂「んあっ……はぁ……ぁっ!」


甘い声が漏れ始める御坂。もともと潤滑油となる愛液で十分に溢れていたし、
あまり抜き差しをしなければ中の傷に触れても痛くはないだろう。
さらに麦野は親指の腹を御坂の赤い蕾に押し当てる。


御坂「ぁあっ! そ、それは……だめえっ!」


ビクンッと跳ねる体。
クニクニと優しく押しつぶすように円を描き蕾を刺激する。
同時に膣内で指動かし、腹側の壁を擦りあげてやると、御坂は口を開け放って嬌声をあげた。


御坂「ぅぁっ! ぁんっ……! ぁっ! ぁっ! ぁっ!」

麦野「チュッ……ンチュッ……チュプッ……」



482 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 03:03:30.95 ID:YCM4ZsUo [40/44]

舌を絡ませ合い、右手で御坂の身体を奏でていく。
ピクピクと痙攣しはじめたその様子から、彼女の絶頂が近いこと知った。


御坂「沈利……さんっ! ぁんっ! あぁっ! わ、私もうっ……!」

麦野「うん、いいよ。イクときはちゃんとイクって言いなね」


グチュグチュという水音が室内に響く。
同時にガクガクと震える御坂の体。麦野はあくまで力を入れ過ぎず、絶妙な刺激で御坂の秘所を攻め続けた。


御坂「沈利さんっ! ああぁっ! イ、イっちゃう……っ!」

麦野「うん。美琴がイくとこ見ててあげるわ」


その言葉と同時に、麦野は赤く充血した蕾をぐっと押し潰し、膣壁に蠢く指を押し付けた。


御坂「んあああああッッ!!」


背中を反らし、麦野の腕に縋りつきながら御坂は痙攣と共に絶頂を迎えた。
ビクビクと痙攣して御坂はグッタリとソファにもたれかかる。
キュッと膣内で指を締め付けられ、麦野は満足げに笑って指を引き抜いた。
愛液でベトベトになっている指先にはわずかに赤い血液が付着している。


麦野「これで完全に、アンタは私のもんか……」


その愛液と血が混ざったものをペロリと掬い取るように舐めて、麦野は一人ごちる。
もう絶対に誰にも渡さないと言わんばかりに。



483 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 03:04:42.31 ID:YCM4ZsUo [41/44]

麦野「お疲れ様。大丈夫?」


上気した肌で大きく呼吸している御坂の姿を眺める。
汗で顔に張り付いた髪が煽情的だったが、意外とムラムラとした情欲は湧いてこない。
グッタリと疲れきっている御坂を見ているとゆっくり休ませてやりたいと思うからだろうか。


御坂「ハァ……ハァ……沈利……さん」


肩で息をしながら御坂が薄く目蓋を開いてこちらを見る。
その表情には満足げな笑みが浮かんでいた。


御坂「あんた…ハァ…上手過ぎ……ハァ」

麦野「そりゃどうも。女の身体だもん。私が気持ちいいとこはたぶんアンタも気持ちいいんじゃないかなって
    思ってやってただけよ」


もちろん女同士の性行為に経験などあるはずもないので、自分自身の身体をどのようにされた快楽が得られるかという
ことを念頭に置いてやっていた。
どうやらそれは御坂にも有効だったようで、腰が抜けて立てない程に感じてくれたようだ。


御坂「……沈利さんは……いいの?」


自分だけが絶頂を迎えてしまったことに後ろめたいものでもあるのか、御坂はチラチラと上目づかいで問いかけてくる。
逆に良くないと答えたら何をしてくれるのか興味はあったものの、彼女の乱れっぷりを見て満足したところもあるので、
麦野はやんわりと首を横に振って頭を撫でてやる。



484 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 03:05:44.19 ID:YCM4ZsUo [42/44]

麦野「私は大丈夫。アンタのイキ顔見れたしね」

御坂「うっ……だ、だって気持ちよかったんだから仕方ないでしょ……!」

麦野「冗談冗談」


御坂をなだめすかす麦野。
正直に言えば、まだ御坂に身体を舐めてもらったりするのは忍びないと思っているというのもあった。
だが御坂を満足させてやりたいという気持ちが強いも事実なので、それ以上麦野は何も言わない。


麦野「あ、ヤバ……」


少し沈黙が流れたので、麦野は何気なく今座っているソファを見る。
すると、あろうことか布張りの2人掛けソファには御坂の愛液で大きなシミができてしまっていた。


麦野「ねえこれ、アンタの能力で電気分解とかできない?」


焦ったように麦野。
別に弁償がどうとかそういうことではなく、ホテルの人間に女同士でセックスして愛液を零してしまいましたと告げるのが
恥ずかしくてたまらないからだ。


御坂「ええ? あっ、これは……」


自分の秘所から零れ出た愛液の量に、御坂は顔を真っ赤にして俯いた。
しかし、次の瞬間には麦野の手を取って苦笑いを浮かべる。



485 名前:18日後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/31(土) 03:08:17.32 ID:YCM4ZsUo [43/44]

御坂「ま、明日考えるわ。とりあえず、ベッドまで運んでくれない? 腰抜けちゃって立てないのよね……」

麦野「ビクンビクンなってたもんねー。よし、あとはベッドでいちゃいちゃしながら寝ましょ」

御坂「うん、シャワーはもう明日の朝でいいわ」

麦野「そうね。……って軽っ! アンタすごい軽い」


麦野は御坂を抱き上げると、驚愕を露わにして呟いた。
しかし、驚きの表情を浮かべているのは何も麦野だけではない。御坂もまた、驚いたように麦野を見上げていた。


御坂「沈利さん力強いわねー……」


華奢な御坂とは言え人一人を楽々細腕で抱えあげえているため、驚いている様子。
麦野は仕事柄ジムに通って身体をそこそこ鍛えているということと、生まれつきの体質から頑丈で力も強い。
ガタイを良くして女を捨てるのが死んでも嫌だった麦野は、パッと見は細身に映るので御坂の反応は当然と言えるだろう。


麦野「まあちょっとだけね。それより……美琴の処女奪っちゃった」

御坂「うん……しちゃったわね……」


麦野は御坂を見下ろしながら笑う。御坂も照れくさそうに笑みを零した
御坂にとって名実ともに初めての相手になれたのだ。
特に処女について思い入れの無い麦野も、なんとなく嬉しい気分になった。
そして


麦野「私以外を見ちゃ駄目よ? 良い子にしてたら、また気持ちいいことしてあげるからね」

御坂「うん……沈利さん、大好き!」


笑顔を向け合う二人。
互いの温もりがこんなにも心地いいものなのだと改めて再認識した夜となった。
女同士では埋まらないように思えた距離も、ほんの少しだけ縮まったような気がする。
御坂を好きになってよかったと、麦野は血の付着した指先をチラリと一瞥して考える。
そして麦野は、また一つ美琴から離れられない理由が出来てしまったなと思うのだった。

544 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:45:25.04 ID:dtNBwyMo [4/38]
19日目 (日曜日)


―第七学区大通り 12:00―


ワイワイ ガヤガヤ

スタスタスタ…


垣根「ふぁ~あ……」

垣根(あー、暇だぜ……。モヤシ野郎でもからかって遊ぶかと思ったけど、
    あの野郎休日は家族サービスとか言って幼女に夢中でやんの) ケッ

垣根(女の家行ってもアホと会話すんの疲れるだけだしなー、無言で裸でケツ向けといてくれりゃいいのに、めんどくせえ。
    あー、何か面白そうなこと転がってねえかなー)

垣根「ん?」

御坂「……」

垣根(あれ確か超電磁砲だよな。ベンチに一人で座って何やってんだ?)

垣根(ふーん、こうして見るとなかなか可愛いじゃねえの。貧乳もたまには悪くねえな) 

垣根(なんてな。ガキにゃ興味ねえよ。っつか、沈利に手ぇ出すなって言われてるし、レベル5同士で揉めると後が面倒だ。
    もう沈利の時みたいにマンション追い出されたりすんのは勘弁だ)

御坂「……」 ファー

垣根(おーおー、欠伸なんてしちまって無防備だな。ほらほら、早速アホ面ぶら下げたナンパ野郎どもが来たぞ)



546 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:49:05.94 ID:dtNBwyMo [5/38]

ゾロゾロ…


垣根(3人ぽっちとはな。くくっ、ばぁか、相手を誰だと思ってんだかな。あいつらこの街がどこだかわかってねえのかよ?
    相手の力量も推し量らねえうちに誰かれ構わず挑んでいいのは格上のいねえレベル5だけだぜ)

御坂「……」 バチバチッ!

垣根(さてさてさて、第三位は一般人相手にどこまで……ハッ!)

垣根(待てよ、ここで俺があいつを助けりゃ沈利の好感度が上がるんじゃねえか?)

垣根(別にヨリを戻したいわけじゃねえが目も見てくれねえし会う度にボロカスに罵られるのは俺でも結構凹むもんな。
    せめて恩を売っておくのも悪くねえな)

垣根(よし、悪く思うな超電磁砲。お前を踏み台にさせてもらう!)


ダッダッダッ


乱暴そうな男「へっへっへっ、お姉ちゃん。こっちは三人もいるんだぜ、大人しく着いてきた来た方が身の為だと思うよー?」

金髪の男「大丈夫だって、ちょっと俺たちと飯でも食べてくれりゃいいんだからよー」

ドレッドの男「ちょっと細過ぎるけど顔は可愛いな。たっぷり可愛がってやるぜぇ?」

御坂「そろそろ帰っといた方が身のためよ? 私なんかよりもっと怖い人が戻ってくるから」

乱暴そうな男「あァ? 何言ってんだコラ。テメェが女二人で歩いてるとこずっと見てたんだよ」

金髪の男「そうそう。だから君のお友達が戻ってくるまでこうして待ってるからねー」



547 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:50:30.01 ID:dtNBwyMo [6/38]

御坂「いやだから、そのお友達ってのが……」

ドレッドの男「ギャハハッ! まあ二人とも痛い目見ないうちに大人しくブるスコッ!」 ガッ


ズザァァァァァアアア! ドォンッ


御坂「ほーら、私もう知らな……ん?」

垣根「そこまでだ三下ども」 ガッ

御坂(だ、誰…………?)

ドレッドの男「……」 ピクピクッ

金髪の男「だ、誰だテメェは!」

乱暴そうな男「ちっ、男もいたのかよ! だがこっちは二人がかり、負けるはずがブグフォッ!」


ズシャァァァァァアアアアッッ!


垣根「俺の未元物質に常識は通用しねえ!」

金髪の男「な、なんだこいつ……! 何もしてねえのに人が吹っ飛んだ……!? 念動能力か!?」

垣根「そんなチンケなもんと一緒にするんじゃねえぜ。くらえ! 未元大炸裂弾(ダークエクスプロージョン)ッッッ!」

金髪の男「ぎゃぁぁぁぁぁああっ!」 ドーン


プスプスプス…



548 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:51:51.20 ID:dtNBwyMo [7/38]

垣根「へっ、ここはテメェの知る場所じゃねえんだよ。大丈夫かい、君」 キリッ

御坂「……」

御坂(……ヤダ何この人。技名とか叫んでたしあんまり関わりたくないんだけど……一応お礼言っといたほうがいいのかしら)

垣根(あん? 外したか? ナンバーセブンみたいなノリでやっちまったのがまずかったのか?)

御坂「えと……なんだろ、危ないところを?」


ビシュゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッ! 


御坂(電子線!?)

垣根「うぉっ! っぶねー! 誰だ……ってまあ一人しかいねえか」

麦野「かぁぁぁきぃぃぃぃねぇぇぇぇっっっ! 誰に声かけてんのか分かってんのかしらゴミクズがぁぁッッ!」 ゴゴゴゴッ

御坂「し、沈利さん……」

御坂(完全に当てる気だったわよね今の……。ってどこかで見た顔だと思ったら沈利さんの元彼の……
    何のつもりで私に声かけてきたんだろ……)


ザワザワザワザワ… ナンダナンダ…? ノウリョクシャドウシノケンカ?


垣根「待て待て待て待て。衆人環視のこの状況で人の頭マジに吹き飛ばそうとするか普通」



549 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:54:54.63 ID:dtNBwyMo [8/38]

麦野「カァンケイねェェェんだよォォっ! 私に常識は通用死ねえェッ!」 バチバチッ

垣根「おいそれ俺の台詞。しかもより暴力的なアレンジ加えるな。っつか勘違いしてるぞ沈利。
    俺はこの子を助けようとしてだな……なあ、あんたからも説明してくれねえか? 
    沈利のやつ逆上せあがっちまってる」

御坂「え? あ、はい。あのー、沈利さん落ち着いて。この人の言ってること本当よ」

麦野「……美琴、アンタあれほどこのクズとは喋るなって言ったのに……」

御坂「いや、一言も会話してないけど」

御坂(一応お礼言おうとしたらあんたが電子線打ち込んできたからね)

麦野「え……本当?」

御坂「うん。だから落ち着きなさいよ」

麦野「……」 ジロッ

垣根「睨むな。超電磁砲の言うとおりだよ」

麦野「……分かった」

垣根「ふう。ったく相変わらず無茶苦茶しやがる」



550 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:56:58.52 ID:dtNBwyMo [9/38]

麦野「うるせえんだよゲロカス。テメェの顔1秒以上見てると虫唾が走るから苦しんで死ぬかのたうち回って死ぬかどっちかにしてよ」

垣根「怖え怖え。なあ知ってるか超電磁砲? こいつこんな口悪いけど、さっき俺がやったみたいに電子線に
    必殺技名つけてイキがってる可愛い時分もあったんだぜ?」

御坂「え、そうなの?」

麦野「な、ないわよそんなもん! 美琴、行くよ」 ガシッ

御坂「……う、うん」 

垣根「手なんか繋いでやんの。お前らやけに仲良いなぁ。ははーん、もしかしてデキてんのか?」 ニヤニヤ

麦野「あ……?」

垣根「ゲッ、冗談だ冗談。そんなマジな顔……」

御坂「っ……」 カァァ…

垣根「あン?」

麦野「テメェに関係ねえだろ……」 カァァッ

垣根「おいおい……。マ、マジか。なんつーかそりゃ……」

垣根(俺か? 俺の所為なのか? 俺の所為で沈利は男嫌いになって超電磁砲に手ぇ出す
    ロリコンビアン女になっちまったのか? さすがの俺も責任感じるぜ……)



551 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 22:59:03.16 ID:dtNBwyMo [10/38]

麦野「いいよ。何とでも言えば。でもそういうことだから、もう私の前に現れるな死ね」

垣根「よし沈利……一ついいか」

麦野「あ? 死ね」

垣根「落ち着いて聴けよ。お前に一つだけ言わなくちゃいけねえことがある」

麦野「口くせぇんだよメルヘン野郎死ね。クソが腹の中から匂ってくるから一生喋んな死ね」

垣根「オーライオーライ。語尾に死ねを付けてくるとはなかなか斬新な萌え要素だな。
    だが俺は王道がいいと思うね。そんなこと言わずになあ頼む後生だ。教えてくれ」

麦野「……チッ……何よ」

垣根「女同士ってどうやってヤるんだ?」

麦野「ブチ殺すっ!!!!」 キィィィィン

垣根「おーけーおーけー。今のは無しだ。ま、あれだ。こう言っちゃなんだがテメェらお似合いだよ」

麦野「……言いたいことはそれだけ? じゃあ死ねよ」

垣根「へっ、やなこった。じゃあな超電磁砲。こいつ短気でめんどくせえだろうけど気長に付き合ってやってくれよ。
    それじゃーな」 

御坂「っ…………」



552 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:01:21.19 ID:dtNBwyMo [11/38]


スタスタスタ…


垣根(あー……まさかあんな面白ぇことになってるとはな。
    あの時目と目で会話してたのはやっぱ見間違いじゃなかったってわけだ)

垣根(っつか距離縮め過ぎだろ。大事にしろとは言ったけど付き合えなんて言ってねえぞ)

垣根(まいいか、距離感間違えんじゃねえぞ沈利。テメェは不器用過ぎる女だからな)

垣根(……俺もそろそろあいつのことは忘れるか)

垣根(っつか結局、あいつらどうやってヤッてんだろうなぁ。それだけは知りたかったが、無理か。残念だ) ポリポリ



553 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:04:00.84 ID:dtNBwyMo [12/38]

―12:20―


麦野「ったく、何だったのよあいつ……」

御坂「ムカつく」

麦野「まったくだわ。けどあんなゴミにムカついてても疲れるだけだから気にしちゃ……って、え?」

御坂「ムカつくっ! 何よあの態度! 自分は沈利さんのこと何でも知ってるんだーって言い草!」

麦野「み、美琴……?」

御坂「沈利さんは今私の沈利さんなんだから! 短気なとこもイキがっちゃう可愛いとこも全部全部私のもんなのよ!
    それを何なのアレ! 気長に付き合ってくれなんて保護者気取りで!」

麦野「ま、まあまあ落ち着きなさいよ」 アセッ

御坂「あーもうっ腹立つー! あんたに言われなくたって沈利さんとはずっとずっと一緒なんだから!」

麦野「美琴ありがと。でも声。めっちゃ目立ってんだけど」

御坂「へ?」


ザワザワザワ… ヒソヒソヒソ… サイキンウワサガ… レールガントメルトダウナーガ… ヒソヒソヒソ…


御坂「あわわ……ま、またやっちゃった!」

麦野「っとにばかなんだから。けど今回はお金下ろしに行っててアンタを放置した私にも原因があるか。
    とりあえずここを離れましょ」 ギュッ



555 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:05:06.17 ID:dtNBwyMo [13/38]

スタスタスタ…


御坂「なんか自然に手繋ぐようになったわね、私達」 ギュッ

麦野「ぅ……」

御坂「あれー? 照れてるのー?」

麦野「照れてねえよ!」

御坂「ふふん、沈利さんはほんとに可愛いわねー」 ギュゥッ

麦野「……ちょっと嬉しかったのよ」

御坂「何が?」

麦野「私とずっと一緒にいるって言ってくれて」

御坂「あ、いやそれは……はは、ちょっとくさかったって言うか、子供っぽかったかしらねー」

麦野「ううん。……嬉しい」

御坂「そう。……沈利さん、どうかしたの?」

麦野「……」

御坂「話してよ。じゃないと分からないわよ?」



556 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:07:22.28 ID:dtNBwyMo [14/38]

麦野「うん……。美琴……私、アンタを抱いてちょっと後悔してるんだ」

御坂「……え?」

御坂(どういうこと……? それって私とエッチしたくなかったってこと……?
    沈利さんに指でしてもらったの……嫌だったのかな……)

麦野「私、もうアンタがいないと駄目だ」

御坂「……?」

麦野「アンタを抱いて。アンタの感触や匂いや味が、私の身体に染みついてしまったのよ。
    ……それが、ちょっと悔しい」

御坂「あ……」

御坂(そ、そういうことか……。てっきり嫌だったもんだと……)

御坂「い、いいじゃないのそんなの! 沈利さんがしてくれて嬉しかったし!
    というか……あんな気持ちいいの初めてだったし……」

麦野「……どこにも行っちゃ嫌よ、美琴」 ギュッ



557 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:08:30.33 ID:dtNBwyMo [15/38]

御坂「ちょっ、道の真ん中……!」

麦野「お願い美琴。さっき、垣根と話してるアンタを見てすごく不安になったの。
    ……私を不安にさせないでね……」

麦野(駄目だな私……こいつと一線越えちゃったもんだから、ますますハマっていってる……もう行くとこまで行っちゃうか?
    駄目駄目。こいつにしてもらったら……きっと一生抜け出せなさそうだ……)

御坂「ええ。何を不安に思ってるのかは分からないけど、私はあんたのもんなんだから、心配しなくていいわよ」

麦野「ありがと。ねえ、今日もしてあげよっか?」

御坂「い、いいわよ! 今日は沈利さんと買い物しに来たんだし」

麦野「そりゃ残念。アンタ見てたらすぐムラッときちゃうのよねー」

御坂「男子中学生かあんたは。知らないけど」

麦野「つまんないの。っつか、今日何買うんだっけ?」

御坂「えと、下着」

麦野「ほほー、それはそれは」 ニヤニヤ

御坂「な、何よその顔!」

麦野「べっつにー。私の好みのもんを買ってくれるのかなーって」



558 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:09:46.86 ID:dtNBwyMo [16/38]

御坂「エロくないやつならね」

麦野「ちっ。清純なのもそれはそれでそそるからいいけど」

御坂「あんたの頭はエロばっかなのね」

麦野「エロばっかなんじゃなくてアンタばっかなのよ」

御坂「うっ……そ、それは反則でしょ!」

麦野「反則なんて無い。アンタを最大限可愛がることが今の私の趣味なの」

御坂「喜んでいいのかしらそれ」

麦野「害は無いからいいんじゃない?」

御坂「そ、そっか」

麦野「んで、どこの下着屋行くの?」

御坂「あ、うん。すぐそこ」

麦野「よし、それじゃパパッと選んでお昼でも食べよ」



559 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:12:12.23 ID:dtNBwyMo [17/38]

―第七学区 ランジェリーショップ『ミーシャ』 12:30―


ワイワイワイ ガヤガヤガヤ


麦野「美琴、これはどう? 切り返しが可愛いと思うんだけど」

御坂「えー? 真っ赤な下着はちょっとねー……そんなの私似合わないわよ」

麦野「そうかしら。じゃあこっちは?」

御坂「どれ? うーん、これサイズ大きいかも。パット入れれば何とか……」

麦野「ちなみに下着もフリフリな奴がお好み?」

御坂「う、うるさいわね、いいでしょ。どうせパステルカラーばっかりよ!」

麦野「そういうのって脱がせた時は逆に興奮するから今度穿いてきてよね」

御坂「もうよくわかんない……」

麦野「あ、私これ好きかも。純白。レースとリボンが程良いフリフリ加減だし。アンタに似合いそうだよ?」

御坂「んー……」

御坂(確かに可愛いな……でもパンツは結構透けてるわねえ……これはどうなのかしら)

??「あ、私もそれ好きよー。けど美琴ちゃんにはもうちょっと活発な色の方が似合うかなーん、黄色とか」



562 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:15:35.26 ID:dtNBwyMo [18/38]

麦野「一理あるわね。黄色だとこっちにストライプが……」

御坂「あ、ストライプよりボーダーの方が私は……」

麦野御坂「「ん?」」

??「こういうさわやかなのはどうかしら。ミントグリーンで清潔感あると思わない?」

御坂「ちょっと! あんた何でここにいるのよ……!」

??「やほ。大学の用事で学園都市に来たのよん。用が終わってこの辺歩いてたらお店の中に美琴ちゃん見つけたから」

御坂「来るなら来るって言いなさいよね。ビックリするじゃない」

??「ごめんねー。昨日急に教授に言われちゃったのよー。しかも約束の資料が準備出来てないとかで10日も延期よ?
   私ってば完全に無駄足。仕方ないから美琴ちゃんに電話してご飯でも食べようと思ってた所を発見したってわけなの」

御坂「そりゃ災難だったわね、ってそうじゃなくて! 急に何なのよもう」

麦野「ねえ美琴、知り合い?」

御坂「えーっと……知り合いというか……」

麦野(美琴をそのまま縦に伸ばして胸を大きくしたような人ね。年は20代後半くらいかしら……?
    大学って言ってたし美琴の姉妹とか?)

麦野(こいつ姉妹なんていたのか。まあ仮にも恋人の身内だしちゃんと挨拶を……)

??「美琴のお友達? はじめまして。私は御坂美鈴。美琴の母です」



564 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:17:49.43 ID:dtNBwyMo [19/38]

麦野「あ、私は……って、は?」

御坂「この人私の母さんなの」

麦野「は? だって……え? どう見ても20代……えっ?」

御坂「沈利さん、一旦落ち着きましょう」

美鈴「嬉しいわねー。これでもとっくに三十路よん」

麦野(母親かよ……。何だこの若々しさは……腹立つな)

御坂「急に出てくるからびっくりしてじゃないのよ」

美鈴「えー。だって美琴ちゃんを驚かせようと思ったんだもん。
    それより紹介してよ、美琴の学校の子? それにしては大人っぽいわね」

麦野「ぐっ……!」

御坂「ちょっ! それは禁句っ!」

美鈴「え、何かおかしいこと言った?」

麦野「……」

御坂「し、沈利さん……悪気は無いの。怒らずに……」

麦野「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。はじめまして、お母様。麦野沈利と申します。
    美琴さんとは年が3つ離れていますが、いつもとても仲良くさせて頂いております」 キラキラキラ

御坂(誰よあんた……)



565 名前:あ、4つ差だったスマソ ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:20:17.04 ID:dtNBwyMo [20/38]

美鈴「やーねー。お母様なんてむずむずするわー。美鈴さんって呼んでね、麦ちゃん」

麦野「麦っ……!?」

御坂「ぷっ……」 クスッ

麦野「……」 ジロッ

御坂「ちょ、か、母さん。麦ちゃんはさすがにちょっと」 ハラハラ

美鈴「そう? 可愛いけど。しずちゃんの方がいい?」

御坂「それじゃ国民的アニメのヒロインみたいでしょうが。沈利さんは私の先輩なんだからあんまり失礼なことは」

美鈴「うるせぇ! 私が麦ちゃんって呼びたいのよーん。駄目? 麦ちゃん?」

麦野「うっ……い、いえ私は別に構わないですけど」 ドキッ

美鈴「よっしゃー! 見たか美琴ちゃん。押しの強さってのは大事なのよ!」

御坂「あーはいはい。沈利さんが文句無いなら私から言うことはないわよ」

麦野(間違いなく親子だわ……不覚にもこいつの母親にドキッとしてしまうなんて……) ドキドキドキ…

美鈴「それよりご飯食べた? まだだったら一緒にどう? もちろんママが御馳走したげるわよん」



566 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:22:11.47 ID:dtNBwyMo [21/38]

御坂「まだだけど……どうする、沈利さん?」

麦野「あ、それなら私は帰ります。たまにしか会えないんだし、親子水入らずでどうぞ」

美鈴「えー。私は麦ちゃんとも食べたいなー。美人の女の子をはべらして優越感に浸りたいのー」

麦野(酔ってんのか……? まいいか、美琴の家族なら)

麦野「分かりました。ご一緒させていただきますね」

美鈴「うんうん。素直でよろしい。麦ちゃんは可愛いね。ほら、アレよ。えーっと……ツ……ツン……ツンドラ?」

麦野「誰がツンドラだ!……ハッ! す、すみません思わず……」

麦野(美琴そっくりだからついツッコんでしまう……)

美鈴「そんなに気遣わなくていいって。美琴ちゃんだって私に友達感覚なんだから、君ももっと適当でいいのよ」

御坂「このバカ母! あんまり沈利さんに迷惑かけないでよね」

美鈴「何よぅ。娘のお友達と仲良くなりたいっていう母心じゃないのよぅ。
    見てろよー。今日一日で麦ちゃんと仲良くなってやるんだからー!」

麦野(ぐいぐい来るな……。悪い気はしないけど)



567 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:23:21.76 ID:dtNBwyMo [22/38]

美鈴「さてと。ここで喋っててもお店の迷惑だし、美琴ちゃん下着試着するならしてらっしゃい」

御坂「あ、そだ。買い物の途中だったのよね」

美鈴「すいませーん、お姉さーん。これ試着したいんですけどー」

店員「はーい。こちらへどうぞー」

美鈴「ありがとう。じゃ美琴ちゃん、ちゃちゃっと合わせてきなさい」

御坂「うん。ごめんね沈利さん、ちょっと待っててね」

麦野「ええ」


スタスタスタ シャッ 


麦野「……」

美鈴「~♪」

麦野「……」

美鈴「~♪」

麦野(気まずい……。何を話せばいいのかしら……。
    さすがに美琴の親に女同士で付き合ってるなんて言えるわけないし……)

美鈴「麦ちゃんおっぱい大きいわねー。触ってもいい?」 ムニュッ



568 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:24:53.16 ID:dtNBwyMo [23/38]

麦野「うひゃっ! な、何してんのよ!?」 

美鈴「ごめんごめん。美琴ちゃんがぺったんこだから。張りがあって羨ましいぞー」 ムニムニ

御坂「誰がぺったんこよ! 沈利さん困らせてんじゃないわよ!」 シャー!

美鈴「あら、聞こえてたか」 クスクス

麦野「仲良いんですね」

美鈴「そうかな? まあたまにしか会えないからねー。麦ちゃんのご両親は?」

麦野「私は……あまり家族仲が良い方では無いので。学園都市に来てから10年以上経ちますけど、
    数えるくらいしか会ってないし連絡もとってないです」

美鈴「そうなの。たまには帰ってあげると喜ぶと思うわよー?」

麦野「……ま、そのうちに。今は学園都市で色々とやることがあって忙しいですし」

美鈴「麦ちゃんって大人っぽいねー。君みたいな子が美琴ちゃんと仲良くしてくれてると、母親としては安心よね」

麦野(仲良くってもんじゃないけど……)

美鈴「あの子麦ちゃんに迷惑かけたりしてない? すっげー生意気でしょ?」

麦野「ええ、前はそうでしたけど、最近は結構素直ですし、可愛いですよ」

美鈴「うん、麦ちゃんって何となく美琴ちゃんと似てるとこあるわよね」



570 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:26:52.50 ID:dtNBwyMo [24/38]

麦野「はぁ? どこがですか」

美鈴「ツンドラっぽいところとか」 ククッ

麦野「それはもういいっつの。美鈴さんこそ、美琴そっくりですよ」

美鈴「そりゃ親子だもん当たり前でしょ。でも美琴ちゃんあの性格じゃ彼氏はなかなか出来ないだろうなー。
    好きな子にいじわるしちゃったりツンケンしちゃうタイプだもんねー」

麦野「そ、そうね……」

麦野(彼女はいるけどね)


コソッ


御坂「ねえねえ沈利さん、まず黄色着けてみたんだけどどうかな……?」 ヒョコッ

麦野「どれどれ……。ちょっと入るね。ん、もうちょいカップに沿って脇から肉を……よいしょ」

御坂「んっ、おお! 盛りっとなったわ!」

麦野「ね。うん、可愛い可愛い」

御坂「じゃあこれは買いで。次は白着るねー」

麦野「はいはい。また終わったら呼んで」


シャッ



571 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:28:58.98 ID:dtNBwyMo [25/38]

美鈴「ふぅん」 ニヤニヤ

麦野「なんですか?」

美鈴「麦ちゃんはそれだけ美人でおっぱいも大きいし、おまけに面倒見もよさそうだからモテるでしょー。
    彼氏いないのー? んー? 私にも教えてよー、このこのー」 ニヤニヤ

麦野「いません」 キッパリ

美鈴「ちぇー、若い子の恋の話聞きたかったのに」

麦野「美鈴さんは……」

美鈴「んー? なになにー?」

麦野「美琴に恋人がいたら、どう思いますか……?」

美鈴「そりゃ嬉しいわよぅ。あの子にとって大事な人なら、私にとっても大事な人だからね」

麦野「そうなんだ……」

美鈴「あーでもちょっと寂しい気持ちもあるかなー。もうママは娘にとっての一番じゃないのねーって感じ?」

麦野「今までは一番だったのかしらね」

美鈴「グサッ! 刺さる! 刺さるわよ麦ちゃん! 麦ちゃん時々きついこと言うわね」

麦野「そんなことないです。フツーですよ」



573 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:30:39.91 ID:dtNBwyMo [26/38]

美鈴「あ、そうだ。麦ちゃん電話番号とアドレス教えてくんない?」

麦野「は?」

美鈴「美琴ちゃんともしてるんでしょー。私ともしようよー」 スリスリ

麦野「は、はあ……」

美鈴「ほらほら、携帯出して。赤外線で送るわね」

麦野(まいっか。美琴のこと訊くこともあるかもしれないし……) カチャッ

美鈴「はいこれ私の番号とアドレスね。よっしゃー、若くてピチピチした女の子のアドレスゲットだぜ!」

麦野(私あいつとアドレス交換した時結構緊張したんだけどな……。普通はこんなあっけないもんよね)

美鈴「君は『友達』のカテゴリに登録しておくからね。メール送るわね、麦ちゃん」

麦野「ええ。気が向いたら返してあげますね」

美鈴「ああん、麦ちゃんのいけずー。でもそういうとこ可愛いぞー」 ツンツン

麦野「ほっぺ突かないでくれます?」



578 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:33:49.44 ID:dtNBwyMo [27/38]

コソッ


御坂「沈利さん、白はちょっとサイズ大きかった。ミントグリーン着けてみたけどどう?」

麦野「どれ。これもピッタリね。色も似合ってるし、いいんじゃない?」

御坂「じゃあこれも買うね」

美鈴「どれどれー? 私にも見せてよー。あら、美琴ちゃんちょっとおっぱい大きくなったわね。
    よかったじゃない」

御坂「ま、まあね」

美鈴「ん? 美琴ちゃん、ここ虫刺されてるわよ」

麦野「!」

御坂「!」

美鈴「内出血してるみたいね。ひっかいたのかしら。
    しっかり薬でも塗っとかないと、これじゃまるでキスマークみたいよーん」 ケラケラ

御坂「そ、そそそそんな訳ないじゃないのー! 虫刺されに決まってるでしょ!」

美鈴「? 何慌ててんだか。逆にあやしーぞー?」 ニヤニヤ

御坂「ば、馬鹿なこと言ってんじゃないわよ! ほら着替えるんだからそこどいて!」



580 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:36:24.27 ID:dtNBwyMo [28/38]

美鈴「ふふーん、ま、美琴ちゃんにはまだ早いわね。そういや例の彼とはどうなったのかなーん?」 ニヤニヤ

麦野「っ……!」

御坂「っ……!」

美鈴「あ、あれ……?」

御坂「……」

麦野「……」

美鈴「えーっと……私何か訊いちゃいけないこと訊いちゃったかしら」

御坂「……あいつのことはもういいの」

美鈴「そ、そう? ご、ごめんね」

御坂「べっつにー。気にしてないわよ」 シャッ!

美鈴「あっ……」

麦野(あの男のこと知ってたのか……。ま、これは仕方ないな)

美鈴「あ、あはは……なんかまずいこと訊いたかしら」

麦野「ちょっとだけ」



581 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:38:33.03 ID:dtNBwyMo [29/38]

美鈴「久しぶりに美琴ちゃんに会って嬉しくて調子に乗っちゃったみたいだわ。反省反省」

麦野「美琴も嬉しそうですけど」

美鈴「ほんと? 第三者の視点からそう言われると嬉しいわねー」

麦野「学園都市にはいつまで? 10日後に延期っておっしゃってましたけど」

美鈴「日帰りの申請しか出て無いから今日中には帰らないといけないの」

麦野「なかなかゆっくり会えないのね」

美鈴「そーなのよねー。まあでも年末は帰省してくれるだろうし、元気でやってくれてるみたいだからいいのよ。
    麦ちゃん達が仲良くしてくれているおかげね」

麦野「いや私は……。仲良くなったのはここ1カ月程だし」

美鈴「そう? 麦ちゃんと話してる時の美琴ちゃんはリラックスしてるっぽいわよ。
    麦ちゃんのことよっぽど信頼してるのね」

麦野「……そ、そんなこと……」

麦野(やだ……ちょっと嬉しいじゃないの……)    

美鈴「これからもうちの娘をよろしくお願いします。麦ちゃんも年末年始時間があれば美琴ちゃんと一緒に遊びに来てね。
    こんな可愛い女の子が来てくれたら旦那も大喜びだわぁ。くそっ、若さが忌々しいっ!」



582 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:41:33.93 ID:dtNBwyMo [30/38]

麦野「あーそーですかー。……ご迷惑じゃなければ」

美鈴「迷惑なわけないでしょ。遠慮しないでおいで。ほら、美琴も思春期でしょ。家族と過ごすよりお友達と
    一緒にいるほうがきっと楽しいだろうし。私も麦ちゃんとお風呂に入りたい」

麦野「ごく個人的な欲望が混じってるわよ」

美鈴「だって麦ちゃんの胸絶対私くらいあるでしょ! なのに若さの所為で張りがあるのよ!
    悔しいから若いエキスを吸い取ってやろうと思うわけ!」

麦野「美鈴さんも十分お若く見えますけどね」

美鈴「ふっ、老いは女の永遠の敵なのよ」

麦野「それは同感……。私も仲間内からしょっちゅうババァ呼ばわりされて……」 トオイメ…

美鈴「麦ちゃんがババァだったら私は一体何なんだコラー! っと冗談はさておき、マジメな話髪型とお化粧とで
    大分変わると思うわよん」

麦野「いやそれは分かるけど今更大きく変えると周りに何言われるか」

美鈴「駄目駄目。そういう停滞こそが衰えの元よ! 麦ちゃん確かに大人っぽいとこすごく魅力的だけど、
    まだまだピチピチの十代なんだし、そもそも骨格がもう超美形なんだからそんなにしっかり髪巻いたり
    がっつり化粧しなくても全然いけるんじゃない? そういうのは二十代中盤からでも余裕で出来るわよ」

麦野「あー、そういや美琴にもスッピンの方が可愛いとか言われたような……」

美鈴「何ぃっ! それは見たい! やっぱり年末はうちに来なさい! そしてスッピンを見せろ!」



583 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:44:33.10 ID:dtNBwyMo [31/38]

麦野「考えときます」

美鈴「絶対よ! もう美鈴さん張りきってご馳走作って待ってるからね!」

御坂「ったく盛り上がってるから何話してるかと思えば、あんまり無理強いしないでよねー。
    若い子と仲良くするのも美容に良いとか思ってんでしょうけど、傍から見てるとちょっと痛いわよー」 シャッ

美鈴「なにぃっ! 美琴ちゃんはいつからママにそんな口を利くようになったんだ!
    あんまりナマ言ってると昔の面白エピソード麦ちゃんに赤裸々に語っちゃうわよーん?」

御坂「な、何よ面白エピソードって! ふざけんじゃないわよ!」

麦野「それ是非詳しく訊きたいから早く食事に行きましょう」

御坂「ちょっ! 沈利さん、何興味示してんのよ!」

美鈴「そーかそーか。麦ちゃんにだけ特別に教えてあげましょう。ほら美琴、それ買うんでしょ? 
    せっかくだし私が支払いしたげる」

御坂「いいわよそんなの。お金ならあるし」

美鈴「まー可愛くない。聴いた麦ちゃん? 娘がせっかくの母の好意を金ならあるからいらねえって切り捨てやがったわよ。
    これだからガキんちょに大金持たせるとロクなことにならないのよねー。はぁ悲しい悲しい」

麦野「美琴ちゃんてばサイッテーね」 ボウヨミー

御坂「な、何で沈利さんはそっち側なのよ!」

麦野「なぜならその方が面白いから。そして困ってるアンタを見たいから」



584 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:46:37.13 ID:dtNBwyMo [32/38]

御坂「ぐぐっ、わ、わかったわよ。じゃこれお願いね」

美鈴「よし。それじゃちょっと待っててねー。そこの美人の店員さーん、これくださーい! 
    娘の勝負下着なんですー!」 スタスタスタ

御坂「あンのバカ母ぁっ! ……ご、ごめんね沈利さん。うるさかったでしょ」

麦野「超苦手なタイプだわ。でも嫌いじゃないよ。アンタのお母さんだもん。っつか似過ぎ」

御坂「そうかしら。……ってかそれより、私達のこと話さない方がいいわよね?」

麦野「さすがにちょっとねー……。まあ今回はやめときましょ。また機を見てからでも遅くないわ」

御坂「うん、うかつに話すとめちゃくちゃ興味津々な顔で色々訊いてきそうだもんね……」

麦野「想像できる……反対されなさそうではあるけど……めんどくせぇ」

美鈴「なになにー、何の話ー? 美鈴さんもまぜてよー」 ガシッ

御坂「ぎゃっ! び、びっくりさせないでよ!」



585 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:47:43.54 ID:dtNBwyMo [33/38]

美鈴「何がー?」

御坂「何でもない!」

美鈴「? まいいわ。それよりはいこれ」 スッ

御坂「ありがと……何か母さんと買い物なんて久しぶりね」

美鈴「そうね。またゆっくり行きましょ。さ、ご飯ご飯。何食べたーい?」

御坂「何でもいい」

麦野「お任せします」

美鈴「何よぅ、張り合いないぞー。じゃあっちにダイニングレストランあったからそこ行きましょう」

御坂「はーい」

麦野(ん? 何だ、なんか嫌な予感が……)



586 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:49:16.68 ID:dtNBwyMo [34/38]

―ダイニングバー『ナイトリーダー』 13:30―


ワイワイガヤガヤ


美鈴「さ、麦ちゃん、美琴ちゃん。好きなもの何でも頼んでね。はいメニュー」 スッ

麦野「どうも」 スッ

御坂「ってちょっと! どこがダイニングレストランなのよ! バーって書いてあんじゃないの!」

美鈴「細かいことはいいの。こっちは神奈川くんだりからわざわざ長時間かけて来たのにとんぼ帰りさせられるのよ。
    飲まなきゃやってらんないっての」

麦野(中学生の娘とその友達の前で飲むか普通……)

御坂「ったくもう! ……あ、でも普通のランチもあるんだ」

美鈴「当たり前でしょ。ご飯食べに来たんだから。よし、まずはやっぱ生中よね」

御坂「セリフたった1行の中で矛盾しないでくれる? ねー沈利さん」

麦野(私は何にしよう。生中もいいけどレモンサワーとかさっぱりしたのも飲みたいわね……)

御坂「ストーップ! あんたお酒のメニュー普通に見てんじゃないわよ!」

麦野「あっ。悪い、酒の種類多いとつい目線がいっちゃうのよね」

美鈴「麦ちゃんいけるクチねー。飲んでもいいわよー」



587 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:52:15.87 ID:dtNBwyMo [35/38]

御坂「未成年に勧めるなバカ母。 大きな声じゃ言わないけど……」

美鈴「18つったら大学生ならみんなバカみたいに飲んでるじゃない。
    あんま褒められたことじゃないけど、まあ麦ちゃんその様子だとお酒飲み慣れてそうだし、
    とやかく言わなくたって大丈夫でしょ。あ、もちろん中学生の美琴ちゃんはジュースよん」

御坂「分かってるわよ。飲めって言われても飲まないっての」

麦野「悪いわね」

御坂「んで結局あんたも飲むんかい」

麦野(正直酒でも入れないとこの母のテンションには着いていけねぇんだよ)

美鈴「ご飯はどうする? 私はこのヘルシーランチセットにしよっと」

御坂「昼間っからビール飲んでる人がヘルシーとか付けんなっての」

麦野「私は五穀米ランチセット」

御坂「だからなんなのあんたらのその健康志向。ダイエットコーラ飲んだって痩せるわけじゃないのよ」

麦野「ごちゃごちゃうっさいわねー。アンタはどうすんの?」

御坂「私も沈利さんと同じものにする」

麦野「散々文句言ってそれか」

美鈴「よし決まりね。すいませーん! 注文いいですかー」



588 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:53:54.78 ID:dtNBwyMo [36/38]

店員「お待たせいたしました」

美鈴「ヘルシーランチセット1つと、五穀米ランチセットが2つ。あとは生中と……麦ちゃんは?」

麦野「レモンサワーで」

御坂「私はウーロン茶」

店員「かしこまりました。少々お待ち下さい」 ペコッ

美鈴「にしても二人ほんと仲良いわね。どこで知り合ったのー?」

御坂「んーっと、沈利さんは私と同じレベル5なのよ。その縁で色々あって……」

麦野(まあ殺し合ったなんて言えないわよね)

美鈴「へー、麦ちゃんも超能力者ってやつなのね。どんな能力なの?」

御坂「原子崩しって言って、えっと……電子を粒子と波形の中間の曖昧な状態に固定して操る……だったかしら」

美鈴「? つまりどうなるの?」

麦野「簡単に言えばどんな遮蔽物もお構いなしに貫く電子線になるのよ」

美鈴「なるほど、すごーいビームね」

麦野「……それでいいわ」



589 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:56:58.95 ID:dtNBwyMo [37/38]

美鈴「でもそんなのどこで使うの? 人に向けて撃てないでしょ」

麦野「もちろん。そんな危ないこと出来るわけがないです」 シレッ

御坂「!?」 

美鈴「そうよねー。レベル5って言うとやっぱりかなり凄い能力なのよね?」

御坂「そ、そりゃすごいわよ。壁なんか紙みたいに穴開くんだから」

麦野「使い道としては工業分野が主ですね。モノの加工に関する研究に応用できます」

美鈴「案外便利なのね。痴漢とかに襲われても大丈夫そうだし」

御坂「ある意味痴漢がもっとも襲ってはいけない相手よね……」

美鈴「女の子の一人暮らしって物騒だもんね。気を付けないと駄目よ」

麦野「ご心配ありがとうございます。でも大丈夫ですよ」

御坂(私が痴漢だったら沈利さんの半径1キロ以内には近寄らないわ)

店員「お待たせいたしましたー。お先にお飲みものをお持ちしました」 ゴトッゴトッ

美鈴「どうもー。それじゃまあ乾杯しましょう」

麦野(ここ最近よく酒飲んでるな。好きだからいいけど)

美鈴「それじゃ、麦ちゃんと私達親子の出会いかんぱーい!」

御坂「なんじゃそら……」 カランッ



590 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/02(月) 23:59:11.39 ID:dtNBwyMo [38/38]

―店前 16:30―


美鈴「うへぇ~い、いい気持ち~」 フラフラ

御坂「ちょっとしっかりしなさいよ……! 調子に乗って飲みまくるから……!」

美鈴「だってー。可愛い子を二人も連れてお酒飲めるんだもーん。嬉しいに決まってるじゃなーい」

麦野「おっさんか……私もちょっと飲み過ぎたわ……」

美鈴「こらこらー、私人妻よーん。おばさん酔わせて何するつもりかなーん? 麦ちゃーん」

麦野(うぜぇ……酔い方まで親子そっくりじゃない)

御坂「ったく二人して私の小さいころの話で盛り上がってんじゃないわよ。こっちがどんだけ恥ずかしいか!」

麦野「あら、そんなことないわよ。犬にさらわれた事件なんか傑作だったけど」

美鈴「でしょー? うちに来たらアルバムも見せてあげるわよーん……グー」

御坂「私は何も覚えてないんだから。母さん寝るなー!」

美鈴「ふぇ……? あー、ヤバッ、そろそろ行かないと遅くなる! 二人ともこれからどうするの?」

御坂「どうしよっか。微妙な時間よね」

麦野「アンタの寮まで歩いてたらいい時間になるんじゃない? 酔い冷ましがてらに散歩でもしましょ」

591 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/03(火) 00:00:52.01 ID:M9DwAoUo [1/3]

美鈴「そっかそっか。気をつけて帰るのよ」

御坂「分かってるって」

美鈴「麦ちゃんも今日はありがとねー。手のかかる子だろうけど……美琴のことこれからもお願いね」

麦野「……はい」

美鈴「それじゃね、また10日後くらいに学園都市に来るから、時間があったら会いましょ」

御坂「あんたこそ気をつけんのよー!」

美鈴「タクシー拾うから大丈夫ー」 フラフラ スタスタスタ

麦野「大丈夫か……嵐のような人だったわ」

御坂「今日はいつもより余計にテンション高かったけど。沈利さんに会えてうれしかったんじゃない?」

麦野「あー……あんた友達少ないもんね。娘が友達と仲よさそうに歩いてたらそりゃ嬉しいか」

御坂「うるさいなー……人のこと言えないでしょ」

麦野「まあね。さ、私達も帰りましょう」

御坂「ん……」 スッ

麦野「はいはい。美琴ちゃんはお手手繋いでないと泣いちゃうんでちゅよねーん」

御坂「ち、小さい時の話はもうやめ!」



592 名前:19日目 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/08/03(火) 00:02:13.67 ID:M9DwAoUo [2/3]

麦野「くくっ、そりゃ残念。……でも不思議なもんね」

御坂「ん?」

麦野「アンタは垣根のクソに私のことよろしくって言われたらムカついてたけど、
    私は美鈴さんにそう言われても嬉しいだけだった。
    当たり前と言えば当たり前だけど、なんか変な感じ」

御坂「そう? んー、私もあんたの両親に会ってみたいわねー」

麦野「別に何も言われないと思うわよ。放任過ぎて私に興味無いみたいだし」

御坂「ゲッ、そうなの?」

麦野「そうそう。まあ放っておいてくれるのは嫌じゃないけど。
    今はもう学費も生活費も全部自分で払ってるし、特にあの人たちに想うことは無いわね」

御坂「な、なんかどう返していいのか困るわね……」

麦野「別に。寂しいとか思ったことは無いから」

御坂「そう……」

麦野「今はアンタがいるしね」 キュッ

御坂「……そうね。私も同じ気持ちよ、沈利さん」 キュッ

御坂(寂しくないか……。本当にそうなの? 私を不安にさせないで、なんて言ってたのに。
    ……沈利さんは、私だけでいいのかしら……?)


麦野「美琴、私のものになりなよ」【2】-3
に続く

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