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唯「生徒会執行部!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:20:11.64 ID:dy0qQqxHO [1/40]
律「ムギ~、紅茶のおかわり頼む」

澪「あ、私もおねがい」

紬「まだいっぱいあるから沢山飲んでね」

梓「あのーみなさーん……」

紬「どうしたの梓ちゃん? 梓ちゃんも紅茶のおかわり?」

梓「そうじゃなくて、いいかげん話し合いしましょうよ!私たち仮にも生徒会執行部なんですよ!」

律「だってよ、会長」


唯「んー?」ホジホジ

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:25:09.31 ID:dy0qQqxHO [2/40]
梓「唯先輩も耳かきしてないとなんか言ってください!」

唯「んー……」ホジホジ

梓「唯先輩!」

唯「あ、取れた……まあまああずにゃん、落ち着きなよ。やることなんて特にないんだから」

梓「な、なにを言ってるんですか唯先輩! 私たち執行部は学校をまとめるために選ばれた代表なんですよ!」

澪「それはだいぶおおげさだと思うぞ、梓」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:30:46.52 ID:dy0qQqxHO
律「だいたい学校の代表って言ったってなあ」

紬「私たちは確かに選挙に立候補して選ばれたわけだけど……」

澪「規定の人数の七人に対して立候補者は五人だったわけだし」

律「しかも澪は、立候補してないしな。
執行部の数が五人ではまずいって、さわちゃんが言って、それでテキトーに引っ張ってきただけだし」

澪「確かに。それにやることも五月は大してないし。オマケに会長はあの調子だしな」


唯「ほけー」

梓「唯先輩!」

唯「ああ、ごめんね。なんの話してたっけ?」

梓「ああ、もう!」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:32:54.58 ID:dy0qQqxHO
唯「まあまあ、あずにゃん、ゆったりとした時間をもつのも大切だよ」

紬「そうね。七月手前から忙しくなるわけだし」

律「そういうことだって」

梓「むむ……」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:38:21.87 ID:dy0qQqxHO
どうもこんにちは。中野梓です。

見てのとおり私たちは生徒会執行部として、働いています。
働いていない? ち、違います。これからバリバリ働くんです。……そのはずです。

軽音部はどうしたのか?

軽音部はどうやら私がこの私立桜ヶ丘高校に入る前につぶれたそうです。
なんでも部員が足りなかったらしく、二年前になくなったとか。


しかし、そう。私の記憶ではそんなわけはないのです。

本来ならティータイムをするのは、生徒会室ではなく音楽準備室でした。

しかし、ある日急にそうではなくなったのです。

そのある日の話をしたいと思います。

以下回送です。どうぞ。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:43:40.53 ID:dy0qQqxHO
梓『さてと、今日こそ部活ガンバらなきゃ!』

純『え?』

梓『なに? なんか私変なこと言った?』

純『いや……梓って部活入ってたの?』

梓『純こそなに言ってるの。私、軽音部に入ってるよ。なにを今さら言ってるの?』

純『梓、軽音部はとっくにこの学校にはないから』

梓『……あんまり面白くない冗談だね』

純『それはこっちの台詞だよ』

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:45:43.68 ID:dy0qQqxHO
梓『まあいっか。私、軽音部行くから』

純『はいはい、勝手に行けば?』

梓『純はなに言ってんだか』

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:50:08.49 ID:dy0qQqxHO
梓『さて、とりあえず音楽準備室に来たわけだけど……まさかね』

梓『軽音部が潰れてるなんてそんなまさか……』

梓『こんにちはー』ガチャリ

『ちょっと、そこ!』

『は、はい』

『また早くなってる。もっときちんと音を聞いて指揮者見て演奏する!』

『わ、わかりました』


梓『え……? なんで音楽準備室で吹奏楽部が練習してるの……?』

女子生徒『どうかしましたか?』

梓『あ、ああ……えーと……』



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:54:45.28 ID:dy0qQqxHO
女子生徒『?』

梓『あ、あの……なんで吹奏楽部がここで練習してるんですか?』

女子生徒『なんでって、ここが吹奏楽部の練習場所だからですけど』

梓『じゃあ軽音部はどこで練習してるんですか?』

女子生徒『軽音部? うちに軽音部なんてあるんですか』

梓『な、なに言ってるんですか! 去年だって一昨年だって学園祭で演奏してたじゃないですか』

女子生徒『そんなこと言われても……』

梓『もういいです。失礼しました』

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:59:26.57 ID:dy0qQqxHO
梓『まったく……失礼な人たちです……!』

律『おーい、梓』

梓『あ、律先輩、ちょうどいいところ……』

律『そんなのはいいからちょっと手伝え』

梓『え? なにを手伝うんですか?』

律『この冊子の束運ぶの手伝ってよ』

梓『構いませんけど、なんなんですか、律先輩が抱えているその冊子な束は?』

律『学校見学に来る中学生に配る冊子だよ』

梓『誰かに頼まれたんですか?』

律『頼まれた、ていうか、私ら執行部の仕事じゃん、こういうのって』

梓『はい?』

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:03:56.59 ID:dy0qQqxHO
律「だから執行部だって。ていうか早く持ってよ」

梓『律先輩? 私たちは軽音部ではあっても執行部ではないはずです』

律『はあ? ……ああ、まあいいや、とりあえず半分持て』

梓『ちょ……おもっ……』

律『私はこれを一人でやってたんだぞ』

梓『なんでムギ先輩に頼まないんですか……』

律『ムギはムギでなんかお取り込み中だったんだよ。ほら、持ってくぞ』

梓『んんん……!』

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:10:18.37 ID:dy0qQqxHO
律『あー、ようやく着いたー!』

梓『ここ生徒会室ですよね?』

律『それがどうかした?』

梓『いえ、別に』

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:45:09.13 ID:dy0qQqxHO
律『ただいま戻ったぞー』

澪『あ、戻ってきたな』

唯『りっちゃん、おかえり。あずにゃんもおかえりー』

梓『……』

澪『どうした、梓。ぼーっとしちゃって』

梓『なんで皆さん生徒会室に集まってるのかな、と思って……』


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:52:59.20 ID:dy0qQqxHO
唯『なんでって……』

律『私らが生徒会執行部だからに決まってんじゃん』

梓『はあ?』

澪『そんな声出さなくても……』

梓『なに言ってるんですか、先輩方は。私たちは軽音部でしょう?』

唯『けーおんぶ?』

律『けいおんぶって……軽音部か?』

梓『そうです』

澪『軽音部は三年前になくなってるから今はないはずだろ?』

梓『…………?』

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:58:31.22 ID:dy0qQqxHO
梓『な、なにをみなさんは……』

紬『今戻りました~』

澪『お疲れ、ムギ。それで私たちはなにをすればいいんだ?』

紬『先生が言うには、私たちはね…………』


ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ


梓『(どうなってんの……?)』

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:06:18.06 ID:dy0qQqxHO
それから私は先輩方から必死に話を聞き出しましたが、どうやら冗談抜きで軽音部なる部活はないそうです。

そして軽音部メンバーは全員、生徒会執行部に所属することになっているらしいです。

他にも色々と部活以外にもおかしなことが起きているのですが、とりあえずは生徒会の話から。

どうぞ。

回想終了。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:13:22.62 ID:dy0qQqxHO
梓「そもそも生徒会ってなにするんですか?」

律「雑用」

澪「まあ、雑用だな」

梓「雑用って……なんかもっと生徒会ってすごいんじゃないんですか?」

唯「生徒会がすごい……あずにゃんはどんな生徒会を想像してたの?」

梓「なんていうか、学校を実は裏から支配してたりとか……」

紬「それはちょっと有り得ないわね……」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:26:34.44 ID:dy0qQqxHO
梓「あの、みなさんの話はイマイチ参考にならないので、なにか今までの生徒会活動についての用紙とかないんですか?」

紬「あ、それなら……はい、梓ちゃん」

梓「これは……後期生徒会活動詳細用紙……」

澪「私たちの前の生徒会の活動について書かれた紙だな」

梓「……って、掃除道具を入れるロッカーを一箇所にまとめた」

梓「……これだけ?」

唯「うん、それだけ」

梓「しょぼい!」

律「そんなもんなんだって、現実は」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:31:46.01 ID:dy0qQqxHO
唯「ちなみにその掃除道具入れ用のロッカーを一箇所にまとめたっていう案はね」

唯「生徒が道具をもとのロッカーに入れずぐちゃぐちゃにするという理由で、結局もとに戻ったんだよ」

梓「ダメダメですね」

律「まあ、そんなもんなのさ」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:35:45.57 ID:dy0qQqxHO
ダメだ俺はなにを書いてんだ?

違う話に変えていい?
誰も見てないしいいよね

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:43:39.98 ID:dy0qQqxHO
ごめんね。でもこのスレでやるから許して。じゃあ次は

唯「和ちゃんが死んでる……!?」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:51:12.78 ID:dy0qQqxHO
私は秋山澪。桜ヶ丘高校というとんでもなくおバカな学校に通うJKだ。

ちなみに桜ヶ丘高校がどれくらいバカなのかというと、
高校入学最初の数学の授業が引き算から始まったと言えば、だいたい見当はつくと思う。

しかし、あえて自身の名誉のために言うが私自身は、中学生の頃から優等生だった。



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:20:35.20 ID:dy0qQqxHO
ではどうして優等生であった私がそんなおバカな桜ヶ丘高校に行ったのか。

すべては田井中律のせいだった。


進路面談二日前。律は私に行ったのだ。


律「澪、お前友達いないじゃん」

澪「うん、律しか私には友達がいないな」

律「高校生になって私と別れるのはつらいだろ?」

澪「うん、だいぶね……」

律「じゃあ私と一緒の高校に入れよ」

澪「え? 律と一緒の高校? そもそも律の頭で入れる高校なんてあるのか?」

律「ここだ」

澪「これは日本一バカな高校、桜ヶ丘じゃないか!」

律「ここなら私も入れる」

澪「わかった。私もここに入るよ!」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:26:01.13 ID:dy0qQqxHO
そんなこんなで私と律は桜ヶ丘の入試を受けた。

引き算さえできればこの学校は受かるという噂通り、試験はクソ簡単だった。

言うまでもないが受かった。


そして入学式。


唯「ういーおわかれだよー」

憂「おねえちゃ~ん」

紬「ヤダ!お金がかばんから溢れてる!」

梓「むったん!むったん!むったん!むったん!」

和「ふっ……バカばかりね」

澪「…………」

どうやら私はとんでもない学校に入ったらしい。
入学式の日、私はひとりひっそりとそう思った。

ヤバいやつらばかりの教室で私は明らかに浮いていた。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:31:33.43 ID:dy0qQqxHO
澪「ああーどうしよー律ー」

澪「変な人ばかりだよ」

澪「わ、私、友達できるかな?」

澪「き、緊張するよ」

澪「お、おい律聞いてるのか」

澪「おい律!」

返事がない。そうだ忘れていた。

律は桜ヶ丘の試験に落ちたのだ。

澪「律……お前引き算もできなかったんだな……」

律のあまりの知能の足りなさと、これからの私自身の境遇を想像して、私は涙を流した。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:41:56.03 ID:dy0qQqxHO
しかし、私の予想とは裏腹に意外とすぐに打ち解けることができた。

今ではみんな仲良しさ。ははは。

唯「お腹すいたーなにかちょーだーい」

コイツは平沢唯。頭の中が生クリームでできているのか、言動が色々アレだ。
しかし、まあイイヤツだと思う。ちょっと知的障害っぽいが、これでも彼氏がいるらしい。

紬「唯ちゃんは、じゃあこの札束でも食べてなさい」

今、唯の口の中に札束をツッコンでいるのは琴吹紬。沢庵みたいな眉毛が特徴だ。
金持ちらしく、かばんや制服のポッケに札束をいつでも隠している。

梓「うぃぃん、きゅいっ……ふぅ、いい汗をかきました」

コイツは中野梓。ロリコンホイホイ。楽器が趣味らしいが詳しくは知らない。

憂「おねえちゃーん、おねえちゃーん、私を食べてー」

平沢憂。唯の双子の妹。なんか色々危ない。私は彼女とはあまり関わりたくない。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:49:46.95 ID:dy0qQqxHO
和「……ふっ、バカばかりのこの学校で私は眼鏡を静かに拭く……くくく」

なんだかよくわからない女。真鍋和。いきなり一年にしてこの学校を仕切っている恐ろしいやつだ。
なんでも唯とは面識があるらしい。頭も実はメチャクチャいいんだとか。


律「今日の放課後なにするー?」

なんでお前がここにいるんだというツッコミはしないぞ、律。


唯「ケーキ食べよーケーキだよー」

憂「お姉ちゃんかわいい~」

紬「梓ちゃんこの札束、お尻使うようにどう?」

梓「いえす!ういーかん!」

和「くくく……もうすぐ私の野望が叶う、あははは」

律「お前ら聞けよー、だははははは」

澪「…………」


同じ空間にいるのに時折、寂しいと思ってしまうのはなぜだろう。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:55:50.17 ID:dy0qQqxHO
ある日、私はみんなに言った。


澪「なあ、みんな聞いてくれないか?」

私は正直今のままでは高校生活がダメなままで終わってしまう気がしていた。

いや、こんな学校に入った時点で人生を詰んでしまっている気がしないでもない。

しかし、それでもバカはバカなりに青春を楽しむべきだと思った。

だからチキンで根暗でダメな私は言ってやったのさ。

澪「なにか私たちで部活を作ろうよ!」

みんながいっせいに私を見る。そして異口同音に言った。

「「「誰だよお前?」」」


私の存在は未だに認識されてなかった。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:03:31.45 ID:dy0qQqxHO
私はみんなの前で自己紹介をした。入学式から既に一ヶ月が経過していたのにも関わらず。

私は影で泣いた。

挨拶をし、私はみんなと握手を交わした。

律「初めまして。よろしくな、澪」

律まで初対面として挨拶をしてきた。まさか唯一無二だった友人に忘れられるとは。
さすが引き算もできない脳みそだ。私のことをずっと記憶にとどめておくことができなかったのだろう。

私はまた泣いた。


今度は律が言った。

律「みんな、なにか部活を作って青春を廊下しようぜ」

みんながいいねいいね、と口々に律の案を褒めた。

私のときとのリアクションの違いに私は三度目の涙を流した。


あと、律。廊下じゃなくて謳歌だよ。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:14:43.89 ID:dy0qQqxHO
律「……つーても、どんな部活を作る?」

唯「私、ケーキ食べる部活がいいよー」

憂「お姉ちゃんがいうならお姉ちゃんの言うとおりにしまっせ」

紬「唯ちゃん、札束でケーキ作ったわよ」

梓「みなさん、カムサハムニダ!カムサ!」

澪「…………」

私たちが真面目に議論しているとやつが現れた。

真鍋和。和は言った。


和「アンタたちクズがやるクズ部活なんてクズ以下だから今すぐクズみたいなクズの話し合いはやめなさい」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:20:53.58 ID:dy0qQqxHO
そしてそんなことを真鍋和に言われた次の日。

私はちょっとした用事があって生徒会室にお邪魔した。








真鍋和が床に倒れていた。床には花瓶のものと思われる破片と、百合の花が落ちていた。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:30:12.05 ID:dy0qQqxHO
唯「和ちゃんが死んでる……!?」

どうしてお前がここにいるんだというツッコミをしたかったが私はしなかった。

私は急いで、律、紬、梓、憂を呼んだ。

律「和が死んでるだと!?ところで和って誰だ!?」

憂「それより和←はなんて読むんですか!?」

紬「それは……」

梓「私たち漢字読めませんよ!」



バカが集まっても、話は進まない。今日私はそれを思い知った。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:49:57.87 ID:dy0qQqxHO
澪「お前らいいかげんにしろ!」

律「み、澪」

澪「和が死んでるんだぞ! こんなことをしている場合か!」

私の台詞、決まった…………!

唯「ぷにぷにー」

和「う、うーん、あれ?」

梓「なんだ生きてんじゃねえですか」

和「くっ……いったいなにがあったの?」

和が目を見開いた。

和「あ、あんたたちさては私を殺そうとしたわね! 昨日酷いこと言ったから」

澪「な、なにを言ってるんだ!」

和「犯人はこの中にいる!」

和の指が私たちを指さした。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:54:26.24 ID:dy0qQqxHO
和「…………」

和はしばらく腕を組んで考えた。

和「わかったわ、私を殺そうとした犯人が」

和が言った。

澪「だ、誰なんだ?」

私は気になって尋ねた。


律「うわすげえトロフィーだ」

紬「札束で人を殴ったらどうなるのかしら?」

唯「うーいー」

憂「お姉ちゃーん」

梓「むったん!」


他の連中は聞いていなかった。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:03:14.90 ID:dy0qQqxHO
状況のおさらい


和が死にかけて、床に倒れていた。

凶器は花瓶と思われる。花瓶は出窓にあった。出窓にはカーテンが引いてある。

和は後頭部を殴られていた。

ちなみに今日は月曜日。


澪「犯人がわかるのか?」

和「これを見なさい」

澪「これは……ダイイングメッセージ?」


和の指先が指したのは、赤い文字と思われるもの。ただし書きけされたあとがあり読めない。


さあ、推理して犯人を当てよう!


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:12:34.44 ID:dy0qQqxHO
和「犯人は……この文字を見せればはっきりするわ」

和が不敵な表情を浮かべる。私が尋ねるより先に、和は言った。

和「あんた、これ読める?」

和が紙に三文字書いた。

澪「これは?」

和「私が書いたダイイングメッセージよ」

澪「これでなにがわかるんだ?」

和「まだわからないの? 鈍いわね」


ちなみに紙に書いてあった文字は。


向日葵。


さあ、みんなは読めるかな?

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:22:14.63 ID:dy0qQqxHO
澪「ヒマワリだろ?」

和「どうやらあんたは賢いみたいね」

澪「普通に誰だって読めるから」

和「この学校に来る連中は自分の名前も漢字で書けないのよ?読めるわけないわ」

澪「たしかにそうかもな」

和「さて、ところでこの向日葵←って人の名前にも見えない?」

澪「たしかに人の名前に見えなくもない」

和「つまり、いい?私を殴った犯人はあんたたちの誰か」

和「そしてこのダイイングメッセージを消したのは犯人」

和「どうして犯人がダイイングメッセージを消したのか? 実際に一目見れば関係ないってすぐわかるのに」

和「おそらく犯人はこれを犯人の名前だと思ったから消した。向日葵←たしかに人の名前に見える」

和「つまり犯人は向日葵という漢字を読めない誰か、よ」

澪「…………」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 02:58:34.43 ID:esCbHLzqO [1/14]
和「あんたはこれを読めた。つまり犯人じゃない」

澪「…………」

和「さあ、あとはあいつらに聞けば犯人はわかるわね」

澪「無理だと思うよ」

和「はあ?」

澪「ご、ごめんなさい……」

和「……なんで無理だと思うのよ?」

澪「だってこの学校の連中で向日葵←が読めるのなんて私ぐらいだから。他は漢数字が書けるかどうかレベル……」

和「た、たしかに……」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 03:19:07.42 ID:esCbHLzqO [2/14]
和「じゃ、じゃあ私のダイイングメッセージは無駄だってこと?」

澪「まあそうなるな」

和「…………」

澪「私が推理してみようか?」

和「あんたには犯人がわかるの?」

澪「いや、わからない」

和「むっ、ふざけてんの!」

澪「と、とにかく現場検証しよう」

和「ふん………」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 03:29:26.95 ID:esCbHLzqO [3/14]
澪「凶器は間違いなく床に落ちてる花瓶だよな?」

和「たぶんね」

床には割れた破片が四散していた。それから百合の花。

澪「変だな……」

和「なにが変なのよ」

澪「いや、明らかにおかしいだろ」

和「?」

澪「本来なければいけないものがない」

和が露骨に怪訝そうな顔をする。私の意図が汲み取れないのだろう。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 03:37:04.05 ID:esCbHLzqO [4/14]
私があと少しで答えに辿りつきそうになったが、外野が私の思考を邪魔する。

唯「お腹すいたよー、憂ー」

憂「お姉ちゃんガラス食べちゃだめだよ!」

紬「そうだ、この札束をケツマンコにぶっさしてみたら?」

梓「私に金くれよ」


澪「お前らうるせー!!」


律「お前の声のがうるせーよ」

澪「ご、ごめん」

律「だいたいこっちは月曜日の憂鬱を吹っ飛ばすためにテンションあげてんだからさ」

澪「す、すみませ……」

私は答えに気づいて、窓を見た。窓からは清涼な風が流れてカーテンを大きく揺らした。

澪「予想通りだ……」

和「まさか、わかったの?」

澪「ああ、犯人の正体がね!」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 03:40:44.52 ID:esCbHLzqO [5/14]
澪「おい、みんな!和を襲った犯人の正体がわかったぞ」

一同が振り向いた。

唯「興味ないっす」

律「同じく。つうかあの場で眼鏡は死んでりゃよかったのに」

梓「眼鏡ウザす!」

憂「お姉ちゃんは渡さない!」

紬「眼鏡の命がねー……あれ、ダジャレになってない……」


澪「いや、聞いてくれよ……」

和「地味に傷ついたわ……」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 03:43:44.61 ID:esCbHLzqO [6/14]
律「しゃあねえな、誰が犯人か聞いてやるよ」

紬「眼鏡を殺そうとしたのは誰?」

唯「だらー」

憂「お姉ちゃんここは唾を飲むシーンではあっても、垂らすシーンじゃないよ」

梓「早く言えです!」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 10:33:39.11 ID:esCbHLzqO [9/14]
澪「犯人はお前だ!真鍋和!」

私は高らかに宣言し、犯人に指を指した。

真鍋和の表情が凍る。部屋がシーンと静かになった。
誰もなにも言おうとはしない。リアクションがない。なんか不安になった。


澪「あのー、みなさん?」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 10:47:00.89 ID:esCbHLzqO [10/14]
和「あんたふざけてんの?」

沈黙を破ったのは眉間にシワを寄せた和。

澪「ふざけてない。私はいつでも真剣だ!」

和「じゃあなんで私が犯人なのよ!?」

澪「落ち着け。私が一つ一つ推理してみせるから」

律「澪……マジでこの眼鏡が犯人なのか?」

澪「ああ、すぐわかる。あまりにもこの事件がマヌケだって」

唯「ふっ……期待している」

憂「お姉ちゃんカッコイイ!」

紬「なに、推理ミスったとしても金でトライすれば問題なし!」

梓「金くださいよ沢庵師匠」


澪「おーけー、じゃあ一つずつ説明しよう」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 10:54:10.92 ID:esCbHLzqO [11/14]
澪「まず、和がぶたれたと思われる凶器はなんだ?」

紬「札束ね」

澪「ちがう、花瓶だ」

律「それくらいは私らでもわかるって」

澪「じゃあ聞くけど、これを見てくれ」

私の指差す先には割れた花瓶と百合の花がある。

梓「それがどうかしました?」

澪「なにかおかしいと思わないか? あと一つ床になければいけないものが存在していない」

唯「あ、わかった」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 11:04:15.84 ID:esCbHLzqO [12/14]
唯「土だよ!土がないんだよ」

憂「すごい!お姉ちゃん天才!」

律「やるじゃねえか!」

紬「ボーナスよ、唯ちゃん!」

梓「なるほど、花が生きるには土が必要ですもんね」

みんながみんな、唯を褒めたたえた。


澪「んなわけあるかっ!」

唯「え?ちがうの?」

澪「どこのドイツが花瓶に土入れるんだよ!」

和「たしかにね」

律「じゃあなにが足りないんだよ?」

澪「普通に考えなくともわかるだろ!」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 11:19:34.38 ID:esCbHLzqO [13/14]
澪「水がないんだよ水が!」

律「水?」

紬「ああ、言われてみればたしかに水がないわね」

唯「ホントだ!」

澪「和、どういうことかわかるか?」

和「ま、まさか……」

澪「そう、そういうことだ」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 11:47:55.68 ID:esCbHLzqO [14/14]
澪「水を花が吸い付くして、花瓶が軽くなったんだ」

澪「そしてこれだけカーテンが揺れている。カーテンに押されて和の頭に落ちる」

和「だ、だけどそんな花が水を吸い付くすなんて……」

澪「もちろん、一日では無理だろうな。だが三日あればどうだ?」

律「三日? なんで三日なんだ?」

澪「さっき律が言ったろ? 今日は月曜日だって」
梓「なるほどうちの学校は週休二日制ですから、ちょうど三日間、水をやらなかったことになるんですね」

澪「そういうことだ和」

和「だから私を犯人だって言ったのね……」

澪「ああ」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/23(月) 14:53:16.13 ID:esCbHLzqO
和「くっ……まさか私が犯人だったなんて……!」

律「なんかマヌケだな」

澪「事件ですらなかったわけだからな」

紬「まあいいわ。帰りましょ」

唯「わーうーいー」

憂「お姉ちゃーん」

梓「つかこのSSつまんね」




96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/23(月) 15:05:02.96 ID:esCbHLzqO
律「田井中律、四十一歳。トラックの運ちゃんやってます」


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/23(月) 15:19:20.25 ID:esCbHLzqO
私の名前は田井中律。某運送会社で働いている。
今年で四十一歳になった私は、今ではその会社で主任を勤めている。
就職したばかりの頃は事務所仕事をしていた私だったが、
私の部署の係長がクズでその上、嫌われ、いやがらせを受けていたため運ちゃんの仕事にすぐ変えてやった。

最初はこの仕事のハードさに何度もやめようと思った。
が、結局惰性で今日までやってきた。これからもしばらくはやめるつもりはない。
まあ、辛くて苦しい上に最近は給料が少なくなっていく一方で、まるでいいことはないが。
しかし、それでも生きていくにゃあ働かなければいけないわけで。
今日もこうして片手にサンドイッチを持ちながらハンドルを握っているわけだ。

しかし私もそろそろ年だ。年相応に顔には小皺やシミができ、身体のあちこちにガタが来ている。
そのせいか休日は、病院にいる時間が明らかに増えた。


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/23(月) 15:35:27.02 ID:esCbHLzqO
自分で言うのも変な話だが、私はそれなりに真面目に働いている。
最近の若い奴らは、平気で休暇を渡せとごねてくる。
私が入社したころだったら首をスパンと切られていただろう。
しかし、最近は深刻な人手不足のせいか、下手にクビになどできないのだ。
仕事の量は不景気に煽られ確実に減っているのに、私個人の仕事量が一向に減らないのも、それが原因だ。

今もそうだ。最近入ってきた新人さん(私より七つ歳は上だが)が、
昨日のうちに捌かなければればいけない荷物をまだ捌いてなかったのだ。
おかげで私は休日を返上してあっちこっちを駆け回っていた。
休日手当なんてのはもちろんこの会社ではつかない。
それどころか、上にこのことがバレないように自家用車で荷物を運んでい。
荷物は減らせても肩の荷は増えていくばかりだった。
ガソリン代も言うまでもなく自腹だ。よく考えたらこれってそうとう酷いな。

ていうかトラックの運ちゃんがなんで自家用車で仕事してんだよ。


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/23(月) 15:55:22.10 ID:esCbHLzqO
客「いつもご苦労様ね」
律「いえいえ。そんな、とんでもないです」

目の前の客に領収書のサインをもらい荷物を渡した。
この手の仕事にゃあ力のある男のが向いていると思う人もいるかもしれない。
が、人様の家に訪問することの多い宅配の仕事は、意外なことに女も多くやっている。
まあ私も人とのコミュニケーションは得意なほうだ。ある種、この仕事は天職だったのかもしれない。

客「ああ、そうだ。よかったら家のヘチマとトマトを差し上げますよ」
律「いいんですか?」
客「ええ。いつもそちらにはよくしてもらっているので、少し待ってて」

時々、このようにオイシイおまけがついてくることがある。
ティッシュだったりお菓子だったりスポンジだったり。
私らみたいな職業の人間にはこういうのは素直に嬉しい。
ただ今日にかぎって言うと、その心遣いはあまり嬉しくない。
まだ荷物を配りきってないからだ。さっきもクレームの電話が私の携帯電話に入っていた。

客「はい、どうぞ」
律「いやあ、本当にすみません。ありがとうございます」

笑顔をこしらえ、頭を下げた私は、内心、客の持ってきてくれたものに困惑していた。

ヘチマって、なんの調理もされていないそのまんまかよ。どう調理しやいいんだよ。

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