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梓「吾輩は猫である」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:29:29.29 ID:F/hFZ6A7O [2/69]
ドンドン ドンドン

唯「はーい、今行きまーす」

唯(というかインターホン押せばいいのになんで扉をノックするんだろ?)

唯「はーい、今出まーす」

梓「こんにちは、いえ、その前に初めましてでしょうか?」

唯「……あずにゃん?」

梓「……? 私はアズサという名前ですが、あずにゃんなどという変な名前ではありません」

唯「ていうか一つ言っていい?」

梓「なんですか?」

唯「なんで裸なの?」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:34:49.33 ID:F/hFZ6A7O
梓「なんで裸ではダメなんですか?」

唯「なに言ってるのあずにゃん! それはたしか……こ、こうせつもつ?わいせつざい?」

唯「……よくわかんないけどとにかく犯罪なんだよ! 裸で街中歩くのは!」

梓「人間は不便ですね」

唯「あずにゃんも人間でしょ!?」

梓「あの、とりあえず家にあがっていいですか?」

唯「むしろあがってよ。裸の人と玄関で話してるなんて恥ずかしすぎるよ」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:40:21.95 ID:F/hFZ6A7O
梓「おじゃまします」

唯「あずにゃん、とりあえずわたしがなにか服持ってくるからリビングで待ってて」

梓「いやです」

唯「なにが?」

梓「なんで私が人間みたいに服など着用しなければならないんですか」

唯「あずにゃんなに言ってるの、あずにゃんは人間だよ!」

梓「私は猫であっても人間ではないんですけど」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:48:05.19 ID:F/hFZ6A7O
唯「ええ!? あずにゃんさっきからなに言ってるの?」

梓「ですから私は猫ですと申し上げているんです」

唯「あずにゃんったらまたまた変なこと言っちゃってえ」

唯「あれ? でもなんであずにゃん、いつもみたいに髪しばってないの?」

唯「それに頭にネコミミが生えてるけど……カチューシャ?」

梓「いえ、これが私の耳ですが」

唯「……」

唯「…………!」

唯「あずにゃん、髪あげて耳見せて」

梓「こうですか?」サラリ

唯「そうそう……ってあずにゃんの人間耳がない!」

梓「だって頭のてっぺんについてるんだから、わざわざ横にまでつける必要ないでしょ」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:53:21.63 ID:F/hFZ6A7O
唯(ちょっと待って。この状況はなに? まさかあずにゃんがホントに猫になってしまった!?)

梓「あのぉ……」

唯「な、なあに?」

梓「喉が渇いたのでお水を頂けませんか?」

唯「へ? ……ああ、そうだねっ。あずにゃんはお客さんだから接待しなきゃね」

梓「早く水ください」

唯「少し待っててね」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:58:41.01 ID:F/hFZ6A7O
唯「さあさあ、あずにゃん。テーブルはこちらだよ」

梓「どうも」

唯「これが水だよ。たっぷりお飲み」

梓「どうも……ペロッ」

唯「!?」

梓「ペロペロ……ペロペロ」

唯「あ、あずにゃん、なにしてるの?」

梓「水を飲んでるんですけど、なにか?」

唯「なんでコップをもたないで、顔をコップに突っ込んでるの?」

梓「どうして私がそんな人間みたいな飲み方をしなければいけないんですか?」

唯「……」

唯(まさかあずにゃん……ホントに身も心も猫になってしまったの?)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:04:45.78 ID:F/hFZ6A7O
唯(ど、どうしよう? 誰かに相談するべきかな? いや、そもそもあずにゃんはホントに猫になったのかな?)

唯(…………そうだ)

唯「あずにゃん、手を見せてみて」

梓「ペロペロペロペロ」

唯「あずにゃーん」

梓「……なんですか」

唯「あずにゃん、手を見せて」

梓「どうぞ」

唯「あずにゃんらしい可愛い手だねえ……って爪ながっ!」

梓「そりゃあ私たちにとっては爪は武器ですから」

唯(……まさかホントにあずにゃんは……)

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:10:30.71 ID:F/hFZ6A7O
唯(いや、あずにゃんはぎたりすとぉなんだから指をぷにぷにすれば……)

唯「……ぷにぷに、ぷにぷに」

梓「……」

唯「ぷにぷに~、ぷにぷに~」

梓「……」ムカッ

バリッ

唯「いったあい! なんでわたしの手を引っ掻いたの!?」

梓「あなたが私の手を触り続けるからです」

唯「ぅう~いたいよぉ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:16:30.70 ID:F/hFZ6A7O
梓「まったく……」ペロペロ

唯「あずにゃんが自分の手をなめてる……」

梓「あなたが私の手を不用意に触ったせいで、かゆくなりましたから」ペロペロ

唯(猫化したあずにゃん、なんだか怖いです……)

梓「ところで」

唯「は、はい」ビクッ

梓「お水のおかわりをいただいてもいいですか?」

唯「へ? ああうん、全然いいよ」

梓「ありがとうございます」

唯「あ、なんならお水じゃなくてミルク飲む?」

梓「ミルク?」

唯「うん、牛乳だよ」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:23:14.03 ID:F/hFZ6A7O
梓「牛乳?」ギロリ

唯「ひぃっ」ビクッ

唯(あ、あずにゃんの目が怖いよお~)

梓「まさかあなた、今この私に牛乳を飲ませようとしたんですか?」

唯「う、うん」

梓「私たち猫が牛乳を飲んだらどうなるかご存知ではないんですか?」

唯「ぜんっぜん」

梓「はあ。これだから人間は駄目ですね」

唯(猫に馬鹿にされた!)

梓「あのですね、私たち猫は牛乳を飲むと胃を下すんですよ。猫界の常識です」

唯「そ、そうなの!?」

梓「ええ。三ヶ月前にも私の仲間が道端で人間から牛乳をもらって、お腹こわしましたから」

唯「さ、三ヶ月?」

梓「三ヶ月前……いや、三年前かな?」

唯「けっこうそれ差があると思うよ」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:26:42.60 ID:F/hFZ6A7O
唯「あ、じゃあシーチキン食べる?」

梓「シーチキン? なんですそれは?」

唯「猫さんが好きなものだよ」

梓「せっかくなのでいただきましょう」

唯「よーし、用意するから少し待ってて」

梓「楽しみにしています」ペロペロ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:32:11.92 ID:F/hFZ6A7O
唯「シーチキンを缶のまま出すと失礼かな?」

唯「あずにゃんはお客さんだし、お皿に移してあげよう」コンコン

唯「うん、これでバッチリ」

唯「あずにゃん喜んでくれるかな?」

梓「まだですか?」

唯「今いくよー」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:39:02.95 ID:F/hFZ6A7O
唯「召し上がれー」

梓「……見た目はなかなかですね」ペロリ

梓「では……ペロペロ」

唯(箸用意したけどやっぱり使わないんだね……)

梓「……ペッ!」

唯「な!?」

梓「ペッ、ペッ!」

唯「な、なんてヒドイことをするのあずにゃん!?わたしが丹精こめて作ったのに!」

梓「それはこっちの台詞です! なんですかこのやたら舌を刺激する味は!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:47:17.81 ID:F/hFZ6A7O
唯「そんな変な味じゃないはずだよ。わたしが食べてたしかめてあげる」

唯「パクっ……うん、やっぱり普通だよ」

梓「あなたがた人間にとっては普通でも、私たち猫からすると普通じゃないんです」

梓「こんな味の強いもの食べる生物なんて、あなたがた人間とゴキブリぐらいでしょう」

唯「そ、そこまで言うとは……」

梓「とにかくもういらないです」

唯「なんてワガママなあずにゃん……」

梓「あなたが悪いんですよ、私に期待させておいて……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:55:40.99 ID:F/hFZ6A7O
梓「……」ペロペロ

唯「ねえねえ、あずにゃん」

梓「ムッ……」ギロ

唯「え?」

梓「毛並みを整えている最中です。黙っててください」

唯「え~、あずにゃん話そうよ~」

梓「…………さっきから気になってることがあるんですが」

唯「なに?」

梓「なぜに私をあずにゃんと呼ぶのですか?」

唯「なんでって……今までもそう呼んでたじゃん」

梓「私とあなたは初対面です」

唯「あずにゃん、わたしとの思い出を忘れたの?」

梓「そもそも私とあなたには思い出がありません」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:06:20.18 ID:F/hFZ6A7O
唯「そんなバカなー!?」

梓「本当です。だいたい私は猫なんですよ。どうしてあなたみたいな人間と面識があるんですか?」

唯「……あずにゃんはホントに猫さんなの?」

梓「だからそう言っているでしょう?」

唯「じゃあ、あずにゃんはあずにゃんじよない!?」

梓「ややこしいですね。いったいどなたと間違えているのか知りませんが、私の名前はアズサです」

唯「やっぱりあずにゃんじゃん」

梓「あなためんどくさくいですね」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:19:33.94 ID:F/hFZ6A7O
唯「そもそもあずにゃんが猫さんだって言うならなんでうちに寄ったの?」

梓「水が飲みたかったのです」

唯「水?」

梓「ここ何日間か水がなかなか確保できなくて……田舎にいたころは田んぼの水を飲めたのですが」

唯「苦労してるんだね」

梓「ええ。特に今年の夏は例年より猛暑が続いていますからね」

唯「やっぱり猫さんでも暑いと思うんだ」

梓「当たり前です。あなたたち人間にはわからないでしょうが、我々猫も必死なんです」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 10:18:22.07 ID:F/hFZ6A7O
梓「人間はいいです。いつだって好きなときにご飯を食べられますし、水も飲めますし」

唯「でも猫さんだって気楽にゴロゴロしてるじゃん」

梓「こんなクソ暑い夏にゴロゴロなんてしていられませんよ」

梓「それに私たち猫は背も低いですからコンクリートにこもった熱とかもろに浴びるわけですし」

唯「言われてみればそうだね」

梓「最近は水が確保できなくて、干からびて死んでいく連中もいますしね」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 10:23:00.50 ID:F/hFZ6A7O
唯「ねえ、あずにゃん。そろそろ一番気になってること聞いていい?」

梓「なんですか?」

唯「あずにゃんは猫さんなんだよね?」

梓「ええ」

唯「じゃあなんで人間の姿になってるの?」

梓「ですから、先ほども申したとおり水が欲しかったからです」

唯「それじゃあ理由になってないよ。だいたいなんであずにゃんは猫さんなのに人間の姿になれるの?」

梓「ああ、そのことですか」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 10:32:50.56 ID:F/hFZ6A7O
梓「化け猫ってあるでしょ?」

唯「猫が人間に化けて人間を襲う、ってやつ?」

梓「それです。我々猫は誰でも人間に化けることができるんです」

唯「うっそだあー」

梓「あなたの前にいる猫が今まさに人間に化けているでしょうが」

唯「またまたあ」

梓「まあ信じてもらわなくても一向に構いませんがね」

唯「そんなこと言ってえ、本当はあずにゃんなんでしょ? 駄目だよ、先輩をからかっちゃ」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 10:39:52.14 ID:F/hFZ6A7O
唯「それに人間の姿になれるんならずっと人間のままでいればいいのに」

梓「じゃあお尋ねしますが、あなたが猫になれるとしてずーっと猫になりたいと思いますか?」

唯「すごくなりたいと思うよ。猫さんになってずーっとゴロゴロするのとか」

梓「飼い猫の場合ならそれでもいけるかもしれませんね。でも私みたいな野良猫だったらどうします?」

唯「よくわかんないや」

梓「ちなみに私が昨日食べたのはバッタとカマキリです」

唯「そ、そんな恐ろしいものを食べるの?」

梓「さっきのシーチキンとやらのほうが私からしたら恐ろしいですよ」

唯「猫さんがまさか虫を食べるなんて……」

梓「カナヘビとかオタマジャクシとかも食べますよ」

唯「いやあああああ」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 10:51:37.01 ID:F/hFZ6A7O
梓「私たち猫は人間とあまり関わりたくないんですよ」

唯「どうして?」

梓「鬱陶しいからですよ。なにが悲しくて人間とお喋りしなくちゃいけないんですか」

唯「ええー、お喋りするの楽しいよ?」

梓「人間はね。私たちはいちいち誰かに構われるのが嫌いなんです」

唯「だから人間に化けるのがイヤなの?」

梓「はい。正直今こうしてあなたと話してるのもなんだかめんどくさいです」

唯「ヒドイよあずにゃん……」ションボリ

梓「…………まあ、それだけが理由というわけではないんですが」

唯「他にも人間になりたくない理由があるの?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:00:26.58 ID:F/hFZ6A7O
梓「私の頭を見てください」

唯「頭にカワイイ耳がついてるね」

梓「見てのとおり猫耳です」

唯「さわっていい?」

梓「シャーッ!」

唯「う、ウソだよ、ウソ」

梓「ゴホン、それで話を戻しますが私たちが人間に化けるのには個人差があるわけでして」

唯「うん」

梓「私のように完璧に化けられない猫も多いのです」

唯「だから猫耳が頭についてるんだ」

梓「そういうことです。化け猫が化け猫だってバレたのも、化けるのが下手な猫が人間を襲ったからなんですよ」

唯「勉強になるなあ」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:09:22.95 ID:F/hFZ6A7O
梓「下手に人間に化けて化け猫扱いされ、あげく襲われたらたまらないですしね」

唯「でもあずにゃん人間に化けてわたしの家に来たよね?」

梓「ええ。なにせ丸一日水分をとっていなかったもので」

唯「丸一日!?」

梓「死ぬかどうかの瀬戸際だったので、不本意ではありましたが、こうして人間に化けたわけです」

唯「なんだか泣けるね」

梓「まあ、あなたが思ったよりあっさり私に水を飲ませてくれて助かりました」

唯「だって、あずにゃんだと思ったし、あと裸だったから」

梓「ひとつお尋ねしてもよいですか?」

唯「いいよ。なんでも聞いて」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:17:03.02 ID:F/hFZ6A7O
梓「先ほどからあなたがあずにゃんにゃん言ってる人間は、そんなに私に似ているのですか?」

唯「にゃんが多いよ」

梓「いいから質問に答えてください」

唯「うん、もうそっくりだよ。あずにゃん本人にしか見えないもん」

梓「ふうん」

唯「でもね、あずにゃんは髪をこんなふうに二つに結んでるんだけどね」ムギュ

梓「奇抜な髪型ですね。引っ掻き回したくなります」

唯「私の髪にはやめてよ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:23:38.54 ID:F/hFZ6A7O
唯「猫のあずにゃんの名前もあずさなんだよね?」

梓「? そうですが」

唯「あのね、あずにゃんの名前も梓なんだよ」

梓「べつに興味ないです」ペロペロ

唯「ねえねえ、あずにゃん」

梓「なんですか?」ペロペロ

唯「なんで腕にもどこにも毛なんてないのに、ペロペロしてるの」

梓「…………」

唯「あ、もしかしてクセ?」

梓「た、たしかに言われてみると今の私には毛がありませんでした」

唯「あずにゃんすごくキレイなカラダしてるよね」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:32:17.74 ID:F/hFZ6A7O
梓「なんです? そんなに私の肉体をジロジロ見て」

唯「ちょこっとだけでいいからあずにゃんのカラダさわらせてほしいなあって思って。ダメ?」

梓「なにが目的ですか?」

唯「目的? そんなのないよ。ただあずにゃんのカラダにさわりたいなあ、って思っただけだよ」

梓「私を襲ったりしませんか?」

唯「しないしない」

梓「じゃあ、すごいイヤですが……あなたは命の恩人なので」

唯「じゃあ失礼しやす」ソー

唯「子猫ちゃん、キレイな肌してるねー」サワサワ

梓「…………」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:41:27.61 ID:F/hFZ6A7O
唯「子猫ちゃん、今夜は寝かさないよ☆」サワサワ

梓「…………」

唯「おお、よく見たらあずにゃんそっくりなまな板みたいな胸っ!」モミモミ

梓「…………」

唯「えへへ、お腹もすべすべ。ほっぺすりすり~」スリスリ

梓「…………」ムカムカ

唯「ちっちゃなお尻もカワイイよ~」ナデナデ

梓「……ブチッ」

ガブッ

唯「っっっいったあああい!! な、なんで噛むのあずにゃん!?」

梓「あなたが雌である私のの尻をさわるからです」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:54:18.02 ID:F/hFZ6A7O
唯「なんで胸さわったときは怒らなかったのに、お尻だと怒るの!?」

梓「私は下半身をさわられるのが極端に嫌いなんです!」シャアア!

梓「だいたいどこの馬の骨ともつかないあなたに私の臀部をさわられなければならないのですか!?」

唯「うわあん、あずにゃんが怖いよー」

梓「まったく……私が噛んだところを見せてください」

唯「ほぇ? ここだよ」

梓「意外と傷が深いですね」

唯「うん、すごく痛かったよ」

梓「よくよく考えたら、あなたは命の恩人でした。お詫びに傷をなめてあげます」ペロペロ

唯「ひゃう!……こしょぐったいよあずにゃん」

梓「人間は傷ができたら唾をつけておくといいと仲間から聞いたんですが、違うのですか?」

唯「ちょこっと違うかな」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 12:04:40.37 ID:F/hFZ6A7O
梓「ふーむ、ではお詫びに、ひとつ私の失敗談を聞かせてあげましょう」

唯「なんで失敗談をわたしに聞かせるのかわからないけど、期待するよ」

梓「あれはまだわたしが外の世界に出たばかりの頃です」

唯「どういうこて?」

梓「ああ、私はもとは飼い猫だったんです」

唯「そうなんだ……。あれ?じゃああずにゃんは、どうして今は野良猫なの?」

梓「…………」

唯「あ、ごめん。思い出したくなかったら話さなくていいよ」

梓「いえ、べつにそういうわけではありませんが、これからする失敗談には関係なので」

唯「あずにゃんの失敗談かあ。なにを失敗したの?」

梓「昔、話です。私は野良猫としては、全然ダメな猫でした」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 12:17:34.91 ID:F/hFZ6A7O
梓「キャットフードとか猫缶とかしか食べたことのなかった私は、それ以外のものが食べられなかったのです」

唯「泣けるね」

梓「そのせいでで、虫を見つけて殺しても、食べないもんだからすっかり空腹になってしまったのです」

唯「あわわ」

梓「それで衰弱した私はたまたま通りかかった人間から餌を得るために、人間に化けたんです」

唯「ほほう。それでそれで?」

梓「化けたまではよかったんです。
が、野良猫デビューしたばかりのそのときの私には、人間に化けるのは難しかったみたいで」

唯「うんうん」

梓「胸の乳首が八個のままの状態だったんです」

唯「あらま」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 12:23:57.78 ID:F/hFZ6A7O
梓「そしてそれを見た人間は悲鳴をあげて逃げていきました」

唯「切ないね」

梓「あのとき、私は本当に死ぬかと思いましたね」

梓「しかし、空腹があまりにもヒドかったので最終的に虫を食べたんですけどね」

唯「あずにゃん……!」ダキッ

バリッ

唯「いったああいっ!? なにするのあずにゃん!?」

梓「それはこっちの台詞です! こんな真夏日に抱き着く馬鹿がどこにいるんですか!」

唯「ここにいるよ!」フンス!

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 13:57:18.27 ID:F/hFZ6A7O
唯「猫のあずにゃんはダメだね。あずにゃんだったら私が抱き着いても、引っ掻いたりしないよ」

梓「知りませんよ、あずにゃんなんて」

唯「それに人を引っ掻いたらダメなんだよ」

梓「私も好きで引っ掻いているわけではありません」

唯「ていうかあずにゃん、爪長すぎだよ。わたしが切ってあげようか?」

梓「……」シャアア!

唯「い、いやなんだ……」

梓「爪は私たちにとってのライフラインみたいなものですから」

唯「そうなんだ」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 14:04:47.38 ID:F/hFZ6A7O
梓「しかし、たしかに最近は爪が伸びすぎな気がしないでもないかもしれません」

唯「うん、長すぎるのはよくないよ」

梓「あちらのソファーをお借りしてもいいですか?」

唯「ん?もしかして眠たくなったの?いいよいいよ。一緒に寝る?」

梓「違いますし、あなた寝息がうるさそうなので結構です」

唯「あー、ヒドイ!」

梓「とりあえずソファーはお借りしますね」

唯「寝る以外になにするの?」

梓「こうします」

バリバリッ バリバリッ

唯「あ゛ー!?」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 14:12:37.07 ID:F/hFZ6A7O
唯「な、なにしてるの!?」

梓「爪研ぎです」バリバリ

唯「やめて、ソファーがボロボロになるから!」

梓「貸してくれると言ったくせに」

唯「爪研ぎに使うとは思わなかったもん」

梓「そういえばソファーは爪研ぎに使うものではないみたいですね」

唯「座るためのものだよ」

梓「ふうん……」チラッ

バリバリ バリバリ

唯「だからダメ! めっ!」

梓「イヤだイヤだ!爪研ぎキモチいいもん」ジタ、バタ

唯「裸でジタバタしないでよ~」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 14:22:32.06 ID:F/hFZ6A7O
梓「やはりあなたもソファーで爪研ぎをすると怒るんですね」

唯「当たり前だよ。ソファーって高いんだよ。憂が言ってたもん」

梓「私のご主人もソファーでバリバリするとよく私を叱りました」

唯「へえ。あずにゃんの飼い主さんはどんな人だったの?」

梓「忘れました」

唯「えぇー冷たいよあずにゃん。自分を飼ってくれた人でしょ?」

梓「私、飼われてから一ヶ月で家から抜け出したんで」

唯「家出したの?」

梓「まあ、家出と言えば家出なのかも」

唯「じゃあ飼い主さんのことなにも覚えてないの?」

梓「そんなこともないです。ご主人が私の頭を撫でてくれる感触は今でも覚えています」

唯「あずにゃん、なんとなく嬉しそうだね?」

梓「そうですか?」

唯「うん、嬉しそう」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 14:50:33.57 ID:F/hFZ6A7O
梓「そういえば、ご主人は私に夫を選ぶときは慎重に、と言っていました」

唯「あ、あずにゃんダーリンいるの?」

梓「ダーリン?」

唯「旦那だよ、旦那」

梓「いると思います?」

唯「うーん、どうなの?」

梓「実は……」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:02:02.64 ID:F/hFZ6A7O
唯「実は……」

梓「実は……何回かプロポーズは受けているのですがどいつもコイツも気にくわない雄ばかりで」

唯「あずにゃんはモテモテなんだね」

梓「まあ私ですからね」

唯「でも、ということはダーリンはいないんだよね?」

梓「ええ。私も早く子供が欲しいなとは常々思っているんですけど」

唯「あずにゃんの子供……」

梓「はあ……」

唯「ところであずにゃん」

梓「なんですか?」

唯「あずにゃんって、今何歳なの?」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:10:39.77 ID:F/hFZ6A7O
梓「私の年齢ですか」

唯「うん、見たかんじは私と同じくらい?」

梓「正確には数えてないから知りませんね。しかし、最近は食べたものをよく戻しますね」

唯「え?そ、それ病気じゃないの?」

梓「いえたぶん、ただの加齢です」

唯「か、かれい?」

梓「おそらくもうすぐ私の発情期も終わるんじゃないですかね」

唯「は、発情期?」

梓「昔は本能のおもむくままにお尻を振ってました」

唯「ね、猫ってすごいね」

梓「未だにバージンなんですけどね」

唯「ははは……」

唯(なぜだか安心しちゃった)

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:20:36.18 ID:F/hFZ6A7O
唯「猫さんって色々すごいんだね」

梓「そうですかね。我々からしたら人間のほうが色々狂っていますが」

唯「そう?」

梓「はい。たとえばあなたたちは文字とやらが使えるでしょう?」

唯「うん、使えるよ」

梓「あの意味不明な記号で意思の伝達ができるのってすごいですね」

唯「えへへ、そう?」

梓「まあ、私もひとつだけ書ける言葉があるんですが」

唯「 なになに? なに書けるの?」

梓「ご主人が書いているのをたまたま見て覚えたんです」

唯「紙とペンがあるから書いて」

梓「あ、やっぱり面倒なのでいいです」

唯「気まぐれだね」

梓「猫ですから」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:28:51.35 ID:F/hFZ6A7O
唯「……」ウズウズ

梓「なんですかソワソワして、気になります」

唯「あずにゃんに抱き着きたいなあ、って思って」

梓「引っ掻きますよ?」ニャパー

唯「ううー」

梓「それにあなた雄でしょ?そんなふうに私に抱き着くなんて……」

唯「ええ!?」

梓「……あれ? 雄じゃないんですか?」

唯「わ、わたしが男の子に見えるの?」

梓「いえ、てっきりこんなに私に尽くしてくれているので雄かと思いました」

唯「そんなの見たらわかるじゃん」

梓「人間なんて見た目でどうやって雄雌の区別をつけるんですか?」

唯「え、えーと……胸とか、髪型とか?」

梓「だいたい私たちは、猫だって雄雌の区別をつけられないんだから人間なんて到底無理ですよ」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:38:48.92 ID:F/hFZ6A7O
梓「それにあなたの乳房なんて衣服の上からでは全然わかりませんしね」

唯「ひ、ヒドイ……!」

梓「髪もそんなに長くないし」

唯「まあ暑いからね」

梓「暑いなら私のように裸になればいいじゃないですか」

唯「それはちょっとヤダ」

梓「人間って変わってますよね」

唯「そうかもね。……って、じゃあ、あずにゃんたち猫さんはどうやって雄雌の区別つけてるの?」

梓「知りたいんですか?」

唯「うん、すごく興味あるよ」

梓「じゃあ服脱いでください」

唯「はーい、ってええ!?」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:50:35.03 ID:F/hFZ6A7O
梓「いいから脱ぎなさい」

唯「へ? あ、あのあずにゃん……」

梓「シャアアッ!」ヌギヌギ

唯「ぎゃあ」

唯「なんでパンツごと脱がすの!?」

梓「ちょっと黙って」

唯「ひゃう!?」

梓「……」クンクン

唯「あのー……あずにゃん? どこの臭いをかいでるのかな?」

梓「局部です」

唯「いやああああああ」ジタバタ

梓「落ち着きなさい」クンクン

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 15:58:49.39 ID:F/hFZ6A7O
唯「うええん」

梓「……たしかにあなたの局部からは雌の臭いがしますね」

唯「聞きたくないよぉ……」

梓「おわかりになられましたか?」

梓「私たち猫はこのように相手の肛門の臭いを嗅いで、相手の性別を判断するんです」

唯「わたしのお尻の穴の臭いもかいだの!?」

梓「局部をかいだついでに興味がわいたのでかがせてもらいました」

唯「あ、あはは……」

梓「私の友人たちと同じ臭いがしました」

唯「聞こえない聞こえない」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 16:12:26.47 ID:F/hFZ6A7O
梓「もう服着ていいですよ」

唯「うぅ……わたしは傷ついたよ」

梓「そちらが言ったんでしょう。どうやって性別の区別をつけるのかと」

唯「そうだけど……」

梓「あなたもご友人に試しては? もしかしたら性別を偽っている不届きな者がいるかもしれない」

唯「友達がいなくなりそうだから遠慮するよ」

梓「あんな臭いしていたのに友達いたんだ……」

唯「ど、どういうこと?」

梓「おや、聞こえてましたか。意外と耳聡いんですね。まあ気にしなくていいですよ」

唯「お風呂入ろうかな……」

梓「どうぞご自由に」

唯「あ、あずにゃんもお風呂入る?」

梓「お風呂?」

唯「うん、お風呂だよ」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 16:21:39.05 ID:F/hFZ6A7O
梓「お気遣いはありがたいのですが、辞退させていただきます」

唯「えー、どうして?」

梓「私、水が嫌いなんです」

唯「カラダ洗わないの?」

梓「はい。だからこうして自分の舌でなめて身体を綺麗にしているんです」ペロペロ

唯「あずにゃん、すごいポーズだね。なにしてるのかな……?」

梓「局部のお掃除です」ペロペロ

唯「……カラダ柔らかいね」

梓「猫ですもん」

唯「ちなみにお風呂に入ったことはあるの?」

梓「二回ほど。ペットショップで売られていたときと、ご主人に飼われてからそれぞれ一回ずつ」

唯「二回しかないじゃん」

梓「いいんですよ。私たちは猫ですから」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 16:31:29.53 ID:F/hFZ6A7O
梓「さて、そろそろ私もお暇しようと思います」

唯「ええー、あずにゃんもっと一緒にいようよー」

梓「やっぱり人間といるのは面倒なんですよね」

唯「ヒドイなあ。わたしのお尻の臭いをかいだくせに」

梓「それは関係ないです」

唯「ぶー、せっかくだからあずにゃんに合わせてあげようと思ってたんだよ?」

梓「いいですよ。そんなゴキブリみたいな髪型の人になんか会いたくありません」

唯「あずにゃんはゴキブリじゃないよ」

梓「知ってます……ふあぁ……」

唯「あずにゃん眠いの?」

梓「ええ。ここのところまともに寝てないもので」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 16:41:10.80 ID:F/hFZ6A7O
唯「どうして寝てないの?」

梓「ここのところはずっと餌と水の確保で忙しかったんです」

唯「そっか……あずにゃん」

梓「なんです?」

唯「少しだけ寝てかない? 今ならわたしが膝貸してあげるからさ」

梓「だからもう帰りますってば」

唯「そんなこと言わずにもう少し一緒にいようよー、ねっ?」

梓「……まあいっか」

唯「さあ、あずにゃん。わたしの膝でおねんねしなされ」

梓「では失礼して」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 16:48:47.65 ID:F/hFZ6A7O
梓「……柔らかい」ゴロリ

唯「えへへ」

梓「でも少し高いですね」

唯「そう?」

梓「ご主人のお膝はもと細くて寝心地がよかったです」

唯「…………そんなにわたしの太もも太いかな?」

梓「人間のことはよくわかりません」

唯「頭、なでていい?」

梓「……いいですよ。ただし優しくしてください」

唯「えへへ、ありがとう」ナデナデ

梓「…………」

唯「あずにゃんってさ、飼い主さんのこと本当はバッチリ覚えてるんだよね?」

梓「わかりますか?」

唯「うん、わかっちゃう」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 16:59:50.30 ID:F/hFZ6A7O
梓「眠る前に私の生涯最初で最大の失敗談を聞いてもらっていいですか?」

唯「うん、聞かせて」

梓「まあ、これは失敗談というには少し変な話なんですが、私がもとは飼い猫だっていうのはさっき話しましたね」

唯「うん」

梓「なぜに私が飼い猫から野良猫になったのかと言うと、すごく下らない話なんです」

梓「ある日、ご主人が私を初めて外に出してくれたんです」

唯「そっか、猫は散歩しないんだよね?」

梓「ええ。基本、家の中で十分ストレス解消できるので。私はいわば、深窓の雌猫だったってわけです」

唯「それであずにゃんはどうなったの?」

梓「ご主人に抱かれたまま、外を出たんですが、そのときに偶然、大型のトラックが私とご主人の前を横切ったんです」

唯「うん」


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 17:12:42.25 ID:F/hFZ6A7O
梓「初めて大型トラックを見た私は気が動転して、ほとんど発狂状態になり……」

唯「そんなにトラックがこわかったの?」

梓「箱入り娘でしたからね。トラックなんて見たことなかった。それで、私はご主人の手から脱出しひたすら走ったんです」

梓「で、正気を取り戻したときには見知らぬ場所にいたんです」

唯「そのあとに帰らなかったの?」

梓「普通は帰巣本能とやらがあるそうですが、気の狂った私は完璧に家の場所を忘れたみたいです」

唯「あずにゃん……」

梓「仲間の猫から聞いた話ですが、飼い猫が車を見て発狂するのは珍しくないみたいです」

梓「私はまだ幸運なほうでした。中にはそれによって死ぬ猫もいるそうなので」

唯「それで今に至るんだ」

梓「まあ、そういうわけです」

唯「そっか……あずにゃん、いい子、いい子」ナデナデ

梓「…………」

唯「やっぱり猫のあずにゃんは、わたしの知ってるあずにゃんと全然違うね」

梓「それはそうでしょう。私は猫で、あなたの言うあずにゃんは人間でしょう?」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 17:27:20.13 ID:F/hFZ6A7O
唯「うーん、そういうことじゃなくてね」

唯「猫のあずにゃんって全然笑わないし、照れて顔を赤くしたりもしないから」

唯「猫のあずにゃんはすごくクールだなあって思ったんだ」

梓「あなたの言うあずにゃんはどんな人なんですか?」

唯「抱き着くとすぐに顔を赤くして、照れてね。でもマジメでしっかりしてて、いい子なんだよ」

唯「それにギターもうまいんだよ。あ、そうだ。あずにゃんはギターできる?」

梓「ギター?」

唯「なんならわたしが弾いてあげよっか?」

梓「ああ、あのうるさいジャカジャカしたやつですか。うるさいの嫌いなんで遠慮します」

唯「そ、そんなあずにゃんがギターを嫌いって言うなんて……!」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 17:36:48.13 ID:F/hFZ6A7O
梓「……ていうか眠いです」

唯「あ、ごめんねあずにゃん。いいよ、たっぷりわたしのひざ枕で寝てね」ナデナデ

梓「……なんて言うんですか?」

唯「え?」

梓「あなたの名前、なんて言うんですか?」

唯「唯、平沢唯って言うんだよ」

梓「唯……」

唯「えへへ……あずにゃんに呼び捨てされちゃった」

梓「なにか変ですか?」

唯「ううん、変じゃないよ。だからもう一回名前呼んでほしいなあ」

梓「唯」

唯「あずにゃんに呼び捨てにされるなんてへんな感じがするなあ」ナデナデ



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 17:43:54.87 ID:F/hFZ6A7O
唯「子守唄、歌ってあげよっか?」ナデナデ

梓「できれば静かにしてほしいです」

唯「ちぇー、せっかく得意なのがあるのにぃ」ナデナデ

梓「……唯に撫でられてたら、ご主人のことをまた思い出しました」

梓「ご主人も、私をひざに乗せてそういうふうに撫でてくれました」

唯「あずにゃん、なんならわたしがあずにゃんな飼い主になってあげようか?」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 17:52:30.61 ID:F/hFZ6A7O
梓「あなたが……ですか?」

唯「うん! わたしがあずにゃんを立派に育ててあげるよ。なんなら服も買ってあげるよ?」

梓「私は猫用の首輪も鈴も服もいらないです」

唯「でも人間になってるとき、今みたいに裸だと困るよ?」

梓「人間に化けるのは、めったにしませんよ。私は猫ですから」

唯「ワガハイは猫である、だね」

梓「なんですか、その吾輩は猫であるって?」

唯「ええと、本だったかな? 私もわかんないや」
梓「私、字はほとんど読めないし書けないんで、本とか言われてもわかりません」

唯「じゃあわたしが飼い主になって教えてあげるよっ」

梓「……そのことなんですが」

唯「遠慮しなくていいよ、あずにゃん」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:03:08.48 ID:F/hFZ6A7O
梓「そうではなくですね」

唯「?」

梓「私は野良猫として適当に気ままに生きるのが好きなんです」

唯「あずにゃん、そんなこと言っちゃって……うぅ、見栄張らなくていいんだよ?」

梓「見栄なんて張りませんよ。それに……」

唯「それに?」

梓「やっぱり私のご主人は、ご主人だけなんで」

唯「……そっか」ションボリ

梓「ありがとう。気持ちだけは受けとっておきます」

唯「じゃあ……寂しくなったらまたおいでよ」

梓「……考えておきます」


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:13:42.60 ID:F/hFZ6A7O
――
―――
―――――

梓「…………んにゃ」

唯「あずにゃん、すっかり熟睡しちゃったみたい」

梓「…………すぅ」

唯「寝顔の猫あずにゃんもカワイイなあ」ナデナデ

梓「…………ゅ、い」

唯「えへへ……わたしまで眠くなってきちゃった」

唯「おやすみ、あずにゃん……」

―――――
―――
――


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:20:07.76 ID:F/hFZ6A7O
「――ちゃん……お姉ちゃん……」

唯「う、うぅ……」パチリ

憂「よかったあ……大丈夫、お姉ちゃん?」

唯「…………あれ? 憂?」

憂「もう、お姉ちゃんったら。ソファーにもたれたまま寝てるから心配しちゃったよ」

唯「ごめんごめん……あれ? あずにゃんはどこ?」

憂「梓ちゃんならさっき私と別れたばかりだよ」

唯「ほぇ?」

憂「ほら、私、今日は梓ちゃんと一緒に買い物に行ってきたから」

唯「あれ? 裸で髪をしばってないあずにゃんを見なかった?」

憂「なにそれ?」

唯「あずにゃーん、あずにゃん?」キョロキョロ

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:25:29.77 ID:F/hFZ6A7O
憂「もしかしてお姉ちゃん、寝ぼけてる?」

唯「……そうかな?」

憂「夢でも見てたんじゃない? とっても気持ちよさそうな顔してたし」

唯「……夢」

唯「夢、だったのかな?」

憂「あ、お姉ちゃん」

唯「なあに?」

憂「戸締まりはきちんとしなきゃダメだよ」

唯「どういうこと?」

憂「玄関のドアのカギがきちんと閉まってなかったの」

唯「わたし、きちんとカギ閉めておいたよ」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:31:20.66 ID:F/hFZ6A7O
憂「でも開いてたよ。もしかして無意識に開けちゃったとか、宅急便とかが来たとか?」

唯(そういえばあずにゃんが来たとき、わたしカギ閉めてなかったかも……)

唯(でも、そのあずにゃんがいないしなあ……)

憂「お姉ちゃん?」

唯「……夢、だったのかな」

憂「? あれ?お姉ちゃん床に紙とボールペンが落ちてるよ」

唯「え?」

憂「紙になにか書いていある……汚い字でよくわからないね」

唯「憂、ちょっと見せて」


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:40:30.26 ID:F/hFZ6A7O
唯「ホントだ……汚くて読みづらい、けど……」

憂「なんて書いてあるの?」

唯「んーと……」

唯(そういえば……)


梓『――まあ、私もひとつだけ書ける言葉があるんですが』


唯(あずにゃんが書ける字って、これだったのかな?)

憂「お姉ちゃん、 やっぱり寝ぼけてる?」

唯「……うん、今までずっとステキな夢を見てたのかも」

憂「ステキな夢?どんな夢見てたの?」

唯「んー……それはヒミツってことで」

憂「ええー、お姉ちゃんのイジワル!」

唯「えへへ」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:42:30.65 ID:F/hFZ6A7O
唯(紙には、汚いけどガンバってこう書かれていました)





――ありがとう



おわり

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 20:10:03.32 ID:F/hFZ6A7O
見てくれた人保守してくれた人どうもありがとう

唯梓が書きたくて書いたがよくよく考えてみると唯梓じゃないなこれ

吾輩は猫であるは内容を見ればわかるとおりまったく関係ない

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 18:50:04.96 ID:iQ+YStjJO [3/4]

密かに梓×唯×梓を期待していたが……
程好く甘い話だったよ


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 20:45:58.65 ID:F/hFZ6A7O [69/69]
>>128 それは自分も考えていたがあくまで猫梓と唯の二人きりの物語にしたかったのでやめた。
というか自分の実力不足。話を広げる根気もなかった
蛇足だが以前にも同タイトルで書いた。その時は寝オチしてそのまま落ちた。
内容は今とは全然違って猫になった梓が桜高に行くというものだった

それではサヨナラありがとう

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