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唯「私は…平沢唯」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 21:59:18.92 ID:w0tc1BCaO [1/21]
雨の降る夜だった。
私は湿気に蒸せる体をベッドから起こし、憂鬱そうにカーテンの間から見える夜雨を眺めていた。

覚醒していく────

そんな言葉しか見当たらなかった。
私は私のものじゃないみたいに自分の手や足を眺める。

闇に包まれた部屋の中で自分の瞳が光っている気がした。

目覚め─────

そうか…私は、ただの人間じゃないんだ。

そう理解するのに時間はいらなかった。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:04:54.36 ID:w0tc1BCaO [2/21]
────学校

気が付いたら学校に来ていた。こんな体になっても習慣にはバカみたいに従順なんだなと思うと少しおかしくて内心で笑った。

教室には見慣れた顔、何も知らない、私を普通の人間、平沢唯としてしか知らないただのクラスメート。

越えてない───

瞬時にそう思った。
この人達は上辺で語り、ただこのクラスと言う外界での顔を保ってるに過ぎない。

律「おっはよ~ん唯! ギー太濡れなかったか~?」

陽気な声の持ち主、田井中律が私にそう言い放つ。
朝から元気なことだ…。

唯「大丈夫。それに濡れるって…そんな悪いことでもないから」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:08:53.69 ID:w0tc1BCaO
澪「何言ってんだよ唯。ギターとかベースは濡れたら大変なんだぞ? 音とか変わっちゃうし」

唯「……でも澪ちゃん。今の音が本当に奏でるべき音なのか…澪ちゃんにはわかるの?」

澪「?? 唯のやつ何言ってるんだ?」

律「さあ…寝ぼけてんじゃないか?」

そうだ……今在る形が全て本質とは限らない。変化して初めてもたらされるものもあるだろう。

私はそれを知っている────

だって私は私じゃないから。
そして私は私でもあるから。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:15:04.90 ID:w0tc1BCaO
放課後──

唯「」ブツブツ

梓「唯先輩今日はちょっとおかしいですね…」

律「今朝からああなんだよ…。頭でも打ったのかな」

澪「熱とか…かな?」

紬「心配ねぇ……」

ボロン…ボロン…

唯「良い音色…」

音と言うものは脳髄まで支配する。
食、匂いとは違う。本能的ではないのに人は音を愛する。

唯「不思議だよね…」

ここだけがまるで別世界に切り離されたよう。覚醒した私でも、ギターだけは変わらず愛せている。

唯「ギー太…よしよし」

梓「ギー太が大切なのは変わってないみたいですね…」
澪「でもなんかベクトルが違うって言うか…」
律「不気味だよな」
紬「(病んでる唯ちゃんもいいわ…!)」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:22:11.27 ID:w0tc1BCaO
──帰り道

まだ雨は止まない。
ギターのギー太は家で弾きたいが為に無理やりビニールに包みもって帰ることにした。
そのままもって帰ろうとしたが澪ちゃんがわざわざ包んでくれたのだ。
彼女は私がこんなになっても変わらず優しく接してくれる。
いや、昔の私に今の私を重ねているだけか。

ジャブ……ジャブ……

一歩、歩く度に道に薄く溜まった水に波紋が広がる。

雨は好きだ。前は嫌いだったがこの私になってから大好きになった。
降られる雨音で世界は支配される。それだけで私は自由になれた気がしていた。
誰にも縛られず……
支配されれず……

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:27:12.48 ID:w0tc1BCaO
───家

憂「お帰りお姉ちゃん。ギー太持って帰って来たんだ。明日も雨らしいから置いてきた方が良かったんじゃない?」

憂「あっ、も~ギー太庇うのに必死になるのもいいけどお姉ちゃんが濡れちゃったらギー太も悲しむよ? 今拭いてあげるね」

優しい優しい妹。
この子は純粋に私を愛してくれているのだろう。
髪を優しく拭いてくれる。

憂「先にお風呂入る?」

上目遣いでそう聞いてくる憂。

いとおしい────

孤独になった私は飢えていた。
暖かさに……。

私は知らず知らずに憂を強く抱きしめていた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:34:31.32 ID:w0tc1BCaO
憂「お姉ちゃん…どうしたの?」

唯「憂……」ぎゅうう

憂「お姉ちゃん……///」

憂も抱きしめ返してくれる。

暖かい───

忘れかけてた温もりが戻って来た様に思えた。けど……私はもう、憂が知っている平沢唯じゃない。
だから私はそっと憂から離れた。

唯「お風呂……入ってくるね」

歩きながら濡れた衣服を脱ぎ捨てる、下着も脱いで洗濯物かごにぶち込むと白く湯気った世界へと身を投げた。

憂「お姉ちゃん…。寂しかったのかな…最近お父さん達帰って来ないし…。私が側にいてあげないと…!」

姉が脱ぎ捨てた服を集め、洗濯物かごに入れ、「お姉ちゃん湯加減大丈夫~?」などとまで聞く辺り本当に良くできた妹である。

唯「うん、大丈夫…」

汚い体だ……汚れている。
私は、目を反らした

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:40:22.43 ID:w0tc1BCaO
部屋───

雨は未だ止まない。
電気もつけないまま私はお風呂でびしょびしょになった体や髪の毛やらを拭いている。

唯「……」

瞳が顕微鏡の様に鋭く細まる感覚。
カーテンの向こう側、雨の世界に身を投じたい、そんな欲望が私を支配する。

そんな時、無機質な音が二回した。

憂「お姉ちゃん? 入るよ?」

それが憂のノックだと気付いた頃には憂は私の部屋に侵入していた。
あまり話したい気分じゃなかったけれど、可愛い妹がわざわざ尋ねて来てくれたのだ、無下に扱うこともないだろうと私は憂に向き直る。

唯「どうしたの…、憂?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:46:58.39 ID:w0tc1BCaO
憂「うん…ちょっとお姉ちゃん寂しそうだったから…」

良く見ると妹は枕を持っている。
真っ暗な部屋に廊下の電気が入り込み、憂を後ろから照らしている。
男ならほっとかないシチュエーションだろう、なんて思いながら私は静かに憂の言葉に耳を傾ける。

憂「今日は一緒に寝よう?」

唯「憂…おいで」

そう言われると憂は暗い部屋に違和感を覚えながらも私の元に歩みよって来た。

憂「お姉ちゃん、電気…」

唯「つけなくていいよ。憂…」

私の隣、ベッドに座っている憂の肩を抱く。

憂「あっ……」

唯「よしよし……」

そのまま私の膝に誘うと、頭を撫でる。
憂は嬉しそうに「お姉ちゃん///」と言って素直に甘えて来た。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:52:41.20 ID:w0tc1BCaO
憂「何だかほんとにお姉ちゃんみたい……」

唯「ふふ、今まではお姉ちゃんらしくなかったかな?」

憂「そんなこと…ないけど///」

その間も憂を優しく、優しく撫でる。

憂は体制を変え、顔を上に向け私の顔を見ると、ニコッと微笑んだ。

幸せそうな顔だ。私みたいな人間でこうして幸せを感じてくれる人は憂ぐらいなものだろう。

憂「お姉ちゃん…大好き」

唯「憂……」

私はその言葉に……胸を撃ち貫かれた気がした。

唯「憂…ご飯、食べよっか」

憂「あっ! そうだったね……! ご飯まだ食べてないのに私…一緒に寝よう? なんて」アセアセ

唯「うふふ」

憂、あなたは幸せになってね。
私の代わりに……

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 22:58:05.37 ID:w0tc1BCaO
私達はいつも通りご飯を食べ終えた後、少しテレビを見たり雑談をした後、一緒に寝ることにした。

私の布団の中には憂がいて、小さな寝息を立てている。

私はそんな憂の頬を優しく撫でると半分起き上がり、カーテンの合間から見える外を見据える。

唯「ごめんね……憂。行かなくちゃ…」

静かにベッドから降り着替える。
普段は全く着ない大人っぽい格好。
白いシャツ、黒色のデニム。髪止め類などは一切せずに、

私は、雨の降る真っ暗な世界へと身を投げた。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:05:18.94 ID:w0tc1BCaO
真っ暗だった。

雨が支配する世界。人、一人存在せず、そこには私だけが佇んでいる。

バカな子みたいに傘もささず、私はただ雨の道を歩いた。
こないだバーゲンで買ったローファーが
コツ、コツ、とアスファルトに音を刻み込む。

唯「いない……か」

雨で濡れた髪を掻き上げながら私は何かを探していた。

唯「……」

捨てられ、雨でずぶ濡れになっている雑誌を見て、まるで自分みたいだと微笑する。

早く、早く、見つけないと

私は逸る気持ちを押さえながらも、雨の道をただ歩いていった────

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:10:05.31 ID:w0tc1BCaO
部屋───

憂「ん……」

唯「ごめん憂、起こした?」

憂「お姉ちゃん? またお風呂入ったの?」

唯「うん、ちょっと汗かいたから」

憂「あっ…ごめんね…」

私がいたせいで暑くなって、汗をかいてしまったと勘違いしている憂が可愛くて、可愛くて、少し憎らしい。

唯「憂のせいじゃないから、大丈夫だよ」

私は優しく微笑むと手早く着替えまた布団へと戻った。

憂「私…あっちで寝るから。お姉ちゃんもゆっくり寝て」

そう言ってベッドから離れようとする憂の腕を、私は強く掴んだ。

唯「憂……どうして…」

憂「お姉ちゃん…?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:15:47.96 ID:w0tc1BCaO
唯「そんな優しい生き方してたら…きっとこの先後悔するよ…?」

憂「……」

私は憂の腕を強く引っ張るとベッドに引き戻した。

唯「憂は自分より相手を大事にしすぎだよ……それじゃきっといつか自分の悲しみでパンクしちゃう…」

強く、強く憂を抱きしめる。憂にはこうなって欲しくないから。

憂「お姉ちゃん…。ううん、私はね…お姉ちゃん。自分よりお姉ちゃんのことが大切で大切で仕方ないの…。お姉ちゃんが喜んだら私が嬉しいって思うことより嬉しいんだぁ…。迷惑…かな?」

唯「憂……ありがとう」

その優しさが嬉しくもあり、また、怖くもあった。
好きなものを貪りたいという衝動を殺しつつ、私は憂の体温を求めるに留めた。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:21:40.85 ID:w0tc1BCaO
次の日───

その日は曇りだった。

憂「ギー太濡れなくて良かったね、お姉ちゃん」

唯「うん…。」

落ち着いた感じの私にも慣れて来たのか憂は心配そうな顔も見せず楽しそうに話ていた。

唯「…昨日雑誌…。」

昨日そこにあった雑誌はなくなっていた。

唯「急がないと…」

憂「? どうしたの?」

唯「ううん、何でもない」

自分が消えてしまう前に終わらせないと…。

死んで妹を泣かせるには、まだちょっと早いだろう。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:28:43.44 ID:w0tc1BCaO
学校───

唯「おはよう」

律「あ、唯。今日は雨降らなくて良かったな!」

唯「そだね」

澪「ゆ、唯! 今日のお菓子は期待していいぞ! なっ! ムギ?」

紬「ええ♪ パティシエの人がわざわざ新しいスイーツを作ってくれたの♪」

律「わぁ! 楽しみだなぁ! なっ! 唯!?」

唯「…ん? あぁ、そうだね」

澪「(お菓子に反応しないなんて…)」

紬「(唯ちゃん何かあったのかしら…)」

律「(唯もとうとう大人になったか…!)」

心配してくれるのはありがたいけど勘ぐられるのは好きじゃないな…。
一時間目は英語か…

澪「唯が英語の予習してる…」ガクガク
律「こんなの唯じゃないっ!」

うるさいなぁ…

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:35:07.90 ID:w0tc1BCaO
放課後───

私はいつも通り部活に出る。ここでいつもと違うことをすれば怪しまれるし、何より元々の私の作って来た世界を壊すのは忍びないと思ったからだ。

部室に入るといつも通りのメンバーがいた。

律「よしっ! 行くんだ梓っ! 唯を取り戻すんだっ!」

澪「もう梓しかいないんだ…頼む!」

梓「わ、わかりました!」

何を騒いでいるんだろう。私はギターを下ろすとみんなが溜まっている机に歩き出した。
机の上には美味しそうな色鮮やかなお菓子が並んでいる。
無駄な栄養摂取だけど、友達がせっかく持って来てくれたのだ。
食べないのは勿体無い。
私はただひねくれてるわけでも、病んでるわけでもないのだ。
だから彼女達の嫌がることを無理やりする意味はない。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:40:45.51 ID:w0tc1BCaO
梓「ゆ、唯先輩っ!」ババッ

私の席の前で後輩の梓が手を広げて何かをしている。

唯「どうしたの? あず…にゃん」

梓「えっ…、あの…その…」

何か照れたようにもじもじしている梓。

律「梓! 負けるな!」
澪「頑張れ梓!」
紬「梓ちゃん可愛い///」

梓「ふぅぅ~……唯先輩! 抱き締めてくださいっ!」

赤面しながらそんなことを告げる。
以前は私から良く抱きつき、困らせていた記憶があった。
しかし、梓が迷惑そうにしてた為やめたのだが…どういう事だろう。

唯「あずにゃん…」

梓「す、好きなだけどうぞっ!」

ここまで言われてスルーするのも梓の立場がない。私は言葉に甘え? ゆっくり梓を抱き締めた。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:46:16.29 ID:w0tc1BCaO
抱き締め、後ろに回した手で背中を優しくさすってやった。

梓「にゃ……」

唯「あずにゃん、いい匂いがする」

人間臭い、いい匂いが。

梓「唯先輩…」

私はゆっくり体を梓から離すと向き合い、小さな頭を撫でると席に座った。

唯「早く食べよ。お茶が冷めちゃうよ」

梓「は、はい…」

律「な、なんだあの大人な対応は……! いつもならもっと舐め回す様に撫で回すのに!」

澪「何か唯が遠くに行っちゃった気がする…」

紬「唯ちゃん大人っぽい…」

唯「そんなことないよ」

と言い、微笑む。

大人とか、子供とか、そんなことじゃないんだ。

私は…もうあなた達とは違うんだから

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:53:24.94 ID:w0tc1BCaO
その後も悩みとか、何かあったの? とか、質問され続けたけど心配しないで、と微笑みながら言うとみんな安心したのかそれ以上は追求して来なかった。
りっちゃんは「ついに唯にも恋人が……」なんて女子高生には一番の花話にシフトさせていた。
練習を一通りこなし、私達は帰路についた。

律「じゃ~な~! 唯~彼氏紹介しろよ~」
澪「ったく律は……」

紬「ふふ、また明日ね唯ちゃん」

そうして三人と別れた後、梓と二人で帰っていた。

梓「唯先輩…何か大人っぽくなりましたよね」

唯「そうかな? いつも通りだと思うけど」

梓「ううん。何か…お姉ちゃんって感じになりました。憂とそういうゲームでもしてるんですか?」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/28(水) 23:58:37.21 ID:w0tc1BCaO
唯「ゲーム?」

梓「いつまでお姉ちゃんらしくいられるかゲーム…みたいな?」

唯「ふふ、してないよぉ」

梓「で、ですよね」

唯「……前みたいに触れられないと不安?」

梓「えっ…いや、そうじゃないですけど…。ちょっと、寂しい…かな」

唯「寂しい?」

梓「はい…。私が知ってた唯先輩とは何て言うか…やっぱり違うくなってるから。自分が知ってる人がそうじゃなくなるって……何か寂しくて」

唯「あずにゃん……」

ごめんね…。
寂しがらせて…ごめんね…。

ぎゅっ…

梓「ひゃっ…」

唯「今はこうするぐらいしか思い付かなくて…寂しがらせてごめんね、あずにゃん」

梓「唯…先輩。(暖かい…とろけそう…けど前とは違う……。唯先輩…も…寂しいのかな)」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:03:03.81 ID:1jF45i/CO [1/44]
家───

憂「あ、お姉ちゃんお帰りっ」

唯「ただいま憂。良い子にしてた?」

憂「さっき帰って来たばっかりだし私そんな子供じゃないよぅお姉ちゃん///」フフフッ

楽しそうに台所に立つ憂。

唯「手伝うよ」

憂「ううん。お姉ちゃんはゆっくりしてて」

唯「だーめ。こっちは私が刻んどくから」

私はエプロンを掛けると憂の隣に立ち、一緒にキャベツを刻み始めた。

憂「お姉ちゃん大丈夫?」

唯「む、私だってキャベツを刻むぐらいできるんだよ憂?」

そう言うと葉を重ね、テンポよく包丁の上下運動を開始した。

トントントントン……

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:11:53.05 ID:1jF45i/CO [2/44]
憂「上手いねお姉ちゃん!」

唯「でしょ?」

以前の私ならこんな器用に手が動かなかっただろう。
包丁を持つ私の手は驚く程滑らかに、キャベツを刻んで行く。

トントントントン……

憂「~♪」

憂は気分良さそうに刻んでいる。

私は、というと…

トントントントン……トントントントン……ザンザンザンザン……ザッザッザッザッ!

キャベツを刻む速度をどんどん上げる。

憂「お姉ちゃん…?」

唯「憂、鍋吹き零れそうだよ」

憂「う、うん…」

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ

早く来い……

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:19:24.89 ID:1jF45i/CO [3/44]
憂「じゃあいただきます!」
唯「いただきます」

テレビもつけないまま、二人しかいないリビングの机でご飯を食べる。

憂「お姉ちゃんの切ったキャベツ美味しいね♪」ニコニコッ

嬉しそうに私を見つめて来る憂。私もそれを一口食べ、「そうだね」と答えた。

憂「最近のお姉ちゃん……何だから大人っぽいね///」

唯「そうかな?」

みんなにも言われていたけどずっと一緒にいた妹にまで言われるのならそうなのだろう。

憂「うん…。だからちょっと甘えちゃったり…しちゃうんだぁ///」

恥ずかしそうに顔を俯ける憂。今までの私はよっぽど姉らしくなかったらしい。

唯「ふふ、嬉しい?」

憂「嬉しいけど、ちょっと寂しい…かな」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:25:48.96 ID:1jF45i/CO [4/44]
唯「やっぱり憂も…寂しいんだ」

憂「ちょっとだけ…ね。もう甘えてくれないのかな…とか考えちゃって…エヘヘ」

唯「私はお姉ちゃんだから…ね。憂はもっと人に甘えるべきだよ。私は甘えすぎたから、もう十分なんだ」

憂「もしかして私の為に…?」

唯「違う違う。も~またそうやって憂は~」

憂「ん// ごめんねお姉ちゃんっ」

唯「憂、あ~ん」

憂「え…、ん~/// あ~ん///」

私のお箸で掴んだ唐揚げが、憂の口の中に消えて行く。

唯「美味しい?」

憂「美味しいよぅ/// お姉ちゃんもあ~ん?」

唯「ふふ」

私達はそんな仲睦まじい夕食をとっていた。

その時─────

ガタッ

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:30:45.90 ID:1jF45i/CO [5/44]
唯「ッ!?」

憂「な、なんだろさっきの音…」

唯「裏口から……。憂は隠れてて、私が行く」

私は台所から包丁を一つ手に取ると、裏口に向かって進軍する。

憂「お姉ちゃんそれ…」

唯「女の二人暮らし何だからこれぐらいしなきゃ。大丈夫、もし泥棒だとしても逃げてもらうだけだから……」

憂「警察に…」

唯「気のせいかもしれないし、警察はまだ早いよ憂。あいつらはこんなことじゃ動かないしね…。行ってくる」

後ろから気をつけてね、と言う声がする。
私はゆっくり、ゆっくりズリ足で進みながら、気分を高揚させていた。

来たのか…?
待ちきれず向こうから…

唯「ははは…おいでよ…私はここにいるから」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:38:41.30 ID:1jF45i/CO [6/44]
そろそろ物音がした裏口。
私は電気もつけず薄暗い廊下を歩いていく。
瞳が細くなる───

手に力が宿る───

裏口、洗濯物を干せるスペースになっている場所に出る裏戸だ。

天気が悪い日はこっちに干したりしている。
湿った雨の臭いが鼻につく。
外が近い証拠だ。

唯「ッ!」

私は一気に裏口を開け放つと包丁を突き出し辺りを警戒する。

いない…? 逃げたか?

ガサッ!

唯「なっ…」

下かっ、油断した。
さっきの音の持ち主がいきなり現れ、私は一気に飛びかかられた。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:45:15.71 ID:1jF45i/CO [7/44]
ガタンガタンッ!

憂「ひっ…お姉ちゃん…!?」

物音に怯えながらも姉の安否の方が勝った憂は恐怖も忘れ裏口へと走る。

憂「お姉ちゃん!」

唯「来るなっ! 憂! 逃げ……」

必死な姉の声が聞こえ、心臓を鷲掴みにされる思いになる憂。
憂は手近にあったモップ、その柄だけを外し取り、恐怖を覚えながらも裏口に突撃。

憂「お姉ちゃんを放っ!」

にゃあ……

憂「あれ?」

唯「憂! 何で来たの!? 早く逃げて!」

憂「……お姉ちゃん?」

にゃあにゃあ

唯「くっ……、そんなにまとわりつくなっ……!」

憂「ふふっ」

憂は何が楽しいのかそれをしばらく眺めていた。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 00:52:18.66 ID:1jF45i/CO [8/44]
─────

憂「最近雨宿りによく来るんだぁ、この猫ちゃん」

唯「そ、そうなんだ…」

にゃあにゃあ

憂は猫にミルクをあげながら撫で、愛浸っている。

唯「憂は怖くないの?」

憂「怖い? 可愛いよ? お姉ちゃんも猫好きだったでしょ?」

唯「そうだったっけ…」

私は憂が可愛がる猫を眺めていた。
嬉しそうににゃあにゃあと喉を鳴らしている。
憂が幸せを猫にあげているのだ。
このままでは憂の幸せがなくなってしまう。そう思った私は空かさず憂の頭を撫でる。

憂「なぁにお姉ちゃん?///」
唯「憂、ゴロゴロ~」
憂「ゴ、ゴロゴロ~///」唯「幸せ?」
憂「凄く///」
唯「良かった…」

違ったけど、良かった。でも猫は苦手だ、悪魔の使い魔だから

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:00:12.29 ID:1jF45i/CO [9/44]
その後いつも通りお風呂に入り、私はまた真っ暗な部屋で髪を拭いていた。

トントン、

憂「お姉ちゃん、一緒に寝よう」

唯「憂はすっかり甘えんぼさんだね」

憂「だってぇ…」

枕を持ったままもじもじする憂は正直可愛かった。

唯「いいよ、おいで」

優しく誘うと憂は餌を待たされていて、よし! と言われた子犬のようにベッドに入った。

憂「お姉ちゃん…あの仔猫、飼っちゃ駄目?」

唯「ん? ん~…」

憂「ちゃんと世話とかもするし…駄目?」

唯「憂がそこまで言うならいいよ」

憂「ほんと?! ありがとう、お姉ちゃん♪」

私はよしよしと憂を撫でると、憂はゆっくりと眠りへ旅立った。

私はまだそっちには行けない。ごめんね、憂。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:07:37.61 ID:1jF45i/CO [10/44]
今日は曇りだった。
う~んッ、と外で伸びをすると外灯に目をやる。

光に群がる蛾や羽虫を見て、「降らなくて良かったね、雨」なんて呟いてから昨日とは反対方向へ歩き出した。

にゃあ…

私の家の裏口から仔猫が現れる。

唯「ついて来ちゃ駄目」

そう言い付け歩き出すも、

にゃあ…

更に追随してくる仔猫。
私は仔猫を片手でムンスと持ち上げると、

唯「ついてきちゃ駄目、ね?」

余った手で頭を撫で伏せると再び地に起き歩き出す。

にゃあ~

今度は鳴くだけでついてこようとはしない。何となく行ってらっしゃい、と言ってる気がしたから

唯「いってきます」

そう呟いた。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:14:58.76 ID:1jF45i/CO [11/44]
昨日とは違いちらほらと人がいた。
夏休みを控え、悪ぶった学生なんかが夜遊びしている、という印象を受けた。

通り過ぎる度、「あの子可愛くね? 声かけようぜ」とか、「大人っぽいし…大学生とかじゃないのか? からかわれて終わりだろ」なんて声がした。

ちょっと服装を弄っただけでこれだ。人間と言うのは不思議なものだな、と思いつつ目的地の公園にたどり着く。

唯「いないか…」

やっぱり雨の日しかいないのかなと思いつつも少し待って見ることにする。
古びたブランコに腰を下ろし、キィーコーキィーコーなんて怖い音を響かせながら、それでも漕ぐのをやめない。

来なよ、早く…。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:21:44.20 ID:1jF45i/CO [12/44]
「ははっ、でさ~…」
「お前それマジかよ?」

「マジマジ…」

楽しそうな会話をしながら男三人が公園に入って来た。

私はそれを気にも止めずにブランコを漕ぎ続ける。

「あれ? こんな夜中に人がいるな」
「しかも女じゃん」
「俺の目(アイ)が可愛いって告げてるぜ!」
「誘うか?」
「いいねいいね! お姉さんっぽい感じだし俺ドストライク」


騒がしいな、と思いながらも私は全く動じていなかった。
所詮相手は人間だ、ああやって群れて…可愛いものだ。

「お姉さん今暇? ブランコより面白いことしようぜ!」
「おいこの子めっちゃ可愛いじゃん! 服装に騙されたわ~」
「可愛い系もまたよし…」

唯「今は気分じゃないから、遠慮しとくよ」フフッ

傷笑、どこか嘲笑うかの様に

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:26:16.75 ID:1jF45i/CO [13/44]
「待ち合わせとかッスか?」
「こんだけ可愛いからな~彼氏とかいるんだろうなぁ~はあ~」
「まてまて、まだ決まってない! 決まってなあああい!」

愉快な三人だな、と思いながらもとりあえず言葉を返す。

唯「まあ待ち合わせ、と言えばそうなるかな? 一方的に私が待ってるだけだけど…ね」

「えっなにそれフラれた感じ?」
「こんな可愛い子フるとかないわ…」
「来ない人待つより自分らと遊びましょうよ! お金とか全部出すんで!」

強引に連れていかない辺りいい人達ではあるらしい。彼らもまた夜に魅入られ、気持ち高ぶってるのだろう。

唯「ごめんね、また今度にしてよ。今は気分じゃないの」

そうやんわり断ることにした。いい人そうだから、出来れば殺したくない

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:31:43.59 ID:1jF45i/CO [14/44]
「どうする?」
「俺らそこら辺の悪い男達とは違うからな! 無理やりはよくないだろ!」
「良くないよな~でも~」

なかなか引き下がらないことに私は少しイライラしたのか、

唯「」キッ

目で殺気を送る───

「ッ! か、帰るか。何かお腹減ったし…俺」
「そ、そだな」
「ああ……」

私の殺気に恐れをなしたか、三人はまた今度会ったらご飯行きましょう、とだけ言って去っていった。

唯「少し脅し過ぎたかな…」

反省反省、と思いつつブランコから立ち上がり、再び徘徊を開始する。
あいつを見つけるその日まで────

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:37:06.06 ID:1jF45i/CO [15/44]
憂「ん……あれ? お姉ちゃん…いない」

ベッドを見渡すもそこには自分だけ。
憂はゆっくりと体を起こした後、一階に降り唯を探す。

憂「お姉ちゃん…?」

シーン……

静まり返った部屋は、まだ真っ暗で、

憂「お姉ちゃん…」

憂は心配になり、電気をつけて回り、玄関に唯の靴がないことがわかった瞬間

何も考えずに自分も姉を探す為に外に出ていった。

仔猫「……にゃあ」

誰もいない部屋に、仔猫の鳴き声だけが響いた。

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:37:56.42 ID:1jF45i/CO [16/44]



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:51:26.26 ID:1jF45i/CO [17/44]
唯「ただいま…」

誰に告げることなく静かに呟く。
靴を脱いで上がり、時刻を確認すると4時近くになっていた。

唯「今日はちょっと探しすぎたかな…これじゃ寝不足でクマが出来ちゃう」

早く寝よう、そう思い階段を上り、部屋に入った時だった。

唯「憂……?」

部屋に人の気配がない。
開いた窓から風が吹き、カーテンが揺れている。

唯「まさか……ッ!」

さらわれた?
まさか、あいつが間接的な手を使うわけが……
憂『お姉ちゃん♪』
唯「くっ…」

優しくしすぎた、近づけ過ぎたっ!
私はこんなにも汚れてて、幸せになる資格なんてないのに……!
憂に求めていた…知らず知らずに
それをあいつは見逃さなかったんだ…!
勢いよく階段を下り、玄関から飛び出すと、左右に振り向いた後本能的に左の道へと走った。

唯「間に合って…」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 01:59:32.97 ID:1jF45i/CO [18/44]
憂「お姉ちゃん…どこ行ったんだろう…」

まだ真っ暗な道をうろうろと危なげに進む憂。

憂「もしかしてお姉ちゃんが変わった原因が…」

そんなことを考えながらも進む。
夜中に家を出てうろうろするなんて生まれて初めてな憂には新鮮で、でもどこかやっぱり怖くて。

憂「やっぱり帰ろうかな…」

でもお姉ちゃんが…
そんな時だった。

「憂っ!!!」

来た方から唯が走ってくる。

憂「お姉ちゃん!」

唯「バカっ! こんな時間に一人でうろうろするなんて危ないでしょっ!」
憂「ごめんなさい…でもお姉ちゃんが心配だったの…」

強く憂を抱きしめると、話すか話さまいか葛藤する。

憂「お姉ちゃん…私ね…どんなお姉ちゃんでも…大好きだから」
泣きながらそう言う憂に、私はもう我慢出来なかった。

唯「憂、私はね……人間じゃないんだ」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:06:12.78 ID:1jF45i/CO [19/44]
憂「えっ…」

唯「驚いた? でも事実なの…ある日突然そうじゃないんだって…わかったの」

憂「でもお姉ちゃん…暖かいよ?」

唯「それは偽りの熱。私が私を演じる為の」

憂「でも…お姉ちゃん可愛いもんっ! 宇宙人さんとかはもっと…」

唯「そういうのじゃないんだ。人間と云う枠が違う…とでもいうのかな。私には普通の人にはわからないことがわかるし、聞こえたり見えたりもするんだ」

憂「…わかんないよぉお姉ちゃん…」

唯「わからなくてもいいんだ、憂。憂は幸せになって、私はなれないけど…その為になら命だって賭けるから」

憂「やだよっ……お姉ちゃん…も一緒にぃ…幸せになろ?」

唯「泣かないで、憂。大丈夫…私のことなんてきっと忘れるから…」

全てを終わらせたら…きっと、みんな私を忘れるだろう。
けど、それでいいんだ。
それで……

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:13:12.45 ID:1jF45i/CO [20/44]
泣き疲れ、眠ってしまった憂をおぶり、ベッドまで運ぶ。
脳のリミットを自由に外せる私にとっては憂の持ち運びなど造作もなかった。

唯「はあ…はあ…よいしょっと」

憂「ん……お姉ちゃん…」

唯「憂…」

ごめんね、心配かけて。
私が憂を心配するように、憂も私を心配してくれてるんだね。

唯「弱くて脆いものほど…いとおしいのかな」

憂を優しく撫でると、私も眠ることにした。

おそらく明日の夜中には奴と決着をつけることになるだろう。

唯「終わらせる……何もかも」

私は、憂を抱きしめる様に眠りについた。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:23:32.25 ID:1jF45i/CO [21/44]
朝、学校へ行くとき。憂は私に何も言って来なかった。
遠慮しているというか、まだ事態がよくわかってないらしい。

別れの際、昇降口で憂の頭を軽く撫でるとニコッと笑みを振り撒いた。
心配しなくていい、と言わんばかりに。

憂もそれを察したのか、笑みを返し、私達は別れた。

───────

他愛もない授業、人間的に言えばテストか。それを受けた後に部室に向かう。

唯「誰もいない…」

どういう事だろうか。まさか何らかの心情操作により彼女達にアクセス、部活と云う大切な活動を奪うことで私に精神的ダメージを与えに来たのだろうか?

梓「あれ? 唯先輩部室に忘れ物ですか?」

唯「あずにゃん…」

彼女だけは無事だったらしい。私と違うクラス、学年の為に見逃されたか…

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:30:24.12 ID:1jF45i/CO [22/44]
唯「ごめんね…あずにゃん。みんなに迷惑かけて」

梓「? 何のことですか?」

気にもしてない、と言ったばかり梓は灯(トン)ちゃんに餌をあげている。

梓「帰って勉強しなくていい(ry」

唯「危ないっ!」

パリーンッ

水槽の近くの窓ガラスが割れる。庇うようにして私は飛び込んで梓を守る。

梓「ゆ、唯先輩大丈夫ですか?!」

唯「だ、大丈夫だよ…」

ちょっと何ヵ所かやられたかな…

唯「ヒーリング…」

梓には聞こえない様にそう呟き回復。しかしそれでも回復したのは傷の5割といった所だろうか。

唯「誰が…!」
梓「野球部ですかね~…大会が近いからテストの時でも練習してるんでしょう」

空気圧を変化させて放ったエアー弾だろうか、奴めそんな高等スキルを…。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:31:53.45 ID:1jF45i/CO [23/44]
ソフトボールに脳内変換……よろしく……

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:37:06.78 ID:1jF45i/CO [24/44]
「ごめ~ん大丈夫だった~?」

梓「はい、なんとか」

外にいるソフトボール部員一同が一斉に頭を下げてくる。

私はそんなもの気にも止めずに怪しい人影を探す。

唯「隠れたか…」

梓「?」

とうとう部室にまで攻撃を仕掛けて来るほど奴は気が立ってるらしい。
後輩を巻き込むわけにはいかない、か…と素早く帰り仕度を整える。

唯「あずにゃん、今日で全部終わらせるから。私のこと…忘れないでね」

無理なことを言う、と自分でも思ってしまうが言わずにはいられなかった。

梓「え? あ、はあ…」

とわかってなさそうに頷いた梓を部室に置いて、私は急いで走った。

梓「唯先輩…日に日におかしくなってるような」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:42:33.98 ID:1jF45i/CO [25/44]
澪「だから~ここはそうじゃなくて…」

律「え~わかんないぃー!」

紬「りっちゃんファイト♪」

教室を通るときそんな声が聞こえた。

唯「りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん…」

操られているせいで部活も出来ずテスト勉強何かを代わりにさせられて…っ!

私は苦虫を噛み締める思いで踵を返し、家に向かう。

唯「全部終わらせるから…約束するから…!」

泣きながら懇願する私。こんなことをしても許してもらえるわけないのに…。
それでも私は、何度も何度も謝った。

律「あれ? さっき唯いなかったか?」
澪「さあ? さっきもテストだから勉強しよって言ってもそそくさとどっかに行っちゃうし」
紬「何か急な用事でもあるのかしら?」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:45:24.42 ID:1jF45i/CO [26/44]
家につき、私は部屋でひたすら夜を待った。

唯「体はもう長くないか…」

手や足を見て呟く。

唯「ははっ、ボロボロだ…」

力を使いすぎたんだ。
それにこれ以上人間の形は維持できない。
醜い姿の私を晒す前に、あいつを倒して終わらせる。

早く来い……早く来い……

私は少しだけ、眠ることにした。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:51:16.10 ID:1jF45i/CO [27/44]
唯「ん……」

憂「あ、お姉ちゃん…起きた?」

部屋の壁に座りながら凭れかかって寝ていた私の隣には、憂がいた。

唯「そんなところで何してるの? 憂」

憂「うんとねぇ、お姉ちゃんと一緒にいたの」

何が嬉しいのかニコニコしている憂。

唯「ベッドで寝なよ。こんなとこじゃなくてさ」

憂「ううん。お姉ちゃんと一緒がいいの」

唯「そ…」

しばらく二人は何も喋らずに、ただ暗闇の中に佇んでいた。

憂「お姉ちゃんご飯食べる?」

唯「いらない。もう……食べれないんだぁ」

憂「…そっかぁ」

昨日に言った、私が人間じゃない、と言うことを理解したのか無理やり押し付ける真似はしなかった。
そういうもんなのか、といった感じだ。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 02:56:23.39 ID:1jF45i/CO [28/44]
憂「お姉ちゃん…、昨日言ったよね? 私は人間じゃないから…、私のことなんて忘れるんだって」

唯「言ったね…」

憂「私ね、あれから考えたんだぁ。お姉ちゃんがもしほんとに人間じゃなかったら…お姉ちゃんじゃなくなるのかなって……」

唯「憂……」

憂「でもね、違ったの。お姉ちゃんは人間じゃなくたって私のお姉ちゃんなんだって…! だからねお姉ちゃん、私…絶対お姉ちゃんのこと忘れないから」

唯「……」

憂「今日…お姉ちゃんは行っちゃうんだよね、また」

唯「うん」

憂「二度と戻って来ないかもなんだよね…?」ヒッ…ク…

唯「…うん」

質問が進むにつれ泣き顔になって行く妹に、私はただただ「うん」と答えるしか出来ずにいた。

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:02:35.36 ID:1jF45i/CO [29/44]
憂「私……お姉ちゃんの妹で良かった……」

寄り添ってくる憂。

唯「私もだよ、憂。いっぱい、いっぱい幸せをありがとう」

強く抱きしめる。
まだ私の存在がある内に。

憂「忘れたくないっ! 忘れたくないよ…お姉ちゃん…!」

唯「……憂。他人の幸せを喜べる優しい子。でも幸せをあげすぎて自分を蔑ろにしたら駄目だよ…」

憂「うんっ……うん…」

唯「憂、今までありがとう」

憂「やだぁ!お姉ちゃんと一緒がいいの!お姉ちゃ…ん…」

唯「少し眠ってて、憂。目覚めた時、それは全部夢だって思えるから」

私はスリープの魔法をかけたハンカチを投げ捨てると立ち上がる。

唯「行こう、全てを終わらせるんだ」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:07:46.08 ID:1jF45i/CO [30/44]
夜中、時刻は丑の刻。

あれだけ煽って来たんだ、今日出てこないなんてことはありえないだろう。

私は家からもって来た包丁を柄の方からなぞる。

するとスゥーッと、包丁が紫色に輝き始めた。

唯「これでやつにも通じる…」

周りを見回しながら走る。

どこ…?

逸る気持ちを抑え、辺りを伺う。

フワッ……

唯「ッ!」

私の瞳が空間の歪みを捉える。普通の人間にはまず見えないであろう゛それ ゛を見つけて微笑んだ。

唯「見つけた……!」

奴は驚いたのか逃げる────

唯「逃がすかっ!」

真夜中の鬼ごっこが始まった。

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:12:43.48 ID:1jF45i/CO [31/44]
早く───
速く────
もっと疾く────

私は脳のリミットを一つ、また一つと解除していく。

今の速度は人間の゛それ ゛とはだいぶ異なる。オリンピック選手など今の私に比べれば赤子同然のスピードだろう。

追いすがる、が、奴も人間ではない。
人間の常識なんて私達には無意味だ。
いや、肉体が半分人間の私の方が分が悪い。
それでもただ走った。
奴は自分の得意な場所に私を追い込むつもりだろう。

唯「いいよ、行ってやる」

私はニヤリとしながら草木を避け、ベンチを乗り越え、自動販売機すら迂回し、奴を追った。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:17:58.95 ID:1jF45i/CO [32/44]
一般道に入り、奴は初めて攻撃をしかけてきた。

「……!」

昼間みせたエアー弾だろう。
空気の歪みがいくつも飛んで来るのがわかる。

唯「はぁっ!」

私はそれを包丁で切り裂きながら撃退。

「!?」

奴は驚いたのか攻撃する速度をあげる

唯「無駄だよっ!」

一つ、二つと切り裂いて、壁を蹴って空中で回転しながら三つ四つと切り裂く。

「!?」

唯「生憎ただの人間じゃないんだよっ!」

私は尚も追いすがる、逃げる奴。

奴は港の方へと逃げる気だ。
唯「海はまずいな…」

泳げないのを見抜かれたか…?
何としても先に仕留めないと…!

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:22:47.40 ID:1jF45i/CO [33/44]
律「あ~難しい~! 徹夜してやるもんじゃないな~勉強って」

───やぁっ

───とぉっ

律「ん~?」

なんだか外がうるさいな…もう夜中の3時にもなるのに。

律「酔っ払いが暴れてんのか?」

部屋の窓を開けて覗き込む。

唯「───はあっ!」

唯「───無駄だよ! 生憎ただの人間じゃないんだ!」

律「……」

ピシャッ

律「勉強し過ぎたんだなきっと。いや~幻想見るぐらい勉強しちゃダメだぞ私ってば」

唯……何やってたんだろ

一人で

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:27:41.30 ID:1jF45i/CO [34/44]
港────

やっと止まった。

唯「そろそろ降参したらどう? 私もマラソンはあんまり趣味じゃないんだよね!」

包丁の切っ先を奴に向け言い放つ。

「……」

奴は無言でこちらを見ている。

唯「……決着つけようか」

クルッと包丁を回して逆手に持つ。

奴も意図を読み取ったのか一気に襲いかかって来た。

エアー弾を二発、私はそれを左右に泳ぐ様に走り避け、奴に近づく

更に奴はエアー弾を打ち込みつつ私を牽制してくる。

唯「効かないよっ!」

直撃コースのエアー弾を切り裂き、距離をどんどん詰めて行く。

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:33:30.09 ID:1jF45i/CO [35/44]
「……!」

奴はエアー弾が効かないことを察したのか、急に何やら唱え始めた。

ビュウウウウウウー……

風の鳴き声の様な音がした後、ブルンブルンッ!と排気ガスを捻り出すような鈍い音が聞こえてきた。

暴走族「なんだテメェ! どこのもんじゃワレぇ!」

暴走族「いてまうぞこらー!」

暴走族「シャアッコラァ!」

唯「人間を操るなんて……ッ!」

操られた暴走族達は唯に襲いかかる。

暴走族「いてまうぞワレ!」
暴走族「シャアッコラァ!」
暴走族「ラッシャア!」

バイクに股がったまま鉄パイプで殴りつけに来る。

唯「ごめんね…恨みはないけど…」
憂『お姉ちゃん…』
唯「大丈夫、憂……殺しはしないから」

思いに過った憂に答えながら暴走族を迎え討つ唯。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:40:26.15 ID:1jF45i/CO [36/44]
一台目が突っ込んで来たのを唯はかわしながら、逆に鉄パイプを奪いとる。

暴走族「なんすんやワレェ!」

その鉄パイプを後から来た一台のバイクの車輪に投げ込むと勢い良く暴走族はバイクから投げ飛ばされた。

暴走族「あ、アホかこいつ」ガタガタ

暴走族「兄ちゃんこいつヤバいって! あんなことやるやつヤバいって」ガタガタ


飛ばされた暴走族の鉄パイプを拾いあげ、容赦なく襲いかかる。

唯「このっ! 早く戻れっ! 意識を取り戻してっ!」

暴走族「助けて!」
暴走族「こいつヤバいよ兄ちゃん! 頭おかしいよ!」
暴走族「に、逃げるぞ! ちょっとたかってお金もらおうとしただけなのに! クソッ!」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:46:06.92 ID:1jF45i/CO [37/44]
洗脳が解けたのか彼らは去っていく。

唯「全く世話がかかる…あんまり人間に干渉するのやめようよ?」

包丁をお手玉みたいに手遊びしながら私は奴を視る。

唯「終わりだよ、これで…」

「……!」

奴が背中を見せ、逃げようとする時だった。

唯「逃がすかっ!」

思い切り包丁を奴に投げつける。すると包丁は蒼白い刃となって奴を貫き、コンテナに刺さりこんだ。

消えていく、奴が、消えていく。

唯「あんたも悪気があってこっちに来たわけじゃないんだよね…私とおんなじ。ただ私には…憂がいた。それだけだよ」

消えていく蒼白い残り火を見ながら、私はコンテナに体を預けドサッと倒れこんだ。

唯「何本もってイカれたろう…」

避けたと思っていたが何発かはもらっていたようだ。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:52:06.52 ID:1jF45i/CO [38/44]
唯「たはは…無理しすぎちゃったかな…でもまぁいいや…全部終わったし」

にゃあ…

声がする、仔猫の鳴き声。

にゃあ…

唯「お前…どうして」

仔猫「良くやったな、ユイ」

唯「!? 喋っ…」

仔猫「覚醒者となりて、良く奴を討ってくれた。すまなかったな、こうするしかなかった」

唯「そっか…あの夜感じた力の源はやっぱりお前だったんだね」

仔猫「ああ。私はかつて奴らを討っていた、覚醒者として。だが君も知っての通り覚醒者の体は長くはもたない…故にこのような猫に擬態して新たな覚醒者を探していたのだ」

唯「それが私…か。酷いことするよね…無理やりなんてさ…」

仔猫「覚醒者は誰にでもなれるわけじゃない…故に選べないのだ。だから…すまない」

唯「いいよ…過ぎたことだし…もう、いいんだ」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 03:56:56.02 ID:1jF45i/CO [39/44]
朝日が登る、

唯「私はどうなるのかな? このまま光に溶けてなくなったり…?」

仔猫「そんなことはさせない、私が、この命に変えても…」

そういうと仔猫は私の膝に乗ってきた。

仔猫「むぅん」ペロペロ

手を舐めながら何かを私に送り込んで来ている!

唯「そんなことしたら…あなたが!」

仔猫「構わんさっ! 私はただの猫、これからもそう生きていく! ただ君は違う! 人間だ! 私とは違う!」

唯「人間なんかじゃ…」

仔猫「もう覚醒者である必要はない! 君はあの妹さんと一緒に還るんだ! 元在る世界にっ!」

唯「猫、さん…」

仔猫「くぉっ…」ゴロリン

唯「猫さんっ!」

仔猫「さらばだ、平沢唯」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 04:02:58.12 ID:1jF45i/CO [40/44]
唯「猫さっ」

目映い光が辺りを飲み込み、私は意識を失った。

─────────

憂「はあ…はあ…お姉ちゃん…どこ?」

急に走り出した仔猫を追ってこんな遠くの港まで来ちゃったけど…間違っていない気がする。

憂「お姉ちゃん!!」

コンテナに横たわる唯を見つけて急いで駆け寄る憂。

憂「お姉ちゃんっ!? しっかり!」

唯「ん……んん…あれ? 憂? ここどこ?」

憂「お姉ちゃん…まさか覚えてないの?」

唯「?? 何が?」
憂「そっか…消えるって…こういうことだったんだ」

唯「憂~それよりお腹減ったよぉ~早く帰ろ~?」
憂「うん、お姉ちゃん。」

憂は海の方を見ながらうっすら涙を溜める。
憂「さようなら…もう一人のお姉ちゃん…」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 04:09:06.00 ID:1jF45i/CO [41/44]
仔猫「にゃあ~」
憂「こんなとこにいたんだ。案内ご苦労様」

憂は仔猫を抱き抱えるとよしよし、と撫でる。

憂「帰ろっか、お姉ちゃん」

唯「うんっ!」

憂「この猫さんの名前何がいいかなお姉ちゃん?」

唯「う~ん、武者丸とかは!?」

憂「え~もうちょっと可愛いのがいいよ~」

唯「武者丸可愛いくない~?」

ふう、どうやら気づかれなかったか。
憂も、そして周りのみんなも二度と気づくことはないだろう。
私は…平沢唯、彼女の影を担う部分だと。

唯「(今度は二重人格に目覚めちゃったのか……私ってカッコいい…!)」

おしまい

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 04:15:14.87 ID:1jF45i/CO [42/44]
余談

澪「朝日が登る港って感じの歌詞書きたくて早起きして来たけど…何か思い浮かばないな~…」

澪「帰って勉強しなおそうかな…」

そんな時だった。
声が聞こえる。

澪「ん? 港の人かな…」

コンテナから覗き込むように声のした方を見てみると、

唯「私はどうなるのかな? このまま光に溶けてなくなったり…?」

唯「そんなことはさせない、私が、この命に変えても…」

仔猫「」ペロペロ

唯「そんなことしたら…あなたが!」

唯「構わんさっ! 私はただの猫、これからもそう生きていく! ただ君は違う! 人間だ! 私とは違う!」

唯「人間なんかじゃ…」
唯「もう覚醒者である必要はない! 君はあの妹さんと一緒に還るんだ! 元在る世界にっ!」
唯「猫、さん…」
唯「くぉっ…」
唯「猫さんっ!」
唯「さらばだ、平沢唯」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 04:19:43.02 ID:1jF45i/CO [43/44]
澪「唯……?」

何やってるんだ朝っぱら……。

澪「まさか演技の練習とか…?!」

澪「演劇に興味持っちゃったのかな!?」

私がいい歌詞書かないから…

澪「こうしちゃいられない! 唯の為にもいい歌詞書いて軽音部に目を向けさせなきゃ!」

次の日学校────────

朝日に歌う猫

仔猫は歌うよ~ 高らかに~

仔猫と少女は語るよ~ 朝日と共に~

律「却下」

澪「なんでーッ!?」

唯「(まさか視られてた…、澪ちゃんも覚醒者なの…?)」

おわり

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 04:21:42.52 ID:1jF45i/CO [44/44]
お察しの通り唯が厨二病でその唯視点での物語でした。

思ってたより憂が可愛くなって良かった

今度は普通に唯憂のほのぼのでも書こうかな
おやすみなさい


コメント

最初はまじめに読んでたのに…
結局ただの厨二病とかww

No title

厨二病と見せかけてガチと思って読んでたけど、
ただの厨二病だったでござる

No title

裏の裏を書かれたかっ・・・

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