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紬「LongDream」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:31:37.94 ID:Ah6Dy6pNO [1/123]
優しい声が聞こえる。

私は瞼をうっすらと開き声がした方向に顔を向ける。

「……ね、聞いてた?」

優しい声の主は私を悲しい目で見ている。

紬(この人は誰だろう?)

口に出して言おうとしたがダメだ声が出ない。

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:33:00.38 ID:Ah6Dy6pNO [2/123]
「……寝てたの?」

辺りを見渡す。
どうやら此処は教室のようだ。

私は教室で居眠りをしていたみたい。

頷くと彼女はニッコリと笑った。

「目ちゃんと覚めてる?」

もう一度、頷く。

「じゃあ……話の続きをするね」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:34:20.83 ID:Ah6Dy6pNO
私は彼女とお話をしていたみたいだ。

何をお話ししていたのか分からないけど……きっと私は寝ぼけてるんだろう。

「今、私達が生きて感じている世界はひょっとして夢なんじゃないかな?」

そっか……夢のお話しをしていたんだ。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:35:14.36 ID:Ah6Dy6pNO
彼女の手を握る。

「そうだね……私達は今お互いを見て、感じている」

彼女も私の手を握る。

「それに、こうやって手を伸ばせば触れる事も出来る。この感覚はリアルだよね」

彼女は続けて言う。

「でもね……この感覚だって結局は脳が感じている事。その脳が夢を見ていたら…?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:37:29.22 ID:Ah6Dy6pNO
今の彼女の目はさっきまでとは違い希望に満ち溢れた目をしている。

「今、自分が起きているのか、夢を見ているのか本当の事は誰も分からない……。」

欠伸を我慢して熱心に彼女の話を聞く。

私を眠くさせる彼女の声はまるで魔法のようだ。
別に話がつまらないと言う分けではない。

出来れば彼女の話しを永遠に聞いていたい。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:38:19.38 ID:Ah6Dy6pNO
「夢はさ、無意識が生み出す“見たい”と思ったイメージなんだよ」

彼女はより強く私の手を握る。

「あのね、こうしてアナタと幸せに生きている私、これは私の無意識が生み出したイメージなのかも知れない」

優しい風が吹く。
彼女の髪がなびいてとっても綺麗だ。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:39:20.60 ID:Ah6Dy6pNO
「そんな理想が生み出した世界だから、アナタはこんなに近くにいてくれて私はこんなに幸せでいられるのかもしれない」

私の頬を軽く撫でる。

「だって、夢の中なら何でも許されちゃうもん」

「私が我が儘を言ってもアナタは笑って許してくれる。そんな世界を私が望んだのかも」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:40:19.15 ID:Ah6Dy6pNO
「アナタは幸せ?」

私は首を横に振る。

「じゃあ私と一緒にいる時は幸せ?」

首を立てに振る。

「そっか……ありがとう嬉しいよ」

だんだんと瞼が重くなって行く。
頭がボーッとして何だかとてもいい気持ち。

「また、寝るの?」

コクリと頷き机に俯せる。

「いい夢見られるといいね」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:41:31.94 ID:Ah6Dy6pNO
「私も今日いい夢を見たんだアナタと一緒にいる夢……」

瞼を閉じる。

「アナタの頭上に綺麗な光の玉が浮かんでてさ」

「その玉から白い布が垂れて下がって来てね……」

意識が遠退いて行く…。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:43:36.18 ID:Ah6Dy6pNO
「アナタがその布を触ったかと思うとその布はアナタの背中に張り付いて翼になった」

「アナタは宙に浮かんでとっても楽しそうだった」

「私に手を差し出して……私がその手を握ろうとした瞬間に目が覚めた」

「寝たかな?……おやすみなさい」

「この夢が実現したらいいな……」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:44:33.79 ID:Ah6Dy6pNO
「……おい」

声が聞こえる……今度は嫌な声。

「おい!」

目を開き声がした方向に顔を向ける。

「起きるの遅いんだよ」

今度は知っている顔。
私が毎日見たくないと思う顔だ。

紬「……夢だったんだ」

「はぁ?何言ってんの?」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:45:34.96 ID:Ah6Dy6pNO
彼女は怪訝そうな目で私を見て何かを頭にかけた。

「消しゴムのカスだよー!」

私は俯いて頭に付いた消しゴムのカスを手で払う。

「何してんの?私がせっかく綺麗にコーディネートしてあげてんのに」

紬「………………」

私を夢から覚まさせてくれたのは私をイジメてる女の子だった。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:46:55.99 ID:Ah6Dy6pNO
中学三年になってから私は彼女にイジメられるようになった。

私がイジメられるようになった理由は私の父が彼女の父親をクビにしたからだ。

「ちょっとトイレ行こうよ」

私は首を大きく横に振る。
彼女は私の肩を強く強く握った。

紬「い……痛いわ」

「拒否すんなよ早く来いよ!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:48:03.82 ID:Ah6Dy6pNO
私は何も抵抗出来ずに彼女に無理矢理トイレへ連れて行かれた。

トイレには誰もいない。

「ここに入れよ」

彼女はトイレの個室を指を指して言った。

紬「……どうして?」

「いいから入れよ!」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:50:39.80 ID:Ah6Dy6pNO
彼女から背中を叩かれた私は渋々トイレの個室へと入った。

「出てくんなよ!」

彼女はドアを勢いよく閉める……何処かから何かを取り出す音が聞こえた。

続いて蛇口が捻られる音……水が流れる音。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:52:40.40 ID:Ah6Dy6pNO
彼女がしようとしてる事がわかった。

ドアを開こうとし逃げようとした瞬間、冷たい水が上から降ってきた。

「アハハハハハハざまぁみろ!」

彼女はドアの向こうで楽しそうに笑っている。

私の父親が彼女の父親にした事に比べれば……まだ耐えられる。

「じゃあその格好で帰るんだよー」

彼女は帰って行った。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:56:36.68 ID:Ah6Dy6pNO
紬「びしょびしょね…」

上着を脱ぐ。

紬「あ……」

上着を着なおす、上着を着ていないとダメだ。
シャツが透けてブラジャーがまる見えだ。

紬「はぁ……」

濡れたままトイレを出て教室へ戻る。

他の生徒達が私を見てクスクスと笑っている。

私には友達がいない……一人ぼっちだ。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 07:58:55.28 ID:Ah6Dy6pNO
何故、私には友達がいないか分かっている。

私の父親が私の父親をクビにした事をみんなに喋ったからだ。

それだけじゃない……彼女は父親がクビになった後の事もみんなに喋った。

お肉が食べれない、マンションから借家に引っ越した。彼女の父親が300万の借家を残して自殺した事も……。

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:46:07.06 ID:Ah6Dy6pNO
彼女を憐れんだ人達は私を嫌い除け者にした。

私がイジメられてる現場を見ても立ち止まり笑った。

でも、私は彼女を怨んでいない。
彼女の父親が死んだと聞かされた時、胸が酷く痛んだ。

お父様に何故クビにしたか?と聞いても「子供には関係の無い話だ」この一点張りでクビにした理由を話そうとしない。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:46:58.62 ID:Ah6Dy6pNO
私のお父様は仕事熱心だ。
社長だから当たり前なのかも知れない。

私はお父様に言った事がある。
アナタがクビにしたせいでクラスメイトの父親が死んだと。

お父様は顔色を変えずに「だからなんだ?出て行け」と私に言った。

きっと仕事に打ち込み過ぎて人としての心を失ってしまったんだと思う。
悲しい人。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:47:44.58 ID:Ah6Dy6pNO
カバンから蜂蜜の壷を持ったくまが描かれているタオルを取り出す。
そして頭を拭う。

紬「帰らなくちゃ」

タオルを肩に掛けてカバンを持つ。

早足で教室を後にし学校の校門を抜けた。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:48:45.74 ID:Ah6Dy6pNO
帰り道をゆっくりと歩く。
服が家に帰るまでに渇くようにね。

私はまだイジメられている事を家族には言ってない。

いや、言えない。
私をイジメている彼女事もある……それにお父様のせいでイジメられている何て言ったらきっと悲しむ。

お父様もお母様も悲しむ。
それに最近の二人は良く喧嘩しているから火に油を注ぐようなマネはしたくはない。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:50:39.92 ID:Ah6Dy6pNO
斎藤「お帰りなさいませ紬お嬢様」

玄関を開けると斎藤が1番に挨拶をして来た。

紬「お帰りなさい」

靴を脱ぎ自分の部屋へ行く。
服はもう渇いているから何も言われずに済んだ。

制服を脱いで部屋着に着替える。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:51:45.17 ID:Ah6Dy6pNO
「紬お嬢様入ってよろしいですか?」

部屋の向こうから声が聞こえる。

紬「えぇ、入っていいわよ」

ドアが開きお手伝いさんが私に一礼。

「制服を取りに来ました」

制服をお手伝いさんに渡す。

「ありがとうございます」

そう言ってお手伝いさんは出て行った。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:52:30.55 ID:Ah6Dy6pNO
疲れる……。
家に帰っても何かしらお手伝いさんや斎藤が私に気を使って話しかけて来る。

だから私も彼らに気を使ってしまう。

もう少し私の事は私にまかせて欲しいのに。

だけど、私にも安息の時間はある。
ピアノを弾いてる時やお風呂に入っている時。

……夕食の時間までピアノを弾いて時間を潰していようかな。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:53:14.19 ID:Ah6Dy6pNO
斎藤「紬様夕食の時間です」

私はピアノを弾くのを止めた。
部屋から出ると斎藤が待っていた。

紬「ありがとう」

斎藤「いえ、では食卓へ参りましょう」

斎藤はスタスタと歩いて行く。
私もそれに着いて行った。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:57:41.60 ID:Ah6Dy6pNO
食卓にはお母様とお父様を取り囲むように数人の人達が座っている。

私はお母様の横に座りエプロンを首に掛ける。

父親「それではみんな揃った事だし、いただきますかな」

お父様はワイングラスを片手に持ちお母様と乾杯をした。

それが終わると食卓に座っていた人達もお互いにワイングラスを持ち乾杯し始めた。

勿論、私も乾杯をした。
もう小さい頃から何度もやっているから慣れている。
たまには家族で食卓を囲みたいなぁ……。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 08:58:26.99 ID:Ah6Dy6pNO
食事が終わり私はお父様の知り合いの人達に挨拶をしながらお風呂場に向かった。

早くお風呂に入りたい。

「紬ちゃんこんばんは」

紬「こんばんは……」

初老の男性に挨拶をする。

私は逃げる様に初老の男性から離れる。
私は彼を知っている。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:00:10.01 ID:Ah6Dy6pNO
あの初老の男性は会社の重役らしく家に毎日来ている。

そして……私が将来結婚する事になっている男性のおじいちゃんでもある。

許婚って奴よ。
私にはまるで自由が無い。
将来、結婚する相手も決められない。
いざって時は逃げる予定だけどね。

多分、許婚と結婚したく無いと言ってもお父様は聞く耳持たないだろう。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:02:41.22 ID:Ah6Dy6pNO
私にも自由が欲しい。

許婚もいなくて好きな時に外に行けて。
友達と(友達はいないけど)一緒に遊んだりしたい。

もう中学三年だよ?
ある程度の自由が与えられていい頃だと思う。

こんな家に縛り付けられて毎日が嫌になる。

この事をお父様に言いたい……けどお父様が私に言う言葉は想像が付く。

「我が儘を言うな!これは教育だ」こう言うに決まってる。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:03:36.05 ID:Ah6Dy6pNO
やっとお風呂場に着いた。

服を脱いで洗濯籠に入れる。

そして、体と頭を洗い私には大き過ぎる浴槽に浸かる。

紬「ふぅ…………」

温かいお湯が一日の疲れを癒す。

紬「………………」

お風呂から上がったら、またピアノでも弾こう。
ピアノを弾いてたら時間が過ぎるのはあっという間だから。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:04:36.91 ID:Ah6Dy6pNO
お風呂から上がりバスローブに着替え真っ先に自分の部屋に向かう。

これから寝るまでは一人の時間だ。

何の汚れのないグランドピアノを見る。

毎日、私が手入れをしてるこのグランドピアノは私の1番の宝物だ。

椅子に座りピアノを弾き始める。
この時が1番幸せだな。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:10:13.30 ID:Ah6Dy6pNO
時計を見る。
時刻は11時を過ぎていた。

ピアノを弾くのに夢中になっていた。
そろそろ寝ようかな。

ベットに横になり目を閉じる。
そう言えば……今日、学校で見た夢。

凄く不思議な夢だったな。
あの人の手の感触も凄くリアルだった。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:11:17.05 ID:Ah6Dy6pNO
でも結局、誰だったんだろう?
知りたいな……。

可愛い顔をしていた髪にヘアピンをしていた。
笑顔もキュートだった。

もう一度あの人の夢を見れたらいいな。

紬「おやすみなさい」

おやすみなさい………。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:12:09.71 ID:Ah6Dy6pNO
「おーい起きろよ!」

声が聞こえる……。

誰かが私の体を揺さぶる。
目を開いて声の主を見る。
カチューシャを着けた元気そうな女の子が私の目の前にいた。

「よっ!」

誰なの?また声が出ない。

「遊ぼうぜ!」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:13:10.71 ID:Ah6Dy6pNO
彼女は私の手をグイグイ引っ張る。

ここで私は気が付いた……これは夢だ。

「早く立ってよ!ピアノ弾こうぜー」

私は立ち上がり彼女と一緒に椅子に座る。

「よーし!まずは弾いてみてよ」

頷き鍵盤に指を置く。
一呼吸置いて私はピアノを弾き始めた。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:14:12.10 ID:Ah6Dy6pNO
弾き終わり彼女を見る。

「うはー!すげー」

何でだろう……彼女と一緒にいると凄く安心する。

「やっぱりピアノ弾くのやめた!」

私は困惑の表情を浮かべて見せた。
声が出ないから、彼女とコミュニケーションをとる唯一の方法だ。

「あ……何で弾かないのかって思った?」

頷く、彼女は私に手を見せて指をウネウネと動かした。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:14:55.75 ID:Ah6Dy6pNO
「私こうやって指をチマチマ動かすの嫌いなんだ!」

指を動かすのを止め次は何かを叩く仕草をした。

首を傾げる。

「あー分からないか?この仕草を見て」

まったく分からない。

「そうだなー…まぁいっか!」

良くない、出来れば教えて欲しい。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:16:08.41 ID:Ah6Dy6pNO
「あ、もうそろそろ起きなきゃヤバイんじゃないのか?」

時計を見る……7時だ。

頷くと彼女は飛びっきりの笑顔を私に見せた。

「そっか、じゃあな!また会えたら会おうな」

彼女がそう言って数秒後……私は目が覚めた。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:17:09.72 ID:Ah6Dy6pNO
紬「楽しい人だったな……」

いい夢を見た後は何だか切ない気持ちになる。

斎藤「紬お嬢様朝です」

紬「もう起きてるわ」

斎藤「そうですか……制服はクローゼットに掛けてありますので…では」

クローゼットを開き制服を取り出す。
バスローブを脱いですぐに制服に着替える。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:28:05.30 ID:Ah6Dy6pNO
着慣れた制服……でも後六ヶ月後にはこの制服を着なくなる。

リボンを結びカバンの中を見る。

そう言えば昨日は学校の用意をしてなかった……。

学校の用意をしよう。
まだ朝ごはんまで時間はある。

今日もあの人からイジメられるんだろうな……。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:29:35.31 ID:Ah6Dy6pNO
用意も終わったし朝ごはんも食べ歯も磨いた。

斎藤から見送られ私は家を出た。

今日もいい天気だ。
後ろから誰かの笑い声が聞こえた。

振り返ると私と同じ制服を着た二人の女の子が一緒に歩いている。

また女の子が笑った。
きっと楽しいお話をしているんだろう。

私もああ言うふうに友達と何かを話しながら一緒に学校に行きたいなぁ……。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:34:09.36 ID:Ah6Dy6pNO
紬「………………」

黙って教室へ入り席に座る。

「あ、琴吹じゃん」

彼女は私をすぐに見付けた。
そして、私からカバンを取り上げる。

ジッパーを開けてカバンを逆さまにしカバンの中に入っている教科書や筆箱を床にバラまく。

「あ、ごめんねー」

わざとらしく笑みを浮かべながら私に謝る。
当然、悪いだなんて思っていないだろう。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:42:43.81 ID:Ah6Dy6pNO
私はただ黙って床に落ちた教科書や筆箱を拾う。

「私がごめんなさいって言ってるのにアナタは私に謝らないわけ?」

彼女の顔を見る。
眉間に皺を寄せ今にも私を叩きそうな表情だ。

紬「ごめんなさい」

彼女に聞こえるように言ってまた教科書を拾い始める。

最後の教科書を拾おうとした瞬間、彼女は私の手を踏み付けた。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:43:30.00 ID:Ah6Dy6pNO
紬「い、痛いわ……」

彼女はまだ私の手から足をどかさない。

「痛く無いでしょう?」

紬「足をどけて……」

少しだけほんの少しだけ威圧するように言った。

「何?その態度」

彼女は足を退かしてくれたが今度は私の髪を掴んだ。

「お前が私達の家族に何したかわかってんの?」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:44:56.58 ID:Ah6Dy6pNO
私と彼女を黙って見ていた人達が騒ぎ出す。

「そうそうマジ可哀相」「死ね」「琴吹さんが全部悪いよね」「つーかあんな酷い事して学校に来れるアイツの神経どうかしてるよねー」

クラスメイトの人達のヤジはまるで鋭利なナイフ、私の心をズタズタに切り裂いて行く。

紬「ごめんなさい……」

涙を堪えながら彼女に謝る。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:46:23.67 ID:Ah6Dy6pNO
「ごめんなさい?」

彼女は私の髪の毛を引っ張る。

紬「痛っ痛いわ!」

「お前のせいで私達の家族はグチャグチャなんだよ!謝っても許さないからな」

髪の毛から手を話して今度は肩を掴む。

紬「ごめんなさい……私がお父様に頼んでいれば……本当にごめんなさい」

ダメだもう堪えきれない。
涙が溢れて来る。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:49:41.40 ID:Ah6Dy6pNO
「はぁ?何で泣いてるの?意味わかんないんだけど」

ヤジも段々と酷くなる。
もうやめて……。

「死ね馬鹿キモイ最低」
誰が言っているのか分からないけど……もうやめて。

「……人殺し」

紬「……え?」

彼女は私を勢いよく押した。
尻餅を付く。

「私のお父さんを殺したのはお前だよ人殺し!」

違う……私じゃない。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:52:09.32 ID:Ah6Dy6pNO
「はぁ?何言ってるんだよ!お前の父親が私の父親をクビにしたから自殺したんだよ!」

紬「そうやって何でも人のせいにすれば良いって思わないでよ!」

「うるせんだよ!」

また彼女は私を押し飛ばした。

だけど私は倒れなかった。

紬「もう私に酷い事をしないで……」

ヤジが静かになる。
彼女は膝を着いて泣いた。

紬「私をイジメないで……」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 09:55:00.00 ID:Ah6Dy6pNO
クラスの人達が彼女を慰める。

ちょっと酷い事を言い過ぎた。
自分の席に戻り机に俯せる。

なんであんな事を言ってしまったんだろう……。
黙って彼女の話を聞いていればよかった。

酷い罪悪感が私を襲う。

まもなくして先生が教室に入って来てHRを始める。

そして……ただ時間が過ぎて行き放課後。
私はこの日、授業も聞かずに俯せひたすら罪悪感と戦っていた。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:01:58.11 ID:Ah6Dy6pNO
あれから二ヶ月が過ぎた。
相変わらず私は一人ぼっち。
そうだよね……彼女にあんな事言ったんだから。

私を見るクラスメイトの目は明らかに私を嫌ってる目をしてる。

地味な嫌がらせもしてくる。

私にわざとぶつかって来たり机の上に水をかけられたり……。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:03:30.26 ID:Ah6Dy6pNO
先生が教室に入って来た。

息を切らしている。
何かあったのかな?

「みんなすまん一限目は自習な」

クラスメイトの一人が何かあったのか?と聞いた。

「いや……何でもない」

何かを隠してる。
そんな表情をしていた。

さっきとは違うクラスメイトが話し始めた。

昨日、私は死ぬからバイバイとメールが来たらしい。

私をイジメていた彼女から……。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:05:12.53 ID:Ah6Dy6pNO
一人一人騒ぎ始める。
私、以外の全員が彼女の事を噂し始めた。

私も頭の中で想像をしていた。
もし、彼女に何かあったらどうしよう。

「落ち着け!」

先生が怒鳴るように言った。

「アイツは無事だ……」

ホッと胸を撫で下ろす。
よかった無事だったんだ……。

またクラスメイトの一人が先生に問いかけた。

「何かあったんですか?」
先生が答える。

「リストカット……してしまったみたいなんだ」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:08:49.66 ID:Ah6Dy6pNO
そんな……。

「容態は大丈夫だ心配ない……少し日にちが経てば学校にも来られる」

クラスメイトの一人が私を見る。

また一人また一人私を見る。

「じゃあ……自習だ静かにしてろよ」

先生は教室から出て行った。

いつの間にかクラスメイトの全員が私を見ている。
鋭い目付きで……私を見る。

「琴吹がリストカットに追い込んだんじゃね?」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:13:04.20 ID:Ah6Dy6pNO
紬「ち、違う!」

否定する決して私じゃない。
確かにあの時、彼女に酷い事を言った。
だけど、もし私が言った言葉が彼女を深く傷付けてしまったなら彼女はその日の内にリストカットをしている筈だ。

「嘘付くなよ!」

誰かが私に消しゴムを投げ付けた。

「お前だろ?」

紬「ち、違うわ!」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:17:02.01 ID:Ah6Dy6pNO
前の席の人が私にビンタをした。

紬「……っ!」

「アナタでしょ?」

首を横に振る。
また誰かが消しゴムを私に投げ付ける。

紬「…………私じゃないわ信じて」

「お前以外に誰がいるんだよ」

みんな私に罵倒を浴びせ始める。
そんな酷い言葉聞きたくない。
両手で耳を塞ぐ。
やめてもうやめて。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:27:56.81 ID:Ah6Dy6pNO
それからずっと私は責められ続けた。

先生がいる時は消しゴムのカスを投げ付けられ。

いない時は罵倒を浴びせられる。

放課後を告げるチャイムが鳴った瞬間、私は逃げるように学校を去った。

違う彼女を追い詰めたのは私じゃない。
みんな信じてくれない……。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:29:55.64 ID:Ah6Dy6pNO
家の扉を開ける。
おかしい何時もは斎藤が私を待っている筈なのに今日は誰もいない。

紬「斎藤?」

微かに誰かの声が聞こえる。
これはお父様の声だ……。
声がする方向へ近付いて行く。

お母様の声が聞こえる。

……二人はまた喧嘩しているみたいだ。

「だからあの時、おろせばよかったんだ!」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:32:19.08 ID:Ah6Dy6pNO
「そんな……何でそんな酷い事を言えるの?」

ずっと気になっていた。何が原因で喧嘩をしているのだろう?
聞き耳を立ててみる。

「紬はダメだ!何故あの時、女とわかった瞬間におろそうとしなかった!?」

「そんな事出来る分けないじゃない!」

……私の事で喧嘩をしているみたいだ。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:45:23.97 ID:Ah6Dy6pNO
「アイツが俺の会社が継げるか?継げないだろ!やっぱり男がよかった」

「酷いわ……」

「女に俺の会社は継げない男がよかった……」

お父様の話を黙って聞いて私は思った。
お父様にとって私は望まれた子供じゃなかったと。

もう聞きたくない。
聞こうと思ったのが間違いだった……。

部屋に行こう。

もう誰の話も聞きたくない。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:50:32.02 ID:Ah6Dy6pNO
紬「…………ぐすっ」

涙が溢れる。
拭っても脱ぐっても止まらない。

私は望まれた子じゃなかった……。

本当はお父様は男が産まれて来て欲しかったんだ……。

もう寝よう。
今は何をする気にもならない。

おやすみなさい……。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 10:56:14.57 ID:Ah6Dy6pNO
「寝てるか?」

目が覚める……あれ?
ここは何処だろう?

知らない場所それに声が出ない……そっか夢か。

「あ、起こしたか?ごめん」

黒くて綺麗な髪の女の子が私にお辞儀をした。
彼女の後ろにはツインテールの可愛いらしい子もいる。

「始めまして」

ツインテールの女の子も私にお辞儀をする。

私も彼女達にお辞儀をした。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 11:01:36.25 ID:Ah6Dy6pNO
「まだ寝てていいんだぞ」

私は首を横に振る。
この人達とお話したいから。

「そうですか……じゃあお話ししましょうか」

「うん、そうだな」

二人は私の目の前に来て座る。
何だか……この二人は姉妹みたいだ。

「何を話しましょうか……」

「そうだなー…」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 11:33:57.54 ID:Ah6Dy6pNO
「うーん…なぁもしも夢だったら?」

彼女の瞳を見る。

「何がですか?」

「ほら、アナタの世界が夢だったらどうする?」

彼女は私を見て言った。

もし私の世界が夢だったら……。

きっと私は喜んじゃう。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 11:43:45.36 ID:Ah6Dy6pNO
目が覚めて……お父様とお母様がまず1番に私に「おはよう」って言ってくれるの。

お母様とお父様はとっても仲が良くて……喧嘩なんか滅多にしない。

家族だけで一緒に朝ご飯を食べて笑って。
学校に行って……友達と放課後、遊ぶ約束をするの。

授業中、先生に内緒で友達と手紙を交換し合ったりそれがバレて友達と一緒に廊下に立たされたり…。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 11:49:58.09 ID:Ah6Dy6pNO
昼休みには今みたいに友達と話し合って……。

そして待ちに待った放課後……私は友達と一緒に遊びに行くの。

でも……こんな事は絶対に無い。

現実はお母様とお父様は喧嘩していて私には友達がいなくて……一人ぼっち。

「夢はさ……無意識が生み出す“見たい”と思ったイメージ何だよ」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 11:59:14.87 ID:Ah6Dy6pNO
「アナタの見たいと思った友達と一緒に話す夢を……」

「アナタが何かを見たいと思えば思う程……アナタは幸せな夢を見れます」

私が見たいと思えは思う程……。

「私達はアナタの友達だよ……アナタは私の事を知らないけど私達はアナタの事を知ってる」

「だって……ずっと一緒ですからね」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 12:08:56.71 ID:Ah6Dy6pNO
彼女達と私は友達……。

そっか友達なんだ。
夢の中の人だけど彼女達は私の友達。

「ムギは私達の大事な友達だよ」

大事な友達だなんて……そんな事、言われた事無いから嬉しい。

紬「ありがとう……」

いつの間にか声が出るようになっている。

紬「ありがとう……ありがとう……」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 12:14:53.61 ID:Ah6Dy6pNO
「じゃあ……もうそろそろ行かないとダメだから」

紬「何処へ行くの?」

「ムギが学校にだよ。色々ツライと思うけどその時は私達を頼って」

「何時でも力になりますからね」

紬「ありがとう……」

斎藤の声が聞こえる。
私は二人に別れを告げ瞼を開いた。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 12:22:21.48 ID:Ah6Dy6pNO
斎藤「紬お嬢様…朝ですよ」

紬「え、えぇ……」

斎藤「昨日呼び掛けても部屋から出なかったですね。何かあったのですか?」

紬「いえ、何でも無いわ……ただ眠くて」

斎藤「そうですか、それではさようなら」

紬「えぇさようなら」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 12:28:43.52 ID:Ah6Dy6pNO
起き上がり学校の用意をしようとした時に制服のままで寝てしまった事に気が付いた。

でも、あまり皺になっていなく外を歩くには十分だった。

学校に行きたくない。
お母様に頼んでみようかな?

きっと受験生だから頑張りなさいって言われると思うけど……。
とりあえず言ってみよう。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 12:50:55.80 ID:Ah6Dy6pNO
紬「あの……お母様?」

お母様が私を見る。
何だか酷くやつれている。
きっと昨日のお父様との喧嘩のせいなのかな?

「どうしたの?」

紬「学校を休みたいです……」

お母様はため息の後に「ダメ」と言った。

紬「わかりました……」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 12:55:04.21 ID:Ah6Dy6pNO
学校に行くしかない…。

また、みんなから色々言われると思うと胸が痛くなる。

斎藤「琴吹様、紬お嬢様を休ませた方がよろしいかと……」

いつの間にか私の横に斎藤がいる。

斎藤「お嬢様は昨日から気分が優れないと言っております」

当然、私は斎藤にそんな事を言っていない。

「わかったたわ……今日はゆっくり休んでなさい」

紬「ありがとうございます」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:05:54.61 ID:Ah6Dy6pNO
お母様の元から離れ、私は斎藤にお礼を言った。

紬「あの…ありがとう」

斎藤「何がですか?」

紬「お母様に休ませた方がいいと言ってくれて」

斎藤は首を左右に振る。

斎藤「いえ、私の判断です」

紬「斎藤の……?」

斎藤「……はい」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:10:39.39 ID:Ah6Dy6pNO
斎藤「紬お嬢様は最近、顔色がよろしくないので休ませた方がいいと思い私から琴吹様に頼みました」

紬「そう……ありがとう斎藤」

斎藤「いえ……今日はゆっくりとお休みになって下さい」

紬「えぇそれじゃあさようなら」

斎藤「はい」

斎藤と別れ自分の部屋に戻る。

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:19:16.21 ID:Ah6Dy6pNO
紬「はぁ……」

休んだのはいいけど何をしよう。
ピアノを弾きたいのだけど弾いてしまったらお母様から学校へ行けと言われてしまう。

ベットに横になろうかな。
今は眠くないけど……横になっていたら眠くなるだろう。

紬「はぁ……」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:28:05.04 ID:Ah6Dy6pNO
紬「ふぅ…………」

ベットに横になってから2時間経過。
まだ眠くならない。

斎藤「紬お嬢様お部屋に入ってよろしいですか?」

斎藤の声だ。

紬「いいわよ」

斎藤「失礼します」

ドアが開き斎藤が私の部屋に入る。
右手にサンドイッチを持っている。

斎藤「昨日、何も食べていないと思うのでサンドイッチを持って来ました」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:35:39.83 ID:Ah6Dy6pNO
紬「そう、ありがとう」

サンドイッチを受け取る。

斎藤「あ、それからお母様やお父様はお出かけになっています」

紬「そうなの?」

斎藤「はい、それでは失礼します」

斎藤が出て行った後サンドイッチを手に取り頬張る。

紬「おいしい……」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:42:49.37 ID:Ah6Dy6pNO
サンドイッチを全て平らげた。

紬「ごちそうさまでした……」

そう言えばお母様やお父様は今いないのね。

ちょっと気分転換がしたいな。
誰にも見つからないように家を出ようかな?

長い間、横になっていたから少し歩きたい。

こっそり外に出て少しだけお散歩しよう。

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 13:54:54.95 ID:Ah6Dy6pNO
静かに自分の部屋から出てドアを閉める。

廊下には誰もいない。

このまま誰とも会わずに抜け出すかも知れない。

胸が高鳴る。
なんたって始めて私は家を抜けだす。

誰から何も言われず好きな所へ行ける。

こっそりこっそり歩く。

紬「……………」

誰とも会わずに玄関まで行く事が出来た。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:04:00.46 ID:Ah6Dy6pNO
後はこの扉を開けば……。

斎藤「何処へ行かれるのですか?」

体がビクッと反応をする。
振り返ると斎藤がいた。

紬「さ、斎藤……」

斎藤「外へ行かれるおつもりですか?」

紬「うん……ダメ?」

斎藤は腕を組み何かを考えている。

斎藤「琴吹様は2時間後にお帰りになられます。それまで帰って来るのであればいいでしょう」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:09:25.20 ID:Ah6Dy6pNO
紬「帰ってくるわ」

斎藤「わかりました。気をつけて下さいね」

紬「わかった」

斎藤「この事は二人だけの秘密ですよ?」

紬「えぇ!斎藤ありがとう……じゃあ行くわね」

斎藤「行ってらっしゃいませ」

勢いよく外へ飛び出す。
日差しが気持ち良い。
斎藤には本当に感謝しなくちゃ。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:14:40.40 ID:Ah6Dy6pNO
しばらく歩く。

平日だから人は少ない。
何だか学校を休んで外をお散歩する何てイケナイ事だと思うけど……。

何だか凄く楽しい。

紬「あ、猫……」

子猫が物影から出て来た。
私はすぐに子猫の元に駆け寄る。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:20:27.35 ID:Ah6Dy6pNO
紬「何処から来たの?」

子猫はニャーとだけ答える。

紬「可愛いわね~」

頭を撫でると子猫は目を閉じて気持ち良さそうに欠伸をする。

紬「それじゃあ私、もっと他の所に行きたいからバイバイ」

子猫がニャーと言ったのを確認すると私は歩き出した。
よーし次は商店街に行こう。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:32:56.41 ID:Ah6Dy6pNO
商店街は人で賑わっている。
魚売り場で威勢の良い声を出す男の人。

それを立ち止まって聞いているおばちゃん達。

もう少し歩くとファーストフード店が見えた。

ガラスを通して中を覗いて見る。

高校生ぐらいの年の子が笑いながら昼ご飯を食べている。

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:37:13.36 ID:Ah6Dy6pNO
私も友達とファーストフード店に行きたいな。

あぁ言うふうに笑いながらハンバーガーを食べたい。

そう言えばテレビで見た事がある。
ファーストフード店ではご一緒にポテトもいかがですか?と聞かれるらしい。

聞かれてみたいな……。

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:42:30.64 ID:Ah6Dy6pNO
腕時計を見るともう一時間も経っていた。

時間が経つのが早いなぁ……。
そろそろ帰らなくちゃ。

もうちょっと回りたかったけど仕方ない。
お母様とお父様に私が家から抜け出した事がバレると斎藤と私が怒られる。

はぁ……またこう言う日が来るといいな。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 14:51:32.06 ID:Ah6Dy6pNO
紬「お帰りなさい」

斎藤「楽しめましたか?」

紬「えぇ…とっても」

私は微笑んて言った。

斎藤「それはよかった…もうすぐお母様とお父様が帰って来るのでご自分の部屋にお戻り下さい」

紬「わかったわ……斎藤今日はありがとう」

斎藤「いえ、お嬢様にも気分転換の時間は必要て思ったので」

紬「斎藤……本当にありがとう」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:00:11.02 ID:Ah6Dy6pNO
紬「楽しかった」

自分の部屋へと戻った私はベットに横になる。

少しだけお昼寝をしよう。

また、あの人達は私の夢に出て来てくれるかな?
とっても楽しみ。

何だか今日は一日が充実してる。
凄く楽しい。

毎日、こんな日が続いたらなぁ……。
瞼を閉じる。
あの人達が私の夢に出て来るといいな。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:06:36.04 ID:Ah6Dy6pNO
「起きろ紬」

何処かで聞いた事のある声……お父様の声だ。

紬「……お父様?」

「起こしてごめんな」

紬「いえ…大丈夫です私に何か用事ですか?」

お父様は私に笑顔を見せた。
お父様の笑顔……久しぶりに見た。

「許婚の事だけどあの話しは無しになったぞ」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:19:59.85 ID:Ah6Dy6pNO
紬「ほ、本当ですか!?」

いきなりの事でびっくりした。
まさか……許婚の話しが無しになるなんて……。

「あぁ、本当だ」

「よかったわね紬」

お母様が私の部屋に入って来た。

紬「……はい!」

「それとね……アナタが高校生になったら好きに外を歩いていいわよ」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:23:29.53 ID:Ah6Dy6pNO
紬「いいんですか!?」

「勿論よ!今までアナタに自由を与えなくてごめんね」

「俺が少し厳し過ぎたかな……?」

「本当に厳し過ぎるわよ」

二人は何だか仲が良さそうに見える。
新婚の夫婦みたい。

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:30:39.31 ID:Ah6Dy6pNO
紬「んっ………」

目が覚めた。
さっきのは夢だと気付くのひ数秒掛かった。

紬「…………夢」

そう、さっきのは夢。
仲良さそうにするお母様やお父様も夢。

お父様が私に言った事も夢。

紬「全部……夢なんだ」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:39:49.23 ID:Ah6Dy6pNO
斎藤「お嬢様……よろしいですか?」

紬「えぇ…大丈夫よ」

斎藤「夕食の準備が出来ております」

紬「わかった……すぐ向かうわ」

斎藤「かしこまりました」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:44:14.09 ID:Ah6Dy6pNO
夕食を食べ終わりお風呂にも入り終わりベットに横になる。

紬「おやすみなさい」

明日から学校に行かなくちゃ。
また何か言われるんだろうな。

でも、あまり休んでると家族にも迷惑を掛けてしまう。

……とりあえず今日は寝よう。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:47:59.84 ID:Ah6Dy6pNO
朝の日差しで目が覚める。
今日の夢はあのヘアピンの女の子のお話を聞いた。

声が出なくなっていたから何か質問したかったけど…それでも楽しかった。

何だろう……現実の世界より夢の世界の方が楽しい。

……早く制服に着替えよう。
学校に行かなきゃ……学校に行かなきゃ……。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 15:56:52.24 ID:Ah6Dy6pNO
朝ご飯を食べ学校へ行った。
私が教室へ入ると同時にみんなからの罵倒。

そして、女の子が私に突っ掛かって来た。

私は何も出来ずにただ叩かれた。
何度も何度も叩かれた。

私が叩かれる姿を見て男子生徒が止めに入ったけど、どさくさに紛れ男子生徒は私の胸を触った。

何も言えずに席に座る。
悔しさで胸がいっぱいだ。

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:03:22.60 ID:Ah6Dy6pNO
先生が来るまでずっと俯せていた。
みんなに罵倒されるのを私はただ我慢する事しか出来なかった。

あの夢のような友達は現実にはいない。

昼休みに私がイジメられている事を先生に言った。
わかった何とかしてみると言ってくれた。

これでやっとイジメが無くなるのかな?

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:08:27.71 ID:Ah6Dy6pNO
授業中に私は寝た。

夢の中のみんなが私を慰めてくれた。

夢の中では声が出ないからありがとうって言えない。
放課後。
私は女の子に連れだされ叩かれた。

私を連れ出した女の子を知っている。
最初に私をイジメていた彼女の親友だ。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:14:43.16 ID:Ah6Dy6pNO
私は彼女から何とか逃げた。
叩かれるのは嫌だ。

誰だってそうだ痛いの好きな人なんていない。

家に帰ると斎藤がいない。

そして聞こえるお父様とお母様が喧嘩する声。

私がどうとか、紬を産んだせいで子供が産めない体になったとか色々聞こえる。

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:25:00.57 ID:Ah6Dy6pNO
夕飯の時間、お父様が言った。
どうやら私をA高校に行かせるらしい。

その高校は県内トップクラスの学校で私は入るのが難しいと答えた。

……これからは勉強を沢山させるらしい。
今まで以上に沢山させるらしい。

本当は桜ヶ丘高校に入りたいと言いたかった。
でも、言えなかった。

反対されるのが分かっているから。

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:33:46.80 ID:Ah6Dy6pNO
お風呂から上がりすぐにベットに横になる。

早く寝たい。

夢の中のみんなの話を聞きたい。
みんなは私の1番の友達だ。

夢の中の住人が1番の友達だなんて、おかしな話だけど……それでも叶わない。
紬「おやすみなさい」

今、会いに行くからね。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:47:28.87 ID:Ah6Dy6pNO
今日はみんな揃っていた。
そして、みんなの話を熱心に聞いた。

それぞれの名前も聞いた。

ヘアピンの女の子は平沢唯ちゃん。
カチューシャの女の子は田井中律ちゃん。
綺麗な髪をした女の子は秋山澪ちゃん。
ツインテールの女の子は中野梓ちゃん。

みんな可愛いくて優しい人ばかり。
こんな友達が現実にもいたらいいのになぁ……。

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 16:57:41.03 ID:Ah6Dy6pNO
斎藤の声で目が覚める。

今日も学校だ。
でも、先生が何とかしてくれるだろう。

すぐに学校の支度をして制服に着替える。

ただ黙って朝ご飯を食べ歯を磨いた後に家を出る。

登校中にクラスメイトがいたから別の道から学校へ行った。

何で私がコソコソしなきゃならないの?
悪い事をしてるのはアッチなのに。

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:07:42.25 ID:Ah6Dy6pNO
学校でイジメられて家で二人が喧嘩する声を聞いて寝る。

二ヶ月程、それを繰り返して生活していた。

イジメられている事を家族に言おうと思っても言えない。

それに先生は何の力にもなってはくれなかった。

「みんなお前をイジメてないと言ってたぞ」先生はそう言っていた。

きっと私よりみんなが言ってた事の方が信用出来るんだ。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:12:54.99 ID:Ah6Dy6pNO
今日はみんなにどんな事をされるのだろう?

みんなは私の体や制服を傷付けるようなイジメ方をしない。

それだとバレてしまうからね先生に。

だから陰湿なイジメをずっと繰り返す。

給食に何かの幼虫を入れられ、上履きを男子トイレの便器に突っ込まれたりもする。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:21:54.08 ID:Ah6Dy6pNO
家には私の許婚が居た。

彼は私を見た瞬間に、馴れ馴れしく私の肩を触る。

彼が私を見る目は怖い。
足から私の胸まで全身を舐め回すように見る。

そして私の顔を見て不気味な笑みを浮かべるの。

嫌だ絶対にこんな人とは結婚なんかしたくない。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:28:42.93 ID:Ah6Dy6pNO
また今日もイジメられて喧嘩する声を聞いて日が暮れる。

イジメられて喧嘩する声を聞いて日が暮れる。

クラスメイトの人達が私をあざ笑い。

家族が私を除け者にする。

今は夢とピアノだけが私の救い。

鍵盤に指を置く。
イライラする声の中でジトジトする空気の中で私はピアノを弾き始めた。

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:35:23.00 ID:Ah6Dy6pNO
ピアノがうるさいと怒鳴られ私はピアノを弾くのを止めた。

……しばらく天井をジッと見ながら考え事をしていた。

あの夢の世界にずっといたい。

……叶わない事を夢見ながら私は瞼を閉じる。

明日の不安に怯えながらいつの間にか夢を見ていた。
夢の中のみんなは親身になって私の悩みを聞いてくれた。

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:52:35.34 ID:Ah6Dy6pNO
お母様が私に言った。

日曜日に許婚と二人でデートする事になった。

勿論、断った。
だけどお母様は私の意見を聞き流し無理矢理デートをさせられる事になった。

お父様も家族の為だとかお前の許婚は会社の重役だとか言っていた。

二人共、私の事なんか考えていない。

いや、考えているかも知れないけど私を物扱いしている。

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 17:58:53.28 ID:Ah6Dy6pNO
日曜日のデートの日。

斎藤から遊園地へ送られた。
斎藤は頑張って下さいだとか今日はいい日ですねとか言って私の本当の気持ちに気付いてくれなかった。

待ち合わせ場所には彼がいた。

また私の全身を舐め回すように見た。

鳥肌が立った。
もう嫌だ彼と会いたくない。

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 18:09:34.70 ID:Ah6Dy6pNO
気の乗らないまま彼にあっちこっちを連れ回され。

乗りたくもないアトラクションにも乗せられ。

日が暮れる。

斎藤が向かいに来るまで後もう少し。
綺麗な夜空を見ているといきなり彼が私の肩を両手で強く掴んだ。

そして抵抗する間もなく私は彼にキスされた。

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 18:15:11.80 ID:Ah6Dy6pNO
思わず彼を突き飛ばす。

彼は驚いた表情で私を見た。

彼から離れようそう考えた瞬間に斎藤が私を迎えに来てくれた。

素早く斎藤の車に乗り彼から逃げるように去った。

気持ち悪い。
まだ彼の唇の感触が残ってる。

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 18:24:51.24 ID:Ah6Dy6pNO
家に帰った私はすぐに歯を磨きお風呂に入る。

お風呂から上がってベットに横になる。

明日から学校だ。

もう嫌だ……ずっと夢の中にいたい。

頭の中で何かが閃く。
夢の中にずっといる方法が思い付いた。

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 18:38:10.29 ID:Ah6Dy6pNO
みんなが寝静まった頃、私はまだ起きていた。

クローゼットからいくつか洋服を取り出し繋げる。

破れないようにね。

……救いを求めて夜空を見た。

月や星が一つもない真っ暗闇。

1番最初に見た夢。
唯ちゃんが話してくれた話を思い出す。

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 18:44:16.53 ID:Ah6Dy6pNO
「アナタの頭上に綺麗な光の玉が浮かんでてさ」

綺麗では無いけど確かに光の玉がいくつかある。

「その玉から白い布が垂れて下がって来てね……」

布を天井に結び付ける。

「アナタがその布を触ったかと思うと」

大きく深呼吸。
上手く息が出来ない。

「アナタは宙に浮かんでとっても楽しそうだった」

私は椅子を蹴った。

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 18:53:24.01 ID:Ah6Dy6pNO
「私に手を差し出して……私がその手を握ろうとした瞬間に目が覚めた」
「寝たかな?……おやすみなさい」
「この夢が実現したらいいな……」

実現しているよ。
瞼を閉じる。
もう何かを考える余裕なんてない。
おやすみなさい。
長い夢を見よう。
長い長い夢を……。





END

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 19:52:12.85 ID:Ah6Dy6pNO
・・・・・・・

紬「………は」

チャイムの音で目が覚めた私は辺りを見渡した。

紬「学校……」

……そっかどうやら私は夢を見ていたみたいだ。

とっても嫌な長い夢。
時間は4時……放課後だ。

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 19:54:47.68 ID:Ah6Dy6pNO
そう言えば今日は合唱部に見学に行くんだっけ。

おかしいな何か記憶が断片的だ。

きって寝ぼけているのかな?

とりあえず合唱部に向かおう。
……場所何処だろ?

合唱部だから音楽室かな。

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 19:59:44.61 ID:Ah6Dy6pNO
音楽室の前に辿り着いた。

はぁ……緊張するな。
心臓に手を当てて深呼吸をする。

紬「…………よし」

音楽室の扉を開く。

紬「あのー…見学したいんですけど…」

カチューシャを着けた女の子が私の肩を掴む。

律「軽音部の!?」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 20:04:06.57 ID:Ah6Dy6pNO
紬「いえ…合唱部の」

今度は私の手を握って来た。

律「軽音部に入りませんか?今部員が少なくて…」

澪「こら!!そんな強引な勧誘をしたら迷惑だろ」

何だろう……。
随分前に彼女達の顔を見たような気がする。

ある言葉が頭の中に浮かんだ。

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 20:08:50.37 ID:Ah6Dy6pNO
『今、私達が生きて感じている世界はひょっとして夢なんじゃないかな』

何でこんな事が急に頭に浮かんだんだろう?

それに誰が言ったか分からない。

澪「捏造すな」

黒くて長い髪の毛の女の子がカチューシャをした女の子にチョップをする。

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/24(土) 20:21:54.56 ID:Ah6Dy6pNO [123/123]
紬「ぷっ…くすくす」

二人のやり取りを見て何だか可笑しくなってきた。

この部活に入りたい。
いや、この二人と友達になりたい、とても楽しそう!

紬「何だか楽しそうですねキーボードぐらいしか出来ませんけど私でよければ入部させて下さい」

また頭の中にある言葉が二つ浮かんだ。

一つ目は『夢はね無意識が生み出す“見たい”と思ったイメージなんだよ』

二つ目は『いい夢みれるといいね……』


紬「LongDream」



163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 20:37:29.56 ID:Ah6Dy6pNO
終わりです
元ネタはラブプラス、リンコの夢イベントです
ありがとうございました

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