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幼なじみ「お、こんなところに魔法使いが」2

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 21:57:24.84 ID:wtiqun6VP [1/20]
幼なじみ「起きろ、朝だ」

男「……んん」

幼なじみ「寝ぼけるな! ほら、さっさと起きろ!」

男「……おさななじみ?」

幼なじみ「そうだ、私だ。学校に行くぞ。遅刻してしまう」

男「学校? 魔法の?」

幼なじみ「まだ目が覚めてないのかお前は。いい加減にしろ」

男「わ、わ、すまんすまん。中学校だよな、中学校」

幼なじみ「そうだ。この私が毎朝起こしてやってるんだ。感謝しろ」

男「悪い悪い。じゃ、着替えるわ」

幼なじみ「うむ」

男「……」

男「着替えるんだけど」

幼なじみ「さっさと着替えろ」

男「ええー」

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:00:35.60 ID:wtiqun6VP [2/20]
幼なじみ「忘れ物はないか?」

男「ないって」

幼なじみ「テッシュは? ハンカチは?」

男「持ってる」

幼なじみ「体操着は? 弁当は?」

男「持ってるって! しつこいな!」

幼なじみ「……今日が期限の課題は?」

男「あ」

幼なじみ「はぁ……これだから」

男「うるさい!」

幼なじみ「まったく男は私がいないとだめなんだから」

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:03:51.58 ID:wtiqun6VP [3/20]
妹「あ、幼なじみさんおはよー」

幼なじみ「おはよう妹ちゃん」

妹「お兄ちゃん、また幼なじみさん困らせてるの? しっかりしてよね!」

男「そんなこと」

妹「もう、これじゃ結婚しても尻に敷かれそうだね!」

男・幼なじみ「「こ、こいつと結婚なんてしない!!」」

妹「あはは、やっぱり仲がいい! いってきまーす!」

男「こら! 妹ぉー!」

幼なじみ「結婚……結婚かぁ……」

男「お、おい! 何を想像してるんだ!」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:06:01.53 ID:wtiqun6VP [4/20]
幼なじみ「しかし、あれだな」

男「……なんだよ」

幼なじみ「……なんでそんなに仏頂面なんだ」

男「ほっとけ」

幼なじみ「照れてるのか?」

男「っ!」

幼なじみ「はは、男はわかりやすいなぁ」

男「さっきはお前だって……!」

幼なじみ「……ふふ」

男「ど、どうして笑う?」

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:08:04.47 ID:wtiqun6VP [5/20]
幼なじみ「いや、なんだ。男とはいつまでたってもこんな関係なんだろうなって思ってな」

男「……そんなにずっと一緒にいられるとは限らないぞ」

幼なじみ「そうかな? 私はそう思わないが」

男「そうかな」

幼なじみ「そうだよ、きっと」

男「そっか」

幼なじみ「うん」

男「ちっちゃい時からずっと一緒だもんな」

幼なじみ「だからこれからもずっと一緒でも不思議じゃないさ」

男「かもな。あー、こういうのを腐れ縁っていうのかな」

幼なじみ「ふふ、私は嬉しいけどな」

男「何か言ったか?」

幼なじみ「なーんでもない!」

男「……変な奴!」

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:12:05.08 ID:wtiqun6VP [6/20]
?「起き……! ……朝……!」

男「……んん」

?「男……!」

男「……! おさななじみ!」

妖精「きゃっ!」

男「うおっ!」

妖精「ようやくお目覚めですか。男様」

男「よ、妖精か……おはよう」

妖精「おはようございます。ちゅ」

男「わっ」

妖精「お目覚めのキスですわ」

男「ど、どうも……」

妖精「ふふ。では、お飲み物をお持ちいたしますね」

男「……」

男「嫌な夢を、見たな」

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:15:08.26 ID:wtiqun6VP [7/20]
男「あれ、妖精お前少女の使い魔になったんじゃなかったか。どうしてここに」

妖精「私がお仕えするのは男様ただ一人と申し上げたはずです!」

妖精「……でも確かに男様の命令は絶対ですし、従います」

妖精「それでも、男様が起きた時、一番最初に目にする姿は私であって欲しいのです」

妖精「あなたのしもべのいじらしくもささやかなこの願い、どうかお聞き上げくださいませ」

男「よ、ようわからんが、わかった。朝起こしてくれるのは助かる」

妖精「嬉しいですわ! さすが私の男様!」

男「(お前のって……主従逆転してないか……。別にいいんだけど)」

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:21:10.25 ID:wtiqun6VP [8/20]
妖精「男様には私に頼って欲しいのです! 私はあなたのためだったら何だって致しますわ!」

男「いや、そこまで大変なことはしなくても……」

妖精「いいえ! 男様はわかってらっしゃらないのですわ! 私のあなたへの忠義心の深遠さを!」

男「えーっと」

妖精「初めてあなたをあの森で見かけた時、私は運命を感じましたの!」

男「しょぼくれた中年って言ってなかったか……?」

妖精「あなた様の内に秘めた輝かんばかりの才能に私はいち早く気づいていましたのよ!」

男「おもっくそ侮辱してたよな」

妖精「私、男様を称える詩を思いつきましたの。聞いて下さいませ。男様、ああ男様、男様」

男「なんだそりゃ……」

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:27:51.35 ID:wtiqun6VP [9/20]
男「あの……その男様っての、やめない?」

妖精「どうしてですの?」

男「その、様付けっての慣れないんだ。どうにも」

妖精「男様ほど偉大な方がそんな風でどうしますの! これからも続々と男様を慕う下々が増えていくといいますのに!」

男「そんな予定はない」

妖精「いいえ、男様ほどの御仁の元にはたくさんの迷える子羊が迷い込んできますの」

男「俺は、神父じゃ……」

妖精「そして、男様に多くの者共がかしずきますの。そうして私は、その者たちを纏め上げるメイド長として……」

男「……」

妖精「ああ、ご主人様、この愚かにも美しいしもべの私にご命令ください。あなたのご命令でしたら上のことから下のことまで、なんだって致しますわ~~~」

男「ほっとこう……」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:35:17.82 ID:wtiqun6VP [10/20]
男「あいつ、まだ俺の部屋でなんか言ってるぞ……」

男「慕ってくれるのは嬉しいんだが、実際俺が何もできないと知ったらどうなることやら……」

教頭「おや、男先生ではありませんか」

男「あ、きょ、教頭、おはようございます!」

教頭「おはようございます。お早いですね」

男「え、ええ、ちょっとうるさい奴が……じゃなかった。も、物音がうるさくて……」

教頭「はて、そんな音していましたかな?」

男「ははは、ゆ、夢でも見てたんですかね」

教頭「そういえば、男先生。あなたに話があったのでした」

男「は、はい。何か」

教頭「……少女という生徒についてなのですが」

男「!」

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 22:46:19.13 ID:wtiqun6VP [11/20]
男「少女が……何か?」

教頭「その口ぶりですと、少女という生徒を知っておられるようですな」

男「あっ。あの、この前の学校を見まわっていた時にちょっと話したんです。い、いい子ですよね」

教頭「ええ。……ですがその、ここだけの話、成績のほうがちょっと優れていないと言いますか……」

男「……」

教頭「周りにも溶け込めなくて、どうしたもんかと教師たちもほとほと困り果てていたのですよ」

男「……はい」

教頭「そんなあの子が、つい昨日、使い魔を携えて教室に現れたらしいのです」

男「そうなんですか。……よかったじゃありませんか」

教頭「ええ。実に喜ばしいことです。しかし、同時に困った事が起こってしまったのですよ」

男「困った事、ですか?」

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:00:53.60 ID:wtiqun6VP [12/20]
   、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
教頭「落ちこぼれが教室にいると他の生徒の程度が下がる、という事ですよ。男先生」

男「っ!」

教頭「だってそうでしょう。他の生徒はもう既に発展的な内容を学んでいる」

教頭「それなのに、0から始めるようなレベルの少女に足並みを揃えているようでは、他の生徒達の学問の妨げにしかならないのですよ」
                    、、、、
教頭「わかりますか? 男先生。これが私の困った事です」

男「……っ!」

教頭「はい?」

男「それでもあなたは教師ですか! 教師ってのは、生徒一人ひとりに真摯にあたってやらなきゃならないってあなた言っていたじゃないですか!」

教頭「もちろん。私は教師です。生徒の事を一番思いやっていると自負しています。あなたよりもね」

男「だってっ!」

教頭「私はね。生徒全員の事を思いやっているのですよ。男先生、あなたは少女という生徒の事しか見ていない。いや、知らないのではありませんか」

男「ぐっ」

教頭「そもそも、今まで使い魔を得ることがまったくできなかった少女という生徒が、なぜ今になって使い魔を得られたのでしょうね?」

男「そ、れは……」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:12:43.44 ID:wtiqun6VP [13/20]
教頭「誰かがその生徒に肩入れをした。それも、生徒を導かせるのではなく、ずるをして」

教頭「男先生、あなたは」

幼女「教頭と男じゃありませんか。おはようございます」

男「!」

教頭「おはようございます。学園長先生」

幼女「こんなところでどうかしましたか?」

教頭「あなたこそ、ここは男子寮ですよ」

幼女「学園長だからいいのです! 二人とも、そろそろ職員会議を始めます。職員室に行きましょう」

教頭「はい。……男先生?」

男「あ、すいません。ちょっとトイレに」

教頭「ああ、引き止めてしまい申し訳ありませんでした。……ちなみに」

男「……はい」

教頭「先程の話は、冗談です」

男「は」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:17:15.08 ID:wtiqun6VP [14/20]
教頭「少女という生徒はぎこちないながらも教室でうまくやっているみたいですよ」

男「は、はぁ」

教頭「あなたが生徒のために心の底から怒ってくれるような方でほっとしました。これで安心してあなたに授業を任せることができる」

男「えっ……えっ?」

教頭「あのような暴言を吐いた事、心より謝罪します。申し訳ありませんでした」

男「えっ、いやっ、頭を上げてください」

幼女「また何かやったのですか? 教頭」

教頭「そんな目で見ないでくださいよ。大したことじゃありませんって。ね?」

男「え、えぇ」

幼女「ならいいのですが。教頭、行きますよ」

教頭「はい。男先生、はお手洗いでしたね。……ではまた後ほど」

男「……」

男「俺のやったことは……間違っていたのだろうか……?」

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:24:22.17 ID:wtiqun6VP [15/20]
男「ふぅ、すっきりした」

男「……」

男「くよくよ考えても仕方ない! 俺は俺が正しいと思うことをしたんだ」

男「……間違っていない……はず」

白猫「にゃー」

男「わっ」

男「なんだ猫か……」

男「この世界にも猫はいるんだな……」

男「別に羽が生えているわけではないか……」

白猫「にゃあ」

男「綺麗な毛並みだな」

白猫「にゃん」

男「腹減ってんのかな? 今俺、何も持ってないんだ、ごめんな」

白猫「にゃ」

男「行っちまった……現金な奴だ」

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:29:00.91 ID:wtiqun6VP [16/20]
妖精「ご主人様ぁぁぁ!」

男「なんだ、騒がしいな、妖精」

妖精「今、ご主人様、一体、何を、して、」

男「ど、どうしたそんなに血相を変えて」

妖精「私以外の者を愛撫されるなんて! ああ、あの泥棒猫が妬ましい!」

男「おいおい……」

妖精「きぃぃぃ! ご主人様はお優しすぎるんですわ! 誰でも彼でもあの少女にだって! 私が、私がご主人様の……」

男「ったく……ほら、妖精も撫でてやるからこっちにこい」

妖精「!」

妖精「……」

男「こんなのでいいのか」

妖精「こんなのがいいんですわぁ」

男「そうか?」

妖精「はいっ♪」

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:39:30.82 ID:wtiqun6VP [17/20]
幼女「というわけで、本日から男先生に授業の補佐をしてもらうことになりました」

男「補佐……ですか?」

幼女「はい。いきなり、一人で授業をやれと言われても無理でしょう?」

男「は、はい。確かに」

幼女「そこで、他の教師が授業している様子を見て、学んでもらおうというわけです」

男「はい」

幼女「あなたは生徒のようにただ知識を学ぶだけではありませんよ。教え方も一緒に学ぶのです」

幼女「つまり、単純計算で生徒の2倍は頑張ってもらわねばなりません。……できますか?」

男「はい。努力します」

幼女「努力だけでなく結果をだしてくれることを願います。……教師女先生」

教師女「はい」

幼女「男先生を、補佐に」

教師女「了解しました。よろしくね、男先生」

男「よ、よろしくお願いします」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:45:47.16 ID:wtiqun6VP [18/20]
教師男「お、教師女、今から授業か」

教師女「ええ、男先生と一緒にね」

教師男「君が男先生か、よろしく」

男「よろしくお願いします」

教師男「こいつ、ぼーっとしてるやつは教師でも容赦ないからな。気をつけろよ?」

男「え、え?」

教師女「ちょっと! 何言ってるのよ! もう!」

教師男「はは、まぁ色々大変だろうが、お互い頑張ろうぜ」

男「あ、ありがとうございます」

教師男「教師女もな。とちるなよー」

教師女「言われなくてもわかってます!」

教師男「じゃ、また休み時間にー」

教師女「もうっ!」

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:47:10.47 ID:wtiqun6VP [19/20]
男「仲、いいんですね」

教師女「ええ、あいつ、教師男とは……そう、腐れ縁、みたいなものかしら」

男「……腐れ縁」

教師女「ま、幼なじみ? になるのかしらね。付き合いだけは長いのよ」

男「……そうなんですか」

教師女「幼なじみなんていいもんじゃないわよね。お互い知られたくないことを知っちゃってるし! まったく嫌になっちゃう!」

教師女「……ってこんなこと男先生に言ってもしょうがなかったわね。ごめんなさい」

男「……いいえ。よく、わかります」

教師女「そうなの? もしかして、男先生にもそんな人が?」

男「……ええ、一応」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/15(木) 23:50:34.22 ID:wtiqun6VP [20/20]
男「(そんなこんなで教室に来たが)」

男「(補佐と言っても特にやることないんだなぁ……)」

男「(今回は座学みたいだし……)」

男「(水晶玉、か? あれがスクリーンの代わりなんだろうか……)」

男「(なんか色々映しだしているなぁ……)」

男「(よくわからん……昔から勉強は苦手だ……)」

男「(生徒たちで寝てる奴もチラホラいるのはどこの世界も変わらんのだな)」

男「(でも真面目に聴いてる奴らもいるなぁ……)」

男「あ、あれは……」

少女「!」

男「(気づいた……)」

少女「……」

男「(小さく手を振ってきた……しかもはにかむような笑顔で)」

男「(……悪い気分はしないな)」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 00:03:30.23 ID:VFDC6yDQP
教師女「それでは、これからこの世界について大まかに説明しようと思います」

教師女「みなさんはもうこの程度の事はどうということもないでしょうが、復習も兼ねておさらいをしましょう」

教師女「この世界には大きく分けて、3つの生体に分かれます。人間。魔法生物。未解生物」

教師女「この世界に住む生き物は、ほぼ例外にもれず、マナ、いわゆる魔法の源となる気ですね。それを持ち合わせています」

教師女「ただ、例外もあることはあるのですが、それについてはまたあとで述べます」

教師女「このマナを持ち合わせているため、私たちが魔法を使役することができるのです」

教師女「そして、この3つに分けられた中でも多くの種族に分けられるのですが……」

教師女「その中でも魔法生物は特に種類が多いことで知られていますね。猫、狐、妖精、烏、小人、兎牛、樹木族、この辺りはそれなりにメジャーな魔法生物ですね」

教師女「もっと強大なものですと、ギガンテス、ドラゴン、フェニックス、そんな生物もいるそうです」

教師女「もっとも、普通の人間じゃお目にかかることなんてできそうにありませんが」

男「(うさぎうし……?)」



257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 01:32:15.85 ID:ZYb8H/FAP [4/22]
教師女「次にそのマナによって、何ができるか」

教師女「それは、言うまでもなく魔法です」

教師女「一言に魔法といってもこれまた様々な種類がありますが、こちらも大別してみましょう」

教師女「はい、このように、我々が魔法と呼ぶモノは火、水、土という3つの属性によって成り立っていることがわかっています」

教師女「それ以外にも、ないことはないのですが……これもまたあとで説明します」

教師女「この基本3属性のそもそもの成り立ちは──」

男「(……いかん。こういう講義を聴いてると否応なしに眠く……)」

男「(いやいや俺は先生なんだ。起きて、起きてなきゃ……)」

男「(生徒への、しめしが──)」

少女「(あれ?)」

少女「(男先生ったら、うつらうつらしてる……くす)」

少女「(先生ほどの人だとこの授業、やっぱり退屈なのかな?)」

少女「(でも私は頑張らなきゃ! うん!)」

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 01:38:46.51 ID:ZYb8H/FAP [5/22]
幼なじみ「起きろ。帰るぞ」

男「いて。教科書の角で叩くなよ」

幼なじみ「もう、男は居眠りばかりだな」

男「だって授業って退屈じゃないか」

幼なじみ「そんな風だと、試験の時困るんだぞ」

男「そういう時にお前がいるんじゃないか」

幼なじみ「こういう時だけ私に頼って……もう」

男「サンキュー! 明日には返すからな!」

幼なじみ「ああ、わかった」

男「よし、帰ろうぜ!」

幼なじみ「急に機嫌が良くなったな」

男「気のせいじゃないか」

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 01:44:07.20 ID:ZYb8H/FAP [6/22]
幼なじみ「もう夏も終わりか……」

男「夕方だけど暗くなってきたもんな」

幼なじみ「夏の始まりはあんなにわくわくしたというのにな。なんだか寂しい」

男「逆に考えるんだ。これから秋が始まると考えるんだ」

幼なじみ「……だからなんだ」

男「……ほら、食欲の秋とか……読書の秋とか……」

幼なじみ「あんまりわくわくしないな」

男「う……」

幼なじみ「ああ、夏が始まる前に戻りたいな」

男「まぁ、待てばまた来年に夏は来るさ」

幼なじみ「……そうだな」

男「? どうした?」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 01:49:47.23 ID:ZYb8H/FAP [7/22]
幼なじみ「夏はまた来るけど、中学生のこの夏は、もう2度と訪れないんだよな」

男「まぁ……そうだな」

幼なじみ「だったらやっぱり、私は今終わろうとしているこの夏の、始まる前に戻りたいな」

男「……どうして?」

幼なじみ「……ひみつだ」

男「なんだよー。気になるじゃんかよー」

幼なじみ「ふふ、女は秘密を持つほど美しくなるのさ」

男「……それ、昨日やってた映画のセリフだろ」

幼なじみ「お、男も知ってたか」

男「ていうか一緒に見ただろ!」

幼なじみ「そうだったかなー」

男「わっ、帽子を取るな! 待て!」

幼なじみ「ふふ、追いつけるもんなら追いついてみろ」

男「待てよ……待ってよ!」

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 01:54:35.23 ID:ZYb8H/FAP [8/22]
男「(待てよ……どこ行くんだ……俺を置いていくな……)」

教師女「男先生!」

男「ん……はっ、はいっ!」

教師女「ええと、男先生、もしかして……寝てたんじゃ……」

男「い、いいえそんなことは決して! はい!」

男「(うわ、なんか生徒たちに笑われてる……恥ずかしい。って少女おまえもかっ)」

生徒女「……」

男「(ん……? なんであの子、俺を睨んで……)」

教師女「それなら、今から実践をしますので、男先生、ちょっと前に出てきてください」

男「え? は、はい」

男「(いったい何をやるんだ……)」

教師女「では、まず、男先生に火を放ちます」

男「は?」

教師女「はい、どうぞ─ファイア─」

男「って、あっつ!!! ちょ、燃えてる!!! 燃えてるって!!!」

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:01:28.28 ID:ZYb8H/FAP [9/22]
教師女「次に──」

妖精「私のご主人様に何をしますの!」

教師女「──え?」

妖精「えいっ! えいっ! このっ! 性悪女!」

教師女「きゃっ、一体何なの! このフェアリーは!?」

少女「ちょっと、妖精! 何してるの!」

教師女「こ、これはあなたの使い魔なの? は、早く何とかして!」

少女「は、はい。妖精、お願い、戻って!」

妖精「あなた、この性悪女を庇いますの!? この女は私の、いえ、私たちのご主人様にあろうことか放火しましたのよ!」

少女「ご、ご主人様? わ、私の……? 先生が……?」

少女「ふぁ」

妖精「放火は殺人と同じくらい重罪ですの! この女は、決して、許されざる者ですの!」

男「あっちっ!! おい、燃えてるんだって、服が、マジで、おい、誰か! 少女! 何ぽーっとしてるんだ! 妖精を、なんとか、おいいい!!」

266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:11:28.52 ID:ZYb8H/FAP [10/22]
教師女「少女さん!」

少女「はっ! 先生!」

少女「妖精よ、我、主なる者が唱える─リターン─」

妖精「まだっ! まだ足りませんの! 私のこの手は、真っ赤に燃えていますのぉぉぉ!」

教師女「はぁっ……はぁっ……まだなんとか間に合いますね……─リバース─」

男「うおぉぉぉ服が、俺の服が……元に戻ってる……?」

教師女「ふぅ、アクシデントはありましたが、これが先程述べた、3つの属性に属していない魔法の一つです」

教師女「その名も……」

男「おぉ! 燃えてなーい! 破れてなーい! 熱くなーい!」

教師女「そこ、うるさい」

男「また! あっつ!」

教師女「その名も──時空魔法。ただひとつの例外、空気属性です」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:16:56.32 ID:ZYb8H/FAP [11/22]
教師女「この属性の魔法はその名の通り、時を操る魔法です」

教師女「時間という概念を自分の思うままに操作できる。とても魅力的な魔法です」

教師女「──ですが」

教師女「この属性の魔法を使える人間はとても限られています」

教師女「いえ、人間だけではありません。あらゆる種族の生命体でこの属性の魔法が扱える者は数百年に一人といった割合なのです」

教師女「先程、私が見せたものは、私が行った魔法ではありません」

教師女「マジックアイテムにマナを蓄積させ、その効果を放出したのにすぎないのです」

教師女「そのマジックアイテムを作るのには物凄い時間と予算がかかります」

教師女「今使ったこれなどは、もはやただの石ですが、まる1年かけてマナを蓄積させ、最も増幅しやすいという場所に数年置いてようやく今のように、十数秒の時間を巻き戻すことができるのです」

教師女「そんな貴重なものを危うく無駄にするところでした」

少女「すいませんすいません!」

妖精「……ふん!」

男「あっつ!」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:23:38.45 ID:ZYb8H/FAP [12/22]
教師女「ということで、今日の講義を終わります」

教師女「あ、少女さんと男先生は職員室まで。……もちろん使い魔も」

教師女「では、礼!」



男・少女「「申し訳ありませんでした」」

教師女「少女さんはともかく……男先生、しっかりしてね」

男「めんぼくないです……」

教師女「それで、あの、妖精ちゃんは?」

少女「ええっと、その……」

教師女「……逃げたのね」

少女「すみませんすみません」

教師女「まぁ、いいわ。今度、目にもの見せてあげる。ふふ……」

男・少女「「ひっ」」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:30:53.21 ID:ZYb8H/FAP [13/22]
教師男「な、怖いだろ? あいつ」

男「はい、思い知りました……」

教師男「普段は優しそうに見せてるけどさ、猫被ってるんだよ、すぐ剥げるけどな」

男「は、はぁ……」

教師男「この前もさ、学園に騎士団の方々がいらっしゃった時なんか──」

教師女「あら? 楽しそうな話ね? 私にも聞かせてくれるわよね?」

男「ひっ」

教師男「ま、まぁ落ち着け教師女。お、俺は別に──」

教師女「ふふふ、詳しい話はあっちで聞いてあげる。今日は水っぽい気分かしら」

教師男「ひぃぃぃ! 水責めは! 水責めはやめてぇ!」

教師女「うふふ。今夜は寝かせないわ……」

男「お、恐ろしい……ん?」

少女「……」

男「少女が手招き。招き少女か……って、行くか」

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:37:13.50 ID:ZYb8H/FAP [14/22]
少女「だ、大丈夫でした?」

男「あ、ああ、なんとかな……」

少女「教師女先生ってあんなに怖かったんですね……初めて知りました」

男「俺もびっくりしたよ……」

妖精「あの性悪女! 許しませんわ!」

男「お、お前!」

少女「妖精! なんであんなことしたの!」

妖精「さっきも言ったでしょう! ご主人様を──」

少女「その先生をより傷つけちゃったのは妖精だよ! わかってるでしょ!」

妖精「う……」

少女「もう少しで、先生、コゲコゲのまっくろくろのクッサクサになっちゃったんだからぁ!」

妖精「は、反省してますの……」

男「いや、クッサクサではないんじゃないか……な。たぶん」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:44:17.69 ID:ZYb8H/FAP [15/22]

男「まぁ、なんだ、もうちょっと沸点を抑えてもいいんじゃないかってことだよ」

妖精「……だって、ご主人様が、危ないと思うと……自分でも抑えきれなくなるんですの」

少女「妖精ちゃん……」

男「うん、ありがとうな。妖精」

妖精「だからっ! あの性悪女にっ! 私は!」

教師女「みぃ~つけた」

男・少女・妖精「「「!!!!!」」」

教師女「性悪女の登場よ~。さぁ、妖精ちゃん、私とめくるめく世界に旅立ちましょうね~」

妖精「ひぃ! 私のそばに近寄るんじゃありませんのぉぉぉ!」

教師男「すまん」

妖精「ぴゃ!」

教師女「よくやった。教師男。ふふふ、この後、たぁ~っぷりとご褒美をやろう」

教師男「ははっ、ありがたき幸せ」

教師女「行くぞ」

教師男「はっ!」

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:50:56.17 ID:ZYb8H/FAP [16/22]
少女「行っちゃった……」

男「行っちゃったな……」

少女「……」

男「……」

少女「あ、あの」

男「ん、どうした?」

少女「先生、なんだか元気がないみたい」

男「! そ、そうかな?」

少女「さっきだって、先生ほどの魔法使いだったらあんな火、すぐ消しちゃったでしょ?」

男「え、えーっとそれはね。授業。そう、授業の進行を妨害しちゃいけないかなーって思ってさ」

少女「ほんとぉ?」

男「う、うん」

少女「……くすくす」

男「え、どうして笑うの?」

277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 02:55:25.20 ID:ZYb8H/FAP [17/22]
少女「だって、そうしてると先生、なんだか普通の人みたい」

男「(実際、普通の人だからなぁ……)」

少女「でも、先生のそういうところ……」

男「そういうところ……?」

少女「ううん、なんでもない!」

男「そ、そう……?」

少女「……」

少女「さっきだって」

男「うん?」

少女「授業中に居眠りしてたもんねー? 先生」

男「……ああ」

少女「ご、ごめんなさい」

男「……どうしてあやまるの?」

少女「……先生が、なんだか悲しそうだから」

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 03:01:06.89 ID:ZYb8H/FAP [18/22]
男「……そうかな」

少女「わからないけど、私にはそう思えるの」

男「……少女ちゃん」

少女「なぁに? 先生」

男「君は、優しいんだね」

少女「わっ、先生!?」

男「ありがとう。……君のおかげでちょっと救われた」

少女「ううん、私も、先生に、いっぱい助けられてる」

男「そんな大したこと──」

少女「ううん、先生は、私に色んなものをくれたんだよ。このたった数日間で」

少女「これってとってもすごいことだと思わない?」

男「……ありがとう」

少女「どういたしまして。ありがとう、先生」

男「どういたしまして、少女ちゃん」

279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 03:06:10.50 ID:ZYb8H/FAP [19/22]
少女「そ、そろそろ、離れたほうがいいんじゃないかな……ここ、職員室の前だよ」

男「わわっ、ご、ごめん。生徒にこんなことするなんて、俺は最低だ……」

少女「ううん、いいの。私は嬉しかったから。男先生の胸の中、とっても暖かかったよっ!」

男「……」

少女「は、恥ずかしがらないでよ……わ、私も……」

男「……」

少女「……」

男「あ、あの」

少女「じゃ、じゃじゃじゃあ先生また今度ね! ばいばい!」

男「あ、ああ……」

男「……やっちまった、か?」

男「でも──」

男「よし!」


280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 03:15:34.34 ID:ZYb8H/FAP [20/22]
次の日、妖精は俺を起こしに来なかった。その次の日も、そのまた次の日も。

心配した俺と少女だったが、1週間も経ったある日、ひょっこりと戻って来た。

なんだかとっても礼儀正しくなっていたのは気のせいだろうか?

「妖精ちゃん、私が命令したらとっても素直に従うんです。でもなんだかびくびくしてるような気がするのは気のせいなんでしょうか?

 それからたまに、夜中に私の部屋で蝋燭怖い蝋燭怖いってブツブツ呟いている声が聞こえるようになったんです」

とは、少女談である。……深入りするのは止めたほうがよさそうだ。

それから、1ヶ月はさして語る必要のあることもなく、平々凡々な毎日であった。

──まぁ、今までいた世界では体験できないことばかりではあるが。

そんなある日に、新たな事件が起こったのである。

282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 03:26:42.65 ID:ZYb8H/FAP [21/22]
次回予告

男が目覚めると、そこには妹と姉と義妹と義姉と双子がいた!
酒池肉林のパラダイス。嫌なことを何もかもを忘れ、肉欲に溺れる男。
妹を右手に、姉は左手、義妹と義姉を両足に侍らせ、双子には奉仕という名の寵愛を。
暴走する姉、理性を焦がし本能に身をまかせる双子と義妹。そして爆発する妹と存在を忘れられる義姉。
7人が寝台に集うとき、ベッドのスプリングは悲鳴を上げる。

次回、人、大杉。

君は、生き延びることができるか

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/16(金) 03:28:45.08 ID:ZYb8H/FAP [22/22]
今日は全然進みませんでしたが、
金曜が休みなので起きたら書こうと思っております。

それでは。


ここでスレ落ちでした

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