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唯「私も大人になったら大人になるのかな?」

1 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:22:41.98 ID:Czdqqq5IO [1/109]
私はバス停前のベンチに座りバスを待っていた。

唯「次のバスが来るまで後、二時間かぁ…」

蝉の鳴き声、夏の日差し、夏特有の匂い。

唯「もう、すっかり夏だなー」

お茶を少し飲む。

唯「美味しい……」

3 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:29:04.54 ID:Czdqqq5IO [2/109]
私が高校を卒業してから六年経った。
今では私も立派な社会人だ。
あの頃は楽しかったなぁ。
高校で過ごした三年間、本当に凄く楽しかった。
私の人生の中一番楽しかった。

4 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:34:17.25 ID:Czdqqq5IO [3/109]
女の子「あ、あの……」

私があれこれ考えていると小さな女の子が私に話しかけて来た。
見た目は五歳ぐらいの、おさげをした可愛いらしい小さな女の子。

唯「どうしたの?」

女の子「聞きたい事があるんですけどぉ……」

涙ぐんだ目で女の子は私を見る。
道にでも迷ったのかな?

6 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:37:24.63 ID:Czdqqq5IO
唯「聞きたい事?」

女の子「はい……あの……」

女の子と目を合わせる。
恥ずかしいのか女の子はすぐに私から目線を逸らした。

唯「うん、なに?」

女の子「バスの乗り方が分からなくて……」

8 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:41:01.87 ID:Czdqqq5IO
唯「何処に行きたいの?」

女の子「え…と……桜ヶ丘高校に行きたくて」

桜ヶ丘高校か…懐かしいな。
私が高校生の頃に通っていた高校。
1番の思い出の場所。

10 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:45:14.83 ID:Czdqqq5IO
唯「桜ヶ丘高校?私も同じ所に行くよ」

女の子「そうなんですか……じ、じゃあ」

唯「うん、一緒に行こう」

女の子は俯いて少し笑った。
それを見て私も笑った。
安心したのか私の横にちょこんと座る。

12 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:50:28.34 ID:Czdqqq5IO
唯「桜ヶ丘高校に何しに行くの?」

女の子「えーと……お母さんのお見舞いに」

唯「そっか……」

桜ヶ丘高校の少し離れた所に病院がある。
きっと、この女の子はそこに行くのだろう。

唯「お母さんはきっとアナタが来てくれて喜ぶと思うよ」

女の子「そう……かな?」

唯「うん喜ぶよ」

14 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:54:40.36 ID:Czdqqq5IO
女の子「えへへー喜ぶよね!」

唯「うん!」

彼女は始めて私に目を合わせてくれた。
そして笑ってくれた。

女の子「お姉ちゃんも桜ヶ丘高校に行くの?」

唯「うん、そうだよ」

女の子「そうなんだーこの大きな鞄なぁに?」

唯「これ?これはねー!」

17 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:59:50.08 ID:Czdqqq5IO
唯「ジャジャーン!」

私はギターケースを開けて女の子にギターを見せた。

女の子「これってギター?」

唯「うんそうだよー可愛いでしょ?」

女の子「うん!可愛いねー」

唯「アハハ、ありがとう」

20 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:05:52.29 ID:Czdqqq5IO
女の子「触って見ていーい?」

唯「うんいいよー」

小さな真っ白な唯がギターのネックを触る。
ピーンと音が鳴ると彼女は慌てて手を離した。

女の子「お、音が…ごめんなさい」

申し訳なさそうに頭を下げる女の子の頭を優しく撫でた。

唯「ううん…ギー太も喜んでるよ」

21 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:09:34.60 ID:Czdqqq5IO
女の子「ギー太?」

唯「このギターの名前だよ」

女の子「えへへーそっかギー太くんかぁー」

彼女はギターをまじまじと見つめる。
目が凄く輝いてる。
私も子供の頃はこんな目をよくしていたなぁ…。

24 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:24:28.10 ID:Czdqqq5IO
唯「小学生?」

女の子「違うよもうすぐ小学1年生だけどねー」

唯「そっかぁ」

来年小学生か……。
幼稚園から小学生になる時って楽しみでたまらないんだよね。
キャラクター物の大きなふでばこに鉛筆や消しゴム入れたり。
小学校で使う筈のノートに落書きしたり。
懐かしいなぁ……。

25 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:27:41.95 ID:Czdqqq5IO
女の子「お姉ちゃんは今何歳なの?」

唯「………………」

懐かしいなぁ……。

女の子「お姉ちゃん?」

唯「あ……ごめんちょっと考え事してた」

女の子「そうなんだ!あのねーお姉ちゃんって何歳?」

26 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:40:25.89 ID:Czdqqq5IO
唯「私は二十四歳だよ」

女の子「大人だねー」

唯「うん…大人になっちゃった」

女の子「いいなー私も早く大人になりたいなぁ…」

唯「そうかな?私は子供の頃に戻りたいな」

女の子「えーなんでぇ?大人って楽しそうなのになぁー」

28 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:43:26.18 ID:Czdqqq5IO
唯「大人はね皆、子供の頃に戻りたいんだよ」

女の子「なんで?」

唯「それはね……」

携帯の着信音が鳴る。
憂からだ。

唯「ごめんね…電話だ」

女の子「うん!わかった静かにしてるねー」

30 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:46:35.17 ID:Czdqqq5IO
唯「はい…もしもし?」

憂『あ!お姉ちゃん?』

唯「うん、どうかしたの?」

憂『今はバス停にいるの?』

唯「そうだよ」

憂『そうなんだお弁当忘れてないかな?』

32 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:50:14.42 ID:Czdqqq5IO
バックを見る。
お化粧道具と財布、お茶とスケジュール帳その他色々。
お弁当は入って無い。

唯「……忘れてる」

憂『机の上にお弁当箱があったからね、もしかしたらと思って電話したんだ』

唯「どうしよう……」

33 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:53:11.14 ID:Czdqqq5IO
憂『そっちまで行きたいけど…今から会社だから』

唯「ううん…大丈夫だよコンビニでおにぎり買うよ」

憂『そっか、わかったバイバイ』

唯「うん、バイバイお仕事頑張ってね」

憂『うん!』

電話を切る。

女の子「誰からだったの?」

唯「妹からだよ」

37 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:58:29.90 ID:Czdqqq5IO
女の子「妹いるんだ!私のお母さんもねもうすぐ妹を産むんだぁー」

唯「そうなんだ!よかったねー!」

女の子「凄く楽しみ!私お姉ちゃんなんだよー」

唯「うん!凄いね!何だか私まで嬉しいよ」

38 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:01:15.86 ID:Czdqqq5IO
女の子「お姉ちゃんかぁー」

足をブラブラさせてニコリと笑う女の子を見て私は思った。
子供の笑顔は癒される。

唯「頑張ってねお姉ちゃん」

女の子「うん!」

42 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:05:38.79 ID:Czdqqq5IO
また、お茶を少し飲む。
女の子も私を見て肩からぶら下げていた水筒を持ち、蓋をコップ代わりにしてお茶を注ぐ。
ゴクゴクゴクとお茶を飲む音が微かに聞こえる。

唯「夏に飲むお茶は美味しいよね」

女の子「うん!美味しい!」

44 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:09:08.13 ID:Czdqqq5IO
唯「あ……そう言えば幼稚園生なんだよね?」

女の子「うん!年長さん!」

唯「年長さんなんだ!実は私ね幼稚園の先生なんだ!」

女の子「そーなんだぁ!」

唯「うん、とっても可愛い子ばかりでね働いてて面白いんだ」

女の子「私も幼稚園の先生になりたいんだぁー!」

46 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:11:27.28 ID:Czdqqq5IO
唯「そうなの?」

女の子「うん!子供好きなんだぁー」

唯「夢が叶うといいね」

女の子「ありがとー!」

私が働いてる幼稚園の園児にも将来の夢を語る子はいる。

49 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:17:36.35 ID:Czdqqq5IO
例えばパイロットになりたいとか、サッカー選手になりたいとか私に沢山の夢を語ってくれる。
本当に嬉しい事だよね。

女の子「お姉ちゃんみたいな優しい幼稚園の先生になりたいなぁー」

唯「……え?」

51 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:21:06.45 ID:Czdqqq5IO
私は女の子が言った言葉に少し固まった……。

唯「あ、ありがとう!」

凄く嬉しい……。
思わず溢れ出しそうになる涙をグッと堪える。

女の子「どうしたのー?」

唯「ううん…ただ凄く嬉しくてね」

女の子「私も嬉しい!」

53 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:26:54.53 ID:Czdqqq5IO
女の子「でも、私お姉ちゃんギター持っるからミュージシャンかと思っちゃったぁ~」

唯「それ、私の高校生の頃の夢だよ」

女の子「高校生の頃の?」

唯「うん、軽音部だったから」

55 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:40:00.11 ID:Czdqqq5IO
女の子「けいおんぶってなぁに?」

唯「えーと…軽音部はねみんなで楽器を演奏したりするんだよ」

女の子「ギターを演奏したりするの?」

唯「うん、そうだよ」

女の子「カッコイイね!」

唯「そう……かな?」

ちょっぴり照れ臭いなぁ……。

58 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:44:13.36 ID:Czdqqq5IO
女の子「けいおんぶって楽しい?」

唯「うん、とっても楽しいよ」

女の子「楽しいんだ~私もけいおんぶに入ろっかな~」

唯「その時が来たら是非入って欲しいな」

女の子「うん!絶対のぜったい入るよ!」

59 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:47:46.27 ID:Czdqqq5IO
唯「うん!演奏する時は私を呼んで」

女の子「わかった!」

時計を見る。
バスが来るまで、まだまだ時間が掛かるなぁ…。

女の子「お姉ちゃん?」

唯「どうしたの?」

女の子「お姉ちゃんがけいおんぶだった時のお話聞きたいなぁ……」

60 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:50:07.14 ID:Czdqqq5IO
唯「うん、いいよ」

みんなと過ごした思い出は毎日のように思い出せる。
まるで、昨日の事のように鮮明にね。

女子高生「あの~」

女の子「ほぇ?」

唯「………ん?」

61 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:56:50.08 ID:Czdqqq5IO
女子高生「今、何時ですか?」

綺麗な黒髪をした女の子が私に話しかけて来た。
何処と無く澪ちゃんに似ている。

唯「今は八時だよ」

女子高生「また遅刻だぁーここバスが来る時間遅いから…あーもう少し早く来てるんだったなぁ……」

彼女は肩をガクッと落としベンチに座る。

女子高生「時間教えて頂いてありがとうございます」

唯「ううん大丈夫だよ」

63 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:00:16.20 ID:Czdqqq5IO
女子高生「はぁ~遅刻だぁ遅刻だぁ」

だ、大丈夫かな?

女の子「………………」

女の子もポカーンとして彼女を見ている。

唯「……あ、私が軽音部の時の話しするね」

女の子「う…うん!」

64 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:03:27.71 ID:Czdqqq5IO
女子高生「え……軽音部なんですか?」

彼女は大きな声を出して言った。

唯「そ、そうだよ」

女子高生「私も軽音部なんですよ」

女の子「お姉ちゃんと同じだね」

唯「うん、そうだね」

65 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:07:29.47 ID:Czdqqq5IO
女子高生「あ、ごめんなさいいきなり」

唯「全然、大丈夫だよ」

女の子「お姉ちゃん軽音部の事話して?」

唯「うん、わかった!」

私は女の子に語り出す。
軽音部の事を……。

70 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:28:59.08 ID:Czdqqq5IO
――――えーとまずは何から話そうかな?
あ!軽音部のメンバーから話すね。
まずはベースの秋山澪ちゃんは綺麗で怖がり屋さん。
ドラムの田井中律ちゃん元気で軽音部のムードメーカー。
キーボードの琴吹紬ちゃんおっとりぽわぽわ可愛い人。
ギターの中野梓ちゃん小さくて可愛いくて私は毎日抱き着いてた――――

71 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:32:18.98 ID:Czdqqq5IO
唯「これが軽音部のメンバーだよ」

女の子「ドラムとかベースとかよく分からないけど面白ろそう!」

女子高生「中野…梓?」

唯「どうしたの?」

女子高生「ひょっとしてあの中野梓ですか?」

73 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:39:20.01 ID:Czdqqq5IO
唯「あずにゃ……梓ちゃんがどうかしたの?」

女子高生「中野梓って人もしかしたら黒髪でツインテールだったりします?」

唯「うん」

女子高生「しゃ…写真ありますか?」

唯「えーと確か卒業式にみんなで取った写真が財布の中に……」

財布から写真を取り出して彼女に渡す。

74 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:44:12.17 ID:Czdqqq5IO
女子高生「な、中野梓だ!」

唯「知ってるの?」

女子高生「知ってるも何も大ファンです!」

唯「大ファン?」

女子高生「知りませんか?じゃじゃ猫WayToGoってバンド」

唯「えーと…知らない」

78 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:52:19.00 ID:Czdqqq5IO
女子高生「知らないんですか?」

唯「うん……でも梓ちゃんミュージシャンなんだ」

女子高生「はい!じゃじゃ猫WayToGoのリーダーでありギタリスト!それが中野梓です」

唯「凄いなぁ~」

女子高生「まだまだ無名のバンドですけど絶対あのバンドは有名になりますよ!」

そっか…あずにゃんはミュージシャンなんだ。

80 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:58:32.06 ID:Czdqqq5IO
女の子「中野梓ちゃんって凄いんだね~」

唯「うん、私もびっくりしてる」

女子高生「あ、あの!私もアナタの軽音部の話し聞きたいです」

唯「ありがとう」

女子高生「はい!続きお願いします」

唯「うん!わかった……次は何話そうかな」

81 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:01:52.29 ID:Czdqqq5IO
―――そうだあの時の話しをしようかな。
あれは私達が三年生になりたての春の日。
学校が終わって放課後、私は何時も通り部室に行ったんだ。
そしたらね………。

82 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:08:38.28 ID:Czdqqq5IO
部室には誰もいなかったけど、何処からか誰かの泣く声が聞こえたんだ。
シクシクシクシクってね。
唯「だ、誰かいるの?」

私は怖かった。
誰もいない部室に誰かの泣き声が聞こえるんだよ?
でも、正体がわかった途端、恐怖は無くなってた。

梓「うぅ…ぐすっ……」

梓ちゃんが部室の隅っこで泣いてた。

85 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:12:47.07 ID:Czdqqq5IO
唯「あずにゃん?」

私は呼び掛けたあずにゃんって。
あずにゃんって言うのは私が付けたあだ名だよ。
それで、梓ちゃんは振り返り私を見た。

梓「ゆ…い…先輩?」

涙目の梓ちゃんを見て私はどうすればいいか分からなかった。
梓ちゃんは制服の袖で涙を拭ってこう言ったんだ。

梓「もう…三年生ですね」

87 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:16:43.97 ID:Czdqqq5IO
唯「うん……」

梓ちゃんは立ち上がって私の目をジッーと見た。
涙が太陽の光でキラキラ輝いてて少女漫画のような目をしてた。

梓「もうすぐ……卒業しちゃうんですね」

唯「そうだね…」

梓「……高校でバンド出来なくなりますね」

88 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:20:41.82 ID:Czdqqq5IO
また梓ちゃんは泣き始めた。
静かな部室に梓ちゃんのすすり泣く声だけが聞こえた。
とっても悲しい空間。
私は梓ちゃんを優しく抱きしめた。

梓「私達…離れちゃうんですね」

唯「離れたりなんかしないよ!」

89 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:24:09.10 ID:Czdqqq5IO
梓「……………」

梓ちゃんは黙って私の体に顔を埋めたんだ。
とっても可愛いかった。

梓「そう…ですよね……私達は離れたりしませんよね!」

いつの間にか梓ちゃんの顔は泣き顔から飛びっきりの笑顔になっていた。

唯「うん!絶対離れたりなんかしない約束だよ」

梓「はい!」

92 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:31:24.22 ID:Czdqqq5IO
でも、私が大学へ行って二年ぐらい経つと梓ちゃんとは会わなくなっていた。
何でか分からないけど会わなくなっていた。
私達は離れないよって言っておきながら…馬鹿だよね。
嘘つきだよ……私は――――

97 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:40:04.08 ID:Czdqqq5IO
唯「これで…終わり」

女子高生「…………ありますよねそう言う事って」

唯「…………え?」

女子高生「小学生の時の友達が中学生になったら、ただ顔を合わすだけの仲になるのって」

唯「…………うん」

何で梓ちゃんと会わなかっ理由は未だに分からない。
環境が変わったから?大学で友達がいたから?違う。

98 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:47:28.02 ID:Czdqqq5IO
大人になる一歩手前だから?就職をどうするか悩んでいたから?進路の事でみんなの事は忘れていたから?
何で梓ちゃんと会わなくなったんだろう?
スタンドバイミーの映画のように友達と少し離れると、みんなそうやって顔を合わすだけの仲になるのかな?

女子高生「あ……バスがやっと来ました」

102 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 05:58:36.06 ID:Czdqqq5IO
女の子「バス!」

唯「えーと…これは違うバスだよ」

女子高生「今日はいい話しを聞かせてくれてありがとうございました」

唯「ううん大丈夫だよ」

女子高生「あの…写真返しますね」

唯「うん!」

103 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 06:02:11.35 ID:Czdqqq5IO
女子高生「それじゃあさようなら」

彼女はバスに乗り込み窓から手を降ってくれた。
私達二人も手を降って彼女を見送った。

女の子「行っちゃったね」

唯「そうだね……」

おばさん「でも中々アナタのお話面白いわ」

104 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 06:06:19.27 ID:Czdqqq5IO
急な声に思わず後ろを振り返る。
おばさんが後ろにいる。
うちわをパタパタとさせて立っている。

おばさん「聞いたわよ~アナタの話し」

女の子「ちょっとびっくりした……」

唯「聞いてたんですか?」

おばさん「えぇ、軽音部のメンバーを話してた辺りからいたわよ」

105 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 06:09:56.44 ID:Czdqqq5IO
まったく気が付かなかった……こんなにうちわをパタパタさせているのに。

おばさん「他にないの?」

唯「えーと……」

女の子「私も聞きたい!」

唯「うん!…次は何を話そうかな?」

おばさん「何でもいいわ~若い人の話しを聞いてると楽しいの」

137 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:03:09.72 ID:Czdqqq5IO
女の子「あ、お姉ちゃん?」

唯「ん?どうしたの?」

女の子「中野梓ちゃんとは会わなくなったんだよね?」

唯「うん」

女の子「他のみんなとはどうなのかなぁ?」

139 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:11:03.62 ID:Czdqqq5IO
唯「他のみんなと?」

おばさん「どうなの?」

唯「えーて…会ってないかな……みんな大学がバラバラだったから」

女の子「そうなんだ……」

唯「うん、あの仲が良かったりっちゃんと澪ちゃんが違う大学へ行ったのはびっくりしたなぁ……」

140 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:14:06.37 ID:Czdqqq5IO
おばさん「その話しが聞きたいわ~」

女の子「うん、聞きたい!」

唯「りっちゃんと澪ちゃんが別々の大学へ行く話し?」

女の子「うん!」

唯「わかった……じゃあ話すね」

142 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:24:32.59 ID:Czdqqq5IO
―――段々と卒業式が近付いてく秋の日。
私は何時ものようにみんなとお話してたんだ。

律「澪ー!また少し太ったんじゃないのか?」

澪「う、うるさいな!」

りっちゃんが澪ちゃんに軽くからかってるのを私は見てた。

145 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:38:19.00 ID:Czdqqq5IO
だけど私はこの二人のやり取りを見て何だか寂しくなった。
もう、二人の漫才みたいなやり取りも毎日見られ無くなるんだなぁ…って思うと寂しい気持ちになった。

律「なぁ唯?」

唯「ほぇ?どうしたの?」

律「いやぁー何だかボーッとしてたからさ」

唯「そっかぁ~」

146 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:47:54.87 ID:Czdqqq5IO
澪「でも、何だか最近、何時も以上にボーッとしてるな?」

唯「卒業式が近いから……」

二人は同時にお互いの顔を見た。
澪ちゃんは切ない表情。
りっちゃんは明るい笑顔。

澪「そうだよな……もうすぐ卒業か……」

147 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 16:54:59.56 ID:Czdqqq5IO
律「何だよ~二人共らしくない顔しちゃって」

りっちゃんが私と澪ちゃんの肩をポンポン叩く。

唯「だって…卒業だよ?みんな離れてしまうんだよ?」

律「大丈夫だって、高校を離れても私達は離れないから」

148 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:04:28.49 ID:Czdqqq5IO
りっちゃんのその言葉が私を安心させてくれた。

律「私と澪も別々の大学に行くけど離れたり何かしない」

澪「うん……」

律「それはみんなも同じ、放課後ティータイムは卒業しません!」

唯「そっか…そうだよね!」

151 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:12:28.73 ID:Czdqqq5IO
律「うん!みんな別々の大学に行くけど離れたり何かしない」

澪「そうだよな!」

みんな自然に笑顔になる。
私達は離れないずっと友達、放課後ティータイムも解散しない―――

152 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:18:06.69 ID:Czdqqq5IO
唯「これで終わりです」

おばさん「大学へ行って二人とは会わなくなったの?」

唯「はい、まったく」

女の子「放課後ティータイムってなに?」

唯「あ、私達のバンド名だよ」

153 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:23:05.49 ID:Czdqqq5IO
女の子「放課後ティータイムかぁー」

唯「うん、いいバンド名でしょ?」

女の子「うん!」

おばさん「ちょっと気になる事があるんだけど」

唯「何ですか?」

おばさん「二人は別々の大学に行っても会っていたのかしら?」

156 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:47:59.87 ID:Czdqqq5IO
唯「ごめんなさい…分からないです」

おばさん「そうなの?残念だわぁ」

唯「はい……」

二人が今、何をしているのかも分からない。
でも、一つだけ分かる事がある。
りっちゃんと澪ちゃんはまだ私の事を覚えてくれている。

おばさん「あ……スーパーの特売が始まるわ」

158 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:55:16.57 ID:Czdqqq5IO
唯「スーパーの特売?」

おばさん「もう少し話しを聞いていたいけど仕方ないわね」

唯「何処かに行くんですか?」

おばさん「今日はスーパーの特売なのよ~じゃあまた会ったら話しを聞かせてね」

唯「はい、わかりました」

おばさん「それじゃあさようなら~」

159 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:01:59.40 ID:Czdqqq5IO
女の子「行っちゃったね~」

唯「うん、私バスを待ってるんだと思ったんだけど違うんだね」

女の子「私も思ってた~」

男「あ…はい、すみません……はいはい分かりました」

ケータイで何かを話しながらスーツを来た男の人が女の子の隣に座った。

160 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:05:05.70 ID:Czdqqq5IO
男「はい、今から向かいますので……それじゃあ」

男はケータイを閉じて胸ポケットにしまう。

女の子「軽音部の話しってまだあるの?」

唯「うん、いっぱいあるよ」

女の子「話して話してー!」

161 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:12:44.95 ID:Czdqqq5IO
唯「次は……ムギちゃんの話しをしようかな」

女の子「ムギちゃん?」

唯「琴吹紬ちゃんだよキーボードの」

女の子「そっかー話して話し話し!」

唯「うん、じゃあ話すね」

162 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:17:29.55 ID:Czdqqq5IO
唯「あ…でも軽音部の話しじゃないかも」

女の子「違うの?」

唯「うん、ムギちゃんの話し」

女の子「大丈夫だよー話して話して」

唯「うん、わかった」

164 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:26:40.89 ID:Czdqqq5IO
―――私が大学を卒業した日だったな久しぶりにムギちゃんを見たのは。
私が妹と買い物をしてるとムギちゃんを見掛けた。
何だか大人びた雰囲気だったけどすぐにムギちゃんってわかったよ。

唯「ムギちゃん?」

紬「唯……ちゃん!」

ムギちゃんは私の手を握って嬉しそうに微笑んだ。

165 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:32:35.99 ID:Czdqqq5IO
紬「本当の本当に唯ちゃん?」

ムギちゃんは私の手をより強く握る。

唯「うん!そうだよ」

憂「お姉ちゃんどうしたの?」

紬「憂ちゃん!」

憂「紬さん?」

久しぶりにムギちゃんに会って私は嬉しかった。
でも、私以上にムギちゃんは嬉しそうにしていた。

166 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:44:47.69 ID:Czdqqq5IO
紬「本当に久しぶりね~元気だった?」

唯「うん!元気だよ」

憂「はい!」

ムギちゃんは私の手を話して言った。

紬「もし時間があるなら話しましょ?」

唯「うん!いいよ」

171 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:54:48.51 ID:Czdqqq5IO
私達はお店の前にあるベンチに座って話した。

紬「本当に久しぶりね~高校生の時に戻ったみたいね」

唯「うん!」

紬「唯ちゃん全然変わってないからびっくりしたわ~」

唯「ムギちゃんは何だか大人って感じがするね!」

173 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 18:59:18.46 ID:Czdqqq5IO
紬「そう…かな?」

唯「うん!大人になったって感じがするよね!」

憂「はい!」

ムギちゃんは少し悲しい顔をしていた。

紬「私、大人になりたくないわ……もう二十歳過ぎてるけどね」

174 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:09:37.33 ID:Czdqqq5IO
唯「ムギちゃん……何かあったの?」

紬「うん…ちょっと進路の事で迷ってて」

唯「そっか……」

紬「東京に行くか迷ってるの……」

唯「え…ムギちゃん東京に行っちゃうの?」

紬「ううん、まだ分からないわ」

177 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:14:12.28 ID:Czdqqq5IO
紬「東京に行くか行かないか迷ってるの」

唯「そっか……」

紬「あのね、唯ちゃん」

唯「うん、どうしたの?」

紬「時々だけど思い出すの私達が軽音部だった頃の事」

唯「あの頃は楽しかったね」

181 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:20:08.66 ID:Czdqqq5IO
紬「えぇ、とっても楽しかったわ…あの三年間が生きてて1番楽しかった」

唯「私も1番楽しかったな」

紬「懐かしいわね……またみんなと一緒に演奏したりティータイムしたいわ」

唯「もう一度高校生の時に戻りたいよね」

182 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:22:22.11 ID:Czdqqq5IO
紬「私も戻りたいわ」

唯「うん、またみんなと遊びたい」

紬「みんなそうなのかな?」

唯「何が?」

紬「みんな戻りたいって思ってるのかな?子供の時に」

唯「大人はみんなそうだよ」

187 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:36:37.21 ID:Czdqqq5IO
唯「あの時の年齢でしかやれない事をもう一度戻ってやってみたいなぁ…」

紬「うん……」

唯「悪い思い出でも良い思い出でも、大人はみんな子供の時に戻りたいと思ってるんじゃないかな?」

紬「そうよね……」

唯「うん、きっとそうだよ」

190 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:41:54.69 ID:Czdqqq5IO
唯「ねぇムギちゃん?」

紬「…なに?」

唯「ムギちゃんや放課後ティータイムのみんな和ちゃん……今でもみんなは私の大事な友達だよ」

紬「私も同じよ」

唯「今はまったく会ってないけどこの思いは変わらない」

紬「唯ちゃんも会ってないんだね……」

唯「うん」

191 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:46:15.39 ID:Czdqqq5IO
唯「みんな何してるのかな?」

紬「わからないわ…」

唯「また、みんなとお話ししたいな」

紬「そうね……」

唯「何だかせっかく会ったのに暗い話しばかりしてるね!」

紬「そうよね!何か明るい話しをしましょう?」

唯「うん!」

194 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:57:04.13 ID:Czdqqq5IO
唯「楽しい話…楽しい話……」

憂「あ!お姉ちゃん保母さんになるんですよ!」

紬「そうなの?」

唯「う、うん……私子供が好きだから」

紬「頑張ってね!唯ちゃん」

唯「ありがとう」

196 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:59:51.95 ID:Czdqqq5IO
紬「唯ちゃんが保母さん…何だか似合ってるわね」

唯「そ、そうかな……」

紬「そういえば…唯ちゃん高校生の時ヘアピン付けてたでしょ?」

唯「あ…付けてたね」

紬「ヘアピン外してる唯ちゃんも可愛いわ~」

唯「えへへーイメチェンしてみたんだ」

197 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:03:24.25 ID:Czdqqq5IO
紬「イメチェンね~私もしてみようかしら?」

唯「う~ん…ムギちゃんは今のままがいいな~」

紬「そう?ありがとう……あ!ごめんなさい電話だわ」

唯「うん気にしなくていいよ」

紬「ありがとう……はい、もしもし?」

198 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:07:58.08 ID:Czdqqq5IO
紬「あ……お父様」

ムギちゃんは私達から少し離れる。

唯「ムギちゃんってお父さんの事、お父様って呼ぶんだね~」

憂「凄いねー」

唯「うん、凄い凄い!」

200 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:17:13.42 ID:Czdqqq5IO
10分ぐらい経ってムギちゃんは話し終わった。

紬「ご、ごめんなさいお父様から電話だったから」

唯「ううん!大丈夫だよじゃあまた話そう?」

紬「あの……ごめんなさい私、帰らなくちゃ」

唯「そうなんだ……残念」

紬「あ、電話番号教えるわ!」

204 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:28:28.36 ID:Czdqqq5IO
唯「あ、うん!」

ムギちゃんは電話番号を紙に書いて私にくれた。

紬「何時でも電話して来て待ってるから」

唯「うん、わかったぁ~」

紬「それじゃあ…さようなら」

唯「バイバイ」

憂「さようなら」

207 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:33:59.54 ID:Czdqqq5IO
私と憂はムギちゃんを見送った。
夕日、ひぐらしの泣き声。
何だか凄くムギちゃんの後ろ姿が悲しく見えた。

憂「私達も帰ろっか」

唯「うん…そうだね」

ムギちゃんから貰った電話番号大事にしなくちゃ―――

212 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:44:49.72 ID:Czdqqq5IO
唯「これでムギちゃんの話しは終わり」

女の子「お姉ちゃんはムギちゃんに電話番号貰ったんだよね」

唯「うん、毎日のように電話してたよ」

女の子「そうなんだぁ~」

唯「でもね、一ヶ月後には東京へ行っちゃった」

216 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:08:00.58 ID:Czdqqq5IO
女の子「そっかぁー」

男「うっ……ううっ…」

唯「…………?」

女の子「どうしたのかな?」

男「すみません……ぐすっ……アナタの話しを聞いてたら子供の頃を思い出して……」

218 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:12:38.43 ID:Czdqqq5IO
唯「大丈夫ですか?」

男「はい……盗み聞きしてすみません……」

唯「いえ、いいんですよ」

男「はぁ…子供の頃に戻りたいですよ」

唯「そうですね……」

男「あの頃に……すみませんまた涙が……」

220 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:18:05.16 ID:Czdqqq5IO
男「会社の上司にこき使われて……何が目的かも分からずにただ働いて」

唯「………………」

男「あの頃はよかった……母親から貰った100円を握りしめ……友達と一日中町を駆け回って……本当に戻りたい」

唯「はい……」

224 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:31:35.21 ID:Czdqqq5IO
女の子「あ……お姉ちゃんバス来たよー!」

唯「うん……じゃあ乗ろっか」

女の子「うん!」

唯「あの……」

ハンカチで涙を拭う男に私は一言声をかけた。

唯「お仕事頑張って下さいね!」

226 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:38:47.37 ID:Czdqqq5IO
男「はい、素敵なお話ありがとうございました」

唯「いえ…じゃあ行こっか」

女の子「うん!」

私達はバスに乗り席に座る。
しばらくしてバスは走り出した。

女の子「早く桜ヶ丘高校に着かないかなー」

227 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:43:54.40 ID:Czdqqq5IO
唯「うん、早く着かないかな」

女の子「そう言えばお姉ちゃんは何しに桜ヶ丘高校に行くの?」

唯「みんなと会う為に行くんだ」

女の子「みんなって!」

唯「うん!放課後ティータイムのみんなや私の高校時代の友達に今日会えるんだ」

229 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:52:02.07 ID:Czdqqq5IO
女の子「お姉ちゃんよかったね!」

唯「うん!凄く楽しみ!ムギちゃんも東京から帰って来て電話で言ってた凄く楽しみだって」

女の子「私も早くお母さんに会いたいなぁー」

唯「お母さんもきっと会いたがってるよ」

236 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:09:11.45 ID:Czdqqq5IO
女の子「あ…そう言えばお姉ちゃんのお名前まだ聞いてなかった!」

唯「私の名前?」

女の子「うん!教えて」

唯「私の名前は唯だよ平沢唯」

女の子「私と一緒の名前だぁ!」

245 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:18:21.38 ID:Czdqqq5IO
唯「そっか、一緒の名前なんだアナタのお名前?」

女の子「豊口唯だよ!」

唯「そうなんだ、あ!いい物あげよっか?」

女の子「なになに?」

バックからヘアピンを取り出す。

唯「私が高校時代付けていたヘアピンだよ!コレあげるね」

250 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:24:02.80 ID:Czdqqq5IO
女の子「ありがとー!」

唯「うん、いいよ」

女の子「えへへ~」

女の子は早速、ヘアピンを髪に取り付ける。

女の子「似合う?」

唯「とっても可愛いよ」

251 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:29:59.00 ID:Czdqqq5IO
女の子「お姉ちゃんこのヘアピン大事にするよー!」

唯「うん!あ…もうすぐ着くね桜ヶ丘高校」

女の子「本当?やった!」

唯「ドキドキするなー」

女の子「緊張してるの?」

255 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:36:12.03 ID:Czdqqq5IO
唯「うん!凄く緊張するなー」

女の子「なんでぇ?」

唯「だって久しぶりに会うんだもん緊張するよ」

女の子「そっかぁー」

私はバスの窓から風景を見る。
見慣れた町、でも何処か懐かしい。

261 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:43:37.98 ID:Czdqqq5IO
しばらく見ていると桜ヶ丘高校が見えて来た。
私の1番の思い出の場所。
校門の前で見慣れた顔の5人組が何かを笑いながら話している。
バスのアナウンスが桜ヶ丘高校に着いた事を告げる。
私は唯ちゃんと手を繋ぎバスを降りる。
みんなはまだ私に気付いてない。
本当に緊張するなぁ。

264 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:49:57.89 ID:Czdqqq5IO
女の子「じゃあ私は病院に行くねー!」

唯「うん!」

懐かしい風が私と唯ちゃんの髪をなびかせる。

唯「道は分かる?」

女の子「うん!じゃあバイバイ!」

唯ちゃんは私に手を降る。
私も唯ちゃんに手を降る。

女の子「また会おうねー!」

唯「うん!」

唯ちゃんは走って病院へ向かった。

唯「私も行こうかな」

273 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:07:04.91 ID:Czdqqq5IO
桜ヶ丘高校の横断歩道の前で校門の前にいるみんなを見る。
みんな変わってないなぁ…。
でも、みんな雰囲気が大人っぽくなっている。
私も雰囲気が大人っぽくなってるのかな?
子供のままの雰囲気でいいな。
まだ、みんなは私に気付いてない。
みんなをジーッと見ているとトラックが私の目の前に止まった。

唯「みえないよ……」

277 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:14:58.24 ID:Czdqqq5IO
トラックが走り出したと同時に信号も青になる。
私は歩を進めた。
ムギちゃんが私を見た。
そして、みんなに話す。
みんなは私を見て笑って手を降ってくれた。
私も笑って手を振り返えす。
暑さも蝉の泣き声も全ての空間がとっても新鮮に感じる。

281 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:25:06.31 ID:Czdqqq5IO [108/109]
空気を深く吸い込んで吐く。
今日、みんなと何を話せばいいかな?
今日、みんなはどんな話を私に聞かせてくれるのかな?
昔、見た映画の言葉を思い出す。
何かいい物語があってそれを語る相手がいるかぎり人生捨てたもんじゃない。
その通りだよね。
とりあえず、私がみんなと最初に話す言葉はもう決まっている。

唯「みんな!久しぶり!」



END

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:45:51.30 ID:Czdqqq5IO [109/109]
女の子の名前は唯の声優から梓のバンド名はキャラソンから付けました
読んでくれた人支援してくれた人保守してくれた人ありがとうございました

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( ;∀;)ナンカイイハナシダナー

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