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死神「私は」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 19:53:04.09 ID:ZeFlu6G+0 [1/42]
彼氏「ハニー。愛してるよ」

彼女「幸せよダーリン。もう死んでもいいわ」

死神「………」スッ

 「………」ザクッ

彼女「」

彼氏「ハニー?」

 「……死んでる」

 「うわぁああああああああああ」

死神「後追いなんて考えない方がいい」

 「あなたの名前は帳簿にないから」

 「苦しみ損。どうせ聞こえないけど」

 「次の対象は、と」パラ

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 19:54:28.08 ID:ZeFlu6G+0
母「まったくどうしようもない愚図だねぇお前は!」パァン

子「グスッ……ごめんなさい……ヒグッ」

母「このゴクツブシ」ドガッ

 「あんたなんて生まれてこなきゃよかったのよ」バキッ

子「グスッ」

死神「………」スッ

 「………」ザクッ

子「」

母「あん?」

 「……死んでる」

 「あたしゃ知らないよ。愚図が勝手に死んだんだ」

 「始末に手がかかるってのに、最後まで面倒なんだから」

死神「親より先に死んだ子は」

 「賽の河原に送られるというけど」

 「……次の対象は、と」パラ


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 19:56:08.24 ID:ZeFlu6G+0
選手(ゲームもラスト40秒を切った)

 (これが最後のチャンス……!)

 (決めてみせる!絶対勝つんだ!)

 「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

死神「………」スッ

 「……時間だ」ザクッ

選手「」

ザワザワ…タンカヨンデコーイ

死神「次のt」パラ

悪魔「おい」


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 19:58:27.49 ID:ZeFlu6G+0
死神「……また邪魔をしにきたの」パタン

悪魔「結果的にそうなるが」

 「少し話をしにな」

死神「耳を貸すとでも」

悪魔「お前には決定的に足りないものがある」

 「それは人情!」

 「すなわち愛だ!」

死神「当たり前」

 「人じゃないもの」

 「あなただって」

悪魔「悪魔は人間より愛に溢れる存在だよ」

 「頭の固い天界の連中には分からんだろうが」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:00:16.49 ID:ZeFlu6G+0
悪魔「さっきのも」

死神「何か」

悪魔「30数秒くらい待ってやれなかったのか」

死神「定刻どおりよ」

悪魔「そこが固いって言うんだよ」

 「せめて試合を完結させてやってもよかったじゃねぇか」

 「それが情けってもんだろ」

死神「知らない」

悪魔「………」

 「だろうな」

 「教えてやる」キュイーン


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:01:46.74 ID:ZeFlu6G+0
死神「!」ビビッ

 「貴様何を」

悪魔「お前を人間にしてやった」

 「しばらく地上で生活するがいい」

 「そして知れ」

死神「やめろ」

 「私には役割が」

悪魔「俺が代行してやるよ」

 「帳簿は預かっとくぜ」パシ

 「さぁいけ」

死神「く……」ボヤー

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:09:18.99 ID:ZeFlu6G+0
街中

女「でさー」

男「あるある」

男友「俺今日用事あるから駅前寄って帰るわ」

女友「あ、じゃあ何か奢んなさいよ」

男友「なんでだよ」

女友「いいだろーほら行くぞー」

男友「おい押すなって」

男「ひゅー」

女友「そんなんじゃないってばー」

男友「じゃーな」

女「うん、またねー」

 「じゃあ私ここで」

男「おう」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:12:37.97 ID:ZeFlu6G+0
男家

男「ただいまー」

 「って誰もいないんですけどね」

 「んー」

 「飯後でいいな……寝よ」ガチャ

 「……?」

 「部屋に違和感」

 「布団が」

 「………」

 「ふっ」

 「いるんだろ?わかってるんだ」グッ

 「ぜっ!」バサッ

 「……なっ」

死神「……ん」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:18:05.65 ID:ZeFlu6G+0
駅前デパート

女友「あいつら見てるとさー」チュルチュル

男友「金が…今月もつかな…ははっ」

女友「やきもきするのよねー」チュルチュル

男友「昼飯とかいらなくね?一日二食でよくね?」

女友「とっととくっついちまえよなー」ズズッ

男友「そうだ試食コーナーにもう一度」

女友「すみませーん、替玉お願いしまーす」

男友「鬼!悪魔!人でなし!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:24:27.43 ID:ZeFlu6G+0
女家

女「たっだいまーっと」ババッダッダッダッバン

女母「おかえり、女ちゃん」

 「また靴脱ぎ散らかして…しょうがないわねぇ」

女「あ」

 「女友ちゃんからメールきてたんだ」

 『大事な大事なあたっくちゃーんす』

 「ふぇぇ」

駅前デパート

女友「お、女から返信」パカッ

 『普通に帰ったよ 急に二人っきりにしないでよもう(汗』

 「はー」

 「すみませーん、ストロベリーチーズパフェお願いしまーす」

男友「勘弁して下さいお願いします」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:30:10.11 ID:ZeFlu6G+0
女友「はっきりしねーなー」

 「はやく言っちまえよ」

 「押して倒せばどうにでもなる」メルメル

男友「お前ちょっと世話やきすぎじゃねぇの」

女友「面白いじゃん」

 「人の恋話ほど面白いもんはない」

 「う、流石に食べきれなくなったからパフェの残りやるよ」

男友「ありがと、ってまぁ俺の金なんだが」

 「そういやお前はどうなんだ」

 「浮ついた話とか」

女友「………」

 「やっぱ食べる。返せ」

男友「え?食べきれないって」

女友「いいからっ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:36:49.72 ID:ZeFlu6G+0
女家

女「はー」

 「今日も言えなかった」ピロリロリン

 「メールだ。女友ちゃんから」

 『今から男ん家突っ込んでこいよ 当たっても意外と砕けない』

 「う」

 「がんばろうか、な」

 「ちょっと出かけてくるー」タッタッタッ

女母「晩御飯はー?」

女「うーん」

 「い、いらないっ」バタン

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:43:28.90 ID:ZeFlu6G+0
男家

死神「………」スヤ
 
男「どうしよう」

 「分からないときは人に聞く」

 「客観的な判断を参考にだな」メルメル

駅前デパート

男友「おっと」ブブブ

 「男からメールか」パカッ

女友「早くも成果があらわれたか?」

男友「だったらメールなんかしてこねーだろ」

 『うちのベッドで女の子が寝ているんだが どうすればいい?』

女友(なるほどそういうシチュエーションか)

 「貸して」ヒョイ

男友「あっ、おい」

女友「♪」メルメル

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:51:17.86 ID:ZeFlu6G+0
男家

男「一方的に気まずい…」チャーチャラー

 「きたか、頼むぞ男友」パカッ

 『誘ってんだろ?襲っちまえ』

 「え」

 「いやしかしそれは」

悪魔男『何言ってんだよ。千載一遇のチャンスだろーが』ピンポーン

天使男『いけません、きっと彼女も何か深いわけが』ピンポーン

悪魔男『かわいいだろーがその子』コンコンコン

男「はっ!確かに」

 「きれーな銀髪…日本人じゃないのかな」

 「事態を把握するためにもっと観察を」ゴソゴソ

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 20:56:25.98 ID:ZeFlu6G+0
男「布団に潜り込んだわけだが」ゴソ

 「べ、別にやましいことなんて考えてないんだからねっ」

 「はぁ、俺は何をやっているのか」

 「しかし間近で見てもやはりかわいいな」ドキドキ

死神「………」パチリ

男「………」パチクリ

 (やべぇ目が開いた)ドッキーン

死神「……?」キョトン

男(やべぇ小首傾げてるかっわいー)

ガチャッ

女「男くん、入る――」

 「よ……っ?」

男「……え?」

死神「………」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:04:39.08 ID:ZeFlu6G+0
男家

女「なっ、ななななn」ワナワナ

男「女、いやこれはその誤解だ」

 「話せばわかる」

女「男くんの」

 「ばかぁああああああああああああああっ」バタンッ

ウワァァァンタッタッタッ

男「違うんだっ!トラストミー!」ガチャッ

 「……行ってしまった」

 「はぁ」

 「それで」

 「君は一体誰なんだ?」クルッ

死神(私が見えてる…?)

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:11:38.16 ID:ZeFlu6G+0
死神(『お前を人間にしてやった』)ポワン

 (……あれか)

男「あの」

死神「あなたは何」

男「そ、そうだよな、人に名前聞くときはまず自分から、だよな」

 「俺は男。この家に住んでる」

 「帰ってみたら君がベッドで寝てて、」

 「よかったら、事情を話してほしいんだけど」

死神「私は死神。今は人間だけれど」

男(シニガミ?)

死神「ここはあなたの家だと言ったね」スッ

 「私もどうしてここにいるかは分からない」スタスタスタガチャッ

 「邪魔をした。ここを去ろう」バタン

男「行ってしまった」

 「なんだったんだろう」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:21:27.39 ID:ZeFlu6G+0
街中

女「……グスッ」

 「彼女いたんだ…男くん」

 「はぁ」

 「お腹すいたな」グゥ

 「うちに帰ってごはんを」

 (『い、いらないっ』)ポワン

 「う」

 「女友ちゃん家、行こうかな……」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:27:30.40 ID:ZeFlu6G+0
女友家

女「うわぁああぁん」

女友「おーよしよし」ポンポン

 「男が家で年頃の女の子と布団に、ねぇ」

 「ほら、飯きたぞ」

女「ぐすっ、えぐっ」

女友(男のあのメールまじだったんだ)

 (ん?するとあたしの所為か?)

 「……なぁ、あたしのハンバーグ半分やるから元気出しなよ」

女「うぅ、ありがとう女友ちゃん」

女友「男のやつめ」

 「女の気持ちも知らないで」

 「なんて」

 「なんて面白そうなことにっ!」キラキラ


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:33:08.78 ID:ZeFlu6G+0
街中

死神「おかしい」フラフラ

 「身体から力が抜ける。気持ち悪い」フラフラ

猫「にゃー」トテトテ

死神「……何」ピタッ

猫「なーぉ」スリスリ

死神「……あげられるものなんて何もないの」

猫「にゃ?」スリスリ

死神「私は死神」

 「だからね」

 「奪うだけ」

 「与えるものなんて、なに、も……」バタッ

猫「ふにゃっ?!」

 「にゃー!にゃー!」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:37:21.60 ID:ZeFlu6G+0
翌日

男「寝不足い」

 「昨日はいろんなことがあった気がする」

 「家に女の子がいたりとか」

 「疲れてるのかな、俺。きっとそうだ」

 「さぁ、今日も元気に学校に」

死神「」

猫「なー」ペシペシ

男「昨日の子が道端に落ちてる」

 「夢じゃなかったのか?むしろ続きか?」

 「動かない…まさか死んで」

死神「」グーキュルルルルル

猫「にゃー」グイグイ

男「猫がネズミを食べさせようと」

 「っておい、それはちょっとどうかと思う!」ダッ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:41:23.43 ID:ZeFlu6G+0
猫「!」タタッ

男「すとーっぷ!」ダダッ

 「逃げてった」

 「お腹、空かせてるのかな。この子」

 「学校……」

 「まぁ」

 「いいか」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:47:22.41 ID:ZeFlu6G+0
学校

男友「男のやつ、今日来てねーなー」

女「そ、そうだねっ」

男友「女友、何か聞いてねーか?」

女友「ううん!何も!」キラキラ

男友(何だそのキラキラは)

 「風邪でも引いたのかもなー」

 「帰り、あいつん家寄ってくか」

女「え」

女友「そうだね!いい考えだね!行こう!」キラキラ

女「わた私はちょ、ちょっと用事があるかなーなんて」

女友「皆でお見舞いに行こう!今すぐ行こう!うんそれがいい!」キラキラグイッ

女「ちょ、女友ちゃん、腕掴まないで、痛い」ズルズル

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 21:54:19.36 ID:ZeFlu6G+0
男家

死神「ガツガツハムハム」

男(よく食うなー)

 (よっぽどお腹空いてたんだな)

死神「ガツガツ」チラッ

男「?」

死神「助かった。ありがとう」

男「いえ」

死神「今まで空腹を感じたことってなくて」

男(いいとこのお嬢さんなんだろうか)

死神(人の身は不便ね)

 (悪魔)

 (早くあいつを探しだして元に)

男「あの、」ピンポーン

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:00:22.85 ID:ZeFlu6G+0
男友「うーっす」ガチャ

女友「ういー」キョロキョロピタッ

女「こ、こんにちは」

男「おーお前らか」

男友「今日来てなかったから風邪かって話してたんだが」

 「元気そうじゃねーか」

 「女連れ込んでやがるし。やるねぇ」ボソッ

男「そんなんじゃないっつの!」

 「この人今朝行き倒れててさー」

女友「ふむ」スタスタ

 「貴様か女を泣かせたのは」スチャッ

 「この泥棒猫」ボソッ

死神「……?」

女友(言っちゃった言っちゃったー!)ジィーン

男友「何そのやり遂げた顔」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:08:05.57 ID:ZeFlu6G+0
カクカクシカジカシカクイムーブ

女友「ふーーーん」

男友「へーーーえ」

女(そう、だったんだー。よかったー)ホッ

死神「………」

 「世話になったわ。恩に着る」スッ

 「報いはいつか必ず」スタスタス

男「待って」

 「行くあて、ないんじゃないか?」

死神「………」

男「俺ん家でよかったら、部屋空いてるし、その」

 「好きに使ってくれていいから」

死神「これ以上、迷惑をかけるのも」

男「別にいいってー」

 「困ったときはお互い様、だろ?」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:12:37.11 ID:ZeFlu6G+0
男友「とか言ってテゴメにする気ですぜ姐御」ヒソヒソ

女友「んまー不潔!男なんて皆ケダモノなのね」ヒソヒソ

男「おい……」

男友「ま、いいんじゃねーの」

 「なんだかんだで男にそんな度胸ねーだろ」

 「な、死神さん」ポン

死神「では……」

 「しばらくやっかいになります」

女友「ですってよ奥さん。年頃の男女が一つ屋根の下」

 「おかしなことが起こるかもしれないね!あんたも気が抜けないね!」

 「って、うわぁ」

女(男くんが女の子と男くんが女の子と男くんが女の子と)

女友「気を確かに持て」ユッサユッサ

女「そ、そうだ、私も男くんの家に、」

女友「それはない」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:17:40.58 ID:ZeFlu6G+0
翌日・学校

教師「あー、急な話だが今日から転校生が来ることになった」

 「この子だ」

死神「私は死神。名前はない」

 「今日から世話になるわ。よろしく」

ザワザワガヤガヤアノコカワイー

男友「よく転入できたな、あれで」ボソ

女友「ちょーっとうちから口添えしてもらった」ニヤ

教師「女の隣が空いてるなー。そこ座れー」

死神「………」コク

 「……よろしく」

女「う、うん!よよよろよろしくねっ」ワタワタ

教師「連絡は以上だー。一限めの用意をしとけー」ガラガラバタン

男(そんなこんなで、彼女を交えた新たな生活が始まった)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:23:15.68 ID:ZeFlu6G+0
ふしぎなことに

教師「この一文から読み取れるようにー」

死神「………」ジー

女(死神さん、すごい真剣に黒板見てる)

 (まじめさんなんだなー)

死神(おかしい)

 (これらは地上言語のはず)パラ

女(次は教科書に)

死神(何故私は理解できる?)パラララララ

女(す、すごい…速読ってやつなのかな)

教師「じゃあ死神ー、この場面での主人公の気持ちはどんなだー」

死神「分かりません」

女(え)

教師「え」

悪魔(だろうな)

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:28:03.26 ID:ZeFlu6G+0
たりないもの

男友「よーっし次は体育だなー」

女友「だる」

女「死神さん、女子の着替えは隣の」

死神「ん?」ヌギ

女「なななな///」

女友(………)スカッスカッ

死神「着替えたら、いいんでしょ?」バサッ

男「ぶっ」

男友「これが芸術か…ッ」

悪魔(………)

 (恥じらいがあった方がエロいな)キュイン

死神「!」ビビッ

 「み、見るなっ!」ガバッ

悪魔(マーベラス)

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:33:18.29 ID:ZeFlu6G+0
せつやくれしぴ

男友「よーっし次は昼飯だなー」

男「購買いくかー」

女「ま、まって」

 「あのね、お弁当、作ってきたから」

 「皆の分」

女友(上出来だ)b

女(うんっ)b

死神「………」ポロッ

男「あー、箸の使い方知らないんだったなー」

 「昨日はチャーハンだったからスプーンだったし」

女友「晩飯はなんだったんだよ」

男「晩飯もあまりものでチャーハンでした」

男友「すげーわかる」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:41:30.82 ID:ZeFlu6G+0
てーぶるまなー

死神「………」ポロッ

男「何にせよ、箸使えないと食べられないよな」

女「ごめんねっ、スプーンとか持ってきたらよかったんだけど…」

死神「………」ポロッ

 「………」

 「もういい」スッ

 「はじめから」ジャキーン

 「こうすればよかったね」ヒョイッパク

 「モグモグ」

男友(大鎌ぶん回して料理すくってる…!)

女(逆に食べづらいと思うんだけど…)

女友(箸握り締めてすくえよ)

男「危なっ、ちょ、危ないから鎌、振り回さないでっ!」

44 名前:ネタ切れが[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:47:31.54 ID:ZeFlu6G+0
おやくめを

教師「今日の授業はここまで。最後にこの前のテストを返却する」

女(あ、わりとよかった)

女友(まぁこんなもんだろ)

男(セーフ)

男友「……くっ」ググ

 「うおおおお」ガバッ

 「追試ギリギリ…アウト…だと」ガク

 「死にたい」

死神「そう」ジャキン

男友「ごめんなさい死にたくないです」

死神(帳簿がないから死期が分からないわ)

 (悪魔…代行とか言ってたけど…やって…ないでしょうね)

悪魔(……そんなんあったな)

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:52:53.10 ID:ZeFlu6G+0
ねこにおんがえし

女「じゃあ、またね」

男「おう」

死神「………」コク

猫「にゃー」

男「お、こないだの猫だな」

 「あの猫、倒れたお前の前にネズミ持ってきててな」

 「きっとお腹空かせてるの分かったんだろうな」

死神「そうなの」

猫「にぃー」スリスリ

死神「優しいのね。あなた」

 (毛もボサボサだし汚れてる。野良なのかな)

 「あのね、男。この猫、」

男「いいよ。飼っても。だろ?」

死神「……ありがとう」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 22:58:06.86 ID:ZeFlu6G+0
えがおのかちは

男(あー、でも)

 (姉貴が動物嫌いだったな)

 (ま、どうせ帰ってこないだろうし)

猫「にゃー」

死神「にゃー」

男(こんな笑顔が見れるんなら)

 (いいか)

悪魔(………)

 (あいつがペットを飼いたい、なんてな)

 (窮地で受けた親切は身に染みるってもんだ)

 (良い傾向だな)

 (………)

 (『にゃー』)

 (クスクスクス)

50 名前:深い意味はなかった[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:03:04.37 ID:ZeFlu6G+0
もっとしげきを

女友「私は期待していたんだ」

男友「何を」

女友「あの白いのが男の家に来ただろ」

 「普通のパターンならくっつくだろ」

男友「まぁそうだな」

女友「女が危機感を抱くだろ」

 「で、もっと積極的にモーションかけるだろ、とな」

男友「結構頑張ってるじゃん」

 「今日も弁当、死神にかこつけて渡せてたし」

女友「そうだが」

 「やはりサシで何かしてもらった方が」

男友「嬉しいな」

女友「面白いな」

男友「………」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:16:47.77 ID:ZeFlu6G+0
女「こんばんはー」ガチャ

 (こんな夜半に男くんの家に上がりこむなんて…我ながら成長)

男「女?どうしたのこんな時間に」

女「あのね、お節介かもって思ったんだけど、」

 「よかったら晩御飯作ってあげようかなっ、なんて」

男「まじで?助かるよー、ありがとなー女」

女「わ、私が好きでやることだからっ」

 (……うーん?)

 「男くんの家さ、広いし、家具も結構いいのに」

 「なんで簡単な食事で済ませてるの?」

男「この家、大体俺一人だったから」

 「別に最低限でいいかーって思ってな」

女「あ……何かごめんね……」

男「いいって。今は賑やかだし」

 「なっ」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:22:54.37 ID:ZeFlu6G+0
死神「………」ジー

猫「………」ジー

ナンデヤネーンハハハハ

死神(笑いどころが分からない)

 (そもそも笑いとはなんだ)チラッ

男「ははっ」

死神「………」ジー

男「は、ははっ」

死神「………」ジー

男「は…は…」

 (何だこのプレッシャーは)

死神(男が笑うタイミング…そこがきっと笑いどころなんだろう)ジー

男「あの、さっきからどうしたのかな、俺の顔何か付いてる?」ニコッ

死神(ここだ!)ニタリ

男「ひぃっ」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:30:09.57 ID:ZeFlu6G+0
一同「ごちそうさまでしたー」

男「うまかったー。ありがとなー、女ー」

女「あ、デザートに林檎持ってきたから、剥いてくるね」

死神「手伝うわ」

男「!」

女「!」

死神「♪」スリスリスリ

男(鎌振り回す気かと思った)

女(この包丁捌き…出来る…!)スリスリスリ

死神(刃物は心が落ち着いていいわね)スリスリスリ

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:40:27.44 ID:ZeFlu6G+0
女「お風呂沸いたよー」

男「レディファーストで」

死神「………」コク

女「私、食器片付けてるから、男くんも先お風呂入っていいよ」

男「手伝うよ」

女「えっあああうん、ありありがとととと」

 (近い近い近い近い)パリーンパリーン

男「ちょ、大丈夫?」

 (女、やっぱ無理して手伝いにきてくれてたんだな…)

 (きっと疲れてるんだ)

 「ここは俺がやっとくから、女は風呂入ってこいよ」

女「ううううううん、わわかわかった!」

 (『先にシャワー浴びて来いよ』って奴ですかー!)

 「あうううあううえう」フラフラ

男(女、ほんと大丈夫だろうか…不安…)

56 名前:>>54 多分はい[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:46:45.31 ID:ZeFlu6G+0
カポーン

死神「ブクブクブク」

猫「にゃー」チャプチャプ

女「あ、死神さん」ガラガラ

死神「ん」ブクブクブク

女「おっきいお風呂場ですねっ」ニコ

死神「………」ジー

 「………」スカッスカッ

 「ねぇ」

女「はい?」バシャー

死神「私とあなた、違うの、何で?」

女「え?」シャカシャカシャカ



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:54:33.83 ID:ZeFlu6G+0
死神「人も動物もね?皆違うの」

猫「にゃー」

死神「同じ種類なのに」

 「てすとだって点数が違ったよね」

女「そうですね」シャカシャカシャカ

死神「皆同じで同じことが出来たほうがさ、効率いいと思わない?」

女「そうでしょうか」バシャー

 「皆同じだったら気持ち悪いですしー」ピチャピチャ

 「皆違うから面白いんだよー」フキフキ

 「『面白い』って女友ちゃんの口癖だったなー」クスクス

 「ほら、ね?違った方が面白いです」

死神「ふーん」

 「そんなもの、か」ブクブクブク

60 名前:多分ずれてないと思うきっと[] 投稿日:2010/06/18(金) 00:01:44.42 ID:/RSe89hY0 [1/94]
女「お風呂上ったよー」

死神「よー」

男「おう」

 「って死神、そのパジャマ」

女「私の着れなくなったやつー。死神さんにあげようと思って」

 「ほら…私身体大きいし…ふふっ、ふふふっ」

男(嫌なスイッチを入れてしまった気が……)

 「お、俺じゃあ風呂入ってくるな!」テッテッテ

女「湯上りにはやはり牛乳が」パカッ

 「あ、あったあった」

 「死神さん、牛乳飲もうよっ」

死神「………」コク

女「猫さんもほーら」

猫「にゃー♪」

女「ぐいっとー」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 00:06:26.32 ID:/RSe89hY0 [2/94]
男「上がったぞー」

 「ってあれ」

猫「」ギュルルルルル

死神「」ゲッソリ

女「」ゲッソリ

男「何が――」チラッ

 「牛乳」ザワ

 「消費期限…すっげー過ぎてる」サァァ

 「すみませんでしたー!」ドゲザッ

女「」

65 名前:>>64 何そのIDかっこいい[] 投稿日:2010/06/18(金) 01:05:31.50 ID:/RSe89hY0 [3/94]
女友「男の家に泊りにいっただと」

女「うんー。いろいろあったけど楽しかったよ」

女友「何が起こったかこのおねーさんに話してごらん」キラキラ

女「えっとね、死神さんがねー」

 「でね、死神さんがー」

 「死神さんったら」

女友「あ、あのさ!男とは何かなかったのかな!」

女「え」

 「うーん?」

女友「お前それでいいのか」

死神「女」

女「死神さんだー」

 「昨日は楽しかったねー」

死神「………」コクコク

女友「まったくもぉ」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 01:18:20.54 ID:/RSe89hY0 [4/94]
女友「女一人には任せておけん」

男友「女には女のペースってもんがあるだろ」

女友「じれったい」

男友「それはお前の都合だ」

女友「というわけでこんなものを用意させた」ピラッ

男友「遊園地のチケットか」

 「2枚しか見当たらんが」

女友「当たり前だ」

 「デートだぞ」

 「でぇーと」

男友「女の性格だと」

 「皆で行こうって言うんじゃね?」

女友「………」

 「……お前、行きたいのか?」

男友「……はい」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 01:28:51.34 ID:/RSe89hY0 [5/94]
遊園地・入口

女「ごめーん、待った-?」

男「いや、今来たとこ」

死神「……うん」コク

女友(結局こうなるのか)

男友「すっげー!一日フリーパスだぜおい!遊び放題!うひょー」

女友「おい貴様ぁ!」ボソ

 「あくまで二人をラブい絆で結びつけてやるのが主旨だぞ」ボソ

 「あたしらは裏方に徹し」ボソ

男友「おいあれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」

女友「………」

男「まずは軽いもんからやろうぜ」

 「コーヒーカップとか」

女友「あ、あたし遠慮しとくよ」

 「男と女、男友と死神でペアで乗りなー」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 01:35:34.71 ID:/RSe89hY0 [6/94]
コーヒーカップ・男女ペア

女(あうう)

女友(健闘を祈る)b

女(あうあう)

男「ん、どうした女?」

女「いいいや何でもないっ」

男「回転強すぎたか?ちょっと落とそうか」

女「ううん、そんなんじゃなくて」

 「………」

 「ここって結構人気なテーマパークで」

男「そうらしいなー」

女「女友ちゃんがチケット用意してくれたんだよね」

 「……女友ちゃんにはいっぱい、感謝してるんだ」

 (用意してくれたのだって、私と男くんを……)

男(そんなにすごい遊園地だったのか)

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 01:42:10.79 ID:/RSe89hY0 [7/94]
コーヒーカップ・男友死神ペア

男友「回せ回せー!最速はもらった!」キュッキュッ

死神「……ねぇ、ちょっと」

男友「見よこの華麗なハンドリングを」キュキュキュ

死神「…もっとね、余裕とゆとりをもって」

男友「うおおおおおおおおおおお」ギュギュギュギュギュ

死神「もおおおおおおおおおおおおお」

休憩所

女友(何やってんだあのバカ)

コーヒーカップ・男女ペア

男「……何だあいつら、はえー」

女「そ、そうだね」

 「………」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 01:51:03.33 ID:/RSe89hY0 [8/94]
男友「次あれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」

死神「……私、パス」フラフラ

女友「飲み差しでよかったらドリンクやるよ」スッ

 「選手交代だなー」ハイ

死神「……ん」タッチ

男友「ほーら早くしろ」

男「待てってほら」

女友「あのバカ、男持ってきやがって」ボソッ

女「いいよ、女友ちゃん」ポン

女友「しかしだn」

女「いいの」ギュッ

女友「………」

 「あたしらも乗るぞー」

女「うん」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 02:01:15.52 ID:/RSe89hY0 [9/94]
ジェットコースター・男男友ペア

男「このはじめの登り道の感覚、いつんなっても慣れねーな」

 「なー男友。ヘソがこうむずむずって」

男友「男」

 「お前に言っときたいことがある」

男「改まってどうしたよ」

男友「女はお前のこと、好きだぞ」

男「……え」

男友「普通気付くだろーが。ばーか」

 「俺も少しじれったくなってな」

男「………」

男友「だからどうしろ、なんて俺は言わねーよ」

 「ただな、お前は女の気持ちを知っておくべきだとそう思った」

男「男友……」

男友「お、そろそろ始まるぜ!うっひょー」

72 名前:テンションがおかしくなって凄い恥ずかしい展開になった[] 投稿日:2010/06/18(金) 02:13:22.31 ID:/RSe89hY0 [10/94]
ジェットコースター・女女友ペア

女友「まったくあのバカときたら」

 「女の絶好の告白タイムが到来したかもしれんのに」

 「まったくもぉ」

女「無理だよ」

女友「また女はそんなことを」

女「ダメなの」

 「男くんね、私なんて見てないんだ」

 「ずっと死神さんのこと」

 「だからね、届かない」

女友「………」

 「それでもね」

 「もしあんたがあんたを見捨てたって」

 「あたしはあんたを見捨てないから」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 02:19:04.29 ID:/RSe89hY0 [11/94]
女「……どうして?」

 「どうしていつも助けてくれるの?」

 「今回だって」

女友「あんたはあたしの初めての」

 (ダチだから)

 「あたしん家のこと知っても仲良くしてくれたのね、あんたが初めて」

 「嬉しかったなー」

 「そのとき決めたんだよ」

 (ずっとあたしはあんたの味方だ)

女友「お、そろそろ始まるぞ!ひゅー」

女「そうだね」

 「スーゥ」ガタン

 「男くんのー」ガタンガタンガタ

 「ばっかやろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ギュインゴオオオオオオ

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 02:23:40.90 ID:/RSe89hY0 [12/94]
休憩所

死神「う」パチ

 「んー」スクッ

 (まだちょっと頭痛い)

 (けど)

 (一日パスが勿体無いからどこか静かなアトラクションに)

ミラーハウス

死神「………」

 「………」テクテク

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 02:28:08.49 ID:/RSe89hY0 [13/94]
ミラーハウス

死神「はー」

 「私がいっぱい」

 「妙な感覚ね…この環境の所為」

 「か…ッ?!」キッ

悪魔「やーぁお嬢さん」ヌラリ

 「いい顔をするようなったじゃないか」

 「俺の努力も甲斐があったというもんだ」

死神「貴様…」

 「役目代行は果たしているんでしょうね?」

悪魔「あ。忘れてた」

 「ってワケにもいかなくてな。ちゃんとやってる」

死神(ふー)

 「さっさと元に戻しなさい」

悪魔「……いいのか?」ニヤニヤ

76 名前:落ちたらそれはそれで[] 投稿日:2010/06/18(金) 02:35:10.65 ID:/RSe89hY0 [14/94]
悪魔「人と交わってからのお前は」

 「ずーいぶんと楽しそうに見えたが、な」

死神「………」

悪魔「今戻してやっても未練が残りゃしねーか?ん?」

死神「私は」

 「私は死神」

 「いずれ来る生命の為、生命を刈り取ることが使命」

 「それが使命なんだッ……」

悪魔(迷いが見えるな)

 (しかし、まだ足りない)

 「焦るな。まだ時間は残ってるんだ」

 「もう少し余興を楽しめよ」フッ

死神「……く」ガク

84 名前:支援保守ありがとうございます[] 投稿日:2010/06/18(金) 08:36:55.07 ID:/RSe89hY0 [15/94]
女「い、意外と楽しかった」

男「そうだなー」

男友「もっかいあれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」

女友「ハーハーバカがハー行きたきゃハーハー一人で行ってこいハーハーハー」

女「あれ」

 「死神さんいない」

男「ほんとだ」

 「途中までは居たの見えたのに」

女友(またこいつは無神経なことを……)

 「……ん?」チラッ

 「これ、あたしがやったドリンクだな」シャカシャカ

 「………」パカッ

 (氷しか残ってない)

 (大して溶けてもないな…やっぱつい先程いなくなったのか)

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 08:45:57.04 ID:/RSe89hY0 [16/94]
男友「一人でアトラクション回ってるんじゃねーか?」

 「一日パスなのに寝てたら勿体無いし」

女友「それはお前だけじゃないのか」

男「え」

女「え」

女友「何にせよ、ここで待ってりゃ戻ってくるだろー」

男「そうだなー」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 08:57:12.64 ID:/RSe89hY0 [17/94]
数十分後

女「戻って、こないね……」

男「………」

 「俺ちょっと探してくる!」タッタッタッ

女「わた私も」タッタッタッ

男友「近場のアトラクションのどっかだと思う」

 「俺も行こう」スッ

女友「ただの迷子じゃねーのかねー」

 「何かあったら携帯な」

男友「おう」タッタッタッ

女友「大げさだと思うけどなー」

 「………」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:22:08.33 ID:/RSe89hY0 [18/94]
女友「いくか」スック

 「………」テクテクテク

 「おーっと」バタッ

従業員「大丈夫ですか、お客様」タタッ

女友「いたーい膝擦りむいたーぁ」

従業員「手当を」

女友「おい」

従業員「へい」ビシッ

女友「人探しだ」

 「性別は女。背はあたしと女の中間程度」

 「銀髪白皙だから見りゃわかる」

従業員「へい」

女友「アナウンスはしなくていい」

 (~からお越しの死神さまー、とかねーわなぁ)

 「騒ぎ立てはするな。客の不安を煽るな」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:29:02.01 ID:/RSe89hY0 [19/94]
女友「いつも通りに運営しろ」

 「だが確実に探せ」

 「……いいか。もし敷地内でそいつに何かあったら」

 「お前らただじゃ済まないものと思え」

 「ダチなんだよ」

 「そいつも」

 「頼んだ」

従業員「押忍っ」

女友「親切にありがとーおじさーん」フリフリ

従業員「ごゆっくりお楽しみください」ニコ


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:34:22.40 ID:/RSe89hY0 [20/94]
男友「さてっと」

 「後はここくらいだな」

ミラーハウス

男友「俺様の完璧な推理はこうだ」

 「酔いの醒めた死神」

 「あぁっ!一日パスなのにこのままじゃもったいないわっ!」

 「どこか静かなアトラクションに行きましょう!」

 「ゲーセンは煩かったしやっぱこっちだな」

 「さてっと」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:38:44.77 ID:/RSe89hY0 [21/94]
男「こっちは居なかった」

女「そう…こっちも居ない」

男(流石に人通りが多いな)

 「じゃあ、次はそっちを探そう」

女「うん」

 「………」

 「死神さんが来てから、変わったよねー」テクテク

男「そうだな」

 「いろいろ変わった」テクテク

女「買い物とか買い食いくらいはしてたけどさ」

 「こんな風に皆で遊びに来ることって、なかった」

男「あぁ」

女「あのね、男くん」

 「死神さんのこと、好きでしょ?」

男「……あぁ」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:43:42.04 ID:/RSe89hY0 [22/94]
男「女…男友から聞いたよ、そn」

女「私も好き」

 「男くんも、死神さんも」

 「友だち、だから」

男「………」

女「どこ行ったんだろね」

 「早く見つかるといいなー」スタスタスタ

男「……ごめん」テクテク

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:48:12.01 ID:/RSe89hY0 [23/94]
休憩所

死神「…う」

男友「よっ、目ぇ覚めた?」

死神「何が……」

 「!」

 (悪魔っ……)キョロキョロ

男友「男たちならもうすぐ来るだろ」

 「さっき携帯で連絡つけたから」

死神「あのね、」

男「おーい」タッタッタッ

女「よかったー、急にいなくなったから心配したよー」タッタッタッ

女友「なんだ見つかったのか。人騒がせなやつだ」テクテク

 「だから言ったんだ。大袈裟だーって」

従業員(どっちが)

死神「みんな……」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:54:38.49 ID:/RSe89hY0 [24/94]
女「ね、やっぱ皆でやれるアトラクションがいいよ」

女友「デートスポットだしなー。いいのあるか?」

男「ホラーハウスは?」

男友「メリーゴーランドだろーが」

女友「乗りたいのかそんなもん」

男友「ちょー乗りたい」

女「いこっか」ニコ

女友「仕方ねーなー」フッ

死神「………」クスッ

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 09:57:24.10 ID:/RSe89hY0 [25/94]
遊園地・レストラン

男友「なかなか回れたなー。満足満足」ゲフ

女「楽しかったよう」フキフキ

死神「ガツガツハムハム」

男(外食のメニュー…高いな…)

女友「おらデザートも頼めー。今日はあたし持ちだ!」

男友「よっ!」

女「わぁい」

男(ほっ)

死神「ハムハム」ビッ

女友「はいはい、あんたはオレンジタルトねー」

 「もうすぐナイトパレードやっから、それまでには」

男友「パフェうめぇ」

女「レアチーズケーキおいしー」

女友「ったく」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 10:06:06.54 ID:/RSe89hY0 [26/94]
遊園地・ナイトパレード

男「きれーなもんだなー」

女「そうだねー」

男友「よっし、写真撮るぞ写真」

女友「フラッシュたくなよー」

死神(今日は楽しかった)

 (とても)

 (『ずーいぶんと楽しそうに見えたが、な』)

 (………)

 (私に、こんな風に過ごす資格なんてないと思う)

 (けれど)

 (もう少しだけ、ここで夢を見ていたい)

 (そう思える)

女「ね、死神さん」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 10:09:41.41 ID:/RSe89hY0 [27/94]
死神「うん?」

女「まだね、やっぱり諦められないんだ」

 「好きだから。しょうがないよ」

 「私、負けないからねっ」

死神「え?」

女「ね」ニコ

死神(よく分からないけど)ニコ

 (ここはなんだか)

 (あったかいな)

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 10:12:27.48 ID:/RSe89hY0 [28/94]
男友「カメラ準備よーし」

男「誰が撮るんだ?」

女友「すみませーん、カメラいいですかぁ」

従業員「はい、いきますよー」

女「ほら死神さんもっ」

死神「え、何」

女「ぴーす」

死神「ぴ、ぴーす」

カシャ

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 10:45:39.74 ID:/RSe89hY0 [29/94]
学校

男友「よーっし次は昼飯だなー」

女「今日もお弁当作ってきたよ」

 「はい、女友ちゃん」

女友「おーう」

女「はい、男友くん」

男友「あざーす」

女「はい、死神さん」

死神「ありがと」

女「はいっ!男くん!」テテーン

男「……え?」

女友「随分豪勢だな」

男友「差別だ……」

女友(女、遊園地イベントが終わってからというもの)

 (何かが吹っ切れたような感じだな)ニコ

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 10:53:30.67 ID:/RSe89hY0 [30/94]
男友「そーだ、この前の写真が出来上がったんだがな」ピラッ

男「お、見せろよ」

女「へー、きれいに撮れて」

男友「ねーし!俺目閉じてたじゃねーか」

女友「いっそうバカっぽい面構えじゃないか」

男友「うっせ」

 「焼き増ししたから渡しとくー」

死神「おー」

 (心霊写真っぽくなるかと思ったけど普通ね)

 (当たり前か。今人間だし)

 (………)スッ

 (今の私に、死神としての力はどこまで残ってる?)ジャキン

男友「お、久々に出たな鎌」

死神「ちょっと試し切りさせてもらってもいい?」

男友「え?嫌」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 11:00:20.82 ID:/RSe89hY0 [31/94]
女「死神としての、力?」

死神「うん。気になって」

女「別に気にしなくても」

 「普通の女の子でいいと思うよ」

男(ちょっと変わってるけど)

死神「そうかな」

 (………)

男友「あ、次宿題忘れた。女友、見せて」

女友「んなもんあったか?」

男友「なんだ同類か」

女友「一緒にするなっ」ガッ

男友「って」ゴン

死神「そうかも」

女「うん」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 11:45:23.19 ID:/RSe89hY0 [32/94]
街中

男友「帰りなんか食ってこーぜ」

女「そうだね、お腹空いた」

男「死神、なんか食べたいもんある?」

死神「そうね」

 「今日はなんだか辛いものが食べたい気分だ」

 「な…っ!」

猫「……ゃー」クタ

男「あの猫、うちの…っ!轢かれたのか?!」

死神「猫!」ダッ

女友「おい待て、赤信号だ!」グイ

猫「……ゃ」

死神(まだ、まだ息がある)

 (はやく…助けないと…!)

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 11:55:30.15 ID:/RSe89hY0 [33/94]
女友(車道のが赤に…)チラッ

 「待ってろ、もうすぐ」

車「キィーブロロロロロ」

女友「信号無視だと…っクソが…」

信号『青』パッ

死神「ねk」

猫「」

死神「―――!」ダッ

107 名前:しまった飯時だった[] 投稿日:2010/06/18(金) 12:01:43.21 ID:/RSe89hY0 [34/94]
男友「……まだ、息はある」

 「けど、この体じゃ、もう」

女「ぐすっ…猫さん…」

死神「………」スッ

 「………」ジャキン

男友「死神?」

死神「分かってる、もう助からない」

 「今までね、こんな状況、いっぱい見てきたから」

 「見てきた、はずなのに―――!」ポロッ

女「死神さん…」

死神「死んだ生命はね」

 「天に昇るの」サァァ

 「天に昇って」ザシュ

 「待つんだ」

 「生まれ変わりのときを」ポロッ

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 12:04:50.61 ID:/RSe89hY0 [35/94]
死神「願わくば」

 「どうか安らかに」ツー

男「……つらかったな」グッ

死神「お、男っ……」

 「…ヒック」ヒシ

 「グスッ、エグッ」

 「ぅ」

 「うわぁあああああああああぁぁぁあああああ!!」


その日、私は生まれて初めて、泣いた。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 15:43:40.60 ID:/RSe89hY0 [36/94]
ペット葬儀場

係員「それでは、火葬をはじめます」

死神「………」

モクモクモクモク

ペット同伴カフェin葬儀場

男友(この店は何を対象にしたいんだろう)

女「死神さん、相当、参ってるね」

男「ついててやりたいけど」

女友「一人にしてくれってあいつの頼みだろ」

男「大丈夫かな……」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 15:52:07.91 ID:/RSe89hY0 [37/94]
ペット葬儀場

モクモクモクモク

係員「葬儀はとどこおりなく終わりました」

 「………」

 「では、失礼いたします」

死神「………」

 (猫……)

モクモクモクモク

悪魔(……なるほどな)

 (分かった気がするぜ)

 (死神が情をもたない理由)

 「………、」

 (……やめた)

 (………)スーッ

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 15:57:35.36 ID:/RSe89hY0 [38/94]
男家

男「あのさ、晩飯出来たん…だ…け、ど」

死神「……いい」

男「そ、そっか」

 (可愛がってたもんな…)

 (今、彼女に出来ることは何か、)prrrrr

男「はい、男家です」

姉『よーっす』

男「あ、姉貴」

姉『なんだその辛気臭い声はぁ』

 『家ん中カビでも生えてんのかー』

 『今から日本に帰るから』

 『きれーにしとけー』ガチャッ

男「……え」ツーツーツー

 「え」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:05:37.67 ID:/RSe89hY0 [39/94]
翌日

男(このタイミングで…)

 (死神のこと、どう説明したものか)

 (そっとしておいてあげたいし)

 「うおおお俺はどうしたらいいんだあああ」

女「あの、男くん」

男「おう、どした」

女「今日、晩御飯作りにいっていいかなっ」

男「え」

女「死神さんに、おいしいご飯で元気付けてあげたくって」

男「あ」

 「いや、その」

 「困る」

女「え」

 「そ、そうだよね、迷惑、だよねっ」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:10:41.61 ID:/RSe89hY0 [40/94]
女(そんな風に思われてたんだ…)

 「ごめんね、変なこと言って」ジリ

 「さ、さよならっ」ダッ

男「待って!きっと誤解!誤解してるから!」

 「………」ヒュウー

 「俺は」

 「どうしたらいいんだ」ガクッ

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:15:51.32 ID:/RSe89hY0 [41/94]
男「ただい」

 「ま」

姉貴「おかえり」

死神「………」

男「とき、すでに」

姉貴「なにこれ」チョンチョン

死神「………」

男「その子はえーっとそのー」

姉貴「洋物のダッチワイフ?」

男「ちがっ」

 「紆余曲折ありましてその」

姉貴「そんなことはどうでもいいんだけどさー」

男(いいんだ)

姉貴「何か落ち込んでるみたいじゃんこの子」

 「でも何も話してくれなくてねぇ」

121 名前:訂正:姉貴→姉[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:21:08.12 ID:/RSe89hY0 [42/94]
男「~とまぁ、ざっとこんな感じに」

姉「ふーん」

 「猫飼ってたんだ?」

死神「………」ピク

男「姉貴が動物嫌いなのは知ってるけどっ」

姉「……ま、いーけど」

 「仏に線香あげてこよーっと」

 「ちょっとカモン」チョイ

死神「………」ズルズル


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:27:20.78 ID:/RSe89hY0 [43/94]
チーン

姉貴「………」

 「墓、作ったの?」

 「猫の」

死神「……ううん」

姉貴「なんで?」

死神「魂はもう、天に昇ったから」

 「お墓なんて、作ったって」

姉貴「遺灰は?」

死神「……あるけど」サッ

姉貴「ふーん」

 「じゃ作ろう。今」

死神「……え?」


124 名前:姉貴が姉貴すぎてもう姉貴でいいです[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:35:41.29 ID:/RSe89hY0 [44/94]
姉貴「あんたどこの子?日本じゃないよね」

死神「……さぁ」

姉貴「日本じゃ墓作るんだよ」グイ

 「ここは日本だ、さぁ作れ」ガチャ

死神「…え、あの」

バタン

姉貴「ほら手ー動かすー」ザクッザクッ

死神「………」ザクザク

 「お墓作って、どうするの」ザクザク

 「猫はもう、いないのに」ザクザク

姉貴「あんたが救われるためかなー」ザクッザクッ

 「遺されたやつらがさ」ザクッザクッ

死神「……?」ザク

姉貴「さっきから無駄とか言ってるけどさー」ザクッザクッ

 「じゃ何で遺灰取っといたの」ザクッザクッ

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:41:54.88 ID:/RSe89hY0 [45/94]
死神「それは」

姉貴「猫は未練ないのかしんないけど」ザクッザクッ

 「あんたはあるんだろ」ザクッザクッ

 「ねーなら捨てちまってる」ザクッザクッ

 「こんなもんか」

死神「う」

姉貴「いつだって泣くのは遺されたやつらなんだよ」

 「無責任なもんだ」

死神「……ん」

姉貴「日本じゃな」

 「神様なんかは分裂するんだ」

死神「は?」


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:46:48.64 ID:/RSe89hY0 [46/94]
姉貴「そこらの神社や神棚にな、同じやつが分裂して入ってんだと」

死神「はぁ」

姉貴「天に昇った猫の魂もあったらしいけどさ」

 「あんたの胸にのこった猫もいていいと思うよ」トン

死神「………」

姉貴「後はその遺灰突っ込んでー」

 「土戻して印になんかブッ刺しときな」

 「疲れた。後やっときな」ガチャッ

死神「あのっ」

 「ありがとう、ございました」

姉貴「あいよ」バタン

男「姉貴」

姉貴「人生経験の差ってやつ?」

男「ありがとう」

姉貴「あいよ」フッ


128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:52:02.98 ID:/RSe89hY0 [47/94]
女「男くんには断られちゃったけど」

 「やっぱり何かしてあげたいよねっ」

 「ということで、来ちゃいまし」

 「た」

姉貴 テクテクテク

女「お、女の人」

 「美人…」

 「男くんの家から、出てきてたな…」

 「………」

 「~~~~~~っ」カーッ

 「男くんのばかああああああああああ」ダダッ


131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 16:59:05.41 ID:/RSe89hY0 [48/94]
女友家

女「うえぇぇ」

女友「おーよしよし」ポンポン

 「大人の炭酸ジュースをやろう」

女「グイッ」

 「らいあいおろおうんはねー」ヒクッ

女友「そうだなー、うんー、その通りだー」

 (このタイミングで男め)

 (流石に不謹慎がすぎ)

女「ぅいーっ」バンバン

女友(面白いからいいか)

132 名前:絡みなー…[] 投稿日:2010/06/18(金) 17:02:50.67 ID:/RSe89hY0 [49/94]
男家

男「あれ、姉貴もう出てったのか」

ヒラ

男「書き置き?」

 『我が弟へ

  人がいない間に雌を連れ込むとは成長した

  姉は嬉しく思うぞっ

  だが雌に笑顔もやれねー雄は未熟もんだ

  お前におかしなことは十年早い

  偉大なお姉様より』

 「しねぇよっ」ベシッ

 「けど、そうだな」

 「俺は」

 「未熟、か」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 17:16:39.12 ID:/RSe89hY0 [50/94]
女友「それでは会議を執り行う」

女「う、うん」

男友「おー」

女友「議題は女と男の家族計画についてだ」

女「お、女友ちゃんっ」

女友「あたしは言った」

 「押してダメなら更に押せ」

 「と」

男友「待て」

 「その理屈で今までやってきた結果がこれだ」

女友「ではどうする」

男友「俺は言った」

 「押してダメなら引いてみろ」

 「と」

女「え、普通」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 17:22:46.97 ID:/RSe89hY0 [51/94]
男友「俺を誰だと思っている」

 「俺は雄だ」

 「男心のエキスパートだ」

女友「頼もしいことを言う」

女「それは…そうだよね」

男友「まー」

 「任せとけって」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 17:36:30.88 ID:/RSe89hY0 [52/94]
男(最近、女が冷たい)

 「あ、女。おはよう」

女「……おはよ」

男(話しかけても素っ気ないし)

 「昨日の数学の宿題さ、ちょっと分からないとこが」

女「女友っ」

 「おはよー」

女友「おはようさん」

男友「ちーっす」

女「男友くんだー」

男「う」

 (何か嫌われるようなこと)

 (心当たりがいっぱいある…)

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 17:43:05.43 ID:/RSe89hY0 [53/94]
男友「昼飯だなー」パカッ

女友「今日のおかずは何かなーっと」パカッ

男「あれ?お前ら弁当持参したのか」

男友「何言ってんの?」

女友「女だっていつも人の弁当ばっか作ってられないだろー」

男(うっ)

 (考えてみれば当たり前だよな)

 (すっかり女が弁当作ってきてくれるのが当然みたいに思って)

女「死神さん、はいっ」

死神「ありがと」パカッ

男(お、俺の分は)

女「じゃあ食べよっか。いっただっきまーす」

男(……購買、行こう)

死神「………」チラッ

 「どうしたの?」


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 17:48:44.87 ID:/RSe89hY0 [54/94]
女「なにが?」ニコ

死神「男と何かあったの?」

女「なにも?」ニコ

死神「男のおべんと」

女「なんで?」ニコ

死神(……?)

女友「おい、大丈夫なのかこれ」

男友「ん?」

女友「嫌われ一直線ルートしか見えんが」

男友「大丈夫だ、これで」

 「女がいつもどれだけ男に尽くしてきたか」

 「男のやつも分かるだろーよ」

139 名前:すごい難航する[] 投稿日:2010/06/18(金) 18:01:09.29 ID:/RSe89hY0 [55/94]
男(『そ、そうだよね、迷惑、だよねっ』)ポワン

 (あのときのこと、ちゃんと言ってなかったな)

 (迷惑なんかじゃ)

 (『よかったら晩御飯作ってあげようかなっ、なんて』)

 (『はいっ!男くん!』テテーン)

 (いつも元気で、お節介で)

 (『女はお前のこと、好きだぞ』)

 (『死神さんのこと、好きでしょ?』)

 (『友だち、だから』)

 「………」

 「言おう」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 18:10:13.21 ID:/RSe89hY0 [56/94]
女友「体育終わった-」

死神「つかれた」

女「でも今日はこれで授業、終わりだ」

 「ね」ゴソ

 「なんだろ、これ」

 『ちゃんと、伝えたいことがあります

  屋上で待ってます

  男』

女友「ほう」

女「お、女友ちゃんっ、見た……っ?」

女友「なんも」フッ

 「男友ー、死神ー、買い物いくから荷物持ち付き合えー」

男友「えー、何で俺が」

女友「スイーツ奢るぞー」

死神「いくいく」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 18:18:28.95 ID:/RSe89hY0 [57/94]
屋上

男「………」

ギィィ

女「何の、用?」

男「あ、悪いな、時間取らせちゃってその」

女「………」

男「この間は悪かった」

 「困る、なんて言って」

女「………」

男「違うんだ」

 「女のこと、迷惑だなんて思ってたんじゃない」

 「えっと、そのとき混乱してたんだ、俺」

 「だから許して、なんて言えないけど」

 「女を傷つけたよな。ごめん」

女「………」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 18:22:27.55 ID:/RSe89hY0 [58/94]
女(うわぁ)

 (男くんと二人きり男くんと二人きり男くんと)

 (み、皆がいる教室とかだったらフリも出来るけどっ)

 (屋上ってあれ?あのパターンだよねっ)

 (こ・く・は・く)

 (きゃっ///)

男(う、返事もしてもらえない)

 (怒ってるんだ…きっと)

 (でも…)

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 18:26:42.03 ID:/RSe89hY0 [59/94]
男「あ、あのさっ」ガシッ

女「!あっ、あああはいっ何でしょうっ」

男「俺、女に構ってもらえない間ずっと寂しくて」

 「今までのこと思い返したら、感謝もしきれなくなって」

 「俺やっぱ、お前のことが、」

 「す」

 「す」

 「す」

女「す?」

女友「す?」

男友「す?」

死神「き?」

男「……え」

女「……え」

147 名前:耐えられなかったんだ[] 投稿日:2010/06/18(金) 18:33:45.53 ID:/RSe89hY0 [60/94]
女友「おいっ見つかったじゃねーか」

男友「まっさきに飛び出したのはお前だ」

死神「前読んだ本にあったんだけど、これ愛の告白ってやつかな?かな?」

女「お、女友ちゃん……?」

女友「いやーだって」

 「こんな面白そうなイベント」

 「このあたしが見逃すわけにゃあいかねぇよ!」キラキラ

男友「うん!うん!」

死神「ねっ、続けて続けてっ」

 「私たちのこと、気にしなくていいからっ」

女友「そうだもっとやれ」

男友「ヤれ」

女「も、もおおおお」

この出来事は、しばらく皆の笑いのタネにされた

死ぬほど恥ずかしかったけど、女と仲直り出来て、よかったと思う。

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:07:28.58 ID:/RSe89hY0 [61/94]
誰得女友エピソード



はじめようかどうしようか迷って

163 名前:何で迷ったって完成形があやしい[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:17:14.55 ID:/RSe89hY0 [62/94]
女友「た、誕生日パーティー…?」

女「そっ。女友ちゃんもうすぐ誕生日でしょ」

 「やろーよー」

 「女友ちゃん家で」

女友「いや、あのな、都合ってーかその」

男「なんだ、誕生日なのか」

男友「そういや女友の家って行ったことねーな」

 「俺の家には来たことあんのに」

男「俺も行ったことない」

死神「お祝いするの?いいわね」

女「でしょー?やろーよー」

女友「待て、」

 「少し考える時間をくれっ」ダッ

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:24:59.58 ID:/RSe89hY0 [63/94]
男「女は、女友の家行ったことあるんだよな?」

女「うんー」

 「ご飯食べにいったりとか、泊りも行くなー」

 「おっきくてねー、人がいっぱいいてねー」

男「何だ豪邸なのか?」

男友「いろいろと偉い家だーってのは聞いたことあるが」

女「女友ちゃん家はすっごいよー」

男「楽しみになってきたなー」

男友「そうだな」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:32:13.21 ID:/RSe89hY0 [64/94]
女友「あいつらなら…いや…でもな」

 「もし…だったら…」

 (何故誕生日パーティなんぞに頭を悩ませるハメになるか)

 (それは、あたしにはある悩みがあるからだ)

運転手「お嬢」ペコ

女友「……出迎えはいらねぇっつってんだろ」ピタ

運転手「最近、雲行きが怪しいというのはご存知のはず」

 「中に。一人で外を出歩くのは危険です」キー

女友「……ふん」バタン

 (悩みというのは、これだ)

 (うちは普通の家柄じゃない)

 (金持ちなんかじゃ言葉が足りない)

 (極道)

 (いわゆるヤのつく自由業ってやつだ)

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:41:49.82 ID:/RSe89hY0 [65/94]
女友(まさしくこの家の人間であるがゆえに)

 (あたしには友だちと呼べる存在がいなかった)

 (気軽に互いの家に遊びにいくような関係)

 (ずっと憧れていた)

 (幼い時分のあたしは)

 (家のことに何の疑問を持ってはいなかった)

 (家に招いたトモダチが何人も何人も離れていって)

 (いつしか気付いてしまった)

 (あぁ、うちは普通じゃないんだ、と)

 (だから)

 (あたしには友だちと呼べる存在がいなかった)

 (……女と会うまでは)

運転手「着きやした」バタッ

女友「……ご苦労」

運転手「いえ」バタン

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:49:25.25 ID:/RSe89hY0 [66/94]
死神「でも女友、都合悪いかもみたいだったけど」

女「うーん」

 (まだ、不安なのかなー……)

 (男くんたちなら)

 (信じてくれると、思ったんだけど)

 「きっと、大丈夫だよ」

 「恥ずかしいんだと思うなっ」

男友「そんなタマじゃねーだろー」

 「けどま」

 「やるんならプレゼント、用意しねーとな」

女「うんうんっ」

男「おう」


172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 20:59:54.78 ID:/RSe89hY0 [67/94]
女友家

衆「「「お帰りなさいませッ!お嬢!」」」

女友「はいはいご苦労さん」

女友母「帰ったのね、女友」

 「……話があります。奥へ」

女友「……あん?」

女友家・奥の間

女友「……うちの組に内通者、だと?」

女友母「えぇ」

 「信頼できる筋からの情報」

女友「……不愉快だな」

女友母「えぇ」

 「全くその通りだわ」


173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:06:58.11 ID:/RSe89hY0 [68/94]
女友「で?」

女友母「大方の見当はついているのだけれど」

 「確定に足る証拠がないの」

 「いたずらに場を乱したくない」

女友「あんたがあたしに求めてるのは」

 「“エサになれ”」

女友母「そういうこと」

 「話がはやくて助かります」

女友「はぁ」

 「いいよ」

 「なんだっていい」

 「……やる」

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:14:42.94 ID:/RSe89hY0 [69/94]
キャッキャ

女「うーん」

 「何あげたら喜ぶかなー」

死神「あ、このネックレスかわいい」

キャッキャ

男友「女連中はこういうのすきだよな」

男「そーだなー」

 「俺ら何買おうか」

男友「何だっていいんじゃねー」

 「お」

 「これいいな」

男「そのセンスはないわ」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:21:54.40 ID:/RSe89hY0 [70/94]
衆A「お嬢、日に日に機嫌が悪くなってますね」

衆B「あれ、衆Cはどうした」

衆A「昨日、お嬢が――」

衆「「お疲れ様です!!」」

幹部「あかんなぁ、こないなとこでお嬢の影口叩くなんて」

 「内通者がどこにおるかわっかれへんのに」

衆「「申し訳ありませんでした!!」」

幹部「謝るんならお嬢にいいや」

 (生きとるうちに……な)

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:28:58.56 ID:/RSe89hY0 [71/94]
幹部「これが、女友父組家の見取り図になります」

 「お嬢の部屋はここになります」

 「ここが正面玄関ですが」

 「お嬢…失礼、女友はこの」

 「第二裏口を通って出入しとります」

 「万一気取られた場合、通るのはおそらくここ」

 「ここ使うとるんは一部の上級組員だけで」

 「年頃の女がおったら、女友でまず間違いありません」

敵幹部「なるほど」

 「あなたの計画には特に欠陥も見当たりません」

 「きっとうまくゆくでしょう」

 「成功の暁には」

 「悪くない待遇を、約束しましょう」

幹部「はい」

 「よろしく頼みます」ニィィィ

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:36:04.67 ID:/RSe89hY0 [72/94]
女友誕生日

女「おっかしーなー」

 「女友ちゃん、学校来てないね」

男友「そーだなー」

 「電話してみっか」prrrr

 『只今、電話に出ることが』

 「繋がらんな」

男「都合が悪いって、これのことか?」

女「う、うーん」

死神「………」

 (嫌な風ね…)

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:42:59.66 ID:/RSe89hY0 [73/94]
女「学校、終わっちゃった」

男「結局来なかったな」

男友「なんだなんだ」

 「連絡の一本くらいくれりゃいーのによー」

女「どうしよ」

 「女友ちゃん家、行ってみる?」

死神「行きましょ」

 「はやく」

女「う、うん」

182 名前:どうしてこうなった[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:48:53.19 ID:/RSe89hY0 [74/94]
女友「………」イライラ

 「………」イライラ

 「おい」ムセン

運転手『へい』ムセン

女友「あたしはいつまでここに突っ立ってりゃいい」

運転手『その』

 『刺客が現れるまで…か、と…』

女友「かれこれ何時間だと思ってんだ……」

 「まったく、今日はもう来ないんじゃ――」

 (そういや、今日は)

 (誕生日、だったな)

 (誕生日パーティー)

 (かー)

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 21:53:47.86 ID:/RSe89hY0 [75/94]
女「ここ、なんだけど」

男友「………」

男「………」

死神「………」

黒服「おい」

 「こっから先は私有地じゃ」

 「部外者は出てってもらえんかのォ」

女(……あれ?)

 「は、はい、失礼しました」

男友「なんだなんだこの状況は」

男「人通りも急に少なくなったな、この辺」

死神「………」

女「あのね、私ちょっと」

 「様子見てくる」タ

 「皆はここで待っててー」タッタッタッ

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:00:44.28 ID:/RSe89hY0 [76/94]
女友(例年、誕生日は一人だった)

 (いや、人自体は家に何人かいたけど)

 (幼女とごついおっさんどもがパーリーってのもない話だ)

 (この日はいつもあたし一人)

 (部屋にいつも一人ぼっt)

 「運転手ゥ!!」

運転手『へ、へいっ!』

女友「家だよ、あたしの部屋だ!」

 「クソババァに謀られたんだよ!」

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:06:34.25 ID:/RSe89hY0 [77/94]
女「何があったんだろ…」

 「それにさっきの黒服さん…」

 「女友ちゃん家のヤクザさんたち、あんな訛りあったっけなー」

 「こっからだとー」

 「あの秘密通路が近いなっ」

 「前女友ちゃんに教えてもらったんだよねー」

 「お邪魔しまー」ギギギ

 「す」バタン

187 名前:どこへ向かっていくのか[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:12:34.10 ID:/RSe89hY0 [78/94]
女友家・女友の部屋

女友「………」

刺客(情報通りですね…)

 (例年、この日は部屋に閉じこもっている)

 (寂しい娘だ)フッ

 「動くな」ジャキン

 「貴様の身柄、貰い受ける」

 (後は睡眠薬を――)

女友「……ふっ」

 「ふふ」

 「『動くな』」

 「『貴様の身柄、』」グッ

女友母「『貰い受ける』!」バサァ

刺客「……なっ」


188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:18:50.00 ID:/RSe89hY0 [79/94]
女友母「内通者がいるとは聞いておりましたので」キン

 「このような茶番、をっ」スパッ

 「仕掛けっさせ、て、もらいまし、たぁッ!」ザシュ

刺客「……っは」ドク

 (強い…ここは一旦…)スッ

 (引く!)カッ

女友母(煙幕…?いや…これは爆薬…!?)

 「しま…っ」

ドォン…

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:25:31.74 ID:/RSe89hY0 [80/94]
ドォン…

女「ふぇ」

 「すごい音が」

 「中で何が起こってるの……?」

刺客「ゼェッ…ハァッ…」タタタタタ

 (!あれは――)

 (第二裏口、年頃の女…武道の心得はなさそうだが…)

 (なるほど、こいつが真の女友だな!)ダダダダ

女「え?え?」

刺客「覚悟ッ!」ドス

女「」ガク

190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:32:40.58 ID:/RSe89hY0 [81/94]
運転手「お嬢!」キキィーッ

女友「なんだこのザマは…家が半壊してるじゃないか」

運転手「お下がりください、これは――」

男友「あれ、女友じゃん」

男「よ、よう」

女友「お前たち?!なんでこんなとこに」

男友「なんでってほら」

 「誕生日。お前の」

 「何?家ん中で花火ブチあげたの?」

女友「バカなこと言ってないで――」

死神「ねぇ、来て欲しいんだけど」

 「こっち。血の痕があるわ」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:37:51.99 ID:/RSe89hY0 [82/94]
車内

女友「女が中にいた…だと…?!」

男「あ、あぁ」

男友「ちょっと様子見てくるっつって」

 「爆発が起きるちょっと前か?」

女友(裏から入ったのか…くそ)

 「運転手!もっとスピード!」

運転手「いえ」

 「あそこで血痕が途切れています」

 「おそらくはあの」

 「廃工場の中に」

女友「待ってろよ…」

 「女……!」

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:46:49.15 ID:/RSe89hY0 [83/94]
廃工場

敵幹部「痴れ者め」

 「罠に嵌り深手を負い、挙句にターゲットを間違えるなどと」

刺客「返す言葉も…ございません…」

敵幹部「幹部さん?」

 「随分と話が違ったようだ」

 「例の件はなかったことに――」

幹部「………」

 (なんで…ッこんなことにッ…)

敵幹部側近「アニキ。不審な車が近付いてきています」

 「追っ手、かと」

敵幹部「全てご破算ですよ、まったく」

 「刺客。しんがりくらいつとめてもらいますよ?」スタスタスタ

刺客「……はい」スッ

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:52:38.69 ID:/RSe89hY0 [84/94]
男友「えーっと、俺は」

女友「邪魔だからここにいろ」

 「運転手、もしものときは車を出せ」

 「あたしが行く」

男「お、俺も」

女友「あんたが来て何になるってんだ」

 「邪魔だからここにいろ」

死神「私もいくよ」

女友「………」

 「あんたは」

 「……よさそうだね」

死神「………」コク

女友「さ、行こうか」

 「ふざけた真似をしてくれた奴らに」ドシッ

 「きっつーいお灸をすえてやりになァ!」ズガァァァン

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:58:30.66 ID:/RSe89hY0 [85/94]
女友「………」チラッチラッ

 「………」コク

死神「………」コク

女友(人の気配はなさそうだな…上か)

死神「――!」ジャキン

 「あぶないっ」キィィン

刺客「……我が太刀筋、よくぞ受けられた」カンッ

 「刺客だ…お前たちを先へ進めるわけにはいかない」ズザーッ

死神「女友ちゃん」ズザーッ

 「ここは、私が」

女友「おう」

  「まかせたっ」タタッ

刺客(『女友』…?まさか)ブォン

死神「あなたの相手は私だって言ったよ」キィィン

 「余所見なんてしてちゃ――死んじゃうかも」

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:06:21.43 ID:/RSe89hY0 [86/94]
女友「ハァッハァッハァッハァッ」タタッタタタタッヒョイッ

 「女ぁ!」ガラララッ

幹部「はっ、ははっ」

 「ツキが戻ってきよったわ」

 「まさか思たけど」

 「わざわざお越し下さるたぁなぁ!お嬢!」

女友「呼ぶなよ」スッ

 「お前なんかがあたしを」スラァァッ

 「お嬢、って、呼ぶな」キン カラッカラカラカラ

幹部「仕込み刀…なぁ…」

 「おぉ怖い怖い」スッ

 「そない物騒なもん向けやんといてや」ジャカッ

女友「女子ども相手に拳銃を振り回すのが貴様の流儀なのか?」ジリ

幹部「組筆頭の戦闘狂相手に手加減するんも失礼な話やで」ジリ

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:14:21.28 ID:/RSe89hY0 [87/94]
死神「………」ブン キィンガィン グァァン

刺客「…ゼェ…ヒュゥ…」ヒュッシュパッ ヒュオッ

 (この者…強い)

 (手負いの身体では…抑えきれないか)

死神「ねぇ」ズサッ

刺客「…ハッ…なんだ」ズ ズザ

死神「女ちゃんを」

 「と、女友ちゃんを狙った理由は何」

 「何の恨みがあったの」

刺客「…ヒュー…ケホ…」

 「恨み。そんなものはない」

 「強いて言うなら仕事だから、だ」

死神「何それ」

 「くだらない」


198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:20:58.72 ID:/RSe89hY0 [88/94]
死神「そんなくだらないことで」コォォ

 「人の生命を」コォォ

 (……!)ドクン

 (何を言ってるの)

 (私は)

 (私は死神なのよ)

 (今まで…いくらでも…)

 (刈り取って、きた)ドクン

 「………」スッ

刺客「戦場で得物を手放すなど」

 「……情けのつもりか」

死神「違うもの」

 「私は違うっ」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:31:04.07 ID:/RSe89hY0 [89/94]
幹部「ほらほらァ!逃げてばっかじゃぁどうにもなれへんで」パァン パァン パァン

女友「………」タタッ キンキュイン チュゥン

 「貴様」

 「女をどこへやった?」

幹部「さぁなぁ」パァン パァン パァン

 「このフロアのどっかにはおるかもなぁ」ジャカッ

 「けど、教えへん」パァン

女友「………」キュインチュン ズザッ

幹部「跳弾でコンテナでも降らされたらかなわんからなァ!」パァン パァン パァン

女友「……っ!」ザッ チュイン カンカン

 「なんだ、気付いてたんだ」

 「何故裏切った?」

幹部「功績立てても立てても」ジャカッ

 「まだこんな程度の地位や」

 「ええ扱いしてくれるとこ付くんが、当たり前ゆうに」

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:34:37.67 ID:/RSe89hY0 [90/94]
女友「よく分かった」

 「貴様が重用されない理由が」ダッ

幹部(破れかぶれの突進か?)

 「教えてもらおやない…!」パァン パァン パァン

女友「……っ」キィン ザシュッ ヒュオッ

幹部(なんや、なんやこいつ)パァン パァン パァン

 (撃たれても撃たれても止まらん…ッ)

女友「はぁああああああああああああああ」ドン カシュッ ドン

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:40:50.04 ID:/RSe89hY0 [91/94]
幹部(死ぬのが…怖ないんか…ッ?)ガキィ ガキィ ガキィ

 「……弾切れやと?クソッ」ゴソゴソッバララララ

 (床に落ちて…ま、間に合わん…)

女友「貴様に足りないものォ、それはァ」ダッダッダダダダダ

 「器、だぁああああああああああああ!」ガキィィィィィン

幹部「ひっ、ヒィ!殺られ」ガバッ

 「r」ドサッ

女友「峰打ちだっつーの」

 「今のは女の分」

 「残りは組に聞きな」

 「……女、どこだろ」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:45:40.11 ID:/RSe89hY0 [92/94]

 『……ちゃん』

 『…女友ちゃん』

女友(――!)

 「そこかっ?」バタン

女「……ぅ」

女友「…ごめんな、うちの騒動で」

 「さ、帰ろ」

 「う」ガクッ

 「ぜ」バタ…

ミシ

ピキッ

ガラ、ガラガラガラ

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:51:21.13 ID:/RSe89hY0 [93/94]
ガラ、ガラガラガラ

死神(建物が…)

 (もたない)

 「女友!女!」

 「だ、大丈夫っ?」

女「…ぅぅ」

女友「………」ドクドク

刺客「手を貸そう」スッ

死神「………」

刺客「情け、ではない」

 「ケジメをつけたいんだ」

死神「………」コク

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 00:02:47.75 ID:/RSe89hY0 [94/94]
女友家・女友の部屋

女友「しっかしまー」

 「流石にどうなるかと思ったね!」ケラケラ

死神「もう、笑い事じゃないよ」プリプリ

女「何事もなかったから、よかったじゃんー」

 「ねっ」ニコ

死神「むぅー」

男友「なんつーか俺たち」

男「蚊帳の外、だったな」

運転手「でしたねぇ」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 00:08:21.52 ID:sAh3JijB0 [1/4]
男友「よーっし、じゃー」

 「女友の誕生日パーティー」

 「を」

 「はっじめっるぞー」

女友母「あらあら」ニコニコ

 「でも、なにもこんな中破した部屋で催さなくても」

 「無事な部屋も空いていますよ?」

女友「いいよ、ここで」

 「ダイナマイトでぶっ飛んだんだ」

 「あたしの心の壁も、天井も」

男友「とか言っちゃってー」ニヤニヤ

女友「う、うるさいっ、茶かすなっ」ゴンッ

女友母(女友ちゃん……)

 (素敵な友だち、いっぱい出来たのね)ニコ

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 00:12:06.54 ID:sAh3JijB0 [2/4]
女友「かんぱーい」

一同「「「「「かんぱーい」」」」」

ゴツンカツンカランコロン

女友「正直ね、不安だったんだ」

 「あたしの家のこと知ったら、皆どう思うだろ、って」

男「どうっていってもな」

男友「なんかもう」

 「いろいろあったしどうでもいいな」ハハ

男「それ」ニコ

女「家がヤクザ屋さんだって何だって」

 「女友ちゃんは友だちだよっ」

 「ね」

死神「うん」

男友「おう」

男「おー」

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 00:14:13.13 ID:sAh3JijB0 [3/4]
女「プレゼントこうかーん」

女友「の」

 「前にー」

 「グラスこうかーん!」

男「ん?」

男友「なんだそれ」

死神「………」キョトン

女友「いいから回せ回せー」

 「一口ずつ飲んでだなー」

 「あーもう、よく分かんねー」

女(おおおおと男くんとかっかかか間接きっs)

女友「今日からあんたらはー」

 「あたしと盃を交わした仲だ!」

 「これからもよろしくなっ」

 「ダチ公どもっ!」

211 名前:女友エピ完走出来てすごい安心みたいなものを感じる[] 投稿日:2010/06/19(土) 00:16:26.87 ID:sAh3JijB0 [4/4]
後日談

女友(………)

 (ネックレスは分かる。イヤリングも分かる)

 (クッキー缶も分かる)

 (が)

 (木刀なんておんなの子のプレゼントに寄越すかふつー)

 (っとにあいつは)

 (バカなんだから)フッ

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 10:06:19.18 ID:sAh3JijB0 [2/30]
悪魔(喜)

 (怒)

 (哀)

 (楽)

 (地上におりてからというもの)

 (死神は感情というものに触れ)

 (泣いたり、笑ったり)

 (他愛もない話に花を咲かせたりするようになった)

 (……普通の人間の娘のように)ピラ

 (これ以上はもう、待てない)パタン

 (これ以上はもう、)

 (酷だな)

死神「女ちゃんの玉子焼きはおいしいなー」キャッキャ

女「えへー、今度死神さんにも教えてあげるっ」キャッキャ

死神「ほんとー?」ニコッ

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 10:12:45.28 ID:sAh3JijB0 [3/30]
商店街

カランカラン

おじさん「おめでとーございまーす!」

 「特等!三ツ星レストランのペアチケットだー!」

女「え」

 「ふぇ」

おじさん「大切な人と行くといいよー」ニヤニヤ

女「あ、ありがとう、ございます」カー

 (大切な人と、かー)

5 名前:はい[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 10:18:22.45 ID:sAh3JijB0 [4/30]
女友家・女友の部屋

prrrr

女友「うい」

女『女友ちゃんっ』

 『あのね、さっき商店街の福引きで』

 『三ツ星レストランのチケット、当たっちゃったんだけど』

女友「へー」

女『2枚しかなくって』

 『大切な人と行くといいよ、って言われたんだけど』

女友「ほー、それはいいな」

 「男と行ってこいよ」

 「でぇーと」

女『私ね、』

 『……みんなのこと、みんな大切だから』

 『どうしようか迷って』

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 10:29:01.72 ID:sAh3JijB0 [5/30]
女友(あんたはそういう子だからねー)

 「誰かと二人だけで行く、ってのはどうしても?」

女『うん』

 『だから行かないでおこうと思うんだ』

 『チケット他に欲しい人いたら、あげようと思って』

女友「まぁ待て」

 「どこのレストランって?」

女『この間出来たビルの、45階にある』

女友「あれかー」

 (うち関係ないなー)

 「ま、大丈夫」

 「あたしでなんとかしてみるから」

 「チケット取っときなー」

女『えっ?』

 『う、うん』 ツーツーツー

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 10:41:03.66 ID:sAh3JijB0 [6/30]
女友「えーっとー」カタカタ

 「こいつだな」タンッ

 「うへぇ」

 「安くはないな、流石に」

 「ええい女のためだ」タンッ

 「………」

 「誰かいるのか?」

シィン

女友(………)

 (…気のせいか)

悪魔(………)

 (あぶねぇ)

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 10:52:21.62 ID:sAh3JijB0 [7/30]
学校

女友「じゃーん」ピラッ

女「女友ちゃん、それって」

女友「おうよ」

 「チケット3枚。追加だ」

 「これで皆で行けるだろ?」

女「う、うんっ」

男「何の話?」

女「えっとねー、こないだ出来たレストランのねー」

男友「あぁあそこだろー」

死神「おいしいの?」

女「きっとおいしいよー」

悪魔(………)


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 11:01:35.56 ID:sAh3JijB0 [8/30]
レストラン

女「ほえぇ」

男「お、俺なんかこういうとこ初めてで緊張する」

女「私もー」

女友「じゃあ男と女は2人席のやつな」

 「あたしらは3人席のやつ」

男友「ういー」

死神「うん」キョロキョロ

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 11:11:42.27 ID:sAh3JijB0 [9/30]
女友「悪くないな」ハム

死神「おいひい」ガツガツ

男友「肉だ肉をよこせ」ガツガツ

女友(こいつらと同じ席だと)サクサク

 (すっげー恥ずかしい……)ハム

男友「ゴクゴクゴク」

 「ぷはっ」

 「死神、ちょっと」クイクイ

死神「ん?」ガジ

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 11:22:22.51 ID:sAh3JijB0 [10/30]
死神「どうしたの、こんなとこまでわざわざ来て」

男友「あのな」

 「ずっと前から言いたいことがあったんだ」

 「とても、大切なこと」

死神「……うん」

 (……これって)

男友「あのさ」

死神(………)

男友「お前、すっげー変わったな」

死神「はい?」

男友「いやいや驚き」

 「以前のお前と比べてもみろよ」キュイン

悪魔「全く大したもんだ」スゥ

死神「―――!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 11:33:07.62 ID:sAh3JijB0 [11/30]
男「………」モキュモキュ

女「………」パクパク

男(落ち着かねー…)

 (ここの雰囲気もそうだが…)

女「………」パク

男(女、お洒落してきてるなー)

 (かわいい)

 (……はぁ)

 (二人席、気まずい)

女「どうか、した?」

男「いいいいやぁなんでも」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 11:45:25.47 ID:sAh3JijB0 [12/30]
女友「………」カランカラン

 「………」クイッ

 「……っふぅ」

 (頑張れよー女)

 (今のあんたは輝いてる)

 (魅力で男もイチコロだー)

 「……流石に今回は」

 「出歯亀なんてしないよ」

 「こうしてグラスを傾けながら」

 「恋路を見守るのも一興ってもんだ」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 11:55:39.32 ID:sAh3JijB0 [13/30]
死神「男友をどうしたの……?」

悪魔「別にどうも」

 「初めっからこーゆー、こ、と」

死神「………」

悪魔「悪魔はいつも人間のすぐ近くにいるもんさ」

死神「………」

悪魔「で、だ」

 「大事な大事な話がある」

死神「なによ」

悪魔「ここで男と女な、」

 「死ぬから」

死神「なっ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 12:05:02.47 ID:sAh3JijB0 [14/30]
女「料理、おいしいね」パク

男「あ、あぁ、そうだな」パクパク

 (緊張で味とかわっかんねー!)

 「……女の作った料理の方が、俺にはあうかな」

 「あったかいってーかなんてーか」

女「……え?」

男「え」

 (俺、もしかして口に出したか…?)

 「いいいいや、なーんて」

女「……嬉しい」

男「……おう」カーッ

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 12:13:27.27 ID:sAh3JijB0 [15/30]
悪魔「本当はな」

 「ここに来るのは、男と女だけだった」

 「それが正史のシナリオだった」

死神「………」

悪魔「だが、俺が曲げた」

 「すでにこの世界はパラレルってこと」

 「なぜなら」

 「お前の存在は、なかったはずだから」

死神「……そうね」

悪魔「正史のお前は、男と女を刈りにくることになってる」

 「これがその帳簿」ピラッ

死神「………」パララ

 「確かに…」パラ

 「え……この人数」パラッパラッ

悪魔「ここにいるはずだった全員、だ」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 12:21:02.36 ID:sAh3JijB0 [16/30]
男「あのさ」

 「前、中途半端で終わっちゃったけど」

女「………」

男「俺、女のこと」

 「好きだよ」

女「私も」

 「私も、男くんのこと」

 「好き」ポロッ

男「お、おい泣くなよっ」

女「えへへ」グスッ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 12:28:03.52 ID:sAh3JijB0 [17/30]
女友「……よかったな。女」フッ

 「しかし」

 「男友と死神、戻ってこねーな」

 「何やって」

 「………」

 「ラブいの?もしかしてラブいの?」キラキラ

 「行くか!そうしようか!」スチャッ

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 12:39:39.13 ID:sAh3JijB0 [18/30]
死神「あなたの」

 「あなたの目的は、何」

 「私はどうしたらいいの」

悪魔「正史がどうあろうとな、」

 「俺は二人を死なせたくないと思った」

 「そんな世界はクソ食らえだと思った」

 「……友だちとしてな」

死神「悪魔……」

悪魔「お前が誰より知っていると思うが」

 「俺みたいなやつがちょっと事象を曲げたくらいじゃ」

 「帳尻合わせは避けられない」

死神「ええ」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 12:51:14.22 ID:sAh3JijB0 [19/30]
悪魔「帳簿の改竄」

 「男と女の延命を確定するために必要な処置がそれ」

 「それは俺には出来ないこと」

死神「それは私には出来ること」

悪魔「だからお前の協力が必要だった」

 「死神のお前の協力が」

 「だけどな」

 「死神のまんまのお前だったら」

死神「協力なんてありえなかった」

悪魔「俺はお前を人間にすることで知ってほしかった」

 「情けを」

 「悲しみを」

 「愛を」

 「その狙いは十分、果たせたみたいだな」ニッ

死神「そうね」フッ


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 13:01:14.86 ID:sAh3JijB0 [20/30]
悪魔「お前を死神本来の姿に戻す」

 「記憶も感情もそのままに」

 「……俺の浅はかだったところは」

 「そうすることによって、お前が永劫の苦しみを背負うことに」

死神「いいよ」

 「いいの」

 「以前の私とまったく同じ死神はいくらでもいる」

 「一人くらい」

 「泣いたり、笑ったりする死神がいても」

 「いいでしょ」

悪魔「……すまない」

 「これから術をとく」

 「死神として戻ったらもう」

 「普通の人間には」

 「みんなには会えなくなる」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 13:11:33.22 ID:sAh3JijB0 [21/30]
悪魔「最後に、みんなに言うことがあれば」

死神「さよならは言わない」

 「みんなが私のこと、わからなくなっても」

 「私はずっと、みんなと一緒だから」

悪魔「……とくぞ」キュイン

死神「うん」スゥゥ

 (みんな)

 (私が、守ってあげるから)

 (必ず)

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 13:20:26.20 ID:sAh3JijB0 [22/30]
厨房倉庫

シュゥゥゥゥゥ

プシュゥゥウゥ

ガチャ

調理師「確かここに、素材が余って――」

カチッ

調理師「なんだ、ガス臭」ケホッ

 「い」

 「ぞ……!」

カッ

ドゴォ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 13:34:57.81 ID:sAh3JijB0 [23/30]
女友(………)コソ

 (死神が消えた…?)

 (何がどうなってる)

悪魔「………」キュイン

男友「悪かったよ」スゥ

 「騙してた、って思われたかも」

女友「……!」

 「あんた一体……」

男友「言いたいこと聞きたいこといっぱいあるだろーが」

 「俺を信じちゃくれねーかな」

女友「当たり前だろ……バカ」

男友「じゃーまずは」

 「こっから避難、してくれ」

女友「は?」

ドゴォ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 13:47:34.39 ID:sAh3JijB0 [24/30]
ドゴォ

女「ひゃっ」

男「……っ、火災か?!」

ジリリリリリ

ザワザワザワ

男「落ち着いて、ここから逃げよう」

女「う、うんっ」

 「あっ」

 「み、みんなどこ?」

男「いねぇ…俺が探しにいく、女、先に」ダッ

女「やだよっ私も行く!」ダッ


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 13:55:56.37 ID:sAh3JijB0 [25/30]
ピシィ

ミシ…

グラァ

ゴトッ

男「こんなときにあいつら、どこに…!」

女「みんなぁ!どこにいるのーっ!」

ゴォ…

男(シャンデリアが――!)

 「女、危な――」

ゴォォォオォオ

女「えっ?」

ガシャァアアアアアアアアアン


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 14:05:58.90 ID:sAh3JijB0 [26/30]
男「女ああああああああああああ!!」

シャラ…

女友「危ねーだろ。バカ」フラッ

女「女友ちゃん!」

女友「さっさと逃げるぞ」

男「死神と男友は――」

女友「信じろ」

 「あいつらは大丈夫だ」

 「絶対に!」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 14:14:17.32 ID:sAh3JijB0 [27/30]
死神「………」サラ…

 『男・女:両者享年70歳

  結ばれ 子に恵まれ

  子、孫たちに看取られながら

  二人

  安らかに

  眠りにつく』

死神「………」キュッ…

 「愛、かぁ…」キュ

 (『困ったときはお互い様、だろ?』)チク

 (『いいよ。飼っても。だろ?』)チク

 (『私、負けないからねっ』)チク

 (『……つらかったな』グッ)ドキン

 「そっか……」

 「そうだったんだね」サァァァァ

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 14:25:56.61 ID:sAh3JijB0 [28/30]
悪魔「まったく死神のやつめ」

 「全員分助けやがったな」

 「ま、そうすると思った」

 「だから、こっからは俺の役割」

 「事象の歪曲で生じた不利益」

 「まとめて俺がもらっていってやるよ」

 「さよなら、はダメなんだったな」スッ…

 「またな。ダチ公ども」スゥゥ


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 14:35:40.15 ID:sAh3JijB0 [29/30]
大規模なビル火災。

にも関わらず、奇跡的に死傷者はいなかった。

行方不明者は、二人。

ようとして行方は知れないのだが、

いつものように、振り返ればあいつらが笑っているような気がして、

………、

信じるって、決めているんだ。

あいつらのこと。

いつか、きっと、

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 14:37:37.82 ID:sAh3JijB0 [30/30]


はい、ということでクライマックスでした。
以後の展開はご想像にお任せといった感じに。

ありがとうございました。

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