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黒子「なんて便利な能力なんですの」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/14(日) 20:10:28.03 ID:ASG0SIleO
黒子「ひい…ふう…みい……。はぁ、何度数えても三百六十円しかありませんの」ジャラジャラ

黒子「少し調子に乗り過ぎてしまいましたわね……これでは今月の携帯料金は元より家賃すら払えませんわ」

フラフラ

寮監「ん?どうした白井、なに悩み事があるなら私で良ければ相談に乗るぞ」

黒子「寮監……、そうですわよね寮監も鬼ではありません。ちゃんと謝れば少しくらい」

寮監「なんだブツブツと、遠慮をするな何でも話すと良い」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 20:21:24.77 ID:ASG0SIleO
黒子「あのぉー…実はですね、わたくし」

ダッダッダッ

生徒A「寮監、あの少しお話が…」

寮監「なんだ、いま取り込み中なのだが」

生徒「今月の家賃なんですが少し待ってもらえませんか!」

寮監「……なんだと」ピクッ

生徒A「実家の父親がリストラをされてしまい仕送りが」

ガシッ

黒子「(なっ、あれはヘッドロックの体勢ですわ!)」

寮監「寮則第二十一条、家賃滞納ヲ不許。忘れたわけではあるまいな」ギリギリ

生徒A「ギャガィャァァァァァ!」

黒子「……………」ガタガタ

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 20:31:39.08 ID:ASG0SIleO
生徒B「また出てらしいよ滞納者が」

生徒C「なんでも地下にある指導室に連れて行かれるらしいって」

生徒E「しかも誰も戻ってきた所を見た事無いらしいわよ、怖いわねぇ」
ザワザワ

寮監「すまない、それで何だったかな白井」クルッ

黒子「い、いえ何でもありませんのよぉー…、わたくし急用を思い出してしまいましたので、失礼いたしますわ」

スタスタ

寮監「そうだ白井、さっきの話だが」

黒子「…はい?」

寮監「私は鬼ではない。生徒の間では鬼神と呼ばれているらしいぞ」

黒子「えぇ、大変良く存じ上げていますわ……アデュー」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 20:42:49.92 ID:ASG0SIleO
御坂「んー、疲れたわねぇ。何で私が補習なんか」

ザワザワ

学生F「おい、あの歩道橋の上のヤツ。あれヤバイんじゃないの」

黒子「お姉さま…黒子の先立つ不幸をお許し下さいませ」バッ

学生G「本当に飛び降りたわ!」

御坂「あんたちょっとそのコイン貸して!」ブォン

バシュッーー

黒子「ぴぎぃ!」

ドッガッーン!

御坂「ふぅ、危なかったわね」

黒子「お、お姉さまが一番危ないん……ですわ」ピクピク

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 20:48:57.25 ID:ASG0SIleO
御坂「ほら、コーヒーで良かったかしら」サッ

黒子「お姉様に買ってきて頂いたものなら、黒子は何でも宜しいですわ」

御坂「何よ、そんな暗い顔して。あんたらしく無いわよ、私に相談してみなさいよ」

黒子「しかし……お姉様にご迷惑をお掛けする訳には」

御坂「あんたと私の中じゃない、何水臭いこと言ってるの」

黒子「お…お姉様、わたくし感激ですわ」グスグス

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 20:52:51.18 ID:ASG0SIleO
御坂「ほら、このハンカチで顔拭いて。で、なんなの?」

黒子「あのぉ、大変言いにくい事なのですけど、…少々おか」

御坂「金なら貸さないわよ」クワッ


黒子「……わかって…まふわよ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:00:46.35 ID:ASG0SIleO
御坂「家賃が払えない?なんでよ、あんたそんな無駄遣いしてたっけ」

黒子「じ、実はですね……」

………
……


佐天『あ、今週Perfumeの新曲の発売日だ』

初春『佐天さん楽しみにしてましたもんね、CDショップ寄りましょうか』

佐天『いゃあ、それが今月厳しくてさ。仕方ない諦めるわ』

黒子『あら…下々の者は大変でございますわね。その程度ならわたくしが買って差し上げますわ』

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:10:02.64 ID:ASG0SIleO
佐天『いや、いいって。またお小遣い溜まったら買うから』

黒子『そう遠慮なさらずに、佐天さん達にはお姉様がいつもご迷惑をお掛けしていますもの』バッ

佐天『ゆ、諭吉さんが沢山…』

初春『さすが常盤台のお嬢様は違いますねー。私実はヴィトンのバックが欲しくて』

黒子『構いませんわよ、なにせわたくしはお嬢様でございまから!』

初春『このブーツもオシャレで良いですねぇ』

黒子『おーほっほっ、構いませんわよ。構いませんわよ!』

初春『あっ、このデニムも…』

佐天『……………』

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:19:32.96 ID:ASG0SIleO
黒子「……と、言う訳で気が付けばスカンピンでございま」

ベキィン!

御坂「アホかぁぁアンタは!いくら私でも怒るわよ!」

ドサッ

黒子「も、もう怒っていますわよ、落ち着いて下さいましお姉様」

御坂「あれだけお小遣いは計画的に使う様にって言ってたでしょうが」

黒子「し、仕方なかったんですのよ」

御坂「しょうがないわねぇ。こうなったら佐天さん達にこの事を」

バッ

黒子「それだけは、…それだけは許して下さいまし、わたくしの今まで築き上げたお嬢としてのイメージが!」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:30:49.71 ID:ASG0SIleO
御坂「お嬢のイメージなんか最初っから崩壊してるでしょうが。でも今さら佐天さん達から使った額を請求するのは少し酷か……」

黒子「そうですわよ、そんな非常識極まり無い事黒子は思いもしませんでしたわ」

御坂「うっさいわね!あんたの為に知恵絞ってあげてるんでしょうが」

黒子「もうどうしようも無いんですわ、黒子はここで試合終了なんですの…」

御坂「家賃を支払うまで、まだ日はあるわ。ここは初心に戻って」バッ

黒子「なんですの、その冊子は?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:35:39.05 ID:ASG0SIleO
=コンビニエンスストア=

店長「白井黒子さんね…、高校生にしては随分小柄だね」

黒子「あ、あらわたくしその事は少し気にしていますのよ」ダラダラ

店長「ゴメン、ゴメン。それじゃこのマニュアルの通りやれば大丈夫だから、頼んだよ」

バタン

黒子「ふぅ……、なんでわたくしがこの様な所でアルバイトなどを」ブツブツ

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:46:07.28 ID:ASG0SIleO
ペラペラ

黒子「ん、なかなか面白いですわね、この新連載は。要チェックですわ」

ウィィィン

客I「私アイスが食べたいよ」

客T「この時期にアイスなんて腹壊すぞ」

ペラペラ

黒子「あら、この漫画また作画が手抜きですわ。早く打ち切りにならないですかね…」

グツグツ

黒子「あら、そろそろオデンが煮えましたかしら」サッ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 21:55:13.06 ID:ASG0SIleO
客T「すいませんお願いします」サッ

黒子「はら、はひをおねはいすふのへふか?(あら、何をお願いするのですか?)」モグモグ

客T「何がって、会計だけど…。てかその咥えてるのって売り物じゃ」

ゴクンッ

黒子「売り物じゃありませんわ。これはチクワといいますのよ、全くこれですから庶民は」

客I「いらっしゃいませも言わないし、本当に駄目店員だよね」

黒子「何ですって!?見てご覧なさいませ。レジ打ちくらい黒子にとっては朝飯前でございますわよ」サッ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 22:04:35.63 ID:ASG0SIleO
サササッ、シュッ

客I「おおおぉ!凄いスピードで袋に詰められていくよ」

黒子「ふふっ、これくらいジャッジメントのお仕事に比べれば…。見直しましたかしら?」

客I「うん!駄目店員だなんて言ってゴメンね」

ドンッ

黒子「分かればよろしいんですのよ。さぁ、しめて千五十円でございますわよ!早く払って下さいまし」

客T「いや……悪いけど弁当は暖めて欲しいんだけど」

黒子「……な、なんですって」

客I「やっぱり駄目駄目店員だったよ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 22:14:46.54 ID:ASG0SIleO
黒子「はぁ、面倒臭いですわね。それなら最初に言って下さいまし」ブン

ピッ

客T「ちょっと、何で袋ごと温めてるんだよ!普通は弁当だけだろ」

黒子「あら、御免あそばせ。わたくし電磁レンジなど余り縁がないもので」ガチャリ

ドン

客I「アイスが溶けて……凄く悲惨だよ」

黒子「はい、しめて千五百円ですわよ。早く払って下さいまし」

客T「ちょっと待て!何でさり気なく値段上がってるんだよ」

黒子「サービス料でございますわよ。わたくしの家賃の為にご協力感謝しますわ」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 22:23:38.30 ID:ASG0SIleO
客T「協力できるか、そんなベタベタの弁当突き付けられて!」

黒子「殿方たるもの、細かい事でゴチャゴチャ言うのでありませんのよ」

客T「知るか、えぇい帰るぞインデックス!」

客I「え!待ってよ当麻ー、アイスゥー」

ウィィィン…バタン

黒子「なんですの全く…、これはきっと営業妨害ですわね。いい度胸ですわ、この風紀委員、白井黒子の目から逃げれませんわよ!」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 22:30:23.66 ID:ASG0SIleO
ガチャリ

店長「どうしたの白井さん、大きな声出して」

黒子「聞いて下さいまし店長!実はですの……」

………
……


御坂「…で、クビになったと?」

黒子「は、はい…世間の風は冷たいんですのね。所詮わたくしの様な箱入り娘が金銭を稼ぐなどと」

ベキィィン!!

御坂「アホかぁぁアンタは!いくら私でもぶち怒るわよ!」

ドサッ

黒子「も、もうぶち怒っていますわよ、落ち着いて下さいましお姉様!」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 22:42:29.90 ID:ASG0SIleO
御坂「折角アルバイト見つけてあげたっていうのに、初日でクビなんて」

黒子「そう落ち込まないで下さいませ。きっと何か方法はありますわよ」

グイグイ

御坂「だぁれのせいよ、誰の!なんで他人事なのよアンタは」

黒子「は、はなひへくらはいまひ!」

御坂「でもどうするのよ、他に方法なんて…」

プルルルルル

黒子「はっ、こんな時にお仕事ですわ!お姉様、この話はまた後で」ダッ

御坂「ちょっと、黒子!」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 22:54:42.29 ID:ASG0SIleO
黒子「通報があったのは、エリアWの96…この辺りのはずですわね」チラッ

ダッダッダッ

不良N「待てぇオラァ!」

不良P「俺達から逃げられると思ってんのかぁ!」

客T「だから金なんか持って無いったら!」

客I「そんなに走ったらアイスが落ちちゃうよぉ」

客T「あぁ、コンビニじゃ変な店員に当たるし、不良に絡まれるし…なんで不幸なんだ!」

ダッダッダッ

黒子「ただのカツアゲですか、チョロい仕事でございますわね」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:02:08.57 ID:ASG0SIleO
不良N「くそっ、チョロチョロと逃げ回りやがって!」

シュンッ

黒子「でぃやぁぁっ!」ブン

バギィッ!

不良P「な、なんだコイツどっから沸いてきたんだ」

黒子「さぁ、早く今の内にお逃げ下さいまし」

客T「お、お前は、変な店員!?」

黒子「なんですの、志村けんみたいな呼び方は止めて下さいませ」

客I「早く行こうよ、アイスが溶けちゃう!」

客T「お、おい引っ張るなよ!」

ダッダッダッ


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:13:37.76 ID:ASG0SIleO
黒子「さて、さっさと片付けますわよ」

不良P「くそ、舐めるなよガギの分際でぇ!」シュ

ブォン

黒子「お姉様が言っていましたわ…能力者相手に打撃系など花拳繍腿だと」

不良P「ど、どこに消えやがった!?」

ブォォン!

黒子「ジャッジメントですわぁぁ!」

バギィィィッ!!

不良P「げぼぅ………」ドサッ

黒子「全く、口ほどにもないですわね、このようなカツアゲ犯など。ん、………カツアゲ…ですの」チラッ

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:20:20.56 ID:ASG0SIleO
黒子「応援が来るまでまだ少し時間はありますわね……」

どうせこのようなやからのお金など、人には言えない手段で集めたに決まっていますわ……無くなっても文句は言えないはず。

それならばわたくしが持っていた方が有意義というもの……。幾度なくジャッジメントを繰り返してきたんですもの、一度くらいならば…。

御坂「様子がおかしかったから付いて来たものの…、何やってんのよあの子は」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:28:18.95 ID:ASG0SIleO
ゆっくり、そして確実にわたくしの手は目の前に倒れた人物のサイフに…。

わたくしは悪くありませんの……、そう自分に言い聞かせる。わたくしは能力者…わたくしは選ばれた人間、だから目の前の犯罪者に何をしてもよろしいんですのよ。

御坂「本当に何をやってるのよ…嘘でしょう黒子。私に……私に撃たせないで!」

黒子「………くっ」サッ

ブォォォォン

その刹那、人気の無い路地裏に激しい衝撃音が響き渡った。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:34:56.62 ID:ASG0SIleO
御坂「(なっ、あの子自分の頭を自分で殴って……!?)」

ダラダラ

黒子「危ない所でしたわ、わたくしはもう少しで取り返しのつかない事を」

御坂「(く…黒子……あんた、良く堪えたわね)」

黒子「お、お姉様が…言っていましたわ……、武士は食わねど高楊枝…と」


御坂「(ゴメン……言ってないわそんな事)」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:43:44.56 ID:ASG0SIleO
=公園=

ダッダッダッ

黒子「お姉様ーお待たせ致しましたわ!」

御坂「ふふっ、はいお疲れ様。コーヒーだけど良いわよね」ブン

パシッ

黒子「だからわたくしは、お姉様が選んだ物なら何でも満足でしてよ」

御坂「そうだったわね、私が選んだ黒子だもの。間違いは無いわね」

黒子「なんですの、その意味深な含み笑いは…。それよりも、頭の包帯は気にならないんでございましょうか」

御坂「あ、あら本当!アンタにしては苦戦したみたいねぇ」

黒子「何だかわざとらしいんですのよ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:53:43.31 ID:ASG0SIleO
黒子「さぁて、それでは帰りましょうか。門限の時間が過ぎてしまいますわよ!」

御坂「え、でもアンタお金が…」

黒子「いいんですのよ、その事は。どうなろうとも構いません、正直に寮監に報告致しますわ」

御坂「あんた、本当にいいのね……」

黒子「覚悟は出来ています……、いえ目が覚めたと言った方が正しいでしょうね」

ダッダッダッ

佐天「ちょーっと待ってぇぇ、白井さん!」

黒子「……あら、なんですの一体?」

御坂「あれは、佐天さんと初春さんかしら」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/14(日) 23:58:30.67 ID:ASG0SIleO
佐天「御免ね私達、白井さんが困ってるなんて知らなくて!」

黒子「な、何故その事を知っているんですの!」

初春「昨日、御坂さんから聞きました…黙っていてくれって言われていたんですが」

御坂「あっ、ちょっ!」

佐天「だから、これ受け取って、白井さん!」バッ

黒子「……諭吉さんが」

御坂「……沢山いるわね」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:05:53.67 ID:1/5fGFxZO
黒子「どこから集めたのか知りませんが受け取れませんわ。この事が知られてしまったうえに、これ以上お嬢のイメージを」

初春「白井さんのバカっ」ブン

ペチン

御坂「初春さん、何を!?」

佐天「お嬢とかそんなの関係ないよ、私達が白井さんと一緒にいるのはお嬢様だとか能力者だからとかじゃない……。友達だからだよ!」

黒子「さ、佐天さん……。でもですから余計受け取れませんわ、お友達からこのような大金を…」

佐天「それなら心配なく、私の能力を使ったからねぇ」

御坂「佐天さんの能力…?それって一体」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:18:55.53 ID:1/5fGFxZO
佐天「名付けて『クーリングオフ』!こんな事もあろうかと初春の買って貰った物をクーリングオフしておいたのよっ」

黒子「クーリングオフ……始めて聞く能力名ですのよ!」

御坂「アンタね…。クーリングオフっていうのは、一定期間、無条件で申込みの撤回または契約を解除できる法制度のことよ」

黒子「なんて便利な能力なんですの!」

佐天「だから能力じゃ……ってまぁいっか」

黒子「やりましたわ!わたくし寮監の魔の手から見事生き延びることに成功しましたのよぉ!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:26:22.22 ID:1/5fGFxZO
>>52
マジですか。今度チェックしてみる事にしよう


=翌日=

黒子「ふん、ふん、ふーん♪あぁ、今日も青空が眩いですわ。生きてるって素晴らしいことですのよ」

スタスタ

寮監「お、いたいた。白井少し良いか?」

黒子「あら何ですの、今のわたくしは鬼に金棒、お姉様にコインでございましてよ」

寮監「何をわけのわからん事を言っている…」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:32:42.82 ID:1/5fGFxZO
黒子「それで御用件はなんでございますの?家賃ならば」

スッ

寮監「実はな、白井……」ガッ

黒子「あ、あらぁ…何ですの、何故ヘッドロックの体勢ぉ?」ガクガク

寮監「コンビニでお前が働いていたという報告が入っているのだが」

黒子「は、はふんっ!?こ、これには深い訳がありまして」

寮監「いや、私も生活費の為に労働に勤しんでいたのならば目を瞑ろう」

黒子「り、寮監……。分かって下さいましたのね」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:41:12.44 ID:1/5fGFxZO
寮監「だかなぁ、白井。報告書には散々迷惑を掛けてクビになったと記されていたのだよ」

黒子「はふんっ!?」

寮監「寮則第十三条、勝手二金策致不可、相背候者切腹申付ベク候也。何か反論は…?」

黒子「あ、ありませんのよ…一思いにやって下さいまし……」ガクッ

スタスタ

御坂「少し待って下さい、寮監!」

黒子「お、お姉様ぁ!まさかわたくしを助けに来て下さいましたのね」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:51:15.33 ID:1/5fGFxZO
御坂「ねぇ黒子、あんた>>15くらいでさり気なく私の悪口言って無かった?」

黒子「な、なんですのその数字は!?言ったような言ってないような…しかし、今はそんな場合では」

スタスタ

御坂「打撃系など花拳繍腿……」ガシッ

黒子「ちょっ、何ですの!なぜわたくしの脚で四の字固め体勢を」

寮監「関節技こそ……」

黒子「ま、待つんですのよ!話せば分かるんですの、対話を忘れた人類は…」

御坂・寮監「王者の技よぉぉぉぉっ!!」

ベギィバキィボキィ!!

黒子「ぎぃやぁぁぁぁぁぁっですのぉぉっ!!!」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 00:56:13.25 ID:1/5fGFxZO
=おしまい=

黒子「なんかもう、バットエンドでしたわよ!」


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