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唯「親と子!」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:25:51.52 ID:Qr7B99gp0 [1/79]
律「この、春から夏にかけての文化系クラブは何とも目標がなくって
  だら~っとしてしまうよな」

唯「だよね~」

澪「そんなこと言って、お前たちは年中そうじゃないか……」

律「でも、なにかイベントごとがないとメリハリがつかないんだよ」

紬「学園祭までは、まだ日があるものね」

澪「確かに……。でも、私たちだけじゃどうしようもないしなぁ」

梓「そんな、先輩方に朗報です」

唯律澪紬「???」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:27:41.92 ID:Qr7B99gp0
梓「実は私の両親の主催するライブイベントが一ヶ月後くらいにありまして」

梓「そのライブに出演予定だったバンドが急に来れなくなってしまって」

梓「せっかくだから、その穴を埋めるためにお父さんが私たちに出てみないかと」

律「おお! ついに私たちにもオファーが来るまでになったのか!」

澪「仕方なく、だろ」

紬「でも、面白そうね」

唯「やった! またステージパスのステッカーが増える!」

律「喜ぶところはそこか?」

澪「おい! まだ私は出るって決めたわけじゃないぞ!」

律「でも、今回に限っては梓のとーちゃんの頼みでもあるし」

梓「澪先輩、どうか出てもらえないでしょうか?」

澪「1対4じゃあどうすることもできないな……」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:29:33.01 ID:Qr7B99gp0
唯「あずにゃんのお父さんもそのライブに出るの?」

梓「はい」

紬「親子で一緒のステージに立つなんて素敵ね」

梓「そうだ! どうせなら先輩方のご両親もご招待してみればどうでしょうか?」

梓「先輩方の演奏を聴いてもらうのもいいプレゼントになると思います」

唯「おお! あずにゃんいい考えだね~」

律「私の親はそんなものに興味はなさそうだけどな~」

梓「娘が活躍する姿を喜ばないわけはありません」

律「まあ、梓がそこまで言うなら」

澪「でも、親に見られるのはなんだか恥ずかしいな……」

律「私が親に言ったら、どうせ澪のとこにも話がいくんじゃない?」

澪「う~ん、それもそうだな」

唯「澪ちゃんのベース弾く姿カッコイイよ。だから見てもらおうよ」

澪「う、うん」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:30:47.20 ID:Qr7B99gp0
梓「ムギ先輩はどうですか?」

紬「私は……お父様は忙しい方だから……」

澪「ムギ……」

紬「でも、一応話だけはしてみるわ」

唯「きっとムギちゃんのお父さんも来てくれるよ」

澪「そういえば、唯の親もあまり家に帰ってこないんだろ?」

律「私たちが唯んちに行っても会ったことないもんな」

唯「でも、今日は久しぶりに帰ってくるんだ♪」

梓「じゃあ、ライブの件は出演するという話で良いでしょうか?」

律「ああ、そう伝えといて」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:34:16.36 ID:Qr7B99gp0
平沢家

唯「お父さん、お帰りなさ~い」

唯父「ああ、ただいま」

憂「お母さんも、お父さんのお世話お疲れ様」

唯母「ありがとう。憂、何か変わったことなかった?」

憂「大丈夫だよ」

唯母「そう、憂がしっかり者で本当に良かったわ」

唯「お母さん、私のこと忘れてない!?」

唯母「忘れてなんかいないわよ唯。あなた憂に迷惑かけてない?」

唯「も~! 何それ~」プンスカ

憂「お姉ちゃんは良い子にしてたよ」

唯父「そっか~。えらいぞ唯」ナデナデ

唯「えへへ~////」

唯母「はぁ~……」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:35:41.99 ID:Qr7B99gp0
唯母「唯。あなたは憂に頼らないで、
   もっと自分のことは自分で出来るようにしないと」

唯「し、してるよ! 最近だって憂に起こしてもらわなくっても
  自分で起きるよう努力してるもん!」

唯父「おお! 成長したな~唯」

唯母「努力……ね。じゃあ自分の部屋の掃除は?」

唯「もちろん自分でしています!」フンス !!

唯母「リビングとかの掃除は?」

唯「憂」

唯母「洗濯は?」

唯「憂」

唯母「食事の用意は?」

唯「憂」

唯母「歯みがきは?」

唯「仕上げは憂」

唯母「……」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:37:23.84 ID:Qr7B99gp0
唯母「駄目だわ。このままじゃ唯がダメ人間になってしまう」

憂「お、お母さん……」

唯母「あなた。悪いけど、これから海外出張行くときは、一人で行ってくださるかしら?」

唯父「ええっ!?」ガ──── ン !!

唯母「私が付きっきりで唯の腐りきった根性を叩き直さないと」

唯「そんなっ!?」

唯母「憂、これからは、憂にも楽をさせてあげ……」

唯父「無理だ! 僕は君がいてくれないとネクタイも一人で結べないんだよ!?」

唯父「今後、誰が僕の世話をしてくれるっていうんだ!!」

唯父「僕は君はいなきゃ駄目なんだよ~!! どうか考え直してくれっ!!」

唯母「……はぁ」

唯「お父さん……、その気持、痛いほどわかるよっ!!」

唯「私も、もし憂がいなくなったらなんて考えただけで……」ガクブル

唯母「間違いなく親子ね……」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:38:42.14 ID:Qr7B99gp0
憂「私なら大丈夫だよ、お母さん」

唯母「憂……」

憂「家事やってて辛いだなんて思ったことないよ」

憂「むしろ楽しいくらいなんだから!」

唯母「でもね、憂」

憂「それに、お父さんもお母さんがいなきゃとっても困るだろうし」

唯父「お母さん、憂もこう言ってることですし……」

唯母「はぁ……。わかったわよ」

唯父「良かった!!」

唯「良かったね、お父さん」

唯父「ああ! ありがとう、ありがとう!!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:40:05.55 ID:Qr7B99gp0
唯母「でもね、唯。これからはちゃんと憂の手伝いをするのよ」

唯「う、うん。わかった」

唯母「憂も唯を甘やかしてばっかりじゃ駄目よ。こんなんじゃお嫁に出すことなんてできないわ」

唯父「お嫁になんて行かせないよっ!!」

唯母「あなたは黙っててください!!」

唯父「はいぃぃぃっっっ!!」

憂「私も、もしお姉ちゃんがお嫁に行っちゃったら寂しいけど
  むしろ私が一生面倒見てあげるくらいのつもりでいるけど
  って言うか性転換手術してでも、私がお姉ちゃんと結婚したいくらいだけど
  お姉ちゃんも、女の子だもんね。家事の一つや二つ出来た方がいいに決まってるもんね
  わかったよ、お母さん。なるべく手伝ってもらうことにするよ」

唯母「前半の部分は聞かなかったことにして……、そうしてもらえるかしら」

唯「わかった、私がんばるっ!!」

憂「がんばろうね、お姉ちゃん」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:42:00.21 ID:Qr7B99gp0
唯父「ところで、お風呂は沸いてるかな?」

憂「うん。そろそろ帰ってくる頃かと思って。ちょうど今沸いたところだよ」

唯父「じゃあ、先に入ってこようかな」

唯「ええ~……。お父さんが先に入るの~……」

唯父「だ、駄目かい?」

唯「だって、お父さんの後ってなんか……」

唯父「ううっ……」

憂「そんなこと言っちゃ駄目だよ、お姉ちゃん。お父さん疲れて帰ってきたんだから
  一番風呂は一家の大黒柱であるお父さんのものだよ」

唯父「さすが、憂。良くできた娘だ~」

唯「憂が言うなら、仕方ないか……。今日はシャワーで済ませよう」

憂「大丈夫だよ、お姉ちゃん」

唯「?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:43:06.27 ID:Qr7B99gp0
唯父「じゃあ、入ってくる」

憂「あっ、お父さん、上がったらお湯抜いといてね」

唯父「えっ!?」

憂「また後でお湯張り直すから」

唯父「で、でも……」

憂「だって、さすがにお父さんの入ったお湯に浸かるなんてできないよ」

唯「そっか~、その手があったか~。さすが憂!」

憂「ちょっともったいないけど、仕方ないよね」

唯父「お母さん! 娘たちが僕をイジメるっ!!」

唯母「成長の証だと思って諦めてください」

唯父「嫌だっ!!」

憂「洗濯物もお父さん用のカゴを別に用意しといたから、そこに入れといてね♪」

唯父「クスン……」

唯「あ、そうだ。お父さん、お風呂から上がったら話があるの」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:46:15.31 ID:Qr7B99gp0
 … … …

唯父「ふい~……、いい湯だった~」ホクホク

憂「じゃあ、バスタブ洗ってくるね」

唯「いってらっしゃ~い」

唯父「……」

唯父「と、ところで唯、お父さんに話ってなんだ?」

唯「えっとね、今度私たちのバンドでライブするんだけど見にこないかな、と思って」

唯母「あら? 確か大晦日にもしたって言ってたわね」

唯「うん。その時は結構急だったし二人とも旅行に行ってて見れなかったでしょ?」

唯「だから今回は、お父さん、お母さんにも見てもらいたいなと思って」

唯父「いいのかい? こんな加齢臭漂うおっさんが見に行ったりなんかして……」

唯「そんな、お父さんは臭くないよ~」

唯父「そ、そっか! そうだよな!」

唯「下水道の臭いよりかはまだちょっとましだよ~」

唯父「下水……手前ってことですか……?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:47:14.55 ID:Qr7B99gp0
唯母「そうね、唯の演奏を舞台で見るなんて滅多にできないでしょうし
   あなたも、その日はお仕事も旅行もなしで見に行くでしょう?」

唯父「うん。娘の晴れ舞台だ。その日は予定を空けておくよ」

唯「やった~!」

唯父「楽しみにしてるよ」

唯「うん!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:49:12.53 ID:Qr7B99gp0
田井中家

聡「おい! ねーちゃん! 俺の唐揚げ取るなよ!!」

律「所詮この世は弱肉強食なのだよ、弟よ」

聡「わけわかんねぇこと言ってないで返せよ!」

律「へへ~ん! 食べてしまったものは返せませ~ん」

聡「クッソ~」

律母「あんたらせからしかっ! 食事んときくらい静かにせんね!」

聡「だって、ねーちゃんが……」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:50:12.00 ID:Qr7B99gp0
律母「だってもへちまもなかとっ! 律も女の子ばってんもっとおしとやかにせんっちゃ」

律「はいは~い」

律母「『はい』は一回でよかとよ!」

律父「まぁ、ええやないか。そないうるさく言わんで。かーちゃん」

律父「なんっちゅーても、元気が一番や」

律「あのさぁ~……」

律父「なんや?」

律母「なんね?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:51:53.37 ID:Qr7B99gp0
律「もうこっちで暮らしてて長いんだしさ、そろそろその方言どうにかした方が……」

聡「俺も、ずっとそれ思ってた」

律母「博多弁のなんがいかんと!?」

律父「せやで、むしろ関西弁が標準語や言うてもええくらいやろ」

律母「あんたもおかしなこと言うとらんと、早よ食べてしまわんね」

律父「わかっとるがな……。ホンマうるさいやっちゃで……」

律母「ああ? 何か言うたと?」

律父「かーちゃんの作るマンマは最高や! って言うたんや」

律聡「……」

律「あ、そうだ! とーちゃんとかーちゃんに聞いてほしいことがあってさ」

律「今度、ライブするんだよ」

律母「ライブって博多どんたくみたいなもんね?」

律「ん? あ、ああ……。ちょっと違うかな……」

律父「あれやろ? 律がいつも叩いとる太鼓やろ?」

律「ドラムだっつーの!!」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:53:08.74 ID:Qr7B99gp0
律母「あ~、あの澪ちゃんと一緒ばしよっとーやつたい」

聡「学校で?」

律「いや、後輩のお父さんの主催するライブハウスで」

律父「ほな、一般のお客さんの前でするんかいな!?」

律母「だったら、きばらないけんね」

律父「で、ワシらもそれ見に行ってもええんかいな?」

律「来れるなら来てもいいよ」

律母「ばってん、それはいつあると?」

律「う~んと、一ヶ月後くらいだったかな」

律父「どうや? かーちゃんも一緒に行かんか?」

律母「よかよ」

律「澪んちは知ってるからいいけど、くれぐれも、その方言で他の親ビビらすなよ……」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:54:48.32 ID:Qr7B99gp0
秋山家

澪「ただいま」

澪ママ「あら澪ちゃん、おかえりなさい」

澪「ママ、今日ね、ママの作ってくれたお弁当可愛いって言われたよ」

澪ママ「あらそう、良かったわね。可愛い澪ちゃんに合わせて作ったかいがあったわ」

澪「うん」

澪「……」

澪ママ「どうしたの? 澪ちゃん」

澪「き、今日は、パパ帰ってくるの遅いの?」

澪ママ「夕食は一緒に食べるって言ってたからそんなに遅くはならないと思うけど……どうして?」

澪「うん、また後で話すよ」

澪「じゃあ、私、部屋にいるから」

澪ママ「はいはい」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:56:07.38 ID:Qr7B99gp0
澪「お弁当可愛いって褒められたのはママなんだけどな~」

澪「本当はもっとママに喜んでもらいたかったのに」

澪「なんで、私に『良かったね』って言うんだろ」

澪「私がもっと『ありがとう』とか言ったらママも喜んでくれるのかな……」

澪「でも、なんだか恥ずかしいな」

澪「はぁ、お布団がふっかふかだ」

澪「今日、天気良かったから干してくれたのかな」

澪「……気持ち良い」

澪「ママ……ありがとう……」

澪「////」

澪「……あれ? 私のウサちゃん……」

澪「いつも、ここにいるはずなのに……」

澪「ど、どこ行ったんだろ」オロオロ

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:57:16.12 ID:Qr7B99gp0
澪「ねぇ、ママ! 私のうさぎの縫いぐるみ知らない?」

澪ママ「ああ。あれなら、今日澪ちゃんの部屋の布団干したときに目についたけど
    ちょっと汚れてたから……」

澪「まさか、捨てちゃったの!?」

澪ママ「……ごめんなさい」

澪「そんな!? あれ……、あの縫いぐるみは……」ガクガク

澪ママ(ウフフ、顔真っ青にしてうろたえる澪ちゃん可愛い)

澪「酷い……ママ……」ウルウル

澪ママ(涙目の澪ちゃんも可愛い。でも、そろそろ……)

澪ママ「嘘よ、澪ちゃん。少し汚れていたから綺麗になるように洗っといてあげたのよ」

澪「へっ?」

澪ママ「ママ、澪ちゃんがあの縫いぐるみを一番大切にしてることくらい知ってるわよ」

澪「……」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:58:39.18 ID:Qr7B99gp0
澪ママ「だって、りっちゃんに貰ったものですものね」

澪ママ「いつだったかしら……、誕生日プレゼントにって」

澪ママ「それからというもの、寝るときはいつもあのウサちゃん抱いてるものね」

澪ママ「だから、そんなに大切にしている縫いぐるみを捨てちゃうわけないわよ」

澪「なんで、そんな嘘ついたの……?」

澪ママ「ママ、澪ちゃんにちょっと意地悪したくなったの」

澪「もう!!」プクー

澪ママ(ああっ! 顔を膨らまして怒ってる澪ちゃんも可愛いっ!!)ゾクゾク

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:01:10.33 ID:Qr7B99gp0
 … … …

澪パパ「ママ、おかわり」

澪ママ「はいはい」

澪「ねぇ、パパ。あのね、お話しがあるんだけど……」

澪パパ(!? この切り出し方は、何かおねだりするときの澪だっ!)

澪パパ(今月のお小遣いは……。駄目だっ! 今月は飲み会に沢山使ってしまったんだ!)

澪パパ(くっ……澪。すまんが、おねだりは来月のパパに頼んでくれ……!!)

澪(パパなんだか泣いてる……?)

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:02:27.62 ID:Qr7B99gp0
澪「あのね、一ヶ月後くらいになんだけど」

澪パパ「なんだ、一ヶ月後か。ははっ、だったらパパに任せなさい」

澪パパ「リカちゃん人形か? それともシルバニアファミリー緑の丘のすてきなお家か?」

澪「パパ……、もうとっくに私、そんなものからは卒業したよ」

澪パパ「……そ、そうか。だったらいったい」

澪「ライブ見に来てほしいかな……って」

澪ママ「ライブって、りっちゃんと一緒に学校でやってる、あれ?」

澪「そう。軽音部で」

澪パパ「そうか。うん、澪のがんばってる姿はぜひ見たいな」

澪「うん! 精一杯がんばるから」

澪ママ「でも、澪ちゃん大丈夫? りっちゃんから聞いたんだけど
    一年生の学園祭のライブで、失敗しちゃったんじゃないの?」

澪「そ、それはっ//// もうそんな失敗しないからっ!!
  って、なんで律ったらママに教えてるのよ!!」

澪ママ(ウフフ。思い出して真っ赤になってる澪ちゃん可愛い)

澪パパ「?」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:04:31.53 ID:Qr7B99gp0
琴吹家

紬「斎藤、今日はお父様は……?」

斎藤「旦那様でしたら、今日はお早めにお帰りになられる予定ですが」

紬「そう」

斎藤「お嬢様、旦那様に何かお話しでも?」

紬「ええ、ちょっとね」

斎藤「そうでございますか。紬お嬢様のお話しなら旦那様は喜んで聞いてくださることでしょう」

紬「ふふっ。ありがとう、斎藤」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:05:36.43 ID:Qr7B99gp0
 … … …

  コンコン

紬父「誰だ?」

紬「お父様、私です」

紬父「ああ、紬か、入れ」

紬「失礼します」

紬父「どうしたんだ?」

紬「お父様にお話しがあって……」

紬父「そうか、じゃあそこに掛けなさい」

紬「実は軽音部のことなんですけど……」

紬父「ああ……、うん、言ってみなさい」

紬「はい、今度軽音部のみんなで……」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:07:07.18 ID:Qr7B99gp0
  prrrrrrrrrrr……

紬父「ちょっとすまん……」

紬父「私だ……」

紬「……」

紬父「……何!? 沢庵の製造が追いつかないだと!」

紬父「あれほど、製造ラインは余分に確保しておけと……、予想以上の注文!?」

紬父「馬鹿者! マーケティング戦略部は何をしとったのだ!!」

紬父「とにかくパートのおばちゃんを総動員だ! なんだったら私も今から大根を漬けに行く!」

紬「お、お父様……」

紬父「すまんな紬、話はまた今度にさせてもらえるか?」

紬「……はい」


紬「失礼しました……」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:08:18.42 ID:Qr7B99gp0
紬「……」

斎藤「お嬢様、旦那様とのお話しはもうお済みで?」

紬「お父様、忙しそうだったから……」

斎藤「……そうでございますか」

紬「ええ……、仕方ないわ」

斎藤(紬お嬢様……)

斎藤「よろしければ、この斎藤めにお話しくださいませ」

紬「斎藤……」

斎藤「畏れ多くも、旦那様の代わりというわけもいきませんでしょうが」

紬「いいえ、ありがとう斎藤。聞いてもらえるかしら?」

斎藤「では、紅茶を淹れてまいりますので、少々お待ちを」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:09:28.87 ID:Qr7B99gp0
中野家

梓「お父さん、先輩たちもやる気になってくれてるよ」

梓父「そうか、それは良かった」

梓父「しかし、梓よ、なぜ私のことをダディと呼んでくれないのだ?」

梓「は、恥ずかしいよ……」

梓父「ハニー! 梓は反抗期らしい」

梓母「まぁ、ダーリン……、年頃の女の子ですもの仕方ないわ」

梓父「ああ、マイスイートハニー」

梓母「うぅ~ん、ダーリン」

  チュッチュ

梓(子供の前でよくも恥ずかしげもなく……)

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:11:33.78 ID:Qr7B99gp0
梓父「梓も高校で素晴らしいバンド仲間を見つけてこのダディと同じステージに立つというのに」

梓父「そんなことで恥ずかしがっていたら演奏もままならないじゃないかっ!」

梓「関係ないじゃん!」

梓(お父さんも演奏中はカッコイイのになぁ……)

梓母「でも、ダーリン。私たちも梓のお友達の手前恥ずかしい演奏なんてできないわね」

梓父「もちろんだともハニー、マイスウィートハート梓に恥ずかしい思いはさせたくない」

梓(演奏以外で恥ずかしさを被りそうだ……)

梓父「そうだ、梓。実はもう一組バンドが来れなくなったんだ」

梓「え? そうなの?」

梓父「ああ……。梓の知り合いで誰か紹介してもらえないかい?」

梓母「マミーも近所の掲示板に出演者募集のチラシ貼ったりしてるんだけどね」

梓「う~ん……、また明日先輩たちに聞いてみるね」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:13:04.84 ID:Qr7B99gp0
梓父「ところで梓。その先輩たちのご両親も来てくださるように言ってもらえたかい?」

梓「うん」

梓父「そうか! それは良かった」

梓母「ダーリンったら見栄を張って大きめのライブハウスを取っちゃったものね」

梓父「あははっ! お客さんが入らなきゃ寂しくなっちゃうからな~」

梓「なんで、自分の身の丈にあった会場選ばなかったの?」

梓父「男っていうのはどこまでも貪欲なものさ」

梓母「そんな無謀なダーリンも素敵よ!」

梓父「ああ、ハニー!」

  イチャイチャ

梓「はぁ~……」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:14:21.36 ID:Qr7B99gp0
次の日・放課後

梓「どうでしたか?」

唯「うん、二人とも来てくれるって」

澪「私のとこも、パ……お父さんお母さん見に来れるって」

律「うちのとーちゃんかーちゃんも大丈夫だってさ」

梓「で、ムギ先輩は……」

紬「ごめんなさい。お父様なんだか忙しそうだったから……」

梓「そうですか……」

紬「でも、気にしないで。私、お父様のお仕事のこと理解してるから」

澪「そうだな。なんたって社長だもんな」

唯「でも、ムギちゃん可哀想……」

律「ムギのかーちゃんは?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:16:01.91 ID:Qr7B99gp0
紬「お母様は私が小さい頃に亡くなってて……」

律「あっ……」

澪「お、おい、律」

律「ご、ごめんムギ。私、知らなくてさ……」

紬「ううん、いいのりっちゃん。私もみんなに言ってなかったから」

梓「そうだったんですか……」

紬「小さい頃に離れ離れになったけど、お父様や家の執事がいたから寂しくなんかなかったわ」

紬「それに、今の私の存在がお母様が生きてたっていう証だから……」

梓「ムギ先輩……」

唯「お母さん、綺麗だった?」

紬「うん、とっても」

澪「そっか」

律「ムギ見てたら、相当美人だったんだな~ってわかるよ」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:18:10.68 ID:Qr7B99gp0
唯「でも、だからこそ大事な一人娘の晴れ舞台を見てほしいよね」

紬「いつも、忙しそうだから……」

律「私の親なんていつも休日は暇そうにしてるんだけどな~」

梓「律先輩のとこと比べるなんて失礼ですよ」

律「なんだと、なかなか言うじゃないか梓~」ウリウリ

紬「でも、私はみんなと演奏できるだけも幸せよ」

澪「……うん。そうだな。私もムギと、みんなと演奏することが楽しいよ」

梓「ムギ先輩のお父さんが見に来てくれるまで何回でもやってやるです!」

紬「うふふ。ありがとう梓ちゃん」

唯「うむむ……」

律「ん? どうしたんだ唯?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:20:26.00 ID:Qr7B99gp0
唯「よし! 閃いた!」

律「何を?」

唯「ねぇ、ムギちゃん。ムギちゃんちってこの番号でいいんだよね」

紬「え~っと……、ええ合ってるわ」

唯「じゃあ、ちょっくらと……」

澪「ムギんちに電話してどうするつもりだ?」

梓「唯先輩が直接ムギ先輩のお父さんに来てくれるように言うんですか?」

紬「でも、今お父様は屋敷にはいらっしゃらないと思うけど……」

斎藤『もしもし……』

唯「あ、紬さんのお宅でしょうか?」

律「なんで、関取みたいな声でしゃべってるんだよ……」

斎藤『……どちら様でございましょうか?』

唯「娘は預かった!」

律澪紬梓「!?」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:22:37.01 ID:Qr7B99gp0
斎藤『はぁ?』

唯「返してほしくば、ハーゲンダッツ一年分を要求する」

澪「バカ、もう切れ!」

   ピッ、ツーツー

唯「ああっ! いい考えだと思ったのに……」

梓「狂言誘拐なんて今どきの小学生でもしませんよ……」

唯「でも、これで私の家にハーゲンダッツ一年分が送られて来たら
  それだけムギちゃんのこと大切に思ってるってことだよ!」

律「バカか……お前……」

紬「でも、唯ちゃんなりに私のこと気遣ってくれたのよね?」

唯「えへへ……////」

澪「でも、ムギ」

紬「大丈夫よ、家の執事だって悪戯ってことくらいわかってると思うわ」

梓「それもそうですよね」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:25:10.76 ID:Qr7B99gp0
────
────────
────────────

斎藤『もうこの学校は完全に包囲されております!
   あきらめて紬お嬢様を解放ください!!』

澪「……どうしてこうなった」

紬「ごめんなさい、まさか本気にするなんて……」

梓「なんで一民間企業が戦車なんて持ってるんですか!?」

唯「うぅ……、こうなったら、行けるとこまで行ってやる!」

律「ふっ、あたいはあんたにどこまでも付いていくぜ!」

唯「やるかい? りっちゃん」

律「あたぼうよ!」

澪「お前らまで何やる気になってんだ!!」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:27:32.41 ID:Qr7B99gp0
さわ子「ちょっとあなた達! いったい何やったの?」

律「あ、さわちゃん」

さわ子「あ。じゃないわよ! えらい騒ぎよ!」

唯「実はね……」コショコショ

さわ子「……ふんふん、なるほどね……」

梓「先生からも何か注意してやってください!」

さわ子「そうね……、とりあえず当面の逃亡資金と移動手段の車の要求ね」

唯「おお! さすがさわちゃん!」

律「ぜひとも私たちのブレインとしての働きを期待するぜ!」

澪「こら教師」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:29:15.92 ID:Qr7B99gp0
さわ子「もう、冗談じゃない」

梓「この状況での冗談は命取りになる危険性があります」

紬「とりあえず誤解だってこと知らせなきゃ」

    ボン!!!!

律「うわっ!? 何だ!? 部室に煙がっ!!」

唯「ゲホッ、ゲホッ! ここまでか……」

「紬お嬢様確保! ご無事です!」

「犯人と思われる者も拘束いたしました!!」

さわ子「ち、ちょっと! 痛い痛い!!」

斎藤「紬お嬢様!! ああ……、ご無事で何よりでございます」

紬「ち、違うの!! あの人を離してあげて」

斎藤「は?」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:30:45.94 ID:Qr7B99gp0
 … … …

斎藤「……なるほど、悪戯というわけでございますか」

軽音部一同「ごめんなさい」

唯「ムギちゃんがお父さんに冷たくされてるんじゃないかと思って……」

斎藤「そういう事にございましたか……」

紬「すべては私の責任です……」

唯「ムギちゃん……」

斎藤「いえ、紬お嬢様が無事ならそれにこしたことはございません」

紬「……」

斎藤「琴吹家特殊部隊撤収!」

 「はっ!」

さわ子「とばっちり喰らった……」

紬父「紬ぃぃぃぃぃ!! 無事かぁぁぁぁぁ!!」

紬「お、お父様!?」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:32:44.23 ID:Qr7B99gp0
斎藤「旦那様……、実は……」ゴニョゴニョ

紬父「……なんと!?」

紬「……」

紬父「紬、こちらに来なさい」

紬「はい……」

紬父「……」

  パシン!!

紬「────ッ!!」

唯律澪梓「!?」

紬父「……」

紬「申し訳ありません……、お父様……」

紬父「あまり心配させるんじゃない……」

紬「はい、お父様」

紬父「妻が死んで、その上お前まで失ってしまったら、と考えてしまったではないか……」

紬「ごめんなさい、ごめんなさい……」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:35:22.91 ID:Qr7B99gp0
唯「ムギちゃんのお父さん、私が主犯格なんです……どうも、申し訳ありませんでしたっ!」

澪「止めなかった私も悪いんです、どうかムギだけを叱らないでやってください」

梓「私たちもムギ先輩のことが大好きすぎてやってしまいました……」

律「この責任は軽音部部長である私にあります! おでこでもどこでもいいので引っ叩いて下さいっ!!」

紬「みんな……」

紬父「紬、いい友人を持ったな」

紬「はい! みんな大切な親友です」

紬父「うむ、それから昨日の事は斎藤から聞いた」

紬「……えっ」

紬父「ずっとは無理だが、少しの時間くらいは取れそうだ」

紬「じゃあ!」

紬父「紬の演奏を心待ちにしているぞ」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:37:39.69 ID:Qr7B99gp0
紬「私……、嬉しい! お父様」ダキッ

紬父「はは、嬉しいのに何故泣いておるのだ?」

紬「だって……、だって……」

澪 じ~~~~ん……

梓「良かったです……」クスン

唯「ムギちゃん良かったね」

律「結果オーライか」

紬(お父様に抱きしめられるなんていつ以来だろう……)

紬(でも、暖かかった事はうっすらと覚えている……)

紬(そう、こうやってお父様の眉毛を触って……)サワサワ

紬「って、ごめんなさい! お父様!」

紬父「何を言っておる、紬は小さい頃からこうやって私の眉毛を触るのが好きだったではないか?」

紬「そ、そうだったかしら……」サワサワ

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:43:43.99 ID:Qr7B99gp0
紬父「そうだとも。お前がどんなに泣いていても、私の眉毛さえ触れば泣き止んでいたのだぞ」

紬父「ほら、その証拠に今だってもう泣き止んでるではないか」

紬「そう言えば……、この眉毛を触っている感覚が朧気に……」サワサワ

紬父「小さい頃は、度々眉を引き千切られたものだ」

紬「もう! お父様ったら……////」サワサワ

紬父「ははははっ!」

斎藤「旦那様、お嬢様。ようございましたな~」ヨヨヨ……


梓「なんだか眉毛を触っている光景ってはたから見ると結構異様ですね」

澪「ムギが恍惚の表情で触っているのがまたな……」

律「でも、もっとおかしいのが、ムギのとーちゃんなんで割烹着姿なんだ?」

唯「それになんだか沢庵の匂いもするよ」

澪「きっと社長って言っても色々と苦労があるんだよ……」




さわ子(親子……か。私も久しぶりに実家に電話でもしてみようかしら……)

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:47:33.89 ID:Qr7B99gp0
その夜・さわ子アパート

さわ子「……」

 prrrrrrrrrrrr……

さわ子「……あ、お母さん? ……うん、さわ子、元気?」

さわ子「え? 電話してくるなんて珍しいって?」

さわ子「うん、たまにはね……。え? そんな、相手連れて行くとかじゃないから」

さわ子「……うん、学校は大変だけど、今年初めて担任受け持ったから……」

さわ子「大丈夫よ。お父さんは腰大丈夫? ……うん、そう」

さわ子「え? 結婚!? そんな……だって相手なんていないし……」

さわ子「お父さんも? 孫の顔が早く見たいって?
    だって一人娘なのに普通お嫁に行ったら寂しいんじゃ……」

さわ子「え? 行き遅れるよりはましだって? そう……うん、そうね……」

さわ子「でも、まだ私だって若い……。え? 今付き合ってる人? いないけど……」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:49:37.86 ID:Qr7B99gp0
さわ子「……何? せっかく良い顔に産んでやったのにって? ……うん」

さわ子「高校の時に? あんな変な格好でバンドなんかやってたからだって?」

さわ子「……そうね、私もそう思うわ……ごめんなさい……」

さわ子「ちょ!? お母さん泣かないでよ!」

さわ子「また今度の連休に帰るから……、うん……」

さわ子「じゃあ、お父さんにもよろしくね……、うん、お休みなさい」

  ガチャ

さわ子「……ちっ」

さわ子「逆にストレス溜まったわ……」

さわ子「そう言えば、帰り道にあった掲示板にバンド出演者募集のチラシ見かけたわね」

さわ子「……」

さわ子「こうなったら久しぶりにハメ外すしかないわね!」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:51:54.24 ID:Qr7B99gp0
数日後・中野家

梓父「そう言えば、梓。出演バンドの件なんだが……」

梓「あ! そうだ、なんか色々あって先輩たちにきくの忘れてた!」

梓「ごめん、お父さん!」

梓父「酷いよ梓……。ダディはハートブレイクだ……」

梓「お父さん……機嫌直して……」

梓父「梓にダディと呼んでもらえばハッピーだ」

梓「うっ……。ごめんなさい、だ、ダディ///」

梓父「おお! マイスイート!」ダキッ

梓「きゃあああああ!!!!」ガリガリ

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:53:46.19 ID:Qr7B99gp0
梓父「……」ヒリヒリ

梓母「ああ! ダーリン! その顔どうしたの!?」

梓父「梓に引っ掻かれた……」

梓「だ、だって、お父さんが急に抱きついてくるから……」

梓母「まぁ」

梓父「梓……、ちゃんと爪は切らないと、ギター弾いているときに爪が割れたらどうするんだ!?」

梓「ごめんなさい、お父さん……」

梓(真剣な顔で怒ってる……。こんなお父さんだけど、やっぱり私のこと心配してくれてるんだろうな)

梓父「あとな、梓」

梓「はい……」

梓父「お父さんじゃなくて、ダディって呼ばなきゃ駄目じゃないかッ!!」

梓「それは嫌ッ!!!」

梓母「ヘコタレないダーリン素敵よ!」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:56:08.48 ID:Qr7B99gp0
梓「はぁ……、ところで出演バンドのことだけど……」

梓父「ああ、その事ならもう大丈夫だ」

梓「へっ?」

梓母「マミーが貼ったチラシ見て電話してきてくれた人がいたのよ」

梓「そうなんだ……」

梓「って早くそう言ってくれれば、私がお父さんのことダディなんて呼ぶことなかったじゃない!」

梓父「OK、梓。話せばわかる」

梓「に゛ゃーーーー!!!!」

梓父「ぎゃーーーーー!!!!」

梓母「傷だらけのダーリンも素敵!」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:59:28.60 ID:Qr7B99gp0
ライブ当日・リハ中

梓父「君たちなかなかグレイトだね」

梓父「どのようなバンドかと思っていたが、さすがマイスイート梓の見出したメンバーだ」

梓父「プワ~~~~フェクツっ!!」


澪「なぁ、律。梓のお父さんってちょっと変わった人だな」

律「そうか? 面白くていいと思うけど」

唯「あずにゃんのお父さんってルー大柴?」

梓「なっ!? あんなに酷くはありません!」

紬「……」

唯「ムギちゃん、どうしたの?」

紬「え? ううん、なんでもないわ」

澪「ムギ……、お父さんきっと来てくれるよ」

紬「ええ、そうね。ありがとう澪ちゃん」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:00:07.94 ID:Qr7B99gp0
律「澪のパパとママはもちろん来てくれるんだよな~」

澪「うん、パパとママ来てくれるって……」

唯「パパ?」

梓「ママ?」

澪「あ」

律「そうなんだよ、澪ったら今も親のことそう呼んでてさ~」

澪「ちょ!? り、律っ!!」

律「痛い痛い、おやめになって~」

紬「うふふ」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:02:58.42 ID:Qr7B99gp0
梓父「ちょっと待った! パパと呼ぶことはそんなに恥ずかしいことじゃない」

梓「お父さん?」

澪「あ、あの……」

梓父「何故なら梓は家では私のことをダディと呼ぶのだから!」

唯「あずにゃん 欧米か!」

律「そのツッコミ古いな~……」

梓「嘘ですよ! 呼んでないですからね!」

梓母「ダーリン、そろそろ時間よ」

梓父「わかったよハニー。良いライブにしようね」

澪「ダーリン、ハニーって呼び合う家族か……」

唯「だったら今度からあずにゃんのことキューティーハニにゃんって呼ぼう」

梓「やめて下さい!!」

律「ハニーフラッシュ!!」ピカッ

澪「うお!? 眩しっ! やめろ律!!」

紬(ふふっ。そうね、お父様もきっと来て下さるわ)

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:04:52.08 ID:Qr7B99gp0
ライブハウスの外にて…

律母「あ、秋山ん奥さん!」

澪ママ「あら、田井中さん、お早いわね。旦那さんは?」

律母「うちん人ばすでに中でお酒ば飲んどるっちゃよ」

澪ママ「あらあら」

唯母「あの……、もしかして桜高の……」

澪ママ「はい、そうですが……」

唯母「はじめまして、唯の母です」

律母「ああ~、律からば聞いちょりますけん。唯ちゃんのお母さん」

澪ママ「よろしくお願いします。すいませんね平沢さん
    なんだかうちの澪がクリスマスやら大晦日やらお世話になったみたいで」

唯母「いえいえ、私も家にいることが少ないので……
   こちらこそ唯がご迷惑をかけていないか……」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:07:48.38 ID:Qr7B99gp0
律母「これうちん地元の明太子ですけん。良かったらどうぞ」

唯母「そんな……」

律母「よかとですよ。うちの律もお世話になりっぱなしですけん」

唯母「そうですか? それじゃあ遠慮なく。あなた、これ田井中さんから頂いた明太子」

唯父「これは、りっぱな明太子をありがとうございます」

律母「お口に合えばよかばってんがね」

唯父(博多弁……だよな)

唯母(生で初めて聞いたわ……)

澪パパ「これはみなさんお揃いで……」

澪ママ「あら、あなた」

澪パパ「田井中さん、どうも」

律母「あいかわらず、背ば高くてよか男ね。奥さんがうらやましか~」

澪パパ「ははは……(ちょっと苦手なんだよな~……)」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:09:09.67 ID:Qr7B99gp0
唯父「あ、どうも」

澪パパ「……えっと、こちらは?」

澪ママ「平沢さん。ほら澪と一緒にやってる同学年のギターの」

澪パパ「ああ~、よく澪から話は聞いていますよ。よろしくお願いします」

唯父「いえいえ、こちらこそ」








聡「はぁ……。なんで親同士っていっつもああなんだろ……」

憂「もしかして、聡君?」

聡「え? はい、そうですけど……」

憂「律さんから話はきいてるよ。唯の妹の憂です。よろしくね」

聡「は、はいっ!(か、かわいいなぁ////)」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:11:54.21 ID:Qr7B99gp0
律父「かーちゃん、もう小遣いあらへんわ」

律母「あんた、さっき渡したと全部使ってしもうたんね!」

律父「娘の晴れ舞台やからの~。酒も進むっちゅ~もんやで!」

律父「秋山さんも一緒にどうでっか?」

澪パパ「え、遠慮します……」

律父「そないなこと言わんと」

澪ママ「田井中さん相変わらずね」

律父「秋山の奥さんも相変わらず綺麗でっせ~」

澪ママ「あらあら」


唯父「なんか凄いな……」

唯母「そうね……」


聡(俺が恥ずかしいよ、とーちゃん……)

憂「どうしたの聡君?」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:14:52.52 ID:Qr7B99gp0
律父「ところで、噂の琴吹さんはまだ来とらんのかいな?」

澪ママ「澪から聞いた話ではお忙しい方らしいですからねぇ」

律母「あんたのごたぁに休みん日ば家でゴロゴロしとるだけん人じゃなかっちゃ」

律父「ホンマ、うるさいやっちゃの~……」

唯母「もうそろそろ開演時間ですね」

唯父「それじゃあ中に入りましょうか」



憂(お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん////)

聡(あ、なんか憂さんの今の表情すごくいいなぁ////)

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:21:33.76 ID:Qr7B99gp0
ライブ開演

唯「みなさん、ようこそ!」

唯「私たちは桜ケ丘高校の軽音部でバンドを組んでいる放課後ティータイムっていいます」

律父「律ー! 太鼓がんばれやー!」

律「ちょ!? だからドラムだって言ってるだろー!」

律母「あんた! 黙っとらんね!!」

 \ どっ!!  /   \ ワハハ! /

聡(は、恥ずい……)

律「とーちゃん早速酔っ払ってやがる……」

澪「律のおじさんおばさんは相変わらずだな」

律「澪のとこは……お、一緒の辺りにいるな」

唯(お父さん、お母さん、憂、見ててね!)

唯「それじゃあ、いい夜にしたい! ヨロシク!」

 \ イエ~イ!! /   \ がんばれよ~! /

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:50:13.50 ID:Qr7B99gp0
────
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────────────

唯「つ~い~に~最~後~の~曲~に~な~り~ま~し~た~」


唯父「なんで唯のやつ、わざとゆっくりしゃべってるんだ?」

唯母「さぁ?」


紬「……」

律「まだムギのとーちゃん来てないのか?」

澪「そうみたい……」

梓(お父さん)チラッ

梓父(悪いが、もう時間は押し気味だ)カンペ

紬「……りっちゃん、始めましょう」

律「あ、ああ……」

律「ワン・ツー・スリー……」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:51:39.96 ID:Qr7B99gp0
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ジャジャ、ジャジャ、ジャ~ン♪

唯「ありがとうございました!」

唯「この後も素敵なバンドが沢山出てきます、楽しんでいって下さい」

 \ パチパチパチパチパチ!! / \ 良かったぞ~!! /

\ 大阪名物パチパチパンチや!! /\ あんた!なんばしよっと!! /



澪「ムギ……」

紬「ごめんね、ちょっとミスしちゃった……」

律「気にするなよ、それより……」

紬「ちょっと、外に出てくるわ」

唯「あ、ムギちゃん」

梓「唯先輩……、今は一人にさせてあげましょう」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:54:43.80 ID:Qr7B99gp0
紬「ヒッグ……ヒッグ……」

紬「お父様の嘘つき……」

紬「……お仕事も大事だって私もわかってる」

紬「……我慢しなきゃいけないって、わかってる」

紬「でも、悲しい……」

紬「……」

紬「みんなが待ってる……」

紬「いつまでも泣いてなんていられないわ」

 \ ・・・・・・!! /

紬「……今、微かにお父様の声が……?」

紬「いいえ、きっと幻聴ね……」

  \ オーイ ツムギー!! /

紬「!? 間違いない! どこからかお父様の声が!?」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:56:12.15 ID:Qr7B99gp0
 \ 紬!! 今行くぞ~!! /

紬「お父様!? いったいどこから?」

紬父「上だ~!! 紬~!!」

紬「上?」

紬「!?」

紬父「お~い!」

紬「そ、そんな!?」

紬「お父様が……」









紬「お父様が空を飛んでいる!!」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:00:58.24 ID:Qr7B99gp0
紬父「すまん、紬」

紬「お父様! いったいそれは?」

紬父「ああ、これはこの度うちの会社が開発に成功した、スーパーマンなりきりセットだ」

紬「スーパーマンなりきりセット?」

紬父「これをつけると誰でもスーパーマンのように空を飛べるという優れものだ」

紬「そうだったの……、だからあのように空を」

紬父「ああ、だが私は時間に遅れてしまった……」

紬父「どうやら紬のスーパーマンにはなれなかったようだ……」

紬父「どのような言い訳もできん!」

紬「いいえ、お父様。私はお父様がそのような危険も顧みず駆けつけてくださったことが嬉しい」

紬「たとえ、時間に遅れても……、お父様は来てくださった」

紬「紛れもなく、お父様は私のスーパーマンです!」

紬父「紬っ!!」ダキッ

紬「お父様!!」ダキッ

紬父「いつか娘に『父はスーパーマンだ』と言われるのが夢だったのだ! 紬よ!」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:03:45.23 ID:Qr7B99gp0
唯「ムギちゃ~ん……大丈夫……うわっ!?」

梓「ムギ先輩……そろそろ中に入った方が……げっ!?」

律「なんだ!? いったいどうしたんだ!?」

澪「ひっ!? ムギが変な格好のおじさんと抱き合ってる!」

梓「お、落ち着いて下さい! あれよく見たらムギ先輩のお父さんですよ!」

唯「スーパーマンだっ!!」

律「割烹着姿からあんな格好まで……」

澪「なぁ、本当に大きな会社の社長なのか?」

律「私に聞くなよ……」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:06:25.89 ID:Qr7B99gp0
  … … …

紬父「どうもみなさん、遅れて申し訳ない」

紬「ご紹介します。私の父です」

紬父「紬の父です」


唯父(これが世界のトップ10に入る企業の社長……! 変な格好だけど……)

唯母(さすが、威厳があるわね  変な格好だけど……)

憂(お姉ちゃんが、紬さんのお父さんをキラキラした目で見てる!
  やっぱり、変な格好に憧れてるの!?)

澪パパ(やっぱりどことなく娘さんに似ているなぁ  変な格好だけど……)

澪ママ(澪ちゃんったらライブで昂ぶって顔が紅潮してて可愛い
    それにしても、この人変な格好ね……)

律父(くいだおれ太郎かいな……。  けったいな格好しよってからに……)

律母(こん人もけっこうよか体しよるばい  ばってん変な格好しようね……)

聡(か、カッコイイ!!)

梓父(ワンダホー……、ビューティホー……、ファンタスティック!!)

梓母(ダーリンもこんな格好がきっと似あうわ!)

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:08:02.24 ID:Qr7B99gp0
唯「でも、せっかく来てくれたのにもう私たちの出番は終わっちゃったし……」

梓父「どうだろう? 琴吹さんのためにも君達、もう一度ステージに上がってみないかい?」

紬「いいんですか!?」

梓父「ああ、このライブハウスを経営している人とは旧知の仲でね
   このイベントが終わった後で少しだけっていう条件だけどね」

澪「はい! お願いします!」

唯「良かったね! ムギちゃん!」

律「よっしゃ! ムギのとーちゃんのためにも最高のパフォーマンスを見せるぜ!」

梓「ありがとう! お父さん!」

梓父「梓、違うだろ?」

梓「だ、ダディ……////」

梓父「イエ~~~ッス!!」

唯「あずにゃん 欧米か!」

律「もう、いいっての……」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:09:57.11 ID:Qr7B99gp0
唯父「それにしても唯もいつの間にか成長したんだな」

唯「えへへ……、もっと褒めていいよ!」

唯母「あのライブにかける情熱をもう少し日常生活に活かせてもらえればねぇ……」

唯「そこまで言われるとさすがに照れるよ……////」

唯母「どう聞いたら褒め言葉に聞こえるのかしら……」

唯「へっ?」

憂「お、お姉ちゃんカッコ良かったよ!」

唯「うん! ありがとう憂」

唯父「あまり見ない間にこんなに立派になって……」

唯父「お父さん嬉しいぞ!」

唯「ち、ちょっと、お父さんこんなとこで泣かないでよ」

唯父「唯~!!」

憂「やめて! お父さん! お姉ちゃんに抱きつかないで、臭い移っちゃう!!」

唯父「……はい」

唯母「……」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:12:15.08 ID:Qr7B99gp0
澪パパ「澪、よく頑張っていたな!」

澪「う、うん」

澪パパ「パパは澪は可愛いくってこれからもずっとそうだと思っていたけど」

澪パパ「今日からはその考えを改めるよ」

澪パパ「ベースを弾く澪はとてもカッコ良かったぞ!」

澪「ありがとうパパ!」

澪ママ「そうね、本当にカッコ良かったわ澪ちゃん」

澪「ママも、ありがとう」

澪ママ「でも、同時に冷々していたのよ。いつコケたりしないかって」

澪ママ「だってコケちゃったらまたあのときみたいに澪ちゃんの可愛いパン……」

澪「わー!! わー!! ママ駄目っ!!」

澪ママ(ウフフ。慌てふためく澪ちゃんったら最高に可愛い)

澪パパ「?」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:15:36.49 ID:Qr7B99gp0
律「どうだった?」

律父「いつデビューするんや?」

律「ちょ!? いきなり話が飛びすぎる!」

律母「そいだけ、とーちゃんも律ん演奏に感動したっちこつっちゃ」

律父「せやで、とーちゃんお前のドラム叩く姿に感動して涙がちょちょぎれそうやったわ」

律「だから、ドラムじゃなくて太鼓だって! ……あれ?」

律父「うわぁ~……、お約束すぎて寒ぅなってくるわ……」

律「くっ……!!」

聡「ねーちゃん」

律「なんだ~聡~、ねーちゃんのあまりのカッコ良さに友達に自慢したくなっただろ~」

聡「それはないけど……」

律「なんだよ~、お前もわかっちゃいないな~」

聡「それはないけど、ねーちゃんが部屋でドラムスティックでカチカチうるさいの……
  もうちょっと我慢してやってもいいぜ……」

律「へへへ……、この~! やっと偉大な姉の才能に気づいたのか~」

聡「やめろよ! ねーちゃん! くっつくな!」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:18:42.53 ID:Qr7B99gp0
梓「お父さんたちの出番は最後だよね?」

梓父「当たり前だろ? なんせこのイベントの主催者なんだからな」

梓母「ダーリンと一緒に愛のメロディを響きわたらせてくるわよ梓ちゃん」

梓父「ああハニー、昨晩も二人で熱い愛を紡ぎあったじゃないか~」

梓母「もう! ダーリンったら、梓ちゃんが聞いてるわよ」

梓(きめぇ……)

梓父「でも、うかうかしてるとマイスウィートハートに実力で追い抜かれるかもしれないな」

梓母「そうね、ダーリン。まだまだ梓ちゃんたちには負けるわけにはいかないわ」

梓(一応、認めてくれてるのかな……)

梓父「それじゃあ、そろそろ切り替えていくかお前」キリッ

梓母「ええ、あなた。ラストを飾るに相応しい演奏を」キリッ

梓(お父さんとお母さんの空気が変わった! 
  そうだ、私はそんな二人の演奏を聞いて音楽をしてみたいって思ったんだ!)

梓父「じゃあ、行くよ~。ついておいで~」アハハハ~

梓母「あ~ん、待って~」ウフフフ~

梓(大丈夫かな……)

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:26:19.76 ID:Qr7B99gp0
紬「……」

紬父「どうしたのだ? 紬」

紬「お母様も、私の演奏を聴いてくださってるかなって思って……」

紬父「ああ、きっと聴いてくれているよ」

紬「ええ……」

紬父「それに、紬はとても母さんに似ている。母さんもピアノの類が得意だった」

紬父「きっと演奏中は紬と母さんが重なって見えるかもしれんな」

紬「私も、幼い頃にお母様と一緒にピアノを弾いた記憶があります」

紬父「きっと、今も紬と一緒に弾くために天国から下りてきて今ここにいることだろう」

紬「お父様……お母様……」






客(なんでスーパーマンの格好してるんだ……)

客(今日ってコスプレパーティーだっけ……)

客(駄目だ気になってライブに集中できない……)

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:29:47.32 ID:Qr7B99gp0
律「えっと、この後は、シークレットゲストの登場か」

梓「確か、数年前にこの周辺の一世を風靡したバンドが出てくるんですよね」

澪「そのカルト的人気に一切の情報を明かさずに出演するんだよな
  もし大々的に宣伝したらこのライブハウスのキャパじゃ足りないって」

唯「私たちにも教えてくれなかったもんね~」

紬「リハーサルも非公開だったし」

唯「いったいどんな人たちなんだろうね」

律「ところで明らかにさっきから客層変わってきてるよな……」

紬「ええ、すっごくメイクが濃かったり、髪の毛をツンツンに立ててたり……」

澪「なんだか、雰囲気もおぞましい感じになってる気が……」

梓「宣伝してないにも関わらず聞きつけてくるファンも沢山いるんですね」

律「おい、なんかステージ上、大変なことになってるぞ……」

澪「なんでドクロなんて並べてるんだ……」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:05:52.00 ID:Qr7B99gp0
梓「あ、暗くなったから始まるみた……」


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


律「な、なんだこの盛り上がりようはっ!!」

唯「ちょっと、あの仮面もしかして……」

紬「軽音部にあったアルバムで見覚えが……」

澪「ま、まさか……」


さわ子『お前らが来るのを待っていた~、ひぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!』

軽音部一同「やっぱり!?!?!?」


「ついに悠久の刻を破ってDEATH DEVILが復活だ!!」

「キャサリン様が地獄からお帰りだ!!」

「当時のオリジナルメンバーのジャニス様も復活なされたぞ!!」

「俺たちもこのときをずっと待ってたぜ!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:09:36.09 ID:Qr7B99gp0
────
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律「歌はともかく演奏自体は目を見張るものがあるな……」

梓「そ、そうですね……」



「なんだか昔と比べてキレがなくなったな……」

「ああ、やっぱり歳には勝てないのか……」

「馬鹿野郎! ついさっき地獄から舞い戻られたんだ
 鬼との戦いで体力が消耗してるんだよ!!」

「そうだ! そうだ!」

「でも、やっぱり十代のときのほうが……」

「なんだと!! キャサリン様は十万飛んで二十ン歳なんだから
 数年くらいは誤差の範囲なんだよ!!」

「そうだぜ! クレオパトラの鼻をへし折ったのもキャサリン様なんだぜ!!」

「さすがキャサリン様だせ!!」

さわ子「……」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:12:18.51 ID:Qr7B99gp0
さわ子「若さが……」

「お、おい……キャサリン様が……!!」

さわ子「妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい!!」

「で、出た!! キャサリン様の恨み節!!」

「約3秒で5回の妬ましい発言だ!!!!」

「意外と普通だな……」

「はっ!! これだから素人は困るんだよ!!」

「何も早ければ良いってもんでもないんだぜ!!」

「ああ! あのキャサリン様のデスマウスから発せられる声は
 地獄の閻魔へのホットラインなんだぜ!!」

「さすがだぜ! キャサリン様!!」



律「なんだそりゃ……」

澪「もう帰りたい……」

唯「澪ちゃん、あとちょっとの辛抱だよ!!」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:15:58.58 ID:Qr7B99gp0
紬父「紬よ」

紬「お父様……」

紬父「あれが教師とは事実なのか?」

紬「……はい」

紬父「そうか……反面教師というわけか……」

紬「きっとああやって、私たちにこうなるべきではないと教えて下さっているのです」

紬「その身を犠牲にして」

紬父「ああはなってはいかんぞ、紬」

紬「わかっております、お父様」

梓(そんな格好でいるムギ先輩のお父さんが言ってもあまり説得力がないなぁ……)

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:20:25.46 ID:Qr7B99gp0
楽屋

さわ子「ふぅ……、久しぶりにやりきったわ」

さわ子「ありがとうジャニス」

川上さん「いいのよ、キャサリン。でも、私はもうこれっきりにしたいわ……」

さわ子「そうね……、もう無理があるわよね……」

さわ子「今日を持ってDEATH DEVILは永遠に封印するわ……」

川上さん「……そうしてもらえるかしら」

さわ子「さすがに教師の私がこんなことしてるなんて知られたら
    堪ったものじゃないものね……」

   コンコン

さわ子「はい?」

唯「失礼しま~す……」

さわ子「え゛っ!?」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:22:24.52 ID:Qr7B99gp0
さわ子「なんで、あなた達がここにいるの!?」

律「いや、むしろそれはこっちのセリフっていうか……」

澪「梓のお父さんがこのライブの主催者で私たちもステージに上げてもらったんです」

さわ子「ま、まさか一緒のライブハウスだったなんて……。なんで教えてくれなかったのよ!!」

唯「う~ん……なんとなく?」

梓「先生こそ私たちに黙ってライブしたじゃないですか」

さわ子「だって、こんな姿見せれるわけないじゃない!」

紬「良かったです。一応先生もその格好は恥じているんですね」

さわ子「……」

川上さん「じ、じゃあ私はこの辺で……」

唯「あれ? この声は、前のライブでお世話になった、お姉さん?」

川上さん ビクッ!?

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:25:24.80 ID:Qr7B99gp0
さわ子「とにかく、このことは学校には黙っておいて頂戴よ」

律「え~っと……、あははは~。それはどうかな~……」

さわ子「何!? もしかしてあなた達、私を脅すつもり!?」

澪「いや……、そういうわけじゃないんですけど……」

梓「私たち以外の誰かが、学校に言っちゃうかも……、とか」

さわ子「どういうことよ?」

唯「ほらほら、ね! すごい格好でしょ」

唯父「こらこら引っ張るな」

紬「唯ちゃん……」

さわ子「どちら様?」

唯父「あ、あの……、娘の唯がお世話になっております……」

さわ子「……」

  お父さん、お母さん……。
  私は近々そちらに帰らなければいけないときが来るかもしれません
  そのときは、何も聞かずにぜひ優しい笑顔で出迎えて下さい……

                                        さわ子

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 19:28:44.10 ID:Qr7B99gp0
その頃の真鍋家

和父「これはそちが作った夕食か?」

和「はい、そうでございます父上」

和父「うんうん、腕を上げたのぅ和。褒めてつかわそうぞ」

和「ありがたき幸せ」

和母「もはやこの母も和には足元にも及びませぬ」

和父「おぬしらも和を見習い精進せいよ」

和弟「はい父上」

和妹「姉上。私にもお教え下さいませ」

和「ええ、いいわよ」

和父「これで我が真鍋家も安泰よ。かっかっかっか」

和母「おほほほほ」




和(いい加減疲れるわ……、この家族……)

 おしまい

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