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唯「たんてい!」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:09:02.74 ID:40GDxict0 [1/56]
たつかな

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 15:10:57.42 ID:40GDxict0 [2/56]
「さわちゃん!さわちゃん!」律がさわこの身体を勢いよく揺らした。だが何度ゆすっても反応はなかった。
頭から垂れた赤い液体だけが、止まることなく流れつづけている。
「どうしてこんなことに・・・」そう言って梓がうめいた。その後ろでは、顔面蒼白になった澪を、紬が介抱している。
 七月の蒸し暑い夜、この人里離れた孤島で山中さわこは息をひきとった。
さわこの名を呼ぶ生徒たちの声だけが、辺りに虚しく響きわたった。


6 名前:>>2 ごめんねごめんね[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:12:32.44 ID:40GDxict0
 ここはゆらゆらと揺らめく船の上、桜校軽音部の唯、澪、律、紬、梓の五人と、唯の妹の憂、その友達の純、
そして軽音部顧問の山中さわ子はとある孤島に向かっていた。
 そこは琴吹家が所有する島で、大きな別荘があるという。ムギの提案により、彼女らはそこで二泊三日の合宿を
行うことにしたのだ。せっかくの機会なのだからということで、憂、純、さわこの三人も誘った。和はどうしても予定が合わず、あえなく断念した。
 夏の日差しは熱く、彼女らを容赦なく照りつける。時折吹く潮風が肌に涼しい。船のへさきの方では、律とムギが一緒になってはしゃいでいた。
日焼けすることをまるで恐れていないかのように、肩や脚をおしみなく露出した、薄着の格好だった。日差しを反射した素肌が眩しい。
 別のところでは、梓と純が海を覗きこんでいた。深い藍にそまった海面に、船がつくる白波だけが一筋の波線を描く。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:13:38.58 ID:40GDxict0
 船内では、船酔いにやられた澪がダウンしていた。最近は寝不足で疲れているらしくそのせいもあるのだろう。
そのそばでさわこが彼女を介抱している。普段はだらしないところも多いが、やはりこうした優しい一面もあるようだ。

「おーい!島が見えてきたぞーー!」律がそう言ってみんなの方に向かって手をふった。確かに水平線の向こうにポツンと
小さな影がたたずんでおり、徐々にその姿を大きくしている。梓たちも歓喜の声をあげ、律たちの方に駆け寄っていった。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 15:14:38.75 ID:40GDxict0
「もうすぐ着くみたいだよお姉ちゃん」船室から出てすぐくらいのところに唯と憂の二人はいた。
そこはちょっとした影になっていて、日が当たらない。風のよく通る快適な場所だった。
憂が顔をほころばせてふたたび唯に話しかける。
「楽しい合宿になるといいね」

 その言葉に唯は大きく声をあげた。

「あうあうあーーーーー(^p^)」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:15:48.99 ID:40GDxict0
 島に着くと、休む間もなく彼女たちは荷降ろしの作業に移った。個々の荷物についてはさして問題なかったが、
車椅子に乗った唯を降ろすのは一苦労だった。車椅子を持ち上げられたことに不安がった唯が、暴れるためだ。
結局、憂が唯をなだめるのに十数分程度かかった。持ち上げるのに協力した律、澪、さわこの三人はすでに汗みずくだ。
 唯のこの姿にはわけがあった。三ヶ月ほど前に車にはねられ、脳に重い障害を残し、同時に両足を複雑骨折してしまったのだ。
あまりのできごとに周りの者たちは皆憐憫の目を彼女に向けた。

(これではギターを弾くことは・・・)
(学校にだってもう・・・)
(ただでさえ頭の痛い子だったのにさらに・・・)



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:16:42.30 ID:40GDxict0
それでも軽音部を始めとした仲間たちが尽力したおかげで、彼女は今でも桜校に在籍している。
特に律の頑張りはすさまじいもので、仲間を大切に想う気持ちが特に強かった。その姿に感化されたものは多く、
律の頑張りが今を生み出したともいえた。
「さー荷物も無事降ろしたし、別荘にむかうぞーー!」律の号令に従って、彼女たちは別荘に向かい歩き始めた。





11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 15:19:51.30 ID:40GDxict0
 別荘までの道のりは険しく、深い森の中を通るはめになった。辺りは暗く、たくさんの草木が生い茂っている。
「うう~。この島何だか怖いとこだな・・・」澪は肩を抱いてガクガク震える。
 それをみた律が澪を脅かした。
「昔戦争がおきたときに、この島ではたっくさんの人が死んだらし~ぜ~。もしかしたら化けて出るかもよ~。ほらっっっ今そこに!」
「やっやめろぉぉぉ~」
 そう言って澪はあわてふためきながら律を張り倒す。それだけでは飽き足りないのか、
今度は律のおでこをハンカチでツルツルとなでまわし始めた。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:24:12.67 ID:40GDxict0
 そんな二人にはかまわず、さわこはどんどんと足をすすめていく。その長い髪をくくってアップにしている。
ポニーテールだ。あらわになった白い首筋にはポツンとひとつ小さな赤い斑点があった。
「こんなに暑くっちゃかなわないわね。虫もたくさんいるみたいだし・・・・お嫁にいけなくなったらどうするのよ~」
「え~。さわちゃんに嫁の貰い手なんているのか~」律がさわこを茶化した。
いつものごとく鉄建制裁されるかと律は身構えたが、思いのほかさわこは涼しい顔をしていた。怒るようすはない。
「あ、あれ・・・?。先生怒らないのか?」
「ふふ。やあね田井中さんたら。この私がそんな子供じみたまねするはずないじゃない」
 その余裕たっぷりな表情にみんな唖然とした顔をする。いったいさわこに何があったのだろうか。
「ふふ・・・じつはね・・・私結婚するかもしれないのよ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:25:50.79 ID:40GDxict0
その後の道のりはもうずっと質問攻めと拍手喝采の連続だった。話によると、
さわこは夏休みに入る少し前に見合いをしていたらしく、その縁談がまとまりかけているらしい。
それならさっきの態度もうなずけるというものだと皆なっとくしきりだった。
ムギだけが独り納得のいかない顔をしている。澪はあまりに驚いたのか終始呆然としていた。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:27:20.38 ID:40GDxict0
「へ~世の中には不思議なこともあるもんだな~」
「ちょっと田井中さん、それってどういう意味!」ギロッ
「ひぇっ・・・・あっ!!みんな別荘が見えたぞ!」
 律が指差す先をみると、たしかに大きな洋館がそこにはあった。
「よ~しみんな誰が一番につくか競争だ!!」
「お~」
 さわこを除く他のみんながかけだしてゆく。
「あっっっちょっと待ちなさい!」
「あうあうあ~~~~~(^p^)」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:29:13.48 ID:40GDxict0

 別荘につくと律たちはまず、部屋割りを決めた。一階はキッチン、談話室、食堂などがあり、
そのほかには、練習するためのスタジオとして使う大広間があった。
 客室としてあてがわれた部屋はすべて二階だ。
 今回宿泊する別荘は上から見てちょうど凹の字をしていて、へこんでいる箇所が北側になる。
西側と東側に二部屋、南側に三部屋設けられている。南の部屋にはバルコニーがついていたが
掃除が行き届いてないらしく、少し足元がすべりやすくなっていた。
 
あとでバルコニーをのぞきにきた唯が、車椅子のまま盛大にスリップしていた。


「あうあうあ~(^p^)」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 15:31:26.23 ID:40GDxict0
 部屋割りは結局、北西の部屋から順に、律、純、澪、さわこ、あずさ、ムギの順に
一人ずつ入り、最後の一部屋に唯と憂の二人が入った。
 一階の部屋を空けようとムギは打診したが、

「いえ、大丈夫です。それにお姉ちゃんと一緒の方が私もうれしいですし」
といって憂は固く辞した。

 それを聞いてムギは、うっとりとした溜め息をついた。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:33:27.83 ID:40GDxict0
 皆は荷物を部屋に運び終わった後、
一階のロビーに集合した。

「よしみんな!早速海に遊びにいこーぜー!」
律がそう言うと、いつものように澪と梓が難色を示した。

「だめだ律!遊ぶのは練習のあとあと!」
「そうですよ律先輩!私たちは合宿にきたんですよ!」
 
二人の言葉に律はブーたれる。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:35:20.13 ID:40GDxict0
「え~いいじゃんさ~。せっかくみんなで来たんだし、みんなであそぼーぜー」
 
するとムギも律に同調した。
「泳ぎたいで~す」


「まさかの裏切り!」澪がその言葉に愕然とする。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:40:04.86 ID:40GDxict0
こうして2対2となり、ふたたび律と澪の間で論争が始まった。
こうなってはもう決着がつかない。

唯さえ健康でいてくれたなら・・・。そう皆は思い始めた。
やはり放課後ティータイムは五人そろっていなければならないのだ。
誰一人として欠けては成り立たない。

ガラス細工のように美しくもろい。それが彼女たち桜ヶ丘高校軽音部だった。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:44:07.08 ID:40GDxict0
そのとき不意に、唯が声をあげた。

「あうあうあ~。あ~う~。あ~う~」
「え?どうしたの?お姉ちゃん?」

憂が唯の顔をのぞきこむ。


「あう~。あう~。あうあうあ~」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:45:39.92 ID:40GDxict0
唯の顔は笑ってるような、困ってるような、
判断に困る表情をしていたが、
その目には確たる意思が宿ってるようにもうかがえた。

「・・・うん。・・・うん。わかったよお姉ちゃん」

「お姉ちゃん、みんなで遊びたいって言ってます。澪さんとも梓ちゃんともいっしょにって。今年が最後の夏だからって」

「う、憂ちゃん・・・。唯が何て言ってるかわかるのか!?」

 律と澪が驚愕の声をあげる。


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:48:36.13 ID:40GDxict0
「なんとなくですけど・・・。家族ですから・・・」

そう言って憂は恥ずかしげにほほえんだ。


「・・・わかりました」

梓が顔を上げた。

「3対2ですから・・・。しょうがないですね」
 

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 15:49:42.42 ID:40GDxict0
そして澪が

「やれやれ・・・しかたない奴らだな」

そう言って溜め息をつくと、場に和やかな雰囲気がもどった。
いつもの軽音部だ。

「あうあうあ~」

「よーしじゃあ思いっきりあそぶぞー!!!」

律はそう言って唯の後ろに回ると、車椅子を勢いよく押し出した。玄関を抜け、海の方へと向かい勢いよく駆けていく。

「あう~あ~~~~~!!」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:06:34.17 ID:40GDxict0
時が流れるのは早く、日がだいぶ傾き、辺りはすっかり夕暮れの
オレンジに染まっている。

それとは対照的に、全身をくまなく小麦色に焼いた
梓の肌が印象的だった。

思い切り遊んで満足した律たちは、シートやパラソルをまとめ、
館に戻る準備を始める。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:16:33.10 ID:40GDxict0
「いや~思いっきり遊んだから疲れた~。後はもう夕飯をおなかいっぱい食べて寝るだけだな」
 
律がそう言うと澪の拳骨が飛んできた。

「だめだ!夕飯の後は練習だ!何しにここまで来たとおもってるんだ」

そこでまた律がブーたれると、澪はハンドタオルで律のデコをはげしくみがき始めた。
 

わきあいあいとした雰囲気のまま、律たちは別荘へと戻った。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:19:13.52 ID:40GDxict0
その日の夕食はみんなで作った。

別荘の冷蔵庫にはさまざまな食材が取り揃えられており、
量も種類も申し分のない、ぜいたくな食卓になった。

「これ美味しいな!誰が作ったんだ?」

鶏肉料理を口にしていた律が声をあげる。

「あ、それ私です」憂が少し恥ずかしげに手をあげた。

「やっぱり憂ちゃんか!こんなおいしい料理が毎日食べれるなんて、唯は幸せものだな~」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:23:22.85 ID:40GDxict0
「あうあうあ~~~(^p^)」

「お!うらやましいだろ~ってか?このこの~」

「ちょっと律先輩!!唯先輩の口にアイスキャンディーをつっこまないでください!」

食事を食べ終えると、澪たちは早速練習を開始した。
船旅や海水浴の疲れはあったが、いつもと違う環境のせいかみな、
集中して練習することができた。

そのため、軽音部の面々が床につくのは、夜遅くになってからになった。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:25:08.84 ID:40GDxict0
合宿二日目。その日は天気が悪く、朝から雨が続いていた。

朝食をとり終えた律が窓の外を見てぼやく。

「ひどい天気だな~。これじゃ外に遊びにいけないな」

「合宿なんだから遊びに行かなくていいんだよ!」そういって澪が律に拳骨をくらわす。
 
天気予報によると雨は夕方まで続くらしいとのことだった。結局その日は一日練習をしてすごすことになった。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:32:19.61 ID:40GDxict0
律、澪、紬、梓の4人とさわこが楽器をもって大広間に向かう。
他の3人はトランプなどに興じた。

 「なかなかやまないな~」

純が談話室の窓から外をのぞいた。窓の外では雨が激しく降りつづき、時折雷が鳴り響いた。
大きな音がするたび、唯が驚いてぴょんととびはねる。

「あうあうあ~(>p<)」

そんな唯をあやしながら、憂が。あいづちを打つ。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:37:27.34 ID:40GDxict0
「そうだね~。雨の日はお姉ちゃんが嫌がるから、早く止んでほしいなぁ」

「え?唯先輩って、そんなに雨がきらいなの?」

「う~ん。前まではそんなことなかったんだけど・・・。事故にあってからはずっとこうなの」

「あ~そういえば、唯さんが事故にあったのも、こんな雨の日だったんだよね。犯人はまだ見つからないの?」

その言葉に憂は顔を暗くする。




35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:46:39.16 ID:40GDxict0
「うんまだ・・・。警察の人もがんばってくれてるみたいなんだけど」

「そっか・・・。でもひき逃げなんてほんと最低だよね!、見ず知らずの人間になんてことするんだろう!」

「うん・・・。でもそれがどうも、ただのひき逃げじゃないみたいなの」

「えっ。それってどういうこと?」憂の言葉に純が訝しげな声で訊ねる。


どうやら憂の話によると、唯は一度車にはねられたあと、もう一度同じ車によって轢かれたらしい。
警察は怨恨の線で捜査しているとのことだった。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:48:00.42 ID:40GDxict0
「そうだったんだ・・・。こわ・・・」

「うん・・・。だからしばらくはまた何かあるんじゃないかって怖かったんだけど。今はもうだいじょうぶ!律さんたちも親身にしてくれてるし」

そういって憂は健気な笑顔をみせた。

「うーいー。うーいー」

唯が憂にだきついてほおずりする。憂は「はいはい。どうしたのお姉ちゃん」といって唯の頭をなでた。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:52:12.36 ID:40GDxict0
憂は、唯が事故にあった日を思い出す。

朝、最近買ったばかりの赤い傘を自慢げに振り回していた、いとおしい姉の姿を。

「夕方から雨っていうけど、降らないでほしいな~。このこがよごれちゃったらいやだもん!」

そんな本末転倒なことを言って、本気で傘を心配してる姉が、憂はかわいくてしかたがなかった。
それがまさかあんな惨事になるとは思いもよらずに。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:55:11.48 ID:40GDxict0
その日の夕食は憂がひとりで作った。

これまで唯と親しくしてくれたことへの感謝の気持ちを表したいとのことだという。
それらは、一女子高生がつくったとは思えないほど豪華でおいしく、みんなは舌鼓をうった。

夕食を食べ終えるころには雨もやみ、彼女たちはそれぞれおもいおもいの時間をすごした。

唯と憂とムギの三人は談話室でにぎやかに盛り上がっており、梓は自室で純と話していた。

さわこは夕食のあとすぐ、眠いといって自室に戻ってしまった。



そして、律と澪の二人はいま、館の南にある裏庭に来ていた。

律が肝試しをしようと言って、澪を連れ出したのだ。
最初は澪も反対したが、律がしつこく言うと、最後にはしぶしぶながらも了承した。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 16:58:56.57 ID:40GDxict0
「しかしくっらいなぁ~。別荘の灯りで、もう少し見やすいと思ってたんだけどなー」

「だからやめようって言ったんだ!なのに律がしつこく・・・」

「ははは!でもほんとに澪がついてくるとはおもわなかったな。いつもはあんなに怖がりなのに」

「だ、だって本当に何か出るかもしれないだろ!私は律が心配で・・・」手にした懐中電灯をぎゅっとにぎりしめて澪はそういった。

「ほほほっ。みおしゃんはほんとにやさしいこですわね~。あっ今後ろに青白い顔した男の顔がーー!」

「ぎゃーーー!」律が脅かすと、澪は懐中電灯を振り回して騒ぎ始めた。強い光が律の顔を思い切り照らす。

「うおっまぶし」
そのときだった。なにやら別荘の方から女の悲鳴が響き渡った。

「な、なんだ!!?」律が驚いて別荘の方角を見やる。澪は隣でガクガク震えている。

「と、とにかく別荘に戻ろう!ほら立て澪!」





41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:00:02.39 ID:40GDxict0
律たちが館に戻ると、他のメンバーはみな、ロビーに集まっていた。

「みんな!いったい何があったんだ!?」

律の声に気づいた皆がいっせいに振り向く。

「あ!律先輩!それが・・・突然おおきな声がしたからみんな驚いて、ここに集まったんです。でも、さわこ先生だけがいなくて・・・」
梓が不安そうな声で答える。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:02:24.67 ID:40GDxict0
「さわちゃんがいない・・・?まだ部屋で寝てるのかな?」

「でも、あんなに大きな声がしたんですよ?普通はすぐに気づくんじゃないですか?」

「もしかして・・・。さっきの悲鳴はさわこ先生じゃないのか?」澪が二人に言った。その言葉に二人は絶句する。

「とにかくさわこ先生の部屋に行ってみましょう」

ムギがそう言うと、みんなは二階にあるさわこの部屋へと向かった。唯と憂の二人は階下に残った。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:06:16.83 ID:40GDxict0
ドンドンドン!

「さわちゃん!さわちゃん!そこにいるんだろ!ここをあけてよ!」

律がドアを叩くが何の反応もない。扉には鍵がかかっている。
そのため、律がムギに言って予備の鍵を持ってこさせた。鍵を外すと、律がいきおいよくドアを開ける。

「さわちゃん!だいじょぶか!?」

そう言って律は部屋にいるはずのさわこに声をかけた。
だが、部屋にさわこの姿は見えない。部屋の明かりがつけっぱなしになっており、荒れた形跡などはとくに無かった。

ただ、バルコニーへとつづく扉だけが開けっ放しになっていた。
湿気をはらんだ冷たい風が部屋の中に吹き込んでいる。

レースのカーテンが、ゆるやかな風に舞った。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:08:05.33 ID:40GDxict0
「さわちゃん・・・。外に出たのか?」律がそう口にする。

「え?何のためにですか?」梓がたずねた。

「そんなのわかるかよ。とにかくバルコニーに出てみよう。ムギ。懐中電灯はあるか?」

ムギはすぐ、部屋にある懐中電灯を渡した。
どうやらすべての客室に懐中電灯が設置されているらしい。

律は早速灯りをつけ、バルコニーへと飛び出した。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:10:34.93 ID:40GDxict0
「気をつけてください律先輩!」梓がそう言って後につづく。

「ああ。梓こそ気をつけ・・・ってうわ!!?」

「どうしたんですか!?」

「いや、手すりが壊れてたんだ。危うく落ちるところだった」

律の言うとおり、手すりの一部が崩れて地面に落下していた。
長い年月の中で老朽化していたのだろう。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:12:21.12 ID:40GDxict0
「もう・・・。気をつけてくださいね。あれ?・・・律先輩。下で何か光ってませんか?」

「え・・・。どれどれ」

そう言って律が懐中電灯の光を向ける。二人ともバルコニーから身を乗り出す形になるのでかなり危ない。

「ほらあそこ・・・。何かが光を反射してるんですよ」

梓が指差すほうに光を向けた瞬間、二人は言葉をなくした。

そこには、光を反射して小さく輝くひしゃげたメガネと、頭から赤い血を流して倒れる山中さわこの身体が無残に横たわっていたからだ。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:15:56.31 ID:40GDxict0
「状況の整理をしましょう」


全員が食堂に集まると、ムギは開口一番そう告げた。
他の面々はうろたえたり、涙ぐむばかりであったが、ムギの言葉に気持ちを引き締める。


「状況の整理って、まずは何をするんだ?」

律がそうムギに訊き返す。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:18:43.16 ID:40GDxict0
「さわこ先生の悲鳴が聴こえたとき、みんなはどうしてたの?」
ムギはみんなの顔を見て尋ねた。

「そのときは・・・私は澪と一緒に裏庭にいたよ。二人できもd・・・散歩してたんだ」

律がムギの問いに答える。澪もうなずいて同意した。

「私は、純と二人でわたしの部屋にいました。夕食が終わってからずっとです」

「一歩も部屋から出なかったのね?」

「はい。ずっと部屋でおしゃべりしてました」梓はそう答えた。

「そう・・・。私も夕食が終わった後はずっと唯ちゃんと憂ちゃんと一緒に談話室にいたわ」

これで悲鳴が聴こえた時の、全員のアリバイが証明されたことになった。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:23:06.81 ID:40GDxict0
「なあ・・・。悲鳴が聴こえる前に梓たちは何も聴かなかったのか?たとえば物音とか・・・」

梓の部屋はさわこのとなりだ。何かしら予兆があったとすれば、二人がそれに気づいてもおかしくない。

「う~ん・・・。そういえば悲鳴が聴こえるちょっと前に、話し声が聴こえました。多分さわこ先生の部屋からだったと思います」

「さわちゃんの部屋から・・・?つまり何者かがさわちゃんと部屋で話してた?」律が訝しげな顔をする。

「私たち以外に誰かがこの島にいて、そいつがさわこ先生を殺したってことか?」澪がそう言って顔を青くする。

「その可能性もあるけど、少し不自然だわ。バルコニーから侵入したのなら、何かしらの痕跡が残っていてもおかしくないし、

   だいたい、そんなあやしい人物がいたら、さわこ先生が扉を開けるはずないわ」

ムギが首を振って否定する。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:30:55.53 ID:40GDxict0
「う~ん」律は頭をかかえた。

「やっぱりこれはただの事故なんですよ!」そのとき梓が声を大きくして言った

「きっと夜風に当たろうとしたさわこ先生が、足を滑らせたんです!その拍子に手すりが崩れて、あえなく落下した。それで運悪く頭を打ったんですよ!」

梓の言葉にみなが押し黙る。悲鳴が聴こえたときには、正面玄関をのぞくすべての鍵がしまっていた。
何者かが通ったとすれば、談話室にいた三人が気づかないはずがない。

確かにこれでは、さわこの死は事故としか考えようがなかった。


長い沈黙が続いた。

だが、皆がやはりこれは事故なのかと思い始めたころ、食堂に大きな声が響きわたった。


「あうあうあ~~~(^p^)」


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:32:00.62 ID:40GDxict0
それは唯だった。
必死に声をあげ、みんなに抗議するような視線を送る。

「どうしたの?お姉ちゃん?え・・・?うん・・・。うん・・・」

「な、なんて言ってるんだ?」澪が憂に尋ねた。

「お姉ちゃん・・・、この事件の真相がわかったって・・・」憂の言葉にみなが驚きの声をあげる。


「ええ~~~~~!!!???」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:42:56.22 ID:40GDxict0
唯の言葉を憂が一つずつ丁寧に、みんなに伝えていった。


「この事件、確かにあずにゃんのいうとおり、さわちゃんが足を滑らせて転落した。

   それは間違いのない事実なんだよ。でもそれはあくまで真実のなかの、ひとつの側面でしかない。」

唯がひとさし指をビシッと、かっこつけて立てた。

(といっても唯の表情はだらしなくふにゃふにゃで、推理はすべて憂がしゃべっているのだが)


「この状況を、意図的に作り出した人間がいる!その子が犯人なんだよ!!」


「い、いったい誰なんだそいつは!?」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 17:53:31.89 ID:40GDxict0
「それは・・・、澪ちゃん!!あなただね!!!」唯が澪を指さして言い放った!

「・・・・・・・・・・!!!」驚きを隠せず、澪は目を見開いている。

「で、でもいったいどうやって?さわこ先生が転落したとき、澪ちゃんはりっちゃんと裏庭にいたのよ!」

ムギが当然の疑問を投げかけた。梓と純も、澪を弁護しようと声をあげる。

「簡単なトリックだよ。ねぇ、りっちゃん。外にいた時の状況をもう一度くわしく話して」
唯は律の顔を見て訊ねる。

「外にいたとき?いや、あのときはただ普通に澪と散歩してただけだぞ。さわちゃんの悲鳴が聞こえたから、急いで別荘に戻ったんだ」
律はその光景を想い浮かべるようにして、虚空に視線をさまよわせる。


「さわちゃんの悲鳴が聞こえる直前に何かなかった?いや、澪ちゃんに何かされなかった?」律の目をじっと見つめる。

「え・・・?何かっていっても、澪が懐中電灯を振り回して、それがまぶしかったくらいで・・・」

「それだよ!!!」唯は大きな声をあげた。

「ええっっ!!??」


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:03:34.87 ID:40GDxict0
「澪ちゃんの振りかざした懐中電灯の光・・・。それがりっちゃんのおでこに反射して、
   
    さわちゃんの顔を思い切り照らしたんだ。それで動揺したさわちゃんは
 
                  足を滑らせてバルコニーから落下してしまったんだよ!!!」

唯が自信満々に言った。

「な、何ばかなこと言ってるんですか唯先輩・・・。そんな偶然おこるはずがないじゃないですか」
あまりの発言に、梓があきれた声をあげる。推理を代弁している憂も少し顔を曇らせている。


「ううん。偶然じゃないよ。あずにゃん。その証拠にみんな見てるはずだよ。この島に来てからずっと、
   
    澪ちゃんがりっちゃんのおでこを必死に磨いてる姿を!!!」

「ああっっっっっ!!!」
確かに澪は島に来てから、何度も律のオデコをみがき続けてきた。

さわこを殺害するための用意周到な計画だったのだ。


「で、でも!それでもおかしいです!」
梓が大きな声で反論した。






60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:07:26.67 ID:40GDxict0
「もしかしたらそれは全部、偶然ってことも考えられるじゃないですか!

    悪い偶然が重なっただけかもしれません!」梓が必死で弁護する。

「ううん。偶然じゃないんだよあずにゃん。これからそれを証明するよ」

唯は真面目な顔でつげる。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:12:47.00 ID:40GDxict0
「その前にまず確認したいんだけど、さわちゃんが転落する直前、あずにゃんはさわちゃんの
   
話し声を聴いたって言ったよね?」

唯が梓に訊ねる。

「は、はい。それはわたしだけじゃなく純も聴いたって言ってます」
梓の言葉に純がうなずく。

「なるほど。じゃあこれを見てくれる?」
そう言って唯はポケットから何かを取り出した。てのひらほどの大きさのゴツゴツした物体だ。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:21:31.43 ID:40GDxict0
「これって・・・。携帯電話ですね。しかもさわこ先生の!?唯先輩いつのまに!?」
梓が驚いて声を大きくする。

「それはいいから。着信履歴をみて。最新のところ。名前、澪ちゃんになってるでしょ?」
唯の言葉に澪をのぞく全員が声をあげた。

「つまりこういうことだよ。さわちゃんが転落する少し前の時間、澪ちゃんはさわちゃんに電話したんだ。

こうしてバルコニーに誘導した。そして、りっちゃんのおでこを利用したトリックに動揺したさわちゃんは、

足を滑らせて転落。手すりが古くなっていたのは本当に運が悪かったとしかいいようがないね・・・」

「澪ちゃん!これがもうひとつの動かぬ証拠だよ!!」

唯が高らかに宣言した。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:26:59.89 ID:40GDxict0
「お、おい澪・・・!今の話本当なのか?」律が動揺しながらも、澪に声をかける。

「・・・・・・・」澪はそれには答えない。


「み、澪先輩・・・」梓の声。



「う、うわあああぁぁぁぁぁ・・・・・・」

澪は力が抜けたのか、壁にしなだれかかって、さめざめと泣き出した



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:31:56.69 ID:40GDxict0
その後澪はすべての犯行を認めた。震えた声で自分の罪を告白する。

「本当はほんの少し驚かすだけのつもりだったんだ・・・。でもまさかあんな大惨事になるなんて思いもよらなかったんだ!」

そう言って澪は大きな声をあげて咽び泣く。

「でも・・・いったいどうしてそんなまねをしたんですか?」梓が疑問を口に出す。

「それは私が・・・、さわこ先生を愛していたからだ!!」澪の言葉に皆が唖然とする。

「そ、それってどういうことなの?」ムギが澪に尋ねる。心なしかムギの息遣いが荒い。

「わたしとさわこ先生はすこし前まで恋人同士だった・・・。愛しあっていたんだ。でもさわこ先生が急に別れようって言い出して・・・。

自分は結婚するからこんな関係はもう終わりにしようって・・・。そんなのわたしは許せなかった!わたしの心をもてあそんでおいて、

自分だけ幸せになろうだなんて・・・!!!」

澪は大きく声をあげる。

「で、でも・・・、まさか本当に死んでしまうなんて・・・ううっ」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:33:54.08 ID:40GDxict0
「そんな理由があったのか・・・」

みんなは澪に哀れみの目線を向けた。その場に重い沈黙の空気が降りる。

しばらくして澪が言葉を発した。涙はもう枯れている。

「そ、それにしても唯はすごいな・・・。こんなあっさり見破られるとは思わなかったよ。
時折非凡なところを見せる、とんでもないやつだとは思っていたけど・・・。まさかそんな状態になってもわたしのトリックを見破るなんて・・・」


「あうあうあ~(^p^)」


「ああ。完全にわたしの負けだよ。むこうに戻ったら自首する。今まで友達でいてくれてありがとう。それに、みんなも。

わたしはもう放課後ティータイムではいられないけど、みんなと過ごした時間はすごくたのしかったよ。ありがとう」


そう言った澪の顔はとてもさびしげで、その表情はみんなの心に焼きついて消えることはなかった。





67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:35:54.55 ID:40GDxict0

 数週間後、軽音部の部室に唯、律、紬、梓、憂、純、和の七人が集まった。

バンドメンバーはそれぞれ楽器の準備をしており、部屋の隅では、憂、和、純の三人がビデオ撮影の準備をしていた。

律の発案で、バンドの演奏シーンをビデオに撮って、澪に送ろうということになったのだ。みんな楽器や録音機材のチェックに余念がない。


「うちの軽音部って本当にすごいわね・・・。あんなことがあっても、こうして強い絆で結ばれているんだから。」和の言葉に憂がうなずく。

「はい。みなさん、今でも澪さんのことが大好きなんですよ。お姉ちゃんも今日のために必死で練習してたんです!
まるで、事故に合う前のお姉ちゃんが戻ってきたみたいで・・・」


「ほんと、すごいわね。島での事件も唯が解決したんでしょ?本当に唯はすごいわ。
・・・それにしても、あの子をはねた犯人は許せないわね。いまも捜査はあまり進展してないんでしょ?」


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:39:32.08 ID:40GDxict0
「はい・・・。雨の日だったせいか証拠がなかなか見つからないみたいで・・・」憂が沈痛な面持ちで答える。

「そうなんだ・・・。あの子、雨の中赤い傘を振り回して楽しそうにはしゃいでたのに・・・。ひどい犯人だわ」
和はくちびるを噛んで、不快感をあらわにした。

「はい・・・。あれ?なんで和さん、お姉ちゃんの傘が赤だって知ってるんですか?

あの日はたしか和さんは生徒会で、帰りは別でしたよね」憂が疑問を口にする。



「そ、それはあれよ。あの日は唯が一日中傘を周りに見せびらかしてたからよ。忘れるはずないわ」

「え?だってお姉ちゃん朝からずっと、傘を大事にバッグにしま・・・」そう憂が口にしかけた時、

「お~~~い!準備できたぞ~~~!」律が和たちに準備の完了を知らせた。


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/22(土) 18:41:14.48 ID:40GDxict0
これから放課後ティータイムの演奏が始まる。

今までベーシストとしてバンドを支えてくれた澪へのメッセージソングだ。


澪がまたバンドを支える日がいつかやってくる。その日までわたしたちが澪を支えよう。この演奏はそんなメッセージをこめたものだ。


脚の上にギー太をかかえた唯がおもいきり音色をかき鳴らした。
「あうあうあ~!!」



 放課後ティータイムの演奏が晴れ渡った空に、高く響きわたった。


おしまい

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 18:52:15.15 ID:40GDxict0 [56/56]
初めて書いたSSですが、何とか完走できました。
ショボいトリックに稚拙な文章でしたが、最後まで読んでくれた方、
本当にありがとうございます。そしてごめんなさい。

今度はもっといいの考えてきます。ありがとうございました。

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