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唯「犯人は……」梓「」澪「」紬「」和「」憂「」純「」さわ子「」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:04:23.24 ID:/9ndeBUd0 [1/25]
立ったらやってやる

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:07:10.09 ID:/9ndeBUd0 [2/25]
ぽっ……///

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:09:02.14 ID:/9ndeBUd0 [3/25]
♪校舎・某部屋にて

?「どうして……私が……」

少女の唇から漏れた吐息は酷く震えていた。

?「……私が、こんな目にっ……?」

急速に広がる血溜りに身を沈めた死体を見下ろした。全身に怖気が走る。
自分が殺人をしたという現実と、これから自らに降りかかる災難を予期して少女は無意識に呟く。

?「友達を……大切な、友達を殺して、警察、に捕まる……警察に捕まったら……」

友達を殺してしまった。
どうして……ほんの数分前のことなのに。どうして自分が殺人に至ったのか、明確な経緯を思い出せない。
これは、夢だ。そうだ夢だ。夢なら覚めろ。覚めて。今すぐ覚めて。こんな悪夢なんてこれ以上見ていたくない。どうせならもっと胸の温かくなるような、そんな幸せな夢が見たい。

不意に喉元を襲う吐き気が、少女に容赦なく目の前の光景が現実であることを突きつける。
とにかく何とかこの状況から脱しなければ……その思いだけが少女の思考を蹂躙する。

?「……なんとかしなきゃ……なんとか」

血に沈むカチューシャを陰惨な赤色がゆっくりと呑み込んでいった。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:10:44.23 ID:/9ndeBUd0
♪放課後・職員にて

唯「さわちゃん先生、職員室に呼び出して何のようですか~?」

さわ子「ああ、悪いわねわざわざ呼び出して。少しあなたたちに用事を頼みたくてね」

紬「用事、ですか?」

さわ子「ええ。私、今年から実はというと担任を持つと同時にもうひとつ仕事を任されることになってて」

梓「何の仕事なんですか?」

さわ子「生徒会の仕事よ。今年から生徒課の方まで担当することになって、その関係で生徒会の面倒を見ることになったの。それであなたたち軽音部は放課後も暇でしょ?」

唯「何言ってんのっ、さわちゃん!私たちは毎日ティータイムにイソしんでるんだよっ。
まだ、ムギちゃんの持ってきてくれたラスクも食べてないし、紅茶も飲んでないよっ」

さわ子「はいはい。職員室では静かにしましょうね、ひーらさーわさんっ……!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:13:54.39 ID:/9ndeBUd0
♪放課後・職員にて

唯「さわちゃん先生、職員室に呼び出して何のようですか~?」

さわ子「ああ、悪いわねわざわざ呼び出して。少しあなたたちに用事を頼みたくてね」

紬「用事、ですか?」

さわ子「ええ。私、今年から実はというと担任を持つと同時にもうひとつ仕事を任されることになってて」

梓「何の仕事なんですか?」

さわ子「生徒会の仕事よ。今年から生徒課の方まで担当することになって、その関係で生徒会の面倒を見ることになったの。それであなたたち軽音部は放課後も暇でしょ?」

唯「何言ってんのっ、さわちゃん!私たちは毎日ティータイムにイソしんでるんだよっ。まだ、ムギちゃんの持ってきてくれたラスクも食べてないし、紅茶も飲んでないよっ」

さわ子「はいはい。職員室では静かにしましょうね、ひーらさーわさんっ……!」

唯「ごめんなさい……いえ、ホントすみません謝るんでガンつけないで下さい」

紬「まあまあまあまあまあまあ、早くお仕事を終わらせてお茶にしましょ?」


11 名前:すまん、ミスった[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:15:26.29 ID:/9ndeBUd0
梓「ムギ先輩の言うとおりです。さっさとお仕事を終わらせて、ティータイムをして今日こそ練習をしましょう」

さわ子「そうそう……って澪ちゃんとりっちゃんは?あと、生徒会長の真鍋さんも放送で呼んだはずだけど……」

澪・和「失礼します」

唯「って、さわちゃんが言ったら丁度来たね」

さわ子「さてさて、役者さんが揃ったところでさっそく説明するとしましょう」

……………………………………………………………………………

唯「ええと、つまり生徒会の人たちが使う部屋を移動するから、私たちがその荷物運びをするんだね」

梓「あの……それって普通に生徒会の人たちがすればいい話じゃないんですか?」

唯「あっ、ホントだ!どうして私たちがそんなことしなければいけないんですか、さわちゃん!」

和「実は今日、執行部の役員は皆用事で出払ってて……本当なら別の日にしたいところなんだけど、今使っている部屋はある部活が使うことになっているから、早めに移動を済まさないといけないの」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:16:57.89 ID:/9ndeBUd0
さわ子「そういうこと。とにかく今日中に終わらせないといけないから、さっさとやっちゃって」

唯「はあ~い」

和「ごめんなさいね。本当ならあなたたちに頼むような仕事じゃないのだけど」

澪「まあ、和には毎日世話になってるし、たまにはいいよ」

紬「どんとこいですっ」

和「まあ、それなりに時間かかると思うからテキパキやらないといけないけど、よろしくね」

梓「結構時間かかりそうですね」

和「そうね。けど、下校時刻の八時までには終わると思うわ」

澪「八時……夜の学校、学校の怪談、幽霊…………コワクナイコワクナイコワクナイ」

唯「お~い、澪ちゃんだいじょ~ぶ?」

さわ子「ところで、すっかり忘れるはずのない人物を忘れてたけど、りっちゃんは何で来ないのかしら?」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:18:21.39 ID:/9ndeBUd0
♪廊下にて

和「しかし、この時点で既に五時近くなのよね」

唯「そういえば、何で澪ちゃんと和ちゃんは遅れてきたの?」

和「生徒会の方で別の仕事があってね。それをしてたらなかなか手が離せなくて」

澪「私は今日日直だったからな。後少しで日直の仕事が終わりそうだったからそのまま続けてたんだ」

梓「……ところで、誰も律先輩を見てないんですか?」

唯「う~んりっちゃん、さてはサボりだね。さすが桜校一の悪だねっ」

紬「う~ん、ホームルームが終わってすぐ教室を出て行ったのは見たんだけど……」

梓「とまあ、こうやって話をしている間にあっという間に生徒会室に到着したわけですけど……」

唯「とりあえず!りっちゃんのことは後回しにして、さっさとお仕事を済ませちゃおう!」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:23:23.97 ID:/9ndeBUd0
♪生徒会室にて

唯が、部屋に入って最初に感じたのは、小さな違和だった。しかし、その違和感はすぐに吹っ飛んだ。

真っ先に部屋に入った唯の鼻腔を、室内に充満した未知の匂いが刺激した。

唯「なに、この匂い……っ?」

その匂いが、床に広がる血によるものだと認識するよりも先に、視界に飛び込んできたものに唯は悲鳴を上げる。遅れて、背後からも悲鳴が聞こえた。

何というのかそれは死体のように見える。
……見慣れた人物が、こうべを血の池に沈めて横たわっていた。

床にうつ伏せになって窓側を向いて横たわる少女……田井中律。

軽音部の部長である彼女の表情は、普段ならカチューシャで止められているはずの
前髪が邪魔して窺えなかった。

唯「り、りっちゃん?」

返事は返ってこない。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:28:53.33 ID:/9ndeBUd0
澪「お、おおっなんてことだ……っ!」

和「し、信じられないわ……!!」

紬「り、りっちゃんがっ……!!!」

梓「だ、駄目ですっ、死んでますうううっっ!!!!!」

唯「し、死んでる?……りっちゃん!嘘でしょっ嘘って言ってよ!!!!!」

『ていうか何をそんなに叫んでんだよ、みんな?』

唯梓「へ?」

紬和「うんん!?」

澪「りつううぅぅ!?」

唯たちの目の前に非常に奇妙な光景が広がっていた。

横たわる死体の側にいつの間にか立っていた田井中律が唯たちを不思議そうに見た。
制服姿で、一見、律そのものに見える少女。律のトレードマークでもあるカチューシャも
きちんとして額を惜しげもなく晒している。まさに田井中律だ……ただし、彼女の膝より下は薄く透けていたが。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:33:18.35 ID:/9ndeBUd0
律『あれれれれれええ!?もしかしてこれ私死んでんじゃね!?え?
何これまるで火曜サスペンス劇場じゃんっ!ていうか私のカチューシャなんで
こんな血だらけになってんだよ!お気に入りのなのにっ!いや、ていうか待てよ!
私のデコ、なんかすんごい凹んでんだけど何があった!?いや、もしかしてもしなくても、
コレやっぱ私死んでんじゃね!?マジ受けるうぅ!ハハハハハハハハハハハハハハハハっヤバ!
ヤバイ腹いてえ!!笑いすぎて死ぬ!!いや、もう死んでるのかっ!?てか、なんで皆黙ってんだよ!?』



唯「……」

梓「……」

紬「……」

澪「……ブクブクブク」

和「澪、しっかりして!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:36:06.53 ID:/9ndeBUd0
律『いや、しかし真面目な話これ、どうなってんだ?この床に転がってるのは
どう見ても私だよなあ。なあ、唯?』

唯「うん……」

律『どうしたんだよ?反応が悪いぞ?私とM1グランプリで優勝しようっていう誓いを忘れたのか?』

唯「ええと、ごめんりっちゃん」

律『うん?』

唯「何で幽霊になってんの?」

律『……ううん、何でだろ?』

和「困ったわね。展開が急すぎてまるでついていけないわ」

紬「幽霊になったっていうのだけでもアレだけど……」


梓「どうして私たちに幽霊になった律先輩が見えるんでしょうね?」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:39:40.27 ID:/9ndeBUd0
紬「それで、十分ぐらい考えた結果とりあえず、りっちゃんが幽霊になっても私たちとお話できるということで、
何でりっちゃんが死んだのか、その経緯を聞いてみることにしました」


和「さて、どうして律はそんな風に死ん……」

律『うはははははすげえぞ、唯!壁をすり抜けれるぞっ』

唯「わっ!ホントだ!りっちゃんすごい!」

律『壁に耳あり!』

唯「あはははっ、こわ~い。耳しか見えないよ~」

澪「……ブクブクブクブクブク」

梓「澪先輩泡吹きすぎですっ!?」


和「人の話を聞きなさいっ!!!!!」


律『何だよ和?せっかく人が楽しんでるのに……』

和「……悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散」

律「ちょっ……!膝から上が薄くなって……ごめんなさいごめんなさい
きちんと話を聞くから許して和ぁ~」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:42:35.86 ID:/9ndeBUd0
紬「それで、りっちゃんは結局どうして自分が死んだのかわかってるの?」

律『…………………………………………………………………………………』

和「無意味に長い沈黙をしてると、今度こそ成仏させるわよ」

律『いや……それが死ぬ瞬間っていうか今日一日の記憶が全くないんだよなぁ』

梓「ってことは死んだ瞬間っていうか殺された瞬間も覚えてないってことですか?」

律『う~ん、まあそういうことだな』

唯「あらら」

律『まあ、とりあえず死んでもこうして、みんなと普通に会話もできるし、
ていうかむしろ便利になったくらいだからぶっちゃけどうでもよくね、って感じなんだけどな』

唯「あははは、だよね~。今のりっちゃんすごく生き生きしてるもんっ」

律『まあ、というわけでこれにて一件落着!?』

唯「じゃあ、早く音楽準備室に行ってティータイムにしよっか!」


おしまい!


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:46:32.23 ID:/9ndeBUd0
和「……なんでやねん!!」

律『へ?』

唯「何で?」

和「いや、もう説明すると原稿用紙二枚くらい普通に消費しそうだから、
一々説明しないけど、学校で起きた殺人事件を生徒会執行部前年度生徒会長である
この真鍋和が見逃すとでも思ってるのかしら?」

律『え?もう面倒だから……』

和「黙りなさい。成仏させるわよ」

律『うっ……』

和「とにかくこれから事件を解決しに行くわよ……まずは聞き込みからよ」

そういうわけで唯たち一同は事件の解決に乗り出した。

第一章・完


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 13:16:38.81 ID:/9ndeBUd0
第二章

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 13:20:36.56 ID:/9ndeBUd0
山中さわ子。

桜が丘高校の音楽教師で吹奏楽部兼軽音楽部の顧問。

一月三十一日生まれ。水瓶座。身長は女にしては高め。体重は……最近ストレスの
せいか手を出す酒の量が増えて、少々重くなったがそれでも十分痩せているほうだと思う。

年齢は今年で二十六。

高校時代はギターに青春を注いで、メタルにどっぷりはまりこんだ。
彼氏は……いや、いい。担任を持った以上、今はよそ事に感けている暇は無い。

そう、今の自分は今では女教師として、担任を持つまでになった。少し感慨深い。

正直なところを言えば、初めて担任を持つクラスが三年だというのは、すこぶるつきの度胸を所持する
彼女にしてもいささかの不安を覚えるところだが、悩みすぎたところで何か変わるとも思えない。
考えすぎは考えたらずとも言うし……言うっけ?

まあ程よく頑張ろう、とりあえずさわ子はそう思う。

ところでどうでもいいけど女教師って響きってなかなかどうしてエロいわよね……とか馬鹿馬鹿しいことを考えながら、
自分のクラスである三年二組の生徒の進路希望所を一枚一枚に目を通していると……

『さわちゃん』

不意に机から聞きなれた声が聞こえた。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 15:42:27.47 ID:7UOS6M5jO [1/27]
聞き慣れた声。この声の主は……

さわ子「りっちゃん?」

律『よくわかった、な……!!』

いやいや、なんで机から声がするんだよ新手の悪戯かおいおい私がいくら天使も裸足で
逃げ出すほど甘いからってあんまり調子にのんなよ……とか口に出そうか出すまいか
迷う前に田井中律の顔がさわ子の顔面目掛けて飛び込んできた。

さわ子「ぎゃああああ!!」

おしとやかで通している女教師としてはあるまじき悲鳴を上げて、さわ子は
椅子ごとひっくり返る。

律『うははははっ!よっす!さわちゃ……』

律の言葉は最後まで続かなかった。
床に倒れたはずのさわ子が律の気づかぬうちに仁王立ちしていた。

さわ子「先生をからかって楽しいかしら……田・井・中さん!!」

怒りに頭から湯気をたてるさわ子にはまるで、
律が机からドラえもんよろしく出てきたことに対する疑問など沸いてこなかった。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 15:48:36.16 ID:7UOS6M5jO [2/27]
♪音楽準備室にて

律『いや~てなわけで私、田井中律は晴れて幽霊になったわけでして』

さわ子「それが私を職員室で驚かせるのとどういう関係があんのよっ!?」

律『言われてみると本当になんであんなことしたんだろな、唯?』

唯「ホントになんでだろうね?」

さわ子「全く……でも、りっちゃん。本当にあなたは、その……殺されたの?モグモグ」

律『食いながらしゃべんないでよ……まあ、うん。しかし
今日一日の記憶が無いからイコール殺された時の記憶もないんだなコレが』

澪「胸を張ってどうするっ!」

紬「でも澪ちゃんもようやく、りっちゃんを見ても気絶しなくなってよかったわ」

澪「ま、まあな。誰だって急に幽霊が出たらびっくりするけど、そりゃあ慣れるよ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/03(月) 15:56:22.80 ID:7UOS6M5jO [3/27]
さわ子「ところで警察には連絡したかしら?ついでにりっちゃんの死体はどうしたの?」

唯「お巡りさんには連絡せず!」

律『死体は放置!』

さわ子「阿保かっっ!!」

唯「さわちゃんが怒った!」

さわ子「当たり前でしょうっ!あなたたちは何考えてんの!?」

律『だってなあ』

唯「びっくりしてそれどころじゃなかったしね」

梓「思いっきり余裕そうでしたが」

和「律と唯の二人に関しては幽霊になった身体で遊んでいたわね」


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:01:29.96 ID:7UOS6M5jO [4/27]
さわ子「……頭が痛くなってきた……」

律『いやーさわちゃんお疲れだなー』

さわ子「誰のせいかしらっ!?」

紬「まあまあまあまあまあ」

唯「六回!」

律『しかし、さわちゃん!』

さわ子「……意気揚々と何?」

律『私らはなんと名探偵みたいに現場検証もしたんだぜ!』

さわ子「現場のものには触れていないでしょうね?」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:04:48.76 ID:7UOS6M5jO [5/27]
梓「唯先輩思いっきり律先輩の周りにあった椅子とか触ってましたね」

和「そういえば、さりげなく律先輩の死体に触りまくってたけど……」

さわ子「おいいいいいいいいいいいい!!場合によっては私の人生の死活問題だぞ!
つうかアンタたちがなんで私の生殺与奪の権利を握ってんだあああっっ!!!」

唯「ひいいいぃっ」

律『なんて恐ろしい形相なんだ!』

さわ子「誰のせいじゃああああ!!だいたい……」

紬「チョコラスクです先生♪」

澪「は、早い……が、」

和「逆効果なんじゃ……?」

さわ子「……いただきます!」


梓「すっかりお約束ですね」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:09:16.58 ID:7UOS6M5jO [6/27]
さわ子「さて、これ以上興奮すると、いくら私がプロアクティブにお世話に
なってるからと言ってもニキビができるから、そろそろ真面目な話をしましょうか」

梓「真面目な話ですか?」

さわ子「ええ……りっちゃんはやっぱり殺された時の記憶は無いのよね?」

律『うん、全然ないよ』

さわ子「既にあなたたちも気づいてると
思うけど今日はほとんどの先生方は出張で出払ってるわ」

和「残ってるのは、非常勤の先生たちの一部と事務員の人達だけでしたよね」

さわ子「その通り。さて、あなたたちがまず第一発見者ってだけでも正直アレーな感じだし、
死体放置も既に一時間半に及ぼうとしてるけど……やっぱ警察に連絡するべきよね?」

和「え?なんでそこを聞くんですか?」

唯「さわちゃん、自分でさっきお巡りさんに電話しろって言ってたじゃん」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:13:29.74 ID:7UOS6M5jO [7/27]
さわ子「いやーりっちゃんが死んだって
聞いた時は、私も一教師である以前に人間として、
ちょっと人肌脱ごうかと思ったけど、ぶっちゃけりっちゃん、何か幽霊としても
ノビノビしてるからもうどうでもいいかな、とか思ったんだけど。

ていうか私、今でも正直言うと手一杯なのよ。

あなたたちの進路の面倒やらこれから始まる行事の
あれこれについて考えると軽く鬱病になりそうなの。

というわけで、私もあなたたもさっさと帰って、
テキトーに誰かにりっちゃんの死体を見つけてもらうっていうのはどうかしら
……ああ、でもりっちゃんは私のクラスの生徒だから
結局……面倒なことになるのは避けられない、か……ん?

なによ?みんなしてそんな目で見ないでほしわね。

そりゃあ私もあなたたちの歳ぐらいは暑いパトスをたぎらせてたわよ。

ギター掻き鳴らして、シャウトしまくってた、
そんな時代が私にもあったけど、もうそれは過去のことなの。

今の私は翼の折れたエンジェルよ……ていうか墜天使?」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:18:45.24 ID:7UOS6M5jO [8/27]
律『なあ……みんな』

唯「うん……」

律『私、こうやって大人になる前に死んじゃったけど、
こんな風になるくらいなら大人になる前に死んだのもまだマシかなって思うんだ』

梓「私もそう思います」

紬「私、大人になるのが夢だったけど……子供のままでいいわ」

澪「うん……私も」

和「ま、こんな大人にならないように頑張りましょう」

さわ子「そうよ、子供のうちに努力して、汗かいて、いっぱい勉強していい大人になるのよ!」

律『私にはもう無理だからみんなにその夢はみんなに託すぜ!』

唯「私たちの人生はこれからだ!」

おわり!

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:24:24.83 ID:7UOS6M5jO [9/27]
和「なんでやねんっ!!」

唯「いやーさすがに今のは冗談だよっ!」

律『おう!冗談に決まってんだろ!
とりあえず、こうなったらマジで警察に頼らずに私らだけで犯人を捕まえようぜ!』

紬「Don’tこいですっ」

梓「私も協力します」

澪「わ、私も頑張ろうかな……」

和「私ももちろん協力するわ」

律「みんな、体育で疲れてるけどガンバろうな!」


さわ子「はーい、頑張ってね」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 17:23:34.58 ID:7UOS6M5jO [11/27]
とりあえず第三章 冒頭

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 17:53:29.15 ID:7UOS6M5jO [12/27]
憂「ん……?」

鼻を掠めた匂いに憂は眉をひそめた。

純「どうしたの憂?」

隣を歩く純が尋ねてきたので、何でもない……そう言いかけて、口をつぐんだ。

なんだろう?

この鼻をつく匂いは……?

思わず、足を止めて匂いのした方向に首を向けた。

匂いのした方向は……生徒会室だった。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:12:49.98 ID:7UOS6M5jO [15/27]
平沢憂。

今年で高校二年生になる彼女は専ら帰宅部である。

しかし、その帰宅部であるはずの彼女がどうしてまもなく
六時になる学校に未だにいるのかと言えば、別段深い理由があるわけではなく、来週の
日曜日に開催されるオープンスクールの係生徒に選出されたからにすぎなかった。

本来であれば愛しい姉のために、今頃家で愛情のこもった
料理をせっせとこしらえているはずだが、学校側の頼みを蹴るのは
さすがにお姉ちゃん大好きな憂も少々躊躇いを覚え、結局、同じクラスメイトで
ある鈴木純とともに今の今までオープンスクールについての講義を受けていたのだった。

もっとも純は帰宅部ではないが。

とにかく二人はその面倒な用事を済ませてようやく帰宅の途につこうとしたところで、
ある部屋の一室で立ち止まった。

場所は生徒会室。

本来であれば入るどころか気にも留めないだろうそこへ憂と純を足を踏み入れた。


……後悔した。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:19:41.64 ID:7UOS6M5jO [16/27]
♪廊下

唯「さあ、手分けして手がかりを探すよ、あずにゃん!」

梓「はいです」

唯「ところで……」

梓「はい」

唯「何をすればいいの?」

梓「あなたはニワトリですか!?」

唯「あれ?私の部員勧誘のコスプレは何だっけ?」

梓「今はそんなことはどうでもいいんです……。
とりあえず律先輩の死亡推定時刻がだいたい話しあいの結果絞れたん
ですから、その時間の間、生徒会室を出入りした生徒が誰かいなかったのか、調べるんでしょう?」

唯「おお!さすがあずにゃん!」

梓「さあ、律先輩にヒドイことをした犯人を捕まえるためにがんばりますよ!」

唯「おおー!」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:23:09.17 ID:7UOS6M5jO [17/27]
唯「……りっちゃんが殺された時間はホームルーム終了の四時以降」

梓「そして私たちが生徒会室に入った五時まで、の間です」

唯「その時間帯なら目撃者は絶対いるよね!」

梓「たぶんですが、生徒が一番移動する時間帯です。
それに生徒会室は人の通りが多いから……確率的には低くないはずです」

唯「よし、そうと決まれば…………?」

梓「どうしたんですか、唯先輩?」

唯「……ねえ、あずにゃんは……」

梓「?」

唯「あずにゃんは、誰が犯人だと思う?」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:28:28.99 ID:7UOS6M5jO [18/27]
♪別の廊下にて

和「聞き込みと言っても、実際にいざ人に尋ねてみようとするのは意外と難しいわよね」

澪「う、うん」

和「……」

澪「どうしたんだ、和?」

和「ところで私たちは今推理小説に出てくる
探偵まがいのことをしてるけど、澪は誰が犯人だと思う?」

澪「そ、そんなの私にわかるわけないだろ?」

和「そうよね。ただの女子高生である私たちに犯人が誰かなんてわかるわけないわね」

澪「……」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:35:53.53 ID:7UOS6M5jO [19/27]
和「でもたとえばこの世界が推理小説で、
私がホームズだったら、きっとこの時点で犯人は二人に絞っていると思う」

澪「二人?」

和「ええ」

澪「誰と……誰?」

和「……私たちは、山中先生に呼ばれて、職員室に集合したでしょ?」

澪「……うん」

和「でも当たり前の話だけど全員が全員、同じタイミングでは揃わないかった」

澪「それは……和が今言ったとおり、当たり前なんじゃ……」

和「当たり前……そうね。確かにそれで流しても、良いけど。
でも良い場合と悪い場合、それぞれ両方あると思うけどね」

澪「……誰なんだ?その二人っていうのは?」


和「決まってるわ……私とあなた、よ」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:42:14.34 ID:7UOS6M5jO [20/27]
♪また違う廊下にて

紬「私たちはまず先に犯人探しではなく、殺人現場に行って誰も入れないようにします」

律『ついでにもう一回現場検証だな』

紬「でも、りっちゃん……」

律『なんだよ?』

紬「ええと、堂々と廊下を歩いてるけど、誰も何にも思わないのかしら?」

律『うーん、確かにパッと見た感じは普通だけど……』

紬「足、透けてるものね……」

律『まあ、さっさと生徒会室にお邪魔するとしようぜ』

紬「そうね」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:47:40.03 ID:7UOS6M5jO [21/27]
♪生徒会室にて

憂が部屋に入って真っ先に気づいたのは部屋が
妙に暗いことではなく、異様な臭気が充満しているということであった。

ほんのわずかの時間、視界に入ってきたものが、
なんであるか理解できず、何度か目をしばたたかせる。

憂「……これって……?」

純「なっ、なな何よこれ!?」

全身を陰影に落としたそれは……端的に述べれば死体に見える。

暗闇に徐々に目が慣れてきて、憂は後先考えず目を細めて死体に見えるそれを観察する

……やはり。

死体のように見えるそれは死体にしか見えない。

しかも顔見知りだ。

憂「……律、さん?」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:58:34.11 ID:7UOS6M5jO [23/27]
不意に背後で扉が軋んだ音を零して開こうとする。

早鐘のように心拍数の上がった心臓が、憂に警告を告げる。

ヤバい。

ヤバい。

まさしく大ピンチ。

咄嗟に身を翻してみたが、それがいったい全体どうなるというのか?

純が憂の背中に隠れる。

いや、そんなことをされても残念ながら純を守ることなどできないのだが……。

むしろ守ってほしかった。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/03(月) 21:45:10.13 ID:7UOS6M5jO [25/27]
扉が開いた。

紬「あっ……憂ちゃんと……」

てっきり律を殺した犯人が来たのかと
思って待ち構えていたら、出てきた黄色い沢庵……もとい紬だった。

憂も純も安堵感に胸を撫で下ろしかけて、しかし、目を剥く。

律『……その友達の、ええとその、純ちゃん?』

今し方見ていた死体があろうことか、扉から現れて陽気な声で言った。


律『どうしたんだよ、二人とも?まるで幽霊に会ったみたいな顔してるぞ?』

混乱しきった憂の脳みそは、本来成立するはずのないボケに対するツッコミを返せなかった。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:15:20.83 ID:gNJlielz0 [2/55]
唯「気づいたら」

律『みんな』

紬「生徒会室にそろっていました」

梓「いや、ていうかどうして皆さんこの部屋にいるんですか?」

純「私たちはたまたまこの部屋を通りかかって」

憂「変な臭いがするなあって気になって部屋に入ったら……」

和「律の死体があった……ああ、ちなみに私たちは聞き込みがうまくいかなかったの」

澪「それでとりあえずこの部屋に来たんだ。唯たちはどうしてこの部屋に?」

梓「それが……」

唯「私がちょっと気になることがあったから、ね」

律『気になること……っておい、私の死体になにしやがんだ!?こらっデコぺちぺちすんな』


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:21:34.99 ID:gNJlielz0 [3/55]
唯「そういえば、この部屋って私たちが入ったときからカーテンが閉めてあったよね?

律『私の固まった手を無理やり開こうとするのもやめろ』

澪「うん、そうだったけど……それがどうした?」

唯「ううん、何にも。ていうか澪ちゃんこそさっきからずっとゾンビみたいな体勢になってるけど」

律『ほんとだ!澪がゾンビだったら私がゴーストか!?』

和「澪にはこの事件は重すぎたのね」

梓「いや、私たちなんでこんなに順応しているんでしょうね?」

純「なんか私も慣れちゃった」

和「まあいいわ。ずっとこの部屋にいても進展もなさそうだしそろそろ出ましょ」

唯「あっ、私はもうちょっと残ってく」

梓「え?本気ですか?」

唯「大丈夫だよ。気になることをちょっとチェックするだけだから」


128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:27:35.09 ID:gNJlielz0 [4/55]
♪廊下

唯「二十分ぐらいチェックして大まかなことは、わかったけど……やっぱ、なんか決定的な
ことがないと犯人はわかんないよね。うん?それともやっぱ優秀な助手かな?はたまた……
きっかけかな?」

姫子「何を一人でぶつぶつ呟いてんの?」

唯「おお、姫子ちゃん」

姫子「さっき放送で名前呼ばれてたけど?」

唯「え?私が?」

姫子「うん。思いっきりアナウンスかかってたじゃん。大至急来るようにって」

唯「集中してて聞こえなかったのかな?」

姫子「?」

唯「いや、こっちの話だから気にしないで」

姫子「ていうかこれで二回目なんだよね」

唯「何が?」

姫子「もう一人アンタと同じで先生から放送で呼ばれてたのに、気づいてない人がいたの」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:30:36.58 ID:gNJlielz0 [5/55]
唯「!!」

姫子「どうしたのよ、そんな顔して」

唯「そ、それっ」

姫子「?」

唯「それ、誰か教えてっ今すぐ」

姫子「はぁ……アンタと同じ軽音部の人だと思うけど……ああ、名前思い出した」

唯「誰?」

姫子「   」

唯「!!」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:40:07.01 ID:gNJlielz0 [6/55]
姫子「どうしたのよ、幽霊でも見たみたいな顔してるわよ」

唯「うん、幽霊はもう見てるよ」

姫子「……もしかして、アンタ生徒会室にいた?」

唯「何でわかるの!?」

姫子「いや、なんとなくだけど」

唯「姫子ちゃんは超能力者だねっ」

姫子「いや、そこにいたなら放送が聞こえなくても仕方ないかな、って思って」


133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:46:28.28 ID:gNJlielz0 [7/55]
唯「ええと、どういう意味?」

姫子「そのままの意味よ」

唯「そのままの意味?」

姫子「あの生徒会室のスピーカー壊れてんだって」

唯「!!!!!!」

姫子「この前部活の用事でちょっと寄ったんだけど」

唯「ごめん!ちょっと先生のところへ行って来るね!!」

姫子「ちょっとっ、人の話は最後まで……って足意外と速っ」


134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:56:21.48 ID:gNJlielz0 [8/55]
♪職員室にて

さわ子「なんで唯ちゃんは来ないのかしら?」

梓「現場検証とか言って一人でなんかやるって言ってましたけど」

憂「やっぱ見てこようかな?心配だし」

紬「そうね。様子を確認しにいきましょっか」


唯「失礼しまーす!」


律『って言ってたら来たぞ』

和「唯、だいじょ……」

唯「りっちゃん、今すぐ私のと一緒にちょっと来て今すぐ!」

律『なんか日本語微妙におかしくなってるけど……って手を引っ張るな。つうか
私普通に人に触れるんかいっ!?これじゃ私ただたんに足が薄くなっただけじゃ……」


さわ子「私の説教をくらう前に逃げってたわね」

純「先輩たちも若いですね」




135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:01:47.46 ID:gNJlielz0 [9/55]
♪廊下にて

律『で、二人っきりになって何がしたんだ?』

唯「告白だよ」

律『ははははははそうか唯は私のことが好きか?』

唯「愛してる」

律『ふっ、私もだ』

唯「りっちゃん!」

律『唯!』

二人は強く抱きしめあった。ここに二人の愛が成就した



姫子「めでたしめでたし」

おわり!


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:07:11.99 ID:gNJlielz0 [10/55]
いえ、これで終わりです
楽しんでもらえましたか?
また次のSSで会いましょう

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:11:14.90 ID:gNJlielz0 [11/55]
唯「まあ、っていうのは冗談も冗談なんだけど」

律『当たり前だ』

唯「まあ、さんざん引っ張ったことだし、そろそろ謎解きしようと思ってね」

律『謎解きって……』

唯「まあ、当たり前のことを言っちゃうと思うとこんなのおまわりさんに来てもらえばすぐ
解決する話なんだけどね」

律『身も蓋もないことを言うなよ』

唯「うんそうだね。だってりっちゃんとしてはおまわりさんに来てほしくなかったんでしょ?」

律『どういう意味だ?』

唯「そのままの意味だよ」

律『いやいや待て待て。私は被害者だぜ。犯人逮捕をもっとも望んでいるのは私だ』

唯「まあそんなことはどうでもいいよね……さあ謎解きを開始します!」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:12:39.69 ID:gNJlielz0 [12/55]
第四章

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:22:27.82 ID:gNJlielz0 [13/55]
唯「じゃあ、最初から事件を振り返ってみよっか」

まるで名探偵のような口ぶりで話すが、実のところ事件の全貌が完璧に見えているのかと
言えば、まったくそんなことはなかったりする。

というか、穴だらけだった。

けれども、事件というのはたとえば、謎を解くのが警察にしろ名探偵にしろ結局
すべてを見通した上で解決するなんていうのはやっぱり無理だと思う……たぶん。

平沢唯。

一介の女子高生にすぎない平沢唯はもちろん名探偵でもなければ、警察でもない。

けれどもある意味名探偵よりひとつだけアドバンテージを持っていた。

それは至極単純な話で被害者である田井中律の友達だということだ。

事件の概要を紐解いてくのは警察の役割だ。だから、唯は……


唯「まず、りっちゃんがいつ殺されたか、だね」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:29:17.25 ID:gNJlielz0 [14/55]
律『お前らが話し合った結果、四時から五時の間に私は死んでるんだろ』

唯「うん、ついでにもう犯人はわかってる。ていうかその時間の間に目撃者がいたんだ」

律『……』

唯「うん、最初にもう面倒くさいから犯人の名前言っちゃおうか?」

律『……』

唯「実は、私りっちゃんは犯人の検討はついてんじゃないかなって思ってるんだけど。
ううん、それどころかもう自分がどんな風に殺されたかもわかってんじゃない?」

律『だから私は今日一日にの記憶がないんだって』

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:39:21.59 ID:gNJlielz0 [15/55]
唯「じゃあ、まずは目撃者について話すね。目撃者は同じクラスの立花花子ちゃん」

律『ふうん。なに、姫子は私が殺された瞬間を見ていたっていうのか?』

唯「いや、それだったらさすがに先生たちに言うなりおまわりさんに通報したりするでしょ?」

律『じゃあ、何を?』

唯「犯人が現場である生徒会室から出て行く瞬間だよ」

律『……』

唯「犯行時刻は四時から五時の間。そしてその時間の中で私たちはさわちゃんに呼ばれて
職員室に行った……もうここまで言えばわかるよね?」

律『……』


唯「犯人は……>>151だよ」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:48:36.93 ID:gNJlielz0 [16/55]
エラリー・クイーン曰く人は死ぬ直前に、なんか、うんそう、突然脳みそが活性化
するのかどうかは知らないが、神をもしのぐ知性を得るとか、うん、とにかくそういう
わけで、いや、全然関係ないけど、唯は犯人の名前を言った。


唯「『俺を含む全員』」

律『!!』

唯「どう、りっちゃん」

律『うっはははははははは、全然面白くなくて逆に一周して面白く感じる、うははは』


どうやら唯には笑いの神が降りてきてしまったらしい。

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 12:51:40.61 ID:gNJlielz0 [17/55]
唯「まあ今のはジャブだよ本当の犯人は……


1.中野梓

2.琴吹紬

3.秋山澪

の誰か。さあ、犯人は…………>>165

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:03:45.21 ID:8AZNdNCTP [5/14]
3

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:08:43.75 ID:gNJlielz0 [19/55]
唯「姫子ちゃんが目撃した人はね、澪ちゃんだったんだよ」

律『澪……だって?』

唯「うん。だってさ、澪ちゃん職員室に呼ばれたのに最初来なかったんだ。どうしてかな?
答えは簡単。あの生徒会室のスピーカーが壊れてたからだよ。ちょうど澪ちゃんが
現場にいたんなら放送が聞こえなくて職員質に来なくてもおかしくないもんね」

律『でも、実際澪は職員室に来たんだろ?』

唯「うん、姫子ちゃんが放送で呼ばれてたことを澪ちゃんに教えてあげたからね」

律『だ、だけど……』

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:13:25.58 ID:gNJlielz0 [20/55]
唯「だけど?」

律『証拠は!?証拠がないだろうが』

唯「うん、ないけどその事実でむしろ十分すぎると思うよ私は」

律『ふ、ふざけんなっ』

唯「ふざけてなんてないよ。それに澪ちゃんは職員室に来るのが遅れた理由を
日直の仕事のせいで遅れた、とも言ったしね。つまりそれって嘘をついたってことでしょ?」

律『……』

唯「……りっちゃん」

律『凶器は?』

唯「凶器?」

律『そう、凶器だよ。いったい澪はどんな凶器を使って私を殺したんだよ』



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:19:35.05 ID:gNJlielz0 [21/55]
唯「え?ええとそれは……」

律『答えられないのか?』

待て待て落ち着け平沢唯。考えろ。凶器はもしかしたらあったのではないだろうか。
窓のカーテンを閉めたということは、外部から見られる可能性を無くすためであり、そして
つまりそれは……

唯「ええと、ね。凶器は……

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:52:34.82 ID:gNJlielz0 [28/55]
エラリー・クイーン曰く人は死ぬ直前に、なんか、うんそう、突然脳みそが活性化
するのかどうかは知らないが、神をもしのぐ知性を得るとか、うん、とにかくそういう
わけで、いや、全然関係ないけど、でもエラリークイーンもおっぱい好きそうだし
とか何の根拠もないことを思いながら唯は凶器を言った。


唯「凶器はね……澪ちゃんのおっぱい、だよ」


律『な、なんだと……?』

律の表情が驚愕に凍りつく。

唯「そう、そうなんだよ。おかしいと思ってたんだ。今日の澪ちゃんはどうしてずっと
前かがみになってるのかと思ったけど。おっぱいが重たかったんだよ」

律『お前、それで私が納得すると思ってんのか?』

唯「りっちゃんが納得するか、なんて問題ないんだよ」

律『いや、私はいいとしても読者が……』

唯「知らないよ。私は自分の都合のいいように動いてくれる人は好きだけどそれ以外
の人は嫌いなの!」

律『なんてことをぬかすんだ!』

唯「ていうか、話を急に戻すけど、りっちゃんの死体の手ね、何かを握ったみたいに
……そう、拳のような形で固まってたんだよ」

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:58:52.71 ID:gNJlielz0 [29/55]
律『……?』

唯「私、確かめたんだ。りっちゃんの握った形の状態の手のひらに何かあるんじゃないかって。
もしかしたら、澪ちゃんのおっぱいで殺されたりっちゃんは、最後の力を振り絞って証拠を残そうとしたんじゃないかって」

律『……で?』

唯「あったよ、りっちゃんの右手にあった。ブレザーのボタンがね」

律『…………」

唯「澪ちゃんがブレザーを今脱いでる状態なのも、ボタンが取られたことを隠すためだったんだね」

律『おい、ちょっと待て」

唯「なに?」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 14:07:02.34 ID:gNJlielz0 [30/55]
律『唯。さっきからすき放題言ってるけどさ』

唯「うん」

律『おっぱいで人を殺すのはいくらなんでも無理だろ』

唯「でも現にりっちゃんは死んでるよ」

律『いや、なんで私がおっぱいでぶん殴られて死んだのが確定みたいになってんだよ!』

唯「りっちゃんは何にもわかってないね」

律『いや、お前のほうがぜってー何にもわかってないだろ!?」

唯「確かに私やりっちゃんやましてあずにゃんには到底不可能かもしれないけど澪ちゃんほどの
ものなら絶対できるよ。ていうか、アレほどのモノを持っていながら凶器として使わないなんて
今までが有り得なかったんだよ」

律『いや、そのおっぱいの凶器は人を殺すって意味じゃないだろっ!?』

唯「だから、もう現にりっちゃんは死んでるからこれで確定だよ。凶器は澪ちゃんのおっぱいなの!」


207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 14:12:46.96 ID:gNJlielz0 [31/55]
律『いや、納得できるか!女の乳で死ぬなんてそんなもん私以上に私の両親や弟の聡が困るわ!』

唯「大丈夫だよ!きっとりっちゃんがおっぱいのせいで死んだとしてもりっちゃんのお父さんもお母さんも
悲しんでくれるよ!!」

律『別の意味でかなしくるわ!!』

唯「そうかもね」

律『つうか他に凶器は?凶器の候補はないのか!?」

唯「ないよ!あるわけがないよ!りっちゃの手が握っていた澪ちゃんのブレザーのボタンが
が何よりの証拠だよ!」

律『なあ、それがどう証拠になるんだ?だいたい今日、澪は朝からブレザー着てねえよ』


律がそう言った瞬間唯の唇が確かにニヤリとした。

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:01:49.08 ID:gNJlielz0 [34/55]
唯「ねえ、りっちゃん。私ずっと気になってたんだけど」

律『人の話を無視するな……それで、なにがだよ』

唯「りっちゃんって本当に今日一日の記憶が無いの?」

律『はあ?それは前にも言ったとおり、今日一日の記憶がごっそりないんだって』

唯「じゃあ、りっちゃんはどうして、澪ちゃんが今朝からブレザー着てないことを知ってるのかな?」

律『あっ……』

唯「そうなんだよ。りっちゃん。もうイッちゃってんだよね。
それにりっちゃん>>58の時点で思いっきり暴露してたんだよ。
律『みんな、体育で疲れてるけどガンバろうな!』って。
今日の記憶が無いって言いながら体育のことは覚えてる……有り得ないよね」

律は嘆息した。

律『……まさか唯にバレるとはな……そう。
唯の言うとおり私の記憶は無くなってないんだ。ただ……澪を……澪を庇おうと……』

唯「そういうお涙頂戴の話は後で聞くから。さあ、りっちゃん全部教えて。いったい何があったのか」

律『……だんだん私の扱いがヒドくなってる気がするんだけど』

唯「いいからいいから」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:07:15.18 ID:gNJlielz0 [35/55]
そこで不意に唯は固まった。文字通り。あまりに重大なことを見落としていて今しがたそれに気づいた
名探偵のように。少女は目を見開いてその衝撃の事実に気がついた。

そもそもなぜこのことに気がつかなかったのか?もっとも最初に誰か、疑問を持てよと
今更ツッコミを入れたくなった。

どうして、どうして……

唯「ねえ、どうしてりっちゃんは生徒会室にいたの?」

律『え?ああ、お前らには行ってなかったけ?』

唯「どういうこと?」

律『実はというと、澪がその前の会長……そう、OGの曽我部さん?だっけ……その人に呼ばれてさ。

なんか前会長さんが澪にどうしても会いたかったんだって。
そんで澪が生徒会室に行くことになって。でも澪は人見知りだろ。だから私がついていったんだよ。

でも前会長さん、どうも用事が入ったらしくて急に来れないって澪の電話に連絡が入ってさ。ていうか何でその人澪のケー番知ってたんだろうな?
まあ、とにかくそういうわけだから……ってどうした?唯?』

唯「もっとそういう大事なことは早くいってよ!!」

思わず叫んでしまった。

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:14:25.38 ID:gNJlielz0 [36/55]
生徒会室を利用したということは、当然生徒会の長である今の生徒会長=彼女も知っていたということだ。


そう、現会長である真鍋和も。


つまりこれはどういうことだ。

落ち着け。頭が上手く回転しない。待て待て冷静になれ。クールダウンだ。焦るな。でも、急げ。
筋道を立てて行けば答えは自ずと顔を出すはずだ。

和は澪と律が生徒会室に行くことを知っていた。無論、時刻だって当然知っているはずだ。
だとしたら、>>14の時、和は澪にツッコミを入れて当然のはずだ。どうして言わなかった?

しかも和は知っていたはず。生徒会室のスピーカーが壊れたていたことも。だとしたら聡明な彼女なら……唯でも導き出せた答えなら……簡単に
たどり着くことができただろう。

知らないことは知らないままで終わるが、知っていることなら知らない振りをすることもできる。


223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:29:44.34 ID:gNJlielz0 [37/55]
唯「どういうことなの?和ちゃん?」

だめだ。ここから先は自分では解決できない。


「どこにいると思ったら……ここにいたのね」


聞きなれた声だった。

唯「和ちゃん……」

律『和……』

和「もういい加減遅いから、帰りましょ」

律『あ、ああ……』

和「このことについてはムギの家が何とかしてくれるそうだから……私たちはもう帰りましょ」

唯「ちょ、ちょっと待って和ちゃん!」

和「……何?」

唯「和ちゃんは知ってたんだよね?」


225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:36:58.51 ID:gNJlielz0 [38/55]
律『唯?』

和「主語、動詞、述語は、はっきりさせないって前から言ってると思うけど……私が何を知っているのかしら?」

唯「だから……」


唯は自分の脳内で組み立てた推理を和に言った。和は時折頷くだけで何も言わなかった。


唯「――ほとんどの事情を知っていた和ちゃんなら誰が犯人かすぐにわかったはずなのに……どうして何もしなかったの?」

和「少々買い被りすぎじゃないかしら?」

唯「そんなことない!たとえ、推理はできなくても、
澪ちゃんが嘘をついたことに対して、今日澪ちゃんが前の会長さんに呼ばれて生徒会室に
行ったっていうことを知っていた和ちゃんなら……日直の仕事をしていたって言った澪ちゃんに対して
疑問ぐらいは持つはずだよ。ううん、私の知ってる和ちゃんなら……」


226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:42:10.33 ID:gNJlielz0 [39/55]
和「まったく……まさかあんたに真相を看破されるとは思わなかったわ。うん、降参降参」

唯「じゃあ、和ちゃん……」

和「うん。今日は私の家で闇鍋でもしましょ」

唯「きゃっほーい。じゃあみんなも誘おうよ」

和「そうね。みんなで盛大にパーティーしましょうか」

唯「やっほほほほい。りっちゃんも来るよね?」

律『ははは、当たり前だろ。今日は私が仏様になった記念パーティーだ』

和「ちょっとっていうかだいぶフライングぎみだけど、盛大に祝いましょうね」

唯「ということで……」

和「これにて」

おわり!


229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:49:31.53 ID:gNJlielz0 [40/55]
ククク、よく見破ったな・・・だが・・・ここからの俺は・・・一味、いや二味
くらい違う、ぞ・・・

第五章・・・はじめる、ぞ

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:53:14.70 ID:gNJlielz0 [41/55]
唯「とりあえず終わらせない!!」

和「なにかしら?いいかげんに終わりましょう。私、あなたたちと違ってティータイムしてないからお腹空いてるのよ」

唯「ダウト!今日に関して言えば和ちゃんムギちゃんのお菓子ご馳走になってるから!」

和「そうだっけ?」

律『そうだぞ!私の分を堂々と食ってたじゃん!』

和「そういえば、そうね。心なしかお腹が満たされてる気がするわ」

唯「和ちゃん。どうして嘘をつくの。お願い、話して」

            
             ノウリョク
和「アンタたち軽音部の 『理不無』 を奪うためよ」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 17:18:05.89 ID:gNJlielz0 [43/55]
理不無。

リズム。

それは異能の力。

正確にはその能力がいつ発祥したのかも、その能力がいったいなんなのかも判明していない。
去年の五月一日から『理不無』の存在が知られるようになったという説もあるが、懐疑的という意見が大半を占めている。

さらにその能力は一説には琴吹家が編み出した戦闘術だと言われているが、去年の九月末か
ら十月にかけてとある女子校による謎の事件から、単なる戦闘術ではないとい説まで出てきた。
ちなみにその事件というのはとある女子高生が『そろそろ誰が一番強いか決めようよ』とい
うなんとも言えないイタイ台詞が契機となって始まったとかなっていないとか。更に『リツムギ戦』
なる紛争もあったらしいが、やはり詳細は不明。

『理不無』を扱う最強の姉妹がいるという話もまことしやかに囁かれているが、今のところ真実は謎のままだ。


そして――真鍋和。彼女は数少ない『理不無』を使える能力者だ。

しかし、理不無を使える人間は意外と少ない。力を持っていながら自覚してないがゆえに、その能力を使えない
そういう場合もある。

もしかしたらあなたも理不無が使えるかもしれない。


軽音部部員五名も、もしかしたら……

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 17:31:34.64 ID:gNJlielz0 [44/55]
!音楽準備室にて

唯を含めた軽音部部員は床に臥せていた。

いったい何が起こったのか唯には理解できなかった。おそらく、紬も澪も律も梓も同様だろう。

和「あっけないわね」

何があったのか……そう、確か和が突然提案したのだ。



和『音楽準備室で全てを話すわ』

実際唯たちは音楽準備室に集合した。
そして和は真実を話しだした。ただし、軽音部部員ではない憂と純はその場に必要ない、という
和の言葉により彼女たち二人は強制的に帰らせた。


243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 17:36:31.33 ID:gNJlielz0 [45/55]
和『さて、あなたたちは『理不無』について知っているかしら?』

誰も何も言わなかった。いや、言葉が出てこなかったのだろう。話の切り出し方としてはあまりにも唐突すぎた。

ただ、唯は見逃さなかった。


紬が、澪が、梓が、『理不無』の単語が和の口から出たとき、息を呑んだのを。


和『じゃあ話を変えるわ。
あなたたちはどうして死んだはずの律が幽霊として、こうして私たちに見えているのだと思う?』

唯『そんなのわかんないよ』

和『少しは考えなさい』

唯『そんなこと言ったて……』

唯は唇きつく噛む。
和は律が殺された事件に間違いなく何らかの形で関与している。その事実が唯には辛かった。

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 17:52:47.84 ID:gNJlielz0 [47/55]

和『『理不無』は異能の力よ。時に炎を生み、時に刃になり、時に癒しになる』

なに電波を流しているんだ、と普通の人間がこれを聞いていたら、間違いなくそう思うだろうが、
ここに能力を持たないという意味での普通の人間はいなかった。

もっとも誰も口を開かないが。

和『そして、『理不無』は時に異常を起こす。本来凡愚であれば見えないはずの霊体すら、視認させることを可能にしたわ。
それどころか、律はほとんど生きている時と変わらない状態を維持している。
これもあなたたちの『理不無』が共鳴しているからよ』

梓『だから律先輩の姿を私たちは見ることができるんですね』

律『なるほど、ね』

紬『でも……薄々感じてたけどまさかみんな能力者だったとはね』

口を開いたおのおのが、互いの顔を見合わせる。

澪だけは顔を伏せて何も話そうとしない。


250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 18:04:55.86 ID:gNJlielz0 [48/55]
和『澪……あなたが律を殺したのに罪悪感を感じる必要はないわ』

驚愕に顔を凍りつかせる澪を梓と紬が、彼女と同様に驚きの表情を浮かべた。


和『あれ、私が仕組んだのよ。もう面倒くさいからネタバレするけど、私の『理不無』は『催眠』なの』


澪『ど、どういうこと!?』

和『てっきり気づかれているかと思ったけど……つまり私の『理不無』によってあなたは律を殺すように誘導されたのよ。
状況のセッティングとか、本当に色々と苦労したわ』

和の説明にかえって澪の表情は曇った。

澪『意味がわからない……私は……』

和『あなたの心の奥底の感情を利用したの――これ以上いちいち説明する気はないわ。
本題に入るわ。単刀直入に言うわ――あなたたちの『理不無』の能力を私によこしなさい』



253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 18:21:36.09 ID:gNJlielz0 [49/55]
『理不無』の能力を渡す。それは『楽器』(コア)を手放すということだ。『楽器』が無ければ
『理不無』使いも単なる人間にすぎない。

和『そうしてくれればあなたたちには手を出さない』

梓・紬『お断りします』

それまで、黙って和の言葉に耳を傾けていた二人が立ち上がって、臨戦態勢に入っていた。

いったいどうなっているのか。魔法のように現れた、楽器を構えて梓と紬は和をにらみ付ける。

梓『この子とは長い付き合いです。手放せと言われて、はいそうですか、なんてできるわけないでしょう?』

紬『私も梓ちゃんと同じよ。悪いけど、そんなことはできない。するつもりないわ』

唯『ちょ、ちょっと待って!三人とも戦うなんてやめて!話し合おうよ』

唯が何とかとめようとする。

『理不無』使いはお互いの力量を見た瞬間に判断できる。

おそらくだが、和には敵わない……和は見た感じでも相当強いのがわかる。


255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 18:32:48.32 ID:gNJlielz0 [50/55]
和『おろか、ね』

本能がこれから自らの身に起きるであろうことに対する危険に対して、警告する。

ヤバイ――

自分たちは一瞬でやられるという確信。


和『私の能力は『催眠』だけじゃない!』


強い力の奔流を感じた。そう思った時には、遅かった。何が起きたのかわからないまま、唯たちはあっさりやられた。

気づいたら地に臥していた。




和「本当におろか、ね……おろかすぎるから死になさい」

唯達は死んだ。

おわり!

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/04(火) 18:59:12.42 ID:gNJlielz0 [52/55]
♪唯の家

唯「……!」

唐突に目が覚めた。

ゆめでありますように……そう願いつつ身体を起こそうとして、けれども、それは不可能だった。身体の節々が悲鳴をあげる。

痛くて起き上がれなかった。

憂「お姉ちゃん、大丈夫?」

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:26:38.39 ID:SmYC2r4jO [4/28]
憂「お姉ちゃん……」

いったい何があったのか思い出せない。

澪「唯、大丈夫か?」

かろうじて動かせる首を傾ける。澪が……いや、他の軽音部の皆も……心配そうに唯を見た。

唯「ここは……?」

そこで初めて唯は、自分がリビングのソファで眠っていることを知った。

梓「大丈夫ですか、唯先輩!?」

駆け寄って自分の胸に顔をうずめる梓の頭を撫でてやる。

唯「大丈夫だよ、あずにゃん。身体中が痛くて泣けるけど」

しかし、どうしてこんなに身体中が痛いのか、唯にはわからなかった。

唯「なんで私だけ、こんなボロボロに…………?」

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:28:41.13 ID:SmYC2r4jO [5/28]
紬「唯ちゃん。覚えてないの?」

唯「何を?」

紬「あの時……和ちゃんが私たちにとどめをさそうとしたときのこと」

まるで覚えてなかった。
唯は首をふろうとして激痛に顔をしかめた。





和「じゃあね、唯」

唯が惨たらしく死ぬ様が目の裏に浮かんで、紬は目を強く閉じた。

そして聞こえてくるであろう断末魔の悲鳴を想像して耳を塞ごうとする。
しかし、間に合わなかった。

唯「いやあああああああああああああああああああああっっっっ!!」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:31:36.44 ID:SmYC2r4jO [6/28]
唯の悲鳴が室内を震わせる。

悲鳴はなかなかやまない。

いったい何が起こっているのか。

紬は瞼を開けた。一瞬何が起きているのかわからなくて目をしばたたかせる。

唯の周囲でとんでもない力が渦巻いていた。普通の人間では視認できないであろう、何かが唯の周りで暴れ狂う。

和「チっ!」

和が舌打ちすると同時に唯に向かって手をかざす。


唯「無自威空(むじーく)!!」


唯が叫んだ。刹那、理不無を遥かに越えた力が唯からほどばしった。
そのことに和が驚きの表情をうかべ――そしてその驚きの表情は喜悦のそれに変わった。

和「そうよ!その力がほしかったのよっ!」

唯「――――!」

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:37:42.79 ID:SmYC2r4jO [7/28]
いつのまにかギターが唯の肩にかけられていた。唯はギターを刀のように構え、地面を蹴る。

二人の距離が零になる。

が、

和の拳が唯の鳩尾をはっきり捕らえていた。
唯のよる攻撃は和の背後――音楽準備室の壁を微塵もなく粉砕したが、和には一切当たっていない。

唯「かはっ……!?」


唯は吐血とともに顔面から崩れ落ちた。

和「やっぱりあっけなかったわね」

言葉とは裏腹に和は肩で息をして、床に倒れた唯を見下ろす。

和「……本当なら、アンタたちからさっさと『楽器』を奪いたいところだけど……」

不意に和の足元がふらつく。

和「たいした力ね……『無自威空』。直接攻撃を受けていないのに、そのオーラだけでダメージを受けてしまうなんて」



316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:40:29.45 ID:SmYC2r4jO [8/28]
和が踵を返した。今なら背後から『理不無』による攻撃で狙い打ちしてやれば、あるいは……。

紬は力を集中させる。が、できない。身体に力が入らない。

和「無駄な足掻きはよしなさい、紬。背後から攻撃しようとしても無駄」

見破られている、か。
和は一瞬だけ、背後を振り返った。

和「一周間後……再戦よ。次はお互いの『理不無』をかけた真剣勝負よ」

それだけ言って和は音楽準備室から出ていった。





唯「……そっか。私あの力を使っちゃったんだね」

憂「まさか……お姉ちゃん、『無自威空』を使ったの!?」

唯「ごめん」


318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:44:32.04 ID:SmYC2r4jO [9/28]
少しスピード遅らすわ

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:52:22.40 ID:SmYC2r4jO [10/28]
律「ところで……さ、そのむじーくとやらはいったい何なんだ?」

唯「……簡単に言えば、『理不無』の一段上の能力、かな」

憂「お姉ちゃんもこの能力についてはっきりとはわかっていないんです」
梓「って律先輩、身体が……足の股らへん事まで透けてるんですけど……」

律「え?……本当だっ!うわ、私さっきより薄くなってんじゃん!やば……っ」

澪「あわわわわわわわわ」

梓「なんで澪先輩は今更にしてまた泡を吹き出すんですか!?」

唯「澪ちゃん、しっかり……!」





澪「……っこほん」

唯「和ちゃんが言うには一周間後にたたかう、ってことだけど……」

紬「はたして私たちで勝てるのか、ってことね」



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:56:15.56 ID:SmYC2r4jO [11/28]
律「見事にボロ負けだったしなあ……ていうか私と澪に関しちゃ『理不無』を使ってすらいない」

梓「今回は、見逃してもらえましたけど」

憂「次はないかもしれない」

唯「……」

憂「お姉ちゃん?」

唯「……ねえ、もう降参しちゃわない?」

律「なに言ってるんだよ、唯?」

梓「降参するってことは私たちの力の源である『楽器』を渡すってことですよ!」

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 08:59:43.29 ID:SmYC2r4jO [12/28]
唯「それは確かにそうだけど……でも、だからって和ちゃんとたたかうなんて私には無理だよ」

紬「唯ちゃん……」

唯「それにたたかっても勝ち目なんてないよ。みんなだって見たでしょ?あの和ちゃんの力を」

澪「…………」

唯「私たちには無理だよ。和ちゃんを倒すなんて……」

梓「で、でも唯先輩の能力があれば……」

唯「無理だよ。あの力はあやふやで使いものにならないよ。
あの時はたまたま使えたけど次もそうとは限らない」

憂「お姉ちゃん……」


唯「だから、諦めるべきだよ」


322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 09:07:20.98 ID:SmYC2r4jO [13/28]
唯「……寝れない」

ソファに横たわらせた身体を唯は慎重に起こした。

唯「うん、もうだいぶよくなってきたね」

普通の人間だったら、おそらく三日三晩寝たきりだっただろう
ダメージにも関わらず、唯は何事もなかったかのように立ち上がって伸びをした。

唯「にしても……」

みんなが帰って、すっかり静かになった部屋を唯は見渡す。
すでに時刻は十二時を過ぎて、日にちが変わっていた。

唯「……私はたたかいたくないよ」

323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 09:09:15.87 ID:SmYC2r4jO [14/28]
唯は小さくつぶやいた。

たたかいたくない。心の奥底からそう思う。

もっとも律たちはたたかうと宣言した。

唯はやめるべきだと何度も言ったが彼女たちは聞かなかった。

唯「勝手にすればいいもんっ」

憂「お、お姉ちゃん?」

憂がリビングの入口から顔を覗かせた。

唯「憂、どしたの?」

憂「お姉ちゃんの様子を見に来たんだけど……大丈夫?」

唯「うん、もうだいぶよくなってきたよ」

そう言って唯が笑ったにも関わらず、憂いを帯びた憂の表情は少しも変化しなかった。

憂「あのね、お姉ちゃん」

真剣な表情の憂が、意識しているのかしていないのか、唯に顔を近づける。

憂「私から提案があるんだけど――」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 09:18:47.30 ID:SmYC2r4jO [15/28]
!一週間後・学校にて

和から言えば、今回の決闘じみたこの争いは、単なる茶番劇のようなものだが、
たとえそれが本当に茶番劇であったとしても彼女は、一切手をぬくつもりも気をぬくつもりもなかった。

どうしてかは自分でもはっきりしない。

けれども唯の持つあの圧倒的能力が欲しいという、ある種の原始的欲求が和をつき動かしていた。

和「来たわね」

眼鏡のレンズに唯たち一同が校庭から校舎に入ってくるのを映して、和はつぶやく。

もう舞台は整っている。

今日は校舎どころか、学校の敷地内にすら自分と唯たちしかいない。


あとはたたかうだけだ。



325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 09:21:22.52 ID:SmYC2r4jO [16/28]
!廊下にて

和「他のみんなはどうしたの?」

律「ん?みんな、か。みんななら今頃音楽室でお菓子食べてんじゃない?」

和の質問に対して、唇の端を吊り上げて田井中律は答えた。

和「最後の晩餐ってわけね」

和もクールに返してみせる。

律「祝賀会かもしんないぜ?」

和「どっちでもいいわ」

これ以上会話をする気は無いのか、和は改めて構えた。


律「勝負だ……!」

和「笑止!」


――わたしたちのたたかいはこれからだ!

おわり!

338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 14:33:43.06 ID:SmYC2r4jO [21/28]
最終章



339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 14:38:34.22 ID:SmYC2r4jO [22/28]
律「――『理不無』!」

光が弾ける。律の掌にはいつのまにかドラムスティックが握られていた。が、それだけではなかった。
突然彼女の正面にドラムセットまでもが、現れる。

律「さあ、『生』(ライブ)を始めようぜ!」

律がスティックで、ドラムを叩きのめす。一見すればただたんに楽器をぶっ叩いてるように見えるだけだが、
『理不無』使いが楽器を扱う時、それは攻撃行為に他ならない。

律のドラムが光った。刹那、遅れて音波が和に襲い掛かる!

和「遅すぎるわね」

たっぷり余裕を持って、和は狭い廊下で器用に横っ跳びして音波をかわす。

律「いんや、これでいいんだよ――私の能力は『煙幕』!」

音波が壁をぶち破った。同時に発生した煙が和の視界を零にする。

和「だからって何だというのかしら?」

煙幕によって視界を妨げようが『理不無』使い特有の気配までは隠せない。

和は気配に力を放とうと掌をかざす。

和「っ……!」



340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 14:47:31.65 ID:SmYC2r4jO [23/28]
腕に鋭い痛みが走って和は顔をしかめた。

和「これは?」

煙りのせいで、はっきりとは見えないが、それでも一筋の煌めきが和の二の腕を切り裂いていた。

和「これは……糸?」


梓「――正解です!」


背後から強烈な『理不無』の気配がして、和は咄嗟に横転する。

間一髪、中野梓の攻撃を避けることに成功した。が、再び鋭い痛みが足首を襲った。

和「この能力は……っ?」

梓「私の能力は『極弦』(ごくげん)――弦を蜘蛛の巣のようにあたりいったいに張り巡らす能力です」

和「なるほど……少しは頭を使ってくる、ってわけ、ね!」

煙幕の張った状況のままでは少々厄介だった。

341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 14:51:50.96 ID:SmYC2r4jO [24/28]
和は『理不無』を使うために集中しようと、目を閉じる。
が、それよりも梓の攻撃の方がほんの僅か、速かった。

梓「必殺、『あずにゃんにゃんメロディー』です!」

廊下を漂う煙りを吹き飛ばして、自分に襲い掛かる存在に思わず和は驚いた。

和「五人……ですって!?」

中野梓が五人に見える。眼鏡が狂ったのだろうか……いや、これは!

辛うじて五人の梓の体当たりを、常人にはありえない高さのジャンプをもってやり過ごす。

梓「よく避けましたね」

和「その能力は……」


『私の『理不無』、『増幅』と『癒し』よ』


和の疑問に答えたのは、おっとりとした声だった。

342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 15:02:06.83 ID:SmYC2r4jO [24/28]
しかも、スピーカーからのものだ。

『私の能力、『増幅』は対象の身体能力を一時的に著しくあげるものよ』

スピーカー越しに声の主である琴吹紬が解説する。

梓「いっきに上げた身体能力によって私は影分身もどきの攻撃を可能にしたんです!」

煙幕のせいで姿の見えない梓の声が、どこからともなく聞こえてくる。

律「このまま終わりにするぜ!」

足元が揺れるのを感じた。


律「これが私のフルパワーだあああああああああぁぁぁぁっっっ!」


律の放った音波――ではなく、地面を這う巨大な衝撃波が、廊下に充満していた煙りすらも吹き飛ばして和に襲い掛かる!

刹那。

爆音とともに再び爆風が廊下に充ち溢れる。

律「やったか?」

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 15:03:58.42 ID:SmYC2r4jO [25/28]
煙りが邪魔なのは律にとっても同じだった。

律はしっかりと和の様子を確認しようと眼を凝らす。

和「甘いわよ」

声とともに今まで視界を占めていた煙りが一瞬で消える。

和「ほんのちょっとだけど、ヒヤヒヤしたわ」

和は一切傷を負っていなかった。

和「残念だったわね、律……悪いけど、これで終わり、よ!」

沸き上がる『理不無』を律にぶつけようと振り上げた拳は、けれども、止められていた。


「律に手出しはさせない!」


秋山澪のベースによって。

一瞬の瞬きの間に現れた澪はベースのボディを利用して、和の攻撃を完璧に受け止めていた。

和「……!」

澪「私の『理不無』は『鉄防(てつぼう)』――『理不無』による鉄壁の防御だ!そして――」


344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 15:06:39.05 ID:SmYC2r4jO [26/28]
澪が吠える。

澪「――これが私のもうひとつの『理不無』――『反射』!」

強い力を澪から感知して、和は拳を引っ込めた。

澪「倍返しだあああああああああああああああああああああああんっっっっ!」

力の塊が和に跳ね返る。


ずどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんっ!!

澪「どうだっ……ぶっ、わあああああああああああ!?」

和「甘すぎよ、澪」

律「そ、そんな……」

梓「澪先輩の『反射』がっ!!」

紬「どさくさにまぎれて私登場、って澪ちゃあああああああああああああああああ!!」

和「これが実力差ってやつよ!!」

バンっ!!

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 15:15:01.17 ID:SmYC2r4jO [27/28]
和「さあ、どうするのかしら?あんたたちで私に勝てると思ってる?」

「思ってるよ」

澪「お、お前は……」

梓「唯先輩!」

律「唯っ」

紬「ちゃん!」

唯「待たせたね、みんな」

和「ふっ……決着をつ……ぐはあああああああああああああああああああああ???????」

唯「私の勝ち、だよ!」

私「さすがね、唯」

唯「どうしてこんなことをしたの、和ちゃん?」

和「ふっ……あなたを思う、愛ゆえよ」

唯「……和ちゃんの馬鹿」

和「知らなかった……愛が、愛がこんなに悲しいものなんて……ガクッ」


最終章・完!!

346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/05(水) 15:28:47.88 ID:SmYC2r4jO [28/28]
どうでしたか、皆さん

楽しんでいただけましたか?

僕は正直途中から楽しくなかったです
なのでここで本当にやめます
三日近くひっぱっておいてなんですけどぼくにはSSを書く才能がないみたいです
でもこのSSはぼくの作品の中では一番だと思ってます

まとめサイトさん

このSSをダメなSS代表みたいな感じで載せるのはどうですか?
カルーアスレとかはいつもいい作品ばかり取り上げるのでたまには僕の作品も取り上げてほしいです
いやでも皆さん最初はのシーンとかはワクワク((o(^-^)o))したでしょ?
僕もワクワクしました
こういう気持ちって大事ですよね?
あのところでこの作品どこがダメか自分ではわからないんでよかったら感想下さい
どんな意見も受けいれるんで
ちなみにおっぱいで人を殺すことはたぶん無理だと思います
どうもお世話になりましたサヨナラ

それと保守してくれた人ありがとう

また絶対会いましょバイバイ!

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